2ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT Version.5

1 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:25:41 ID:DC71IuVmP
当スレッドは、「仮面ライダーシリーズに登場するキャラクターでバトルロワイヤルをしてみよう」という趣旨のSSスレです。

企画の性質上、登場人物が敗北・死亡する描写や、残酷な表現が含まれています。
また、二次創作という性質上、本編のネタバレを多く含んでいます。
閲覧の際は、その点をご理解の上でお願いします。

企画の性質を鑑み、このスレはsage進行でお願いします。
また、このスレの話題を他のスレに持ち込んだりしないでください。

2 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:26:09 ID:DC71IuVmP
Ignis aurum probat, miseria fortes viros.
(黄金は炎に、強き者は悲しみによって証される)
                 セネカ「神慮について」

まとめwiki
http://www8.atwiki.jp/rnext/
避難所(様々な議論や交流雑談、試験投下や規制時の一時投下など)
http://www6.atpages.jp/riders/bbs/board/
雑談スレ
http://www6.atpages.jp/riders/bbs/test/read.cgi/board/1206169641/l50
議論スレ(強制ID)
http://www6.atpages.jp/riders/bbs/test/read.cgi/talk/1210423244/l50

初めての方は、ゲーム進行上の特殊ルールをまとめた以下のページもあわせてご覧下さい。
http://www8.atwiki.jp/rnext/pages/29.html

初めて投下する方は、以下のページで予約システム等を確認してください。
http://www8.atwiki.jp/rnext/pages/36.html

誤字脱字や矛盾の指摘以外の主観的な意見や批判は「毒吐きスレ」で。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1182007206/
#書き手は毒吐きスレを見る義務はありません。
#吐き出しですので、むしろ見ないことをお勧めします。



3 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:26:30 ID:DC71IuVmP
■作品の投下と進行について
予約なしでも投下は可能ですが、予約をする場合は、投下までの期限は一週間となります。
申請により、三日間の延長が可能です。

投下後、作品に明らかな問題があると判断されたときは、NG(修正・破棄)が発議されることがあります。
NG発議をする人はレス一行目にそのことを明記し、発議の理由を具体的に述べた上で
以下の議論スレへの誘導を行ってください。
http://www6.atpages.jp/riders/bbs/test/read.cgi/talk/1210423244/l50

ただしNGを発議出来るのは、以下の条件を満たすときに限ります。
1:文章そのものが小説の体をなしていない(日本語として意味が通らない・台本形式等)
2:作品の中に矛盾がある、時間の進行が明らかにおかしい、重要な出来事の描写がない、状態表と本文が一致しないなど、内容的な不備がある
3:原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている
4:前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている(死んだキャラが普通に登場している等)
5:全体のバランスをこわしかねない展開やアイテムが含まれている(ただし、あらかじめ相談の上、住人や他書き手の承認を受けている場合を除きます)
6:企画の基本的なルールを逸脱している場合(予約されているキャラを別の書き手が投下、参加者の追加、制限の無視等)

以上の条件を満たさないNG発議は無効です。
「贔屓キャラが死んだ」「先の構想が潰された」などの主観的な不満は愚痴に過ぎません。
毒吐きスレで存分に吐き出してすっきりしてください。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1182007206/

投下ルールについて、詳しくは、以下のページを参照してください。
http://www8.atwiki.jp/rnext/pages/36.html

4 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:26:48 ID:DC71IuVmP
■参加者名簿■

主催者 村上峡児

【初代】3/4
○本郷猛/●一文字隼人/○死神博士/○ゾル大佐
【アマゾン】3/4
○山本大介/○モグラ獣人/○十面鬼ゴルゴス/●立花藤兵衛
【クウガ】4/5
○五代雄介/●一条薫/○ゴ・ガドル・バ/○ゴ・バダー・バ/○ン・ダグバ・ゼバ
【アギト】4/5
○葦原涼/○風谷真魚/○北條透/●水城史朗/○風のエル
【龍騎】4/5
○城戸真司/○東條悟/○香川英行/○手塚海之/●芝浦淳
【555】5/5
○木場勇治/○長田結花/○海堂直也/○北崎/○澤田亜希
【ブレイド】4/5
●剣崎一真/○橘朔也/○金居/○城光/○志村純一
【響鬼】4/4
○日高仁志/○桐矢京介/○和泉伊織/○歌舞鬼
【カブト】4/5
●天道総司/○影山瞬/○乃木怜治/○加賀美新/○風間大介
【電王】4/5
●モモタロス/○ハナ/○桜井侑斗/○デネブ/○牙王
【FIRST・NEXT】5/5
○本郷猛/○一文字隼人/○風見志郎/○三田村晴彦/○緑川あすか

5 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:27:15 ID:DC71IuVmP
仮面ライダーバトルロワイヤル2nd Part0
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1201602112/
仮面ライダーバトルロワイヤル2nd Part1
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1204780567/
仮面ライダーバトルロワイヤル2nd Part2
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1207484751/
仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT Version.3
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1209566468/
仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT Version.4
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1210669557/

6 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:29:07 ID:Lvi9Z42B0
警告!!

当スレは、あくまで二次創作の企画です。
本編中の作品等への影響、また関連性は皆無とお考え下さい。
あくまで パロディ として作品をお楽しみいただければ幸いです。

7 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:31:27 ID:P2ZcU1lF0 ?2BP(1)
>>1
乙です!

8 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:34:23 ID:Lvi9Z42B0
ずーっと毒吐で新人擁護してたのは将軍様だったのか。
さすがやさしいお方だ。

9 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:39:33 ID:Lvi9Z42B0
                               ||
                             :|::|
                             | |
                           ,r‐´:::::::`ヽ
                         ,,r:´::::::::::::::::::::::::`ヽ
                        r::  _,,r・´|;`ヽ:::::::::`ヽ
                       /:: r・´   |;;;;;;;;`ヽ、::::`ヽ
                      /::r´ /;;|   |;;;;;;;;;|\`ヽ::::`i
                      r´  | :::|   |;;;;;;;;;|::::::|:::::`ヽ::i
                     /:::/;|:::|/   |;;;;;;;;;\::|::::|\::`|
                     | |/__,,,,,, --ーーーー-- ,,,,,,_::\|::::|
                     |_,,,・;;;;;;;\/;;;;;;|;;;;;;;\/;;;;;´・,_,,|
                     I‐i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iーI
                       i;;;;;;;;;;;;;;;;,,rーーーーヽ;;;;;;;;;;;;;;;/
                       i;;;;;;;;r´ r一一ーt`ヽ;;;;;;;/
                        `i;;;i    ⌒⌒   i;;;;/
                        |;;i;ヽ  (   ) /;;/;;|
                       ノ  ヽ;ヽ、________ノ;/;;;;;

10 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:39:53 ID:Lvi9Z42B0
 __〕 〔___     〕   〔 ___
゙l      /   ___ 二二二 、〕 〔_____ロロ X  i\
ノ  〔 ̄|  |__iーi゙l 〔 |___  ||     /|___  |<  〉ノ  |
 ̄ ̄ ノ  /| || ,レ|  ゙l  ノ ノ 1  ロ_/|   ノ ノ >'  ,/
   /  / ノノL__ノ| ,|゙ //  |____| ∠/ |__/
    ̄ ̄ ´    '⌒゙  ̄     ,,、
                    ||||
                    ||||
                    |^|
     _,-、          / ̄ |` ̄\
    ,〔 ゙l |`l        ,イ目  |   目、
    | | | ,| |       / |_呂  .○  L目ヽ
    { | | ,| レ'`l     |___   ____|
   {  !  ゙ヽ,|     ||┌―-、`Y´, -―┐||
   |      リ    .<|| \_・〕 | 〔・_/ ||>
   ,〕     ノ     「| ̄===ー\‐=== ̄ 「|
   {   三彡      ||   ___⊥___   ||
   |     I       ヾ  | ト'―‐'Y| |  リ
  ,{____」        ヾ ヾヽ___/リ  /
   「     | ______ トー―――‐イ _______
  |     |イ噐噐|ロ|ロ|ロ|Y’______‘Y|ロ|ロ|ロ|噐噐iヽ
  |     |四四  |ロ|ロ|ロ旦旦旦旦旦旦旦旦ソ,イ噐噐mロ|

てすと

11 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:40:47 ID:Lvi9Z42B0

        r、         ll
         \、       ll
          \、      .jl
            \、_,..-_''旦 ー- 、
             ゞ'==r'''''''ー-、 `ヽ、
           ,/^!o=ィi、.   ヽ  ::::ヽ
           / /イニニト、ヽ ::::: ノ  ::::::ヽ
           l.// -_-_j、ヽ`ー'"  __i、:::l
 r、 ∩       ゙i リ´_/___ヾ、!  ::::::::::l\__;l
 l l.i i        lに`-_ー_'''_''_! ::::::::/ /-,、
 ! li !        ヾ!''",,.......,,,__二ニ刀Τ;ノ .ヽ
 ! l ,L... 、  _,,.-''"{、~-_ニニ== //;;/  /
. {三ミ、 ニ,.} , '"    ヾ--ー--ー''",/'"  ::/
..i― ミミミトノ >―---_、 ヾ-ーー''" /ー、 :::/-に
. !     l /, -ー=―そ―――ゞ ⌒ヽ lヽ、
{、___;;j,ォ/    :::::;/____/ :::    ` ::::
上==イ /     ::「     / :::      :::::.
=-二ア=-'---、_ ::::i、___l :::    :::::::/
ー-,,///    //7――――--,=- 、_ ::,-くヽ、
l  { l l l    l l l       /    l 下  ヽ


12 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:41:13 ID:Lvi9Z42B0
l'、       / /| ','~     ) ヽ,,,
.ヽ`''-,,,   /<,,,/''>| `-,,_,,-''~ ,'/ l
  \  '''-/, ,__, 彡 '、   ,,,-ニ  /}
   \,,;;;{コ E 彡   '-─''-~  ,,/ ヽ
     〆i},;w/=  ,,,-''' ̄ ,,─~~ /  |
     ヽ,ヽ、, 、,,/,,--~ ̄    /  ,,l
       ',ヽl l /~ __,,,,,,,−' ̄,,,,,,/l
       }-、 ' ,ニ=,,_''‐---‐'''~~ ,,| |
,       ヽ{     "'''=-----‐''~_,-┘
ヽ、     <l/l、  ヽ, ~"'''''''''ニ"" ̄~
  >‐-、    ヽヽ,-、__l >‐''""",,-‐ニニ~~
,,;''  ̄ヽ}     \.l,,/  ,,/~~/~ ,,/,,
'  ,,, ''''''ヽ、  / / [ >,,/~;;/~/~
‐'''''''''''' 、,,''ヽ,/ / /,/";;/;;;;;;<
      \/ /  /,, ''-,,///;;;;;,-ニ−

仮面ライダー響鬼 未だ生存中

13 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:41:42 ID:Lvi9Z42B0
                  、     ,
                     ヽ    /
                    ,ヽ-;‐;-i!.、
                , '⌒i!| |/!⌒`'、
                    /:.:.:.:。|!| |:|!:.:.:.:.:.:ヽ
                i:.:.:.:.:/|!| |:|'、:.:.:.:.:.:.!
               l、_;ノ┘| |└ヽ、_;;ィ
                ト'´;:、 -‐- 、`‐-!
                ヽ、\. : | /`>::.!
               ,:=ノ、ヽ _,/-'/ト、
                lヾ、:::`::─::::':´::./:::.ヽ
         _,. ;-‐'::"´\:ヽ:::::.::::::::::::/;':::::::.``‐-、___
       /::::::::/|:::,::::-‐'´::ヽ\_;::::-‐´::``‐-:、::.∧:::::::.``' 、
      /::::::::::::/'´::::::::::::::::::::::::`'Y'´::::::__::::::::::::::::``ヽ:::::::::::::::.ヽ
      |__:::::::/:::::::::::::.:. .  .:.::::::::|::.:.((⌒しメ、:::::::::::\_,::-‐┤
      /::::7‐'´|::::::::::.:..:. . .:.:::::::::|:::.:.:`´::::´::::::::::::::::::::|::::/´ ̄\
    //:::::::::::\:::::::::::::. :.::::::::::人:::::::::::::::::::::::::::::::::::/、i:::::::::.:::::::. \
   //´::::::::::::::::イヽ、__::_;/!±\_____;//\ :::::-='´;:::::.\
/´;'/´::::::::::::::::/ | .::::. ̄ ̄|±±±コ|:. ̄ ̄ ̄.::ヾ〈  .\ソ/:::::::::::::.ヽ
:::::ゞ、ヽ:::::::::/´  ├‐::=─|±±±コ|==─=-‐/, ‐'::´ ̄`ヾ::::::::::::::.}
:::::::::::::ヽ;/      |;::.-=─:!±±±フ;‐==─, -‐、;´.:.:.::::::::::::::::::.\:::::;-'
:::::::::::/        L___ヾ≡/', -‐''::´:ヾ=ィゞ!::::::::::::::::::::::;. -‐'´
 /          く二ニ二_r =彡;-‐'; -‐':´_;;::」---‐''" ´
´              | .:.:.:.|! ○`、-;U"´:::. ̄´´!
               」:─┴t──´‐,┴──‐┤

南幸太郎 池面

14 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:45:49 ID:Lvi9Z42B0
>>1


2449 :やってられない名無しさん:2008/05/26(月) 02:17:13 ID:???O
>>2446って書き手なのか?



スレ立て乙です!!将軍様

15 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:46:50 ID:Lvi9Z42B0
飽きたから寝る。
他の人、支援してあげてね。



16 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:48:19 ID:Lvi9Z42B0
ほんと削除依頼とか好きだよねぇ。将軍様。
お前みたいなクソヤロウが消えたら、荒らしもいなくなるのに。

17 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:49:43 ID:Lvi9Z42B0
っていうかお前がいなくてもロワはやっていけるんじゃねぇの?
はっきりいって邪魔だよ、他のロワでやってろ。

18 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:52:41 ID:Lvi9Z42B0
自分が管理する議論スレに呼び込んで、手足縛って議論もくそもねぇ。
将軍様よ、消えてしまいなよ。
現にあんたがここで投下したもんなんて2つしかない。
もう、いなくてもスレは回ってんだよ。


バイバイ、将軍様。

19 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 02:54:33 ID:iRnwAJ/2O
それ賛成!!
独裁者は消えるべきやな

20 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 13:31:46 ID:I7FWX/ozO
結局、住人減らして荒らしを増やしたのか
強制IDの議論スレのレス、消去したほうがいいぞ
あれみた第三者は酷すぎると思うはず、自分が正義と盲信するのは恐いことだな

21 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 16:24:18 ID:iRnwAJ/2O
そやね。
こんな屑スレは俺も叩き潰す側に回るわ。

22 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 18:17:04 ID:AMX1Pjq00
>>21
お前も暇だな

23 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 18:20:41 ID:iRnwAJ/2O
暇やないよ

数少ない時間を押して参加してんや

24 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 18:37:21 ID:x4qMSvE40
>>23
その労力をもっと有意義な事に使って欲しいな
こんなところで油なんか売っていないでさ

25 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 18:49:12 ID:lKRH6bTf0
素朴な疑問だけど油を売るの語源ってなんなんだろうね?

26 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 21:25:47 ID:h5XFkMpQ0
油すましじゃね?

27 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 21:26:11 ID:h5XFkMpQ0
上げちゃった、すまん

28 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 21:55:31 ID:nKMaYHwJ0
相変わらずゴミばかりだな。
汚らわしい。

29 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 22:08:19 ID:iRnwAJ/2O
そやな

みんなあほやから

30 :名無しより愛をこめて:2008/05/26(月) 23:52:24 ID:GenO+CBj0
実は>>23ってかなり恥ずかしい事の宣言じゃないか?
頑張ってるね、とでも言って欲しいのかな


31 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 12:55:20 ID:57/R0Pod0
>>30
かわいそうな目で見てほしいんだろうな。ドM?

32 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 13:31:02 ID:uOLfN9Dy0
投下まだー

33 : ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 13:59:58 ID:kZjgK5DQ0
木場勇治、影山瞬、死神博士、牙王、十面鬼ゴルゴス 投下します

34 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:00:30 ID:kZjgK5DQ0
壊れかけた戸に背中を預け、夜の海を眺める青年がいる。
優しげな表情。しかしその瞳の奥には灰色の光が宿っている。
青年、木場勇治が海を見る理由は特にない。ただなんとなく、だ。
本当ならすぐさま移動したかったが影山の希望によりほんの少しの休憩。
変身できない影山は倉庫の中に、オルフェノクとして戦闘能力を有する木場が見張りをするのは当然といえた。
見張りといっても木場自身疲労はあるので飾りに近い。
闇に目を凝らす事も気を張り続けることも億劫になるほどで、だから木場は海を眺めていた。

あと5分ほどしたら移動しよう――

今こうして休んでいる間にも殺し合いが進んでいるかもしれない。
否、進んでいるのだ――と、木場は認識を改める。現に影山は有無を言わさず襲ってきた。
こうして一緒に休息を取れている事自体奇跡に近い。
この奇跡を無駄にしない為にも一刻も早く仲間を集めるべきなのだ。
だが疲労があるのも事実。無理をしては元も子もない。だから、あと5分。

(ってなんだか朝起きたくない子供の言い訳みたいだな…)

言い訳じみた自分の思考に思わず苦笑する。
笑える余裕があるだけ、こうして海を眺める暇があるだけ自分は幸運なのだろう。
ゲームに参加させられた時点で既についていないがそこには目をつぶる。
この幸運を生かしたい。そう思っていた矢先だ。小さな流れ星を見たのは――


35 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:01:20 ID:kZjgK5DQ0

障害物のない海上。
夜だからこそ映える光。
そしてオルフェノク特有の優れた五感。
様々な条件が重なり、偶然にも木場には見えた。地上に落ちる小さな、小さな流れ星が。

(流れ星…落ちたのかな?)

最初は木場も珍しい物が見れたな、程度の認識だったが2度3度と同じ現象が相次ぎ流石に気づく。

(あそこで戦闘が起きてる!信じられないけど、流れ星を呼び寄せて攻撃しているとしか考えられない…)

デイパックから取り出した地図をマグライトで照らし、流れ星が落ちたであろう場所を推測する。
その様子を怪訝に思ったのか奥で休んでいた影山も木場の広げた地図を覗き込んだ。

「どうした?何かあったのか?」

影山の言葉を無視して木場は思考する。


36 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:01:25 ID:uOLfN9Dy0
 

37 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:01:48 ID:uOLfN9Dy0
 

38 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:02:07 ID:kZjgK5DQ0

(恐らくG−4エリア…オルフェノクの力で駆け抜ければそう時間はかからないはずだけど…)

問題はある。変身制限があるためいつまでオルフェノクでいられるのか。また、どれだけの時間で再び変身できるのか。
そもそも今から行った所で間に合うのか、という根本的な問題もある。無駄に時間を過ごすだけかもしれない。
木場が思いつくだけでもこれだけの問題点があるのだ。だが、それでもなお…

「影山、俺は今から戦いを止めにいく。できれば一緒について来て欲しい」

木場は止めに行く事を選択する。きっと彼なら、乾巧なら無謀な状況でも止めにいくはずだ。

「別に俺はいいけどよ…どこに向かうつもりなんだ?」

そう言われて木場は今から向かおうとしている地点を地図上で指し示す。

「遠いだろ!?それとも何か当てがあるのか?バイクとか、車とか?」
「いや…」

当てはある。バイクや車等といった機械ではなく、最も信頼できる当てが…

(できれば使いたくはないが、今はこれ以上の手がない…)

オルフェノクの紋様を顔に浮かばせ、肉体が灰色の強固な肉体へと変わるのを感じる。
影山の知る木場勇治はいなくなり、代わりにチェスのナイトのような魔人、ホースオルフェノクが現れた。

「この脚で、駆け抜ける」

疾走態となり驚きの表情を浮かべる影山とデイパックを背中に乗せ、ホースオルフェノクは夜の砂浜を駆け抜ける。

39 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:02:25 ID:uOLfN9Dy0
 

40 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:02:29 ID:DplzyKEX0

        r、         ll
         \、       ll
          \、      .jl
            \、_,..-_''旦 ー- 、
             ゞ'==r'''''''ー-、 `ヽ、
           ,/^!o=ィi、.   ヽ  ::::ヽ
           / /イニニト、ヽ ::::: ノ  ::::::ヽ
           l.// -_-_j、ヽ`ー'"  __i、:::l
 r、 ∩       ゙i リ´_/___ヾ、!  ::::::::::l\__;l
 l l.i i        lに`-_ー_'''_''_! ::::::::/ /-,、
 ! li !        ヾ!''",,.......,,,__二ニ刀Τ;ノ .ヽ
 ! l ,L... 、  _,,.-''"{、~-_ニニ== //;;/  /
. {三ミ、 ニ,.} , '"    ヾ--ー--ー''",/'"  ::/
..i― ミミミトノ >―---_、 ヾ-ーー''" /ー、 :::/-に
. !     l /, -ー=―そ―――ゞ ⌒ヽ lヽ、
{、___;;j,ォ/    :::::;/____/ :::    ` ::::
上==イ /     ::「     / :::      :::::.
=-二ア=-'---、_ ::::i、___l :::    :::::::/
ー-,,///    //7――――--,=- 、_ ::,-くヽ、
l  { l l l    l l l       /    l 下  ヽ



41 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:02:54 ID:uOLfN9Dy0
 

42 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:03:00 ID:kZjgK5DQ0
ホースオルフェノクに落とされないよう必至に踏ん張りつつ影山は考える。

(実際に変化する所をみると…ワームと大して変わらないんだな、オルフェノクって)

木場から話は聞いており、ワームの擬態等を目にした事があってもやはり人が異形の姿に変化する事には抵抗がある。
抵抗というよりも、恐怖か、もしくは軽蔑といった感情の方が強いかもしれない。

(こいつも人間を欺いたりしてきたのか…?)

不意に、以前シャドウのメンバーに擬態したワームと木場の姿が重なる。
実際には木場は欺かれてばかりの日々だったのだがそこまで理解できるほど影山は木場を知らない。
戦いを止める、というのも偽りか?あの時自分にトドメを刺さなかったのも利用する価値があると判断してか?

(仮にそうだとしても…逆に俺がお前を利用してやる!それが俺の…)

兄のように慕った男から常に言い聞かされてきた言葉を心の中で呟こうとした刹那、わずかに聞こえた爆発音。

「おい、木場!おい!」

木場に伝えようとするが木場は心ここにあらず、といった感じだ。
無我夢中で走っており、今の爆発音も聞こえてないのかもしれない。

(まぁ…いいか。下手に面倒な事に巻き込まれるのもな…ってなんで空が見えるんだ?あ、街。あ、木場、あ、砂…)

43 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:03:31 ID:uOLfN9Dy0
 

44 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:03:58 ID:kZjgK5DQ0

「まぁ、こうなる気はしてたけどな…くそっ、いってぇ…」
「俺だって予想はしてたよ…はぁ、せめて制限時間が分かれば終わる頃にスピードを緩められたんだけど…痛い」

顔や腹を抑えつつ、木場と影山は夜の砂浜をとぼとぼと歩く。
制限によりオルフェノクとしての力が唐突に無くなり、全力疾走していた木場は制御できず盛大にずっこけたのだった。
背中に乗っていた影山も例外ではなく受身も取れずに顔面から砂浜へと突っ込み、ちょっと泣いた。
とんだ目にあった二人だが目的地である市街地は既に近く、足の砂浜は砂利道に、砂利道からコンクリートへと変わっていった。

街灯もまばらな街中を歩きつつ、感覚を研ぎ澄ませるが誰もいる気配はない。

「本当に戦闘があったのか、って感じだな。綺麗なもんじゃねぇか」
「見間違いじゃないはず…だけど。もしかしたら別のエリアかもしれない」

別のエリアへ向かおうか、と思っていた矢先に唐突に開かれる視界。
地面にはクレーターのようなものがいくつもあり、まだ煙が燻っている様な場所もあった。

「すげぇもんだな…」
「あぁ、ただ、誰もやられてはいないみたいなのは幸い、かな」
「…すげぇってのは、まぁこの戦いもそうだがこんな市街地奥の戦闘をよく見れたな、ってことさ」
「…何が言いたい?」
「別に?流石オルフェノク、って言いたいだけさ」

二人に嫌なムードが広がる。影山が木場の機嫌を損ねて良い事などないのだが、恐怖を認めたくないためか、つい口が悪くなる。
そう、恐怖だ。このゲームにはこれほどの攻撃を仕掛ける者が。また、その攻撃を凌ぎ切り生き長らえる者がいるのだ。
果たして自分がこの場にいたとしたら、果たして生き延びる事ができただろうか?正直影山にはその自信はなかった。

「ともかく、折角市街地まで来たんだ。誰かいないか探索してみよう」

木場が無理に明るく提案する。この嫌なムードのせいもあるが、木場もまた恐怖していたのだ。

45 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:04:48 ID:kZjgK5DQ0
――少し時は遡り、怪人チーム

牙王とゴルゴスを率いて早速研究所へと向かおうとする死神博士に異議を唱える者が二人。

「腹が減った」
「腹が減った」

歴戦の兵、死神博士とはいえ流石にこの言葉には呆れた。

「貴様達、状況がわかっていないのか?」
「うるさい…食いたい時に食うんだよ…俺は」

牙王の言葉に思わず頭に手を当てる。相当の自信家か、あるいはアホだ。

「ワシも血が欲しいのだ。そこの食いしん坊の血でもいいが、できれば若い人間の血の方がいいからなぁ…」
「どっちが食いしん坊だか…血の吸いすぎでそんな身体になったんじゃないのか?」
「これは元々だ!」

牙王も牙王ならゴルゴスもゴルゴスだ。下手に実力があるだけに手が負えない。

「あぁ、わかったわかった。貴様らの言い分を飲もう、と言いたいがゴルゴスよ。
 貴様、血が欲しいと言ったがどうする気だ?」

ここは市街地だ。探せば食料等は見つかるだろうし牙王の方は問題ない。
問題はゴルゴスだ。まさか肉屋を探して生肉から血を絞り取れ、とでも言うのだろうか。


46 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:05:26 ID:DplzyKEX0
ヽ r- 、  。ヽ、 _____ _   _____ 、r‐。´ ,  ' ´ / /
. ヽ\__ヽ 〈{   ヽ 、  O、` ´ .,O _ - ´  }〉   ー‐‐´ /
.  ', r-- 、 oヽr‐r-_、_ ヽ、 ヽ,- / /  __ -_r-/ ゚ , -‐' フ /
  ヽヽ__ゝ  {::::|´ _`ヽ ` f{リY´ /ミ_`|::::} 。 ー‐ ´ノ
    ヽ ,---、゚ ',:::::|ニ―=、ヽ |V | //, -―ニ|:::ノ <´ フ.ノ
    ヽ 、_ - '。 、::lヽ ⊆⊇ゞノl o l〈く⊆⊇_/ lノ ゚---, r´
    `{ r―-  。ー。‐ニ=‐=',_ノヽ=ニ‐ 。‐´ ゚-ニ-´ノ
     `ヾ=´-- -r 'ヽ=/   {  `\ヾ=`ヽ 、___ノ´
       `ヽv´ソニフ/_______ヽニニ、_。!ノ_
       rニfィ‐≦ヽ ヽ、――――v/ / ィ ハミーヽ
     /ニノ ` ヽ`` ',   _   / 〃/´  ーニミヽ
     ´  ̄    ヽ、  f.l    ソ/  イ       ̄`
           __|.ヽ  ヾ、ー‐‐ノ/  , ´{___
      r‐ ´    | ` 、 `ー=‐' , '  .|   `ー-、
       「| _,    .| l  ヽ ` ̄´, ´  l |     _, |[
      |l{ T    ,' │   `ー‐´  ./ .',    T |:|
      |||__, --rノ  l        ,'  ヽ―--、_」:|
    r‐'::::::::::::/     l       /    \::::::::::::::::::7


47 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:05:37 ID:uOLfN9Dy0
支援

48 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:05:38 ID:kZjgK5DQ0

「ふん、適当に参加者か、あるいは死体でも捜してくれるわ!」

別に他の参加者や死体に何しようが死神博士には本来なら関係はない、が。
もしも遠くまで勝手に行かれて合流が遅れる、なんてことになると研究所に向かうのが更に遅れる。
研究所は他の施設より明らかに魅力的だ。今こうしている間にも他の参加者が向かっているかもしれない。
一刻も早く研究所を手中に収めたかった。

「ふむ、30分だ。30分したらこの病院に集合だ。それでいいな?」
「30分!?貴様、このゴルゴス様にそんな縛りを設けるとはいい度胸だな!」
「ハッ…自信がないのか?30分の間に血を補給する自信が…」
「なにぃ!?」

牙王の煽りに思わず感謝したくなってしまった。こう言われてはゴルゴスも引くわけにはいかないはずだ。

「いいだろう!30分したらこの病院前に集合だ、それでいいな!」

案の定ゴルゴスはカッカした様子で夜の街へと消えていく。30分は妥協に妥協をした結果なのだ。
それに文句を言われて下らぬ話し合いを続けられては困り者だったのだが、牙王のおかげですんなりと決まった。
粗暴な割りに誰かを率いていたのかもしれない。牙王は思ったよりも使えるか?

「それより飯だ…コンビニでも探すぞ…」

飯の事しか頭にないのか。一瞬でも牙王を評価した自分を死神博士は恥じた。
『コンビニ』なるものがなんだかわからんがとりあえずは牙王に付いて行く事にする。
そうして歩くうちにふと嫌な考えが浮かんだ。

こんな勝手な奴らが30分という約束を守るのだろうか――

49 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:06:17 ID:uOLfN9Dy0
 

50 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:06:40 ID:kZjgK5DQ0

          *   *   *


「遅い!」

病院前で吼えるのは死神博士でも牙王でもなく、ゴルゴスその人であった。
人間の一人や二人すぐに見つかると思っていたため30分という制限を呑んだが結局誰とも会わなかったのだ。
そうして苛立ったまま律儀に約束を守り病院前まで帰ってくれば誰の姿もなく結局待つことにしたのだが…
待つこと5分、10分と経つうちに苛立ちはピークに達した。もはや、限界だ。

「このゴルゴス様が約束をわ・ざ・わ・ざ守ってやったというのに奴らときたら!
 多少まずそうでも構わん!奴らの血を吸ってくれる!」

怒り心頭の赤い悪魔は再び夜の街へと消えていく。
木場と影山がこの場で恐怖するほんの10分前の出来事だった…

51 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:07:13 ID:uOLfN9Dy0
 

52 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:07:50 ID:kZjgK5DQ0
――牙王と死神博士がその時何をしていたのかと言えば――

商品棚から目に付いたものを奪い、開封し、食らう。
それこそ弁当だろうがパンだろうがスナック菓子だろうが、見境無く全てを平等に、牙王は食らう。
市街地エリアに存在するコンビニの内の一つに、牙王と死神博士は居た。
コンビニとはこういう店なのか、と納得している死神博士をよそに牙王はさっそく食事を始めた。
どれだけ時間が経ったのかもわからないが、食事は一向に終わりそうにない。本当に食らい尽くす気ではないだろうか?

「呆れて物も言えんわ…」

付き添いの死神博士が飲食したのものといえばお茶一本のみだ。
普通はそうだ。こんな状況で自らの欲望に忠実に従う等どうかしている。
こんな自制できない奴とは本来なら一緒に行動したくはないが状況が状況なのでやむを得ず、だ。
ふと思い出したように時刻を確認してみればゴルゴスとの約束の時間であった。

「おい、それくらいにしておけ。そろそろ動かんと間に合わん」
「知るか…あんな奴いくら待たした所で問題ない…」

そう言いつつ4個目の牛丼弁当を開封し、食らう。
そんな牙王を見て苛立ったが、考え直し予定を変更する。

(今更急いだ所で既に誰かが研究所に居座っている、か…ならば奪えばいい。それだけの事だ)

それならば、と死神博士もおにぎりを開封し、食べる事にした。
約束の時間は既に過ぎていたがもはや気にする事はやめた。

「…美味いな」

予想外の美味さに思わず声に出してしまう。そんな反応を見て牙王はニヤリと笑うのだった。

――こうして、ゴルゴスは無視された――

53 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:08:16 ID:uOLfN9Dy0
支援

54 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:08:27 ID:kZjgK5DQ0

怒り心頭のゴルゴスは街を行く。
仮に獲物となる者を見つけてもすぐに殺しては腹の虫が収まらない。
じわじわとなぶり殺しにし、生きたまま吸血しながら苦しむ獲物の表情を楽しむのだ。
内なる怒りとは反対にゴルゴスは笑みを浮かべている。楽しみでしょうがない、といったように…

55 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:09:14 ID:uOLfN9Dy0
 

56 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:09:26 ID:kZjgK5DQ0

          *   *   *

G−4エリアの探索を終えた木場と影山の二人は次の探索場所を西ではなく南を選んでいた。
というのも影山の一方的な提案であり木場はそれに従っただけなのだが。

影山は木場に伝えていない事がある。砂浜をホースオルフェノクの背に乗り駆け抜けていた時に聞こえた爆発音。
誰かがいるのは明らかだったが、殺し合いに乗った者である可能性がある事を考えると接触は避けたかった。
爆発音の事を言えば木場がそちらへ行こうとするのは容易に想像できる。だから爆発音の事は伏せ南下する意図だけを示した。

そうして市街地を探索し始めてどれだけの時間が経ったのだろうか。
途中で誰かと遭遇する事も、あるいは何かを発見することもなくただ時間だけを消費していた。
気づけば輝く星は見えなくなり、空は白く染まりつつある。太陽が顔を見せるのもそう遠くはないだろう。
探索を切り上げ、二人は海が見える場所で休憩をする事にした。
ここが普通の世界なら恋人達の憩いの場所となるのだろうが…男二人しかいない今では寂しい印象しか与えない。

「はぁ…」

穏やかな海を見つめる木場からため息がこぼれる。
戦闘に間に合うとは思っていなかった。頭ではわかっていたのだが…
それに市街地に来れば誰かしらと会えるのではないか、という期待もあった。
これからどうするべきか。ただここで来るともわからない参加者を待つのか。
ぼんやりと考えていると軽く目眩がした。今更ながらまともに休んでいない自分に気が付く。
どこかでしっかりと休息するべきだな、そう思っていた矢先。


木場と影山は爆風に吹き飛ばされた。

57 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:10:57 ID:uOLfN9Dy0
 

58 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:11:12 ID:kZjgK5DQ0

怪我をしなかったのは偶然なのか、それとも相手が狙ってやったのか。
影山の方を見ればこちらもおなじく大した怪我はしていないようだ。
顔を合わせ、お互い頷く。殺し合いに乗った相手なら、やる事は一つだ。
素早く立ち上がりファイズフォンに変身コードを打ち込む。

―――Standing by―――

「来い!ザビーゼクター!」

主の声に応じて飛来したザビーゼクターが右手に収まる。
ファイズフォンを明るくなりつつある空へと掲げ、ファイズドライバーに装着する。
ザビーゼクターを左手のライダーブレスへと装着させる。

「変身!」
「変身!」

―――Complete―――
―――HENSHIN―――

フォトンストリームが木場の全身を巡り黒と銀のスーツを形成する。
蜂の巣を思わせるアーマーが影山の全身を包み込む。
変身が完了し、二人で背後の襲撃者を睨む。
少し離れた場所に『ソレ』は、いた。
巨大な赤い岩に人の上半身が生えた、なんとも珍妙な襲撃者が。

59 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:11:24 ID:Q3lZYzw50


60 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:11:44 ID:uOLfN9Dy0
 

61 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:12:13 ID:kZjgK5DQ0

「貴様ら両方仮面ライダーか!面白い、叩き潰して俺様の血肉としてくれるわ!」
「仮面…ライダー?」
「マスクドライダーシステムだから仮面ライダー…か。ふざけてるな」

苛立ちを隠さずザビーがゴルゴスへと突撃する。
左手を振り上げ突き出した時には目の前にいたはずのゴルゴスは消えうせていた。

「何!?」

目標を失いキョロキョロと辺りを見回すザビー。
あの巨体でそう素早く動けるとは思えないが、まさかのクロックアップか!?と考えていると嘲笑う声が空から聞こえた。

「馬鹿が!上だ!」

悪魔の岩石が今にも押し潰さんと迫る。虚を衝かれたザビーは咄嗟に動く事ができない。
このままいけば蜂蜜の代わりに赤い血を撒き散らし蜂の巣はぺしゃんこになるだろう。
だが、ザビーは一人ではない。
後方で様子を見ていたファイズはゴルゴスに浮遊能力がある事を確認すると、
ファイズフォンをバーストモードへと変形させ、赤い光弾をゴルゴスへと乱射する。
ゴルゴスが怯んだ隙にザビーはファイズの元へと走る。

「あぶなかったね」
「お前に助けられなくても対抗手段くらいある。それよりさっさと撃てよ」
「はぁ…わかったよ」

赤い光弾がゴルゴスへと何発も叩き込まれていく。
だが怯んだのも初めのうちだけですぐに体勢を立て直し、ファイズとザビーの元へと突っ込んでくる!

62 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:12:16 ID:uOLfN9Dy0
 

63 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:13:00 ID:uOLfN9Dy0
 

64 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:13:03 ID:kZjgK5DQ0

「くっ、なんてタフなんだ!」
「単純にお前の銃が使えないだけだろ…くるぞ!」

ファイズとザビーはそれぞれ左右に転がりゴルゴスの体当たりをかわす。
ゴルゴスは空中で旋回し、動きの鈍いザビーへと狙いを定め再び突っ込む!
こうして何度も繰り返し獲物の体力を奪い、最後にゆっくりとトドメを刺す。
そう考えていたゴルゴスの意に反しザビーは逃げず、立ちふさがるようにゴルゴスと対峙する。

「馬鹿め、受け止めるつもりか?押し潰してくれるわ!」
「言ったろ、対抗手段はあるってな。俺を舐めるなよ!」

右手を左手に装備されたザビーゼクターへと添え…180度回転させる!

「キャストオフ!」

――CAST OFF――
電子音声と共に身体を護っていたアーマーは弾け飛び、ゴルゴスへと直撃する!

「ぐばぁっ!」

予想外の攻撃にゴルゴスは溜まらずザビーから距離を取る。

―CHANGE WASP―
ゴルゴスへカウンターの一撃を加え、ザビーはしてやったり、といった感じに上機嫌だ。

65 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:13:41 ID:uOLfN9Dy0
 

66 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:13:49 ID:lDlT3h6+O
支援

67 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:13:54 ID:kZjgK5DQ0
ファイズとザビーは並び立ち、牽制の赤い光弾を放ちつつゴルゴスの出方を伺う。

「えぇい、いい加減うっとおしいわ!」

岩石のような下半身の口からエネルギー弾が発射され、ファイズとザビーを襲う。
二人が先ほどまで立っていた場所には煙が立ち、火力の高さを物語る。

「最初の攻撃もあれか…よく無事だったな、俺達」

改めてゴルゴスの恐ろしさをザビーは体感していた。

一方のファイズはゴルゴスと射撃戦を繰り返している。
ファイズの方は命中力はあるが威力がない。連射して威力の低さを補うがそれでも焼け石に水だ。
ゴルゴスの方は火力があるが命中力がない。元々悪い上に浮遊しながらの射撃だ、まともに狙えない。
飛び道具のないザビーは射撃戦には参加せず作戦を練る。いかにしてゴルゴスに一撃を加えるか。

(もう一度キャストオフしても怯ませるのがやっと。怯むのも…状況によるがあと一度といったところか?
 その一度で決められる強力な一撃が必要だ)

銃撃戦を繰り返すファイズを見つめつつ思考する。

(仕方ない、華を譲るか)

――PUT ON――

先ほどと同じようにザビーゼクターを180度回転させ、元の位置に戻す。
身体の周りを覆うようにアーマーが形成され、再びザビーはマスクドフォームとなった。
そして駆け出す。この作戦にはファイズとの連携が欠かせない。その為の意思疎通を図る為に。

68 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:14:38 ID:uOLfN9Dy0
  

69 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:15:07 ID:kZjgK5DQ0
(まだか…!)

ファイズは銃撃戦を行いつつ、待つ。
ゴルゴスが痺れを切らしこちらの攻撃に構わず突撃してくることを。
突撃してくれば先ほどのザビーの再現というわけではないがカウンターの用意がある。
左腰のファイズショットはいつでも取り外せるようにしてある。
今はただ、待つ。こちらの攻撃は補充できるが相手のほうはどうだろう?いずれは弾切れがあるはず。
根気強く、攻撃にも気を配りつつファイズは待ち、そしてその時はきた。
痺れを切らしたゴルゴスが突進してきたのだ。

(よし!)

ファイズフォンをすかさずファイズドライバーへとセットし、ミッションメモリーを引き抜く。
左手にファイズショットを装備しミッションメモリーをセット、『Enter』を押し込む。

――Exceed Charge――

低く構え、左手を後ろに引く。ゴルゴスはもう目前だ。

(もらった!)

グランインパクトが炸裂する!まさにその瞬間ファイズは何かに吹き飛ばされた。
ゴルゴスではない、ゴルゴスに吹き飛ばされたのなら後ろに飛ばされるはずだ。だがファイズは横に吹き飛ばされた。

「大丈夫か!?」

もちろんザビーだ。ザビーの位置からだとファイズショットは丁度死角にあたり、まさかカウンターの用意があるとは思っていなかったのだ。
ザビーのパーフェクトミッションのためにファイズの力は欠かせない。だからファイズを救う為に身を挺して助けたのだが。

「何をするんだ!せっかく攻撃の用意をしてたのに!」
「助けたのにその言い草か!お前の攻撃なんかどうでもいいんだよ!俺の作戦に従えば、それでいいんだよ!」

70 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:15:39 ID:uOLfN9Dy0
パープルへイズ

71 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:15:58 ID:kZjgK5DQ0

ゴルゴスそっちのけで言い争いを始めてしまう。その言い争いは熱を帯び、二人の身体はまるで燃え上がるかのように…
否、本当に燃えているのだ。

「な、なんだこりゃ!?」
「液体が、燃えてる!?」

ファイズとザビーの身体には赤い液体が付着し、そこから発火しているのだ。

「馬鹿どもめ!そのまま燃え尽きるがいい!」

そう、ゴルゴスは痺れをきらし体当たりを仕掛けた。だがただそれだけではない。
ファイズが何か仕掛けてくるのは予想できていたため、別の攻撃も同時に行なっていたのだ。
まさに直撃、という瞬間に岩石の口から赤い液体を撒き散らした。
ファイズだけ狙ったつもりだがそこにザビーが自ら飛び込みまさに飛んで火に入る夏の虫となったというわけだ。

火を纏った二人はすぐさま海へと飛び込み、消火する。
海中から抜け出し砂浜にあがるとファイズは膝をついてしまう。
ザビーの方はマスクドフォームになっていたおかげか火炎によるダメージはほとんどない。
だがファイズは直にその火炎を身に受け、もろにダメージを受けていた。
それにまともな休憩をしていないため元々の体力の低下もあり、フラフラだった。

72 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:16:48 ID:kZjgK5DQ0

「おい、大丈夫か?俺のパーフェクトミッションにはお前の力が不可欠なんだからしっかりしてくれよ?」
「はぁ…はぁ、わかってる、よ」

砂浜へとあがる最中に既にファイズへと作戦は伝えておりあとは実行に移すだけだ。
ファイズは右足にファイズポインターを装着し、タイミングを計る。

「フラフラのようだな…このままトドメを刺してくれるわ!」

ゴルゴスがトドメの一撃とばかりにファイズへと突撃してくる。
その両者の間にザビーが乱入し、素早くザビーゼクターを180度回転させる。

「まずい!」

ゴルゴスはザビーの意図を把握し、上空へと逃げようとするが…

「キャストオフ!」



73 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:17:03 ID:uOLfN9Dy0


74 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:17:38 ID:kZjgK5DQ0
――CAST OFF――
二度目のキャストオフは再びゴルゴスへと襲来し、ゴルゴスを怯ませる。

「これしきで…「今だ!」!」

ゴルゴスの言葉を遮りザビーが合図する。ザビーの後ろからファイズが飛び出し、右足から伸びる赤い光がゴルゴスを捕らえる。

「つぁぁぁーーっ!」

円錐状の赤い光とともにファイズはゴルゴスの岩石へと蹴りこんだ!

「ぐぎゃぁぁっ!」

必殺の一撃を受けたゴルゴスはそのまま海へと墜落した。浮かび上がる様子は、ない。

「ふぅ…なんとかなったな。これこそパーフェクトハーモニー…完全調和だ」

自分の作戦が上手くいったことに喜ぶザビーをよそに、ファイズはそのまま倒れこむ。
驚いたザビーがすぐさま支える。

「おい、本当に大丈夫か?」
「ちょっと、キツイ、かな…」
「まったくしょうがないな。まぁ、ゆっくり休め」

ザビーがファイズを支えつつ、二人の戦士は海岸を後にする――

75 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:17:40 ID:uOLfN9Dy0
 

76 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:17:46 ID:DplzyKEX0
                  /      \
               {       ヽ
         ____   ハ     }
         ̄`>: : : : : ∨: : ー‐ --yz 、
         /: : : : : : : :/: : : : : : : : : : 、: :\
       /:_: : : : :/: : /: |: : : : : : : : : : :\: : ヽ
      / /// : :/: : :/:/:!: : :.:.|、: : : : : : : \: :.',
.      {/ // : :/: : :/_/:小:. :.:.|_ヽ__: : : : ヽ: l
        l/l : : !: : 7゙/ノ l| V:.|  \: : : :、 : : l: |
         |: :/|: :/:/  j|  ヽ|   \: : \: :!: \_
         |/ |;/l/x≡≡   |≡≡z.ハ: :.ヽl\: : : :\
        r┬z/:.:|           ∠─-ヘトr-く ̄ヽ :\
       r「「l {: : :\   △    ////「 { \ヽ:.:\ \ :\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


77 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:18:11 ID:uOLfN9Dy0
 

78 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:18:31 ID:kZjgK5DQ0
「どこにいくつもりだ…貴様ら…」

背後から、聞きたくなかった声が聞こえてくる。
恐る恐る振り返ると怒りに震えるゴルゴスが海からゆっくりと浮かび上がってきた。
ダメージは確かにあるようだ。岩石にあった顔の一つが今は彫刻の顔のようになってしまっている。

「俺様の顔の一つを潰して…無事に逃げられるとでも思っているのか?」

ザビーとファイズは再び構える、が。ファイズの方はフラフラで、いつ倒れてもおかしくはなかった。
そんな様子のファイズを見てザビーは思考する。

(まずいな…もう一度木場に決めてもらいたかったんだが、この状態だとどうもあと一発が限界か?
 いや、そもそもその一発を決められるかどうか…あの岩石野郎は攻撃しようとすると空に逃げられる。
 空に逃げられないように一瞬でも怯ませられればいいんだが、もうキャストオフは通じないだろう。
 木場にはゴルゴスを怯ませられる手段がない…どうする?)

すぐさま攻撃してくると思っていた二人だがゴルゴスは以外にもその場で両手をゆっくりと何かをかき混ぜるように動かすだけだ。

「何をするつもりだ…?」

「ブラック・オン・ゴォォルド!」

両手を広げゴルゴスが叫ぶ。すると明るくなりはじめた空は暗く…
空だけではない。足元の砂も。はるか彼方の水平線も。ゴルゴス自体も暗闇へと紛れていく。

「な、なんだこれは?」

暗闇。
自分が立っているのか、倒れているのか。現実なのか夢なのかもわからない暗闇。
お互いの姿が見えるのだけが救いだろうか。ファイズとザビーは背中合わせに寄り添い、ゴルゴスの襲撃に備える。
だがゴルゴスの襲撃はこない。ただひたすらに、暗闇だけ。

79 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:19:24 ID:kZjgK5DQ0

ファイズは、木場は恐怖する。
暗闇に恐怖する。この暗闇は、自分の心を現しているようで。
過去に何度もこの暗闇に飲まれた事だろうか。その度に抗い、抜け出してきた。
だが、抜け出しただけでこの暗闇は未だに自分の心の根っこの部分に根付いているのだ。
この暗闇の元凶はホースオルフェノクなのだろうか、それとも木場勇治なのだろうか。
自分自身のはずなのに、わからない暗闇。その心の暗闇のようで、木場はこの暗闇に恐怖する。
(俺は…もう二度と飲まれたりしない、絶対に!)
心を強く持ち、倒れそうな身体に鞭打って神経を研ぎ澄ませる。
自分を見ている何者かを、木場は暗闇の中で確かに感じ取っていた。


80 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:19:34 ID:uOLfN9Dy0
  

81 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:20:14 ID:kZjgK5DQ0

ザビーは、影山は恐怖する。
心に恐怖する。この暗闇にどこか、安堵を覚えている自分の心に。
何故安堵を覚えるのだろうか。暗闇とは本来恐怖の対象であり、事実今も恐怖しているはずなのに。
有り得ない、確かにこの世界に来る前から失敗を重ねてきた。何も上手くいかなかった。
だから?見捨てられるかもしれない恐怖を味わってきたから、この暗闇に親近感を感じ安堵を覚えるのか?
なら、関係ない。ザビーである限り、誰も見捨てたりはしない。わかっている。わかっているから…
(俺の目の前から、消えろ。こんな、こんな!)
暗闇のどこからか、自分を見ている自分がいるような、そんな錯覚がした。


82 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:20:41 ID:uOLfN9Dy0
 

83 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:21:11 ID:kZjgK5DQ0

音も無く、ファイズとザビーにゴルゴスは忍び寄る。
ゴルゴスは生き物とは暗闇を本能的に恐れると知っている。
だからこそ時間をかけ、恐怖でいっぱいになった頃合を見計らい空からザビーとファイズを押し潰そうとしたのだが…
ファイズが咄嗟に支え一瞬ゴルゴスの動きが止まった。その一瞬のせいでザビーも襲撃に気づけた。

「馬鹿な!?この暗闇の中で、こうまで咄嗟に反応できるとは!」

ゴルゴスが驚きと、そしてほんの少し別の感情を込めて叫ぶ。

「俺は、俺は負けられないんだ!戦いを止めるために、こんな所で…!」

ぼろぼろの身体のどこにそんな力が残っていたのだろうか、ファイズは一人でゴルゴスを支えている。

「負けられないんだ!」

ついにはゴルゴスの方が力負けをし、ぶん投げられた。その一撃のせいか暗闇はすぐになくなり、辺りは以前の光景を取り戻す。
そして力を使い果たしたのかファイズも地に伏せる。

84 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:21:41 ID:uOLfN9Dy0
 

85 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:22:00 ID:kZjgK5DQ0
投げ飛ばされたゴルゴスはすぐに起き上がるとファイズにトドメを刺さんと再び上昇しはじめる。
その様子を黙ってみている影山ではない。

「木場!起きろ!決めるぞ!」

木場を叱咤激励しつつ左手のザビーゼクターを180度回転させる。

――PUT ON――
3度ザビーは強固な鎧に包まれる。

「キャストオフ!」

――CAST OFF――
すぐさまザビーゼクターを180度回転。3度のキャストオフ。かなりの酷使だが、構っていられない。

「クロックアップ!」

――CLOCK UP――
風も、波も、上空のゴルゴスも、起き上がろうとするファイズも、全ての動きが遅くなる。
キャストオフにより身体から弾き飛ばされたアーマーも例外ではない。ゆっくりと、ザビーから弾かれ飛んでいく。
その弾き飛ばされたアーマーを足場代わりに飛び上がり、ゴルゴスの背後へとたどり着く。

「今はこれで限界、だが充分!」

――CLOCK OVER――
ザビーゼクターを右手で押し込むところで時間は再び流れ出す…

86 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:22:51 ID:kZjgK5DQ0

「ふん、今更驚きもせんわ」

サビーの身体から放たれた鎧の破片を手で払いのける。当てがはずれライダーは絶望していることだろう。
ファイズは片膝をつき、こちらを見上げている。そしてザビーは…

「何!?黄色いライダーがいない…!?」
「後ろだ!ライダースティング!」

――RIDER STING――
蜂の針の一撃が、ついにゴルゴスへと向けられた!

87 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:22:54 ID:uOLfN9Dy0
 

88 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:23:42 ID:uOLfN9Dy0


89 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:24:02 ID:kZjgK5DQ0

ファイズは自分の目を疑った。いや、これも作戦なのだろうか。

ザビーの意図は瞬時に理解した。強引にゴルゴスへと飛び移り、ライダースティング。
そしてその衝撃でゴルゴスは高度を落とすはず、そこへすかさず追撃のクリムゾンスマッシュ。
完璧な作戦。今できる最高の攻撃なのだ。


だから…今落ちてくるべきなのはゴルゴスであり決してザビーではない。


悲鳴をあげて砂浜へと叩きつけられるザビー。その衝撃からか変身は解けてしまう。

影山のスーツの背中には、酷い切り傷が――

(背中…?)

嫌な予感がして、上空のゴルゴスから、陸へ、顔を覗かせ始めた太陽に照らされ、輝く市街地へと目を向ける。
太陽の光を受け、輝く『牙』をもったライダー、そして死神のような男がそこにはいた。

90 :蜂の乱心!!:2008/05/27(火) 14:24:51 ID:DplzyKEX0
サビーは叫ぶ

「ゴルゴスの仕業か!!」

91 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:25:04 ID:kZjgK5DQ0
「ふん…約束の場所にいないと思ったら…中々楽しそうな事してるな、赤いの…」
「ゴルゴスだ!えぇい、誰が助けろ等と言った!こいつらは俺様の獲物だぞ!手出しをするな!」
「助けられたのに、随分な言い草だな…」

牙王と死神博士が病院前へと姿を現したのは約束の時間から1時間は過ぎた頃だった。
流石にゴルゴスに悪い事をしたと思い死神博士の提案でゴルゴスの探し始め、ようやく見つけた所がまさにこの時だった。

「赤いの…さっさと終わらせろ…」
「ふん、言われなくても!」

牙王とゴルゴスが言い合いをしているが死神博士の興味はそんなものより影山の周りを飛ぶザビーゼクターへと注がれていた。

(ワシの知らぬ技術のようだな。首輪の解析に役立つかもしれぬ。できれば回収して調べてみたいものだが…)

92 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:25:12 ID:uOLfN9Dy0


93 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:25:53 ID:uOLfN9Dy0


94 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:25:54 ID:kZjgK5DQ0

ファイズは倒れた影山の許へと駆け寄り、抱き起こす。

「おい、影山!しっかりしてくれ!」

何度か揺すると目をあけた。どうやら命に別状はないようだ。

「木場…お、俺は…」

「影山、ここは退こう。すぐに治療しないと」

影山を抱え、すぐにファイズは逃げ出そうとするが…

「逃がすと思ったのか、貴様!」

ゴルゴスが吼える。牙王の方はガオウガッシャーでポンポンと自分の手を叩くばかりでさほどやる気はなさそうだ。
ファイズも影山を下ろし再び身構える。ファイズアクセルが手元に無い事をこれほど恨んだ事はない。

「影山、なんとか…一人で逃げてくれ」

影山はその言葉に素直に頷けない。背中の傷もそうだが、全身疲労によりまともに動けそうにない。
この状況で逃げる事は、不可能。さらに言うならファイズ一人でこの状況を打破する事も、不可能。
生き残りたい、生き残るためには?影山の決断は早かった。

「頼む!俺を、俺を仲間にしてくれ!」

95 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:26:23 ID:uOLfN9Dy0


96 :蜂の乱心!!:2008/05/27(火) 14:26:31 ID:DplzyKEX0
「だが断る!」

97 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:26:45 ID:kZjgK5DQ0

「一体、君は何を言っているんだ?」

木場には理解できない。つい先ほどまで戦っていた相手と、命を奪おうとしていた相手の仲間になる?
わけがわからない、錯乱しているのだろうか。

「頼む!何でもするから!だから、頼む!」

ついには土下座までして頼み込む。木場はどうしていいのかわからず、ただ影山を見下ろしていた。

「…ククク…そうか、そうまでして生き残りたいか…いいだろう、ワシらの仲間にしてやろう」
「死神!こいつは俺様の獲物なんだぞ?どうするか決めるのは俺のはずだ!」

死神博士の提案にゴルゴスが反発する。ゴルゴスの言い分はもっともではあるが。

「ワシはこいつを仲間にする。牙王。お前はどうしたい?」
「…ハッ、好きにしろ…だが荷物持ちがいるのは悪くない」
「1対2。決まりだゴルゴス。諦めろ」
「ふざけるな!」

ファイズは考える。もしかして今のうちに逃げられるんじゃないか、と。
だが牙王だけは視線をこちらから逸らしておらず、容易には逃げ出せそうにない。

「赤ダルマ…お前は俺に貸しがある…その借りを返せ…2倍でな」
「牙王貴様ぁぁ〜っ!待て、2倍だと?」
「…こういうことだ」

――FULL CHARGE――
ガオウガッシャーの先端から『牙』が飛び出し、ドリルのように回転する。
ガオウガッシャーを横殴りにするとそれに続くように『牙』も動き、気を抜いていたファイズを切り裂いた。
突然の攻撃に声も出せず、変身の解けた木場はそのまま海へと沈んだ。

98 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:27:54 ID:kZjgK5DQ0
「き、貴様!俺様の獲物を!」
「お前の食事に付き合う暇はない…ってことだ」

変身を解き、饅頭を食べながら牙王はゴルゴスを適当にあしらっている。
一方の死神博士は放置されていたデイパック二つを回収し、影山の側へと落とした。

「え、えっと…」
「喜べ、お前は我々の仲間になったのだよ。おめでとう」

座り込んでいた影山の背中の傷を杖でつつく。

「〜〜っ!」
「そうかそうか、転げまわるほど嬉しいか!」
「は、はい!嬉しいです!」

砂だらけになり、涙目になりながら影山は思う。とんでもない事になった…、と。

99 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:27:58 ID:ueEheuEj0 ?2BP(1)


100 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:28:13 ID:uOLfN9Dy0


101 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:28:23 ID:kZjgK5DQ0
【影山瞬@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H−4海岸】
【時間軸:33話・天道司令官就任後】
【状態】:全身に疲労。背中に裂傷。ザビーに2時間変身不可。
【装備】:ザビーゼクター、ブレス
【道具】:支給品一式×2、ラウズカード(◆J)、不明支給品(確認済)
【思考・状況】
基本行動方針:生き残り、脱出する。
1:死神博士、牙王に協力するフリをして隙あらば逃げる。
2:ゴルゴスとは二人っきりにならないよう注意する。
3:自分に使用可能な武器・変身ツールの確保。
4:木場、死んじまったのかな…。
※午前1時過ぎの時点でG-2のガソリンスタンドに乗り物はありませんでした。
※不明支給品は彼に戦力として見なされていません。
※木場は死んだものと思っています。

102 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:28:26 ID:ueEheuEj0


103 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:28:59 ID:kZjgK5DQ0
(腑抜けたものよ…)

死神博士は失望していた。ライダーとは、こんなものだったろうか。
命が危なくなれば敵に尻尾を振り、平気で仲間を裏切るような存在だったのかと。
いや、この男だけが格別に駄目なのだ。そう思い込むことにする。

(こいつが知る情報と技術…そうだな、あとは兵隊程度の働きは期待しようか…)

死神博士が影山への視線は、どこまでも冷たかった。

■チーム「死神博士の憂鬱」
【死神博士@仮面ライダー(初代)】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H−4海岸】
【時間軸】:一号に勝利後。
【状態】:若干疲労、擦り傷程度の傷多数 
【装備】:鞭
【道具】:基本支給品、デスイマジンの鎌@仮面ライダー電王
【思考・状況】
基本行動方針:打倒本郷、及び一文字。この殺し合いをショッカーの実験場と化す。
1:牙王、ゴルゴス、影山を利用して戦いを有利に進める。
2:もし牙王が裏切った場合は、ゴルゴスを焚きつけて潰し合わせる。
3:仮面ライダーを倒す。
4:ゾル大佐?そいつは後回しでいい!
5:首輪を外す方法を研究する。その為にも研究施設へ向かう。
6:影山の情報、ゼクターの技術を可能な限り把握する。
※一文字隼人(R)の事を一文字隼人(O)だとは信じていません。
※流れ星は一戦闘に六発まで使用可、威力はバイクがあれば割と余裕に回避できる程度。
 尚、キック殺しは問題なく使えます。
※変身解除の原因が、何らかの抑止力からではないかと推測しています。

104 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:29:33 ID:uOLfN9Dy0


105 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:30:08 ID:ueEheuEj0


106 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:30:26 ID:kZjgK5DQ0
【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H−4海岸】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:健康、2時間変身不可(ガオウ)
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品、ランダム支給品(内容不明)、リュウガのデッキ、コンビニから持ってきた大量の飲食料
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:おもしろいじゃねえか。
2:クソジジイと赤いダルマと影山は俺の手下だ。
3:煩わしい首輪を外させる。用が済んだら、3人を食う。
4:ガオウライナーを取り戻して村上も喰う。
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。


【十面鬼ゴルゴス@仮面ライダーアマゾン】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H−4海岸】
【時間軸】:本編13話前後
【状態】:全身に軽い疲労、2時間能力発揮不可
【装備】:ガガの腕輪
【道具】:基本支給品、ランダム支給品(不明)
【思考・状況】
基本行動方針:打倒仮面ライダーアマゾン、主催者への報復
1:この3人(死神、牙王、影山)を利用する。
2:アマゾンを見つけ次第殺す。腕輪を奪う。
3:血が吸いたい。隙をみて影山を襲うべきかどうか。
4:牙王、死神博士に苛立ち。赤いライダー(ファイズ)にも苛立ち。
※岩石の9つある顔のうち一つが潰されました。

107 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:30:59 ID:ueEheuEj0


108 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:31:16 ID:kZjgK5DQ0
気がつくと砂浜の上で寝そべっていた――
確か赤い岩石と戦って、『牙』にふき飛ばされて――
あぁ、そういえば影山は無事だろうか――

戸惑いはしたが、今なら少しわかる。

死にたくなんて、ないもんな――

ふと、右手に違和感を感じて横目で確認すると、ファイズギアが目に入った。

吹き飛ばされて…気失ってたのに…離さなかったんだ――

ファイズギアを握り締めている自分に苦笑する。
これがなければ生き残れない。そう、木場もまだ、死にたくない。

これからどうしよう…えーっと、赤い岩石と牙に死神の…いや、というかここは――

必至に頭を動かそうとするが、動かない。身体も心も、休息を欲しがっている。

寝たらおわり…ってわけじゃないよな…多分――

波の音が疲れきった心に心地よい。そのまま木場は、眠りについた。

109 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:31:17 ID:uOLfN9Dy0


110 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:31:46 ID:uOLfN9Dy0


111 :蜂の乱心!! ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:31:50 ID:kZjgK5DQ0
【木場勇治@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H−3孤島】
【時間軸:39話・巧捜索前】
【状態】:睡眠中。全身に疲労。背中等に軽い火傷。ファイズに2時間、オルフェノク態に30分変身不可。
【装備】:ファイズギア
【道具】:無し
【思考・状況】
基本行動方針:主催者及びスマートブレインの打倒、脱出
1:海堂、長田、加賀美の捜索
2:首輪の解除
3:死神博士、ゴルゴス、牙王に警戒
4:影山をできれば助けてやりたい
5:事情を知らない者の前ではできるだけオルフェノク化を使いたくない


112 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:32:33 ID:uOLfN9Dy0


113 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:32:51 ID:ueEheuEj0


114 : ◆deggScNisI :2008/05/27(火) 14:34:30 ID:kZjgK5DQ0
以上です。誤字、脱字、矛盾点等ご指摘宜しくお願いします。

また、この度は度重なる予約延長に伴い書き手、読み手の皆様全てに多大なる迷惑をおかけした事を深くお詫びします。
延長理由は普通に執筆速度が遅い、これだけなんです。本当に、私が未熟なばっかりに、申し訳ない

115 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:36:00 ID:uOLfN9Dy0
>>114
なんかせかしたみたいなレスしてごめんなさい。
すごく面白い展開っすよ!!景山の行動には笑ってしまいましたw
死神チームもバラバラのようでかなり手ごわそうだ・・・これからも楽しみです!

116 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:44:08 ID:lDlT3h6+O
>>114
投下乙です!

それにしても……かwげwwやwwwまwwww
やはりお前はそういう奴なのかwww
そして影山を見捨ててない木場がここからどうするのか…
博士チームのキャラもナイス!

次回も期待しております!

117 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 14:53:13 ID:DFF0a4wh0
投下乙

影山、途中までは輝いてたのにw
これは木場が影山を殺してオルフェノクに覚醒させる伏線・・・!?


118 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 15:03:43 ID:nNQv+QJ+0
投下乙です!

死神博士チーム仲悪いwでも首領格の集まりだけあって手ごわいな!
影山の変わり身は我が身可愛さか、それとも少しでも木場の身を案じた末の行動か…
とても面白かったです!GJ!!

119 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 15:36:31 ID:ueEheuEj0
投下乙!
さすが幹部軍団w 強い強い!
影山www素晴らしいくらい影山です。
戦闘描写も迫力がありました。
GJ!

120 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 16:43:02 ID:57/R0Pod0
こ・・・これは乙なんかじゃなくて手の甲にZ字を書いてるだけなんだからねっ!

それにしても影山はww戦闘中の輝きは何処へ行ったんだwww

121 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 17:24:23 ID:9ouGdiB20
乙です!
時間がかかったとの事ですが、それに見合う素晴らしい文章力、上の上のSSでした。
影山は敵に突然土下座しても違和感がないですなw
そんな影山をまだ案じる木場良い人だなー。でも影山を助けようとして死んでしまうフラグが立っていないか心配です。
555劇場版は木場たち3人は本当に救いがなかったので、長田さんや海堂と無事合流して生き延びてほしいんだぜ。

122 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 17:47:46 ID:DplzyKEX0
将軍様と比べると最低最悪

123 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 19:09:38 ID:yZ4jFb7/O
投下GJでした!
影山の子供っぽさがとても良く出ている話だと思いましたがまさか裏切りにまで行くとはwこれは今後の下っ端ぷりに期待w

幹部の中でも生まれつつある序列や、その頂点に立つ感のある死神博士の貫禄など人物の魅力も満載でした。今後の活躍にも期待です。

124 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 19:23:11 ID:ZRCLdAqKO
GJです。



125 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 19:25:18 ID:GupTT9cfO
破棄要望します
理由はなんとなく

126 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 19:32:39 ID:GupTT9cfO
飽きかけだったのにお前らが仲間増やしてくれたおかげでやめれねーじゃねぇか!

127 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 19:33:21 ID:xoiucQTB0
投下乙です
か、影山はやれば出来る子なんだ、やれば!
実際、戦闘中はワガママな所を抜きにすれば格好良かったしね
しかし、よく見ると影山だけ憂鬱チームに入ってない・・・
三人の中で影山がどういう立ち位置なのかよく分かるw
ていうか「格別に駄目」って・・・

最後の方の
>死神博士が影山への視線は、どこまでも冷たかった
は「死神博士が影山へ向ける視線は、どこまでも冷たかった」
の間違いでしょうか

128 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 19:39:52 ID:GupTT9cfO
ライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダー
ライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダー
ライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダー
ライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダーライダー
ライダーライダーライダーライダー

携帯から頑張った俺(笑)

129 :名無しより愛をこめて:2008/05/27(火) 21:39:14 ID:vsdOAP+70
まさか剣崎の死がこんなことになるとはな
ライダーロワ脂肪∩( ・ω・)∩ バンジャーイ

130 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 15:02:11 ID:RF22PFEVO
『流されやすい者達』で木場は影山にタメ口で良いことになりましたが、本編での木場の性格的に君付けはしたほうが自然だと思われます。

影山が前回の睦月と同じ境遇に…笑

最近出没している嵐は全て同一人物ですか。

131 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 15:57:09 ID:dPAv1cruO
木場は本編だと相手のタイプによってはタメ口を使うし別にいいんじゃ?

132 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 17:59:17 ID:YkB8857O0
木場の二人称は「君」だから、敬語云々じゃなく言葉づかいは丁寧な方だよな
巧のことも終始「乾君」だったし、タメ口っても本編じゃ海堂くらいしか呼び捨てにしてないんじゃないか?
敵だったら呼び捨てだったり「お前」でもいいと思うけど

133 : ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:25:24 ID:lucv9o1O0
これより投下します

134 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:27:05 ID:lucv9o1O0
 木々が生い茂る森林の中、それらとは不釣合いな程丁寧に舗装され、耐久力を増している道路を進む男が二人。
 緑と緑の間を縫う様に吹き抜ける風の心地よさも相まって、平時ならばこれ以上無い散歩のコースと言えるかも知れない。
 だが今現在、彼らにはその様な猶予など持ち合わせていない。
 何の為、誰の為に戦うべきなのか。戦いという行為自体正しいものなのか。
 この森に足を踏み入れる前と同じ思考を、正面から見て右側の青年――加賀美は再び巡らせていた。
 簡単に答えが出る筈も無い。それでも一つだけ、自信を持って自分自身に言い聞かせる事が出来たことがある。
 ――この戦いは、絶対に阻止しなくちゃいけない。
 (天道だってそう思っている筈だ……)
 時には協力して困難を打ち破り、時には対立して全力でぶつかり合う。そうやってここまで来た戦友ならば、間違い無くこの様な戦いは認めない。
 その確信を幾度と繰り返し胸に潜め、森を練り歩く加賀美。
 一方左側、100人見れば100人が人外と判断するであろう特徴的な黄金の顔に、黒装束の大男――デネブは、舗装路から逸れると樹木の根元を掘り出した。
 「またかよ……」
 加賀美は思わず溜息をついた。二人が出会った山を下った時に始まり、この森でもただひたすらに食材を捜し求めるデネブ。
 この様な局面でも堂々と見せるその食への執着振りに、加賀美は一人の青年を思い出さずにはいられない。
 「あれだけ山で採ったんだから十分だろ」
 何を今更、といったタイミングで遂にツッコミを入れる加賀美。
 「もし侑斗が誰かと一緒にいたら、あれだけじゃ足りなくなるかも知れないじゃないか!」
 二度目の溜息をつく。更に間もなくして、大きな欠伸が押し寄せて来た。左手で口元を覆いつつも、大きく開けた口でゆったりとした吸息。それに続けて、やや短めの呼息。
 連動する様に分泌された涙を拭い、次いでこの場を歩いている事実に激しい後悔の念にかられる加賀美。
 たまたま辿り着いた駅から西南に広がる森林地帯。その存在をぼやかなければ、デネブがそれを聞きつけなければ、今頃彼らは駅でゆっくりしていた筈だったのだ。

135 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:27:35 ID:ccZoSE/50
 

136 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:28:14 ID:dPAv1cruO
支援

137 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:28:15 ID:lucv9o1O0
  ――――電車が6時から運行を開始し、水族館と大学へ通じることを知った二人だが、どちらへ向かうかで意見が分かれた。
 「水族館に行こう!加賀美!!」
 「いや、何でそうなるんだ……」
 「魚を侑斗に見せるんだ!」
 加賀美は頭を抱える。ここにその人物がいないと言うのに、水族館へ行ってどうするというのか。
 大体、今は水族館見学などしている場合では無い。そう断言する加賀美だが、デネブは中々納得しない。
 「加賀美こそどうして大学の方へ行きたいんだ?」
 「そ……それは」
 いざ聞かれると咄嗟に言い返せないのが加賀美である。
 「き……北にある大学や研究所になら、脱出しようとする他の人達が集まっているかも知れないだろ?」
 ぎこちなく並べられた言葉で、デネブを止めることなど不可能である。
 「他の人なら街の方が多いに決まっているだろう、加賀美!!」
 (街つっても脱出や仲間集めに役立つような施設は……)
 マップで市街地に点在する施設を眺めるうちに、「放送局」の三文字を目にする加賀美。
 放送局の電波塔をジャックし、自信に満ち溢れた名乗りをあげそうな男の事を心にしまい込みつつ、再びデネブとの口喧嘩を続けていく。
 
 それが収まったのは5分位後のことだろうか。二人が同時に時刻表の張り紙に再び目を通し、6時から水族館、大学の両方から列車が彼らの元へやってくることを知ったからである。
 始発から30分後に到着する二本の電車に、彼らは期待することにしたのだ。
 
 「そうなると、結構時間あるよなぁ……」
 それまでの空き時間に仮眠でもとろうか、と加賀美が考えた直後。
 
 『電車が動くまではまだ時間があるから、その森に行こう、加賀美!!もしかすると侑斗がいるかも知れない!!!』
 ぼやきをしっかりと聞きつけたデネブに押し切られ、現在に至る。

138 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:28:19 ID:ccZoSE/50


139 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:28:58 ID:ccZoSE/50


140 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:29:24 ID:lucv9o1O0
 (それにしても……)
 視界の隅で黙々と地面を掘るデネブに向けて。
 「どんだけ採れば気が済むんだよ!」
 動きのキレを増し続けるデネブの後姿に、加賀美は恐怖を覚えるのだった。
 そんな主の思いを理解したのか、ガタックゼクターがデネブの後頭部を小突き始めていた。
 


 この場所から一刻も早く離れた方が良いのは間違い無いことだ。
 面識のあるオルフェノクと遭遇し、それを生かしたままにしてしまった。
 もし奴と再び見えれば、あの男は何を仕出かすかが本当に読めない。
 自分がオルフェノクだなんて気付かれたら最後、少しずつではあるが確実に積み上げられて来ている真魚の信頼も一瞬で崩壊するだろう。
 最後の最後まで、彼女には自分を信じてもらわなければならない。
 そう、少なくともその瞬間までは、彼女は俺の物で無くてはならないのだ。
 ……と、ここに来て今の自分が考えていることが、もっとも憎たらしいあの失敗作が既に世に無い少女へと向けていた感情に近いものだと気付く。
 そう思うと嫌気が差して、腰に巻いてあるベルトを地面に叩きつけたい衝動に駆られた。
 しかし、その思考はあっさりと停止させられる。
 「…………澤田……くん?」
 ベルトを剥ぎ取ろうとした右手の動きが止まり、憎しみで満ち溢れているであろう自身の表情を必死で抑えつける。
 見せ掛けの笑顔を急いで作ると、何も無かったかの様に自身に追従する少女へと振り返る。
 「どうしたの?風谷さん」
 「さ……澤田くん、なんか怒っているみたい……だったから……もしかして、私のせい……なのかな…って」
 どうやら背後からもハッキリ感じとれるレベルだけの怒気を発していた様だ。
 笑みを決して崩さない様に気をつけて、真魚の瞳に焦点を合わせる。
 「いや……殺し合いを楽しんでいる化け物達が、風谷さんみたいな何の罪も無い人を襲って来ると思うと、つい腹が立ってね」
 徐々に言葉を強くしながら、真剣な顔つきへと切り替える。自分も「化け物達」の一人なのだが。
 「そんな心配してくれたなんて……ありがとう」
 単純だ。良い意味でも悪い意味でも、心の透き通った連中と生活して来たのだろう。

141 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:29:56 ID:ccZoSE/50


142 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:30:40 ID:lucv9o1O0
 「あ……あの」
 「まだ何かある?」
 動かしかけた足を止め、再び応対する。
 「えっと……その……名前で呼んでもらえますか?」
 名前で呼んでくれる人が誰もいないこの環境が辛いのだろう。
 自分がこの場において絶対的な信頼を得ている事実を把握しながら、僅かに微笑んでやる。
 「分かったよ……真魚ちゃん」
 歩き出すが、先程までと明らかに変化した一点に気付く。後ろから聞こえる足取りの軽さだ。
 少しは精神的な負担を軽くしてあげられたのだろうか。
 ……少なくとも、自分への信用が確固たるものになったのは間違い無い様だ。
 目の前に広がる目的地を見渡す。溢れるばかりの緑の中に、必ず非力な参加者がいる。
 それを討てば、直に放送が流れる筈だ。自分が目標へ向かって着実に前進している事実を、一刻も早く噛み締めたい。
 そう思った時には、既に森林へと足を踏み入れている自分がいた。
 
 
 森林内を探索し始めて、既に一時間以上が経っている。
 既に中央より北東、このエリアを抜けると駅前へ出てしまう。
 予め村上から聞かされていた通りなら、始発が午前六時。三十分後には大学と水族館を発った列車が到着する筈だ。
 携帯に記された現在時は05:40。誰かしら列車を利用しようという奴がいてもおかしくは無いが――
 
 「――………!………!」
 
 思考中の脳へと飛び込んで来た一筋の絞られた怒声らしきそれが、近辺に参加者がいることを示した。
 急いで背後に目をやる。真魚はきょとんとした顔でそれに反応。まだ気付いてはいないらしい。
 五感発達というオルフェノクの特性のおかげで自分は気付くことができたという訳だ。
 これを逃す訳にはいかない。真魚に声を掛けておく。
 「誰かがこの先で戦っているみたいだ。しばらくここで待っててくれ、真魚ちゃん」
 少しだけ深刻ぶった顔をして、そう伝える。次の瞬間には、デイパック片手に走り出す。黙って待っている娘では無いのは分かっている。
 ある程度の時間が経っても自分が戻らなかったり、大きな物音を聞いたりすればすぐに動き出すだろう。
 だからその前に終わらせる。こんな場所に潜んでいる参加者など、たかが知れている筈だ。

143 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:31:43 ID:ccZoSE/50


144 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:33:22 ID:lucv9o1O0
 そう念じながらたどり着いた先にいた参加者は二人。ごくごく普通の社会人に見える男と、人間のそれとは違う顔付きの大男。
 海堂直也といい、奇妙な人外と共闘するのが人間や人であろうとする参加者間で流行っているのだろうか?
 それなら自分と真魚が組んで――いや、一緒にいるのも納得がいく。
 自分は人間では無い。木場勇治達の様に人間の心を持っているつもりも無い。
 人間と異形の組み合わせという点なら共通という訳だ。
 もっとも、あのモグラやこの大男と同じ土俵で扱われたくは無いのだが。
 
 「君も参加者なのか?」
 「……ああ」
 よくもまあ平然と聞いてこられる。少々呆れながら、ポケットからカイザフォンを取り出し、上部を百八十度回転させる。
 「君、桜井侑斗って男の子を知らないか?侑斗は…………」
 敵である参加者にこの質問。まだ自分の様な殺し合いに乗った人間とは会っていないのか。
 更に「さくらいなんとか」とやらの紹介を始める大男。理解に苦しむ行為だ。
 カイザフォンにコードを打ち込む。腰に装備済みのベルトを見てか、相手も意図には気付いた様だ。青年の方が口を開く。
 「ま、待ってくれ……」
 話し合いたい、とでもいったところか。しかし待つつもりは毛頭ない。
 「変身……」

 ――Complete――

 体中を駆け巡る黄金の光線、次いで強化スーツに包まれる感覚。慣れると悪くはない。
 右腰に手を延ばし、ブレイガンを引き抜く。メモリーを差し込み、黄金の光刃を形成させた。
 「俺達に、戦うつもりなんて無いっ!」
 「だったら、さっさと死んでくれ」
 話を聞くつもりも無ければ、暇も無い。ブレイガンを振り下ろそうとするが、
何処からか沸いてきた青い物体に阻止された。
 「加賀美、逃げよう!」
 「デネブ、お前は先に逃げろ。俺は後から追う」

145 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:33:57 ID:ccZoSE/50


146 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:34:44 ID:lucv9o1O0
 大男の方の提案に対しそう返した、意を決した表情の青年の掌中に収まる青。そのフォルムは鍬型虫を彷彿とさせた。

 そして腰にはベルト。……昆虫型のメカにベルト……
 
 まさか――
 「変身っ!」
 
 電子音に続いて鎧が相手を包む。この光景を目にするのは二度目だ。
 この島で最初に刃を交えたあの男。奴も付き従えていた昆虫――兜をベルトへと装備して変身していた。
 そして眼前に立つ存在。腰部、カラーリング等を見た限りでは、奴と対を為す存在としか思えない。
 もし実力も同程度ならば、普通にぶつかっては分が悪い。本気を出す前に潰すしか無い。
 「で……でも……」
 見かけと声に似合わない大男の反応を耳にしながら、カイザフォンのEnterキーをタッチする。
 ――そこで動作を終了、足元の爆風から後方へ逃れる。
 爆風の主は敵の両肩に固定されたキャノン。紅い奴が持っていた銃とは桁違いの威力だ。
 爆音のお陰でチャージ音が気付かれなかったのは幸いだった。
 「クロックアップならすぐに追いつける、早く行けぇ!」
 後退して行く大男。囮になるつもりらしいが、すぐに終わらせる。ブレイガンのトリガーを引き、光の着弾を確認。
 ブレイガンを振りかぶりながら駆ける。自身が光へと溶け込んでいく感覚の中、腰の鍬型へと懸命に右手を動かす敵の姿が目に入る。
 そのアクションが示す意味を理解。――間に合うのか?
 
 ――間に合え。
 
 ――――間に合え。
 
 (――――――間に合えっ!!)
 
 ――Cast Off――

 黄金と化していた体は元の漆黒に戻り、装甲諸共吹き飛ばされた。

147 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:35:36 ID:ccZoSE/50


148 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:36:12 ID:lucv9o1O0


 「変身っ!」
 加賀美新は、右手に掴んだガタックゼクターを、迷い無くベルトへと叩き込む。

 ――HENSHIN――

 ベルトを起点に形成される鋼の鎧が、加賀美の体を包む。
 両肩に二門ずつ装備された砲口――ガタックバルカンは、今にも砲撃を始めんばかりに唸りを上げている。
 「で……でも……」
 走り出せないデネブ。敵を目の前にして、仲間を置いて逃げることなど彼にできるだろうか。
 ガタックは力強く肩を張り、足腰は踏ん張りを利かせる。同時に咆哮を上げ、放たれる光弾。
 それに合わせ、澤田――カイザは後方へステップ。僅かに生まれた隙に、ガタックが叫ぶ。
 「クロックアップならすぐに追いつける、早く行けぇ!」
 デネブはようやく理解する。加賀美が自分を先に逃がそうとしたのかを。
 山中でデネブが彼から聞いた話の中に「クロックアップ」がある。
 彼の所属する組織であるZECTが開発したライダーシステム。その特徴の一つ、超高速移動を可能にする機能。
 確かにその機能を使えば後からでも追いつく事が可能だ。
 「わ……分かった」
 ほんの僅かな時間、デネブが退いていくことを認める為にガタックは後方を振り返る。その一瞬が命取りだとも知らずに。
 カイザブレイガンから放たれた光弾が、ガタックの体をその場に固定する。
 ブレイガンを振りかぶりながら光と化したカイザが、ガタックへと迫る。
 この局面を脱する方法が一つしか無いことに、ガタックは気付く。
 右手を滑らせながら、ガタックゼクターのホーンに指を掛け。
 (――――間に合え!!)

149 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:37:32 ID:ccZoSE/50


150 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:37:50 ID:lucv9o1O0
 
 間髪置かず、反対へと倒されるホーンに連動する電子音。
 ――Cast Off――
 
 雄雄しく競りあがる二本の角。輝くのは鮮やかな蒼色。
 ――Change Stag Beetle――
 
 四散した装甲は大気を震わせ、光と化した十字の騎士をも吹き飛ばす。
 「――ッ……!」
 
 ガタックの背を、姿を現したばかりの太陽の放つ木洩れ日が照らす。
 まるで親友を見守るかの様に、だ。
 「闘いの神」。そう呼称されるライダーが纏うのは、青空の如き澄み渡った蒼。
 青空――ある時は太陽と共に輝き美しき夕日を再現し、またある時は漆黒の闇となって太陽と真逆の道を進む――即ち、太陽に唯一対抗し得る存在である。
 太陽の視線を背中に受け止め、両肩から二振りの曲刀――ガタックカリバーを取り出す。
 吹き飛ばされたカイザが立ち上がり、ブレイガンから光弾を連射する。
 果敢に飛び込むガタックの握るカリバーがそれらを立て続けに叩き落し――
 「うりやぁぁぁぁあ!」
 カイザの眼前で跳躍し、両刀に時間差を与えた上で続けて振り下ろす。カイザはブレイガンを斜めに構え、その連続攻撃を捌ききり――
 ――否。先に弾かれた右手の一本――プラスカリバーが弧を描き、カイザの左側へ突き進む。そのまま、防御が間に合わなかったことを示す火花が、左腹部から飛び散る。
 着地した次の瞬間には、正面から切り込むガタックが、再びカリバーを振るう。
 再度飛び散る火花。今度は左のマイナスカリバーがカイザの装甲を切り刻んだのだ。

151 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:38:22 ID:ccZoSE/50
 

152 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:38:32 ID:dRtRepjLO
チャットにいない書き手だと支援がめちゃくちゃ少ないな

153 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:38:33 ID:8BXGTMYA0
        

154 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:39:04 ID:dRtRepjLO
荒らしの俺が支援

155 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:39:07 ID:8BXGTMYA0
            

156 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:39:10 ID:ccZoSE/50


157 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:39:23 ID:lucv9o1O0
 一見荒削りで、隙が多く見えるガタックの攻撃。だがカイザに、澤田にとって、その攻撃パターンは予測し難いものがある。
 目の前の敵――ガタックと、同タイプのライダー――カブトが、これと真逆の洗練されたカウンター・スタイルで戦闘を行っていたのも大きい。
 そのギャップがカイザを苦しめ、短期間で両者の優劣を決定的なものへしようとする。
 カイザがそれを認められる筈も無い。メモリーをブレイガンから抜き取り、光弾で足止めをしている間に背部のポインターに差し込む。
 足首へとポインターを取り付けたところで腰部のカイザフォンへコード入力を行おうとする。が、ここまでの動作を無事に行えた事の方が奇跡なのだ。
 腰へ伸びるカイザの手の動きを断ち切るかの様に電子音声が鳴り響く。
 
 ――Clock Up――
 次の瞬間にはガタックが消えていて、

 「何っ……!?」
 体中を駆け巡るのは鋭い痛覚。

 ――Clock Over――
 その痛みの中で、ようやくガタックの位置を把握するカイザ。
 真後ろ、だ。何か別の動作に入るつもりだったらしく、両肩にカリバーが戻されている。加えてガタックの明らかな動揺が見て取れた。
 (これも首輪の制限……か)
 何れにせよカイザにとって最大の好機であることは間違い無い。振り向きざまに右拳、一歩踏み込んで左脚を連続で叩き込む。
 防ぎきれず、樹木に叩き付けられるガタック。すかさずカイザフォンにコードが入力される。

 ――Exceed Charge――
 黄色のライン上を、ベルトから発生した黄金が伝わっていく。

158 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:39:47 ID:H3PANuGS0


159 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:40:03 ID:8BXGTMYA0
     

160 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:40:06 ID:ccZoSE/50


161 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:40:44 ID:lucv9o1O0
 「クロックアッ…………」
 左腰をタッチしようとする動きは、形振り構わず乱射されたカイザブレイガンに阻止される。
 
 (――回避できないなら、受け止めるしか無い!!)
 正面からぶつかることを決意したガタック。
 プラスとマイナスの両カリバーを組み合わせ、構成された重ね鋏にエネルギーが満ち溢れる。
 
 ――Rider Cutting――

 覚悟を固め待ち受ける鋏の正面に突き刺さるのは、黄金の円錐。
 「…………フンッ!」
 忌ま忌ましい出来損ないの動きを模造するかの様な跳躍。
 カイザの両足が揃えられ、先端に輝きを帯びながら円錐を押し込もうとする。
 
 カリバーを構えているガタックの両腕には大きな負荷が掛かる。
 激突し合う円錐をカイザが押し込んだからだ。
 
 飛び込んだカイザの脚部を襲う負担。
 円錐を押し込んだことで対抗する一撃の重みを直接感じたのがその原因だ。

 二つの必殺技のぶつかり合う境界面ではスパークが発生し、場の空気を震わせ続ける。
 数秒の激突が引き起こす輝きは、その僅かな時間が永遠に続くことを望ませる程に美しい。
 が、美しい物が長続きすることが許される試しは無い。
 「うりぃやぁぁぁぁぁぁ!!」
 ガタックという仮面を通して辺りへ伝わる加賀美の叫びに次いで、円錐諸共カイザが吹き飛ぶ。
 カイザが地面に叩き付けられると、その衝撃でカイザギアが弾け飛び、澤田の苦痛に歪む表情が露になった。

162 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:40:45 ID:8BXGTMYA0
           

163 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:41:35 ID:dRtRepjLO
投下するので支援ちょーだい!
書き手として恥ずかしくないのか?支援したら感想も書かないといけない雰囲気になるだろ!
感想多い→俺のSS面白いんだぁ

164 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:42:05 ID:ccZoSE/50


165 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:42:14 ID:lucv9o1O0
 
 「もうこんなことは止めてくれ!ライダー同士殺し合う必要なんて無いっ!!」
 澤田にとって幸運だったのは、ガタックがこれ以上の追撃を加える気が無いにも関わらず接近してきたことだ。
 この距離ならば、澤田は首輪を狙えるのだ。完全に戦闘能力を奪ったと思い込むガタックに微笑みかけると、澤田の顔が、体が、変化を開始する。
 オルフェノクの力を使うのに不安が無いタイミングという訳では無い。しかしこの機会を逃せば、澤田が獲物を仕留めることは叶わない。
 何せ、まだガタックは変身制限の半分も消費していないのだ。カイザギアを使用させる様な状況は作り出せない。
 
 決意を固め一瞬で変化を完了したスパイダーオルフェノクの姿に、ガタックの動きが止まる。
 「灰色」の怪人を前にして。
 
 スパイダーが起き上がりながら右手で得物を突き出す。言うまでもなく狙いは首輪だ。
 無理矢理それを剥がそうとするのと同様の衝撃を首輪に与えることで、誤作動を狙っているのだ。
 「――――ッ!」
 軌道から、狙いが首輪であることにガタックも気付く。
 明らかな違和感を感じさせたクロックアップの件も含め、普段の自分との相違点――首輪に危害が加えられる危険性を察知したガタックが身を捩る。
 狙いこそ外れたものの、盛大な火花を散らしガタックが後ずさる。
 そこへ逆袈裟の型で切り付けるスパイダーの一撃に、遂に倒れ込むガタック。
 一歩ずつ近づくスパイダー。しかしその獲物が、倒れたままで突然横を向く。
 スパイダーとガタックの視線の先に浮かぶ答えは、一つだった。
 ――肩で息をしながら、驚愕した表情でスパイダーを見据える少女。
 それがガタックの砲撃音に釣られてやって来た風谷真魚だとスパイダーが気付くより早く、彼女がその場に倒れ込む。

166 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:42:56 ID:dRtRepjLO
あとパロロワ戦記からオナヌー臭しかしない

167 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:43:11 ID:8BXGTMYA0
           

168 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:43:23 ID:ccZoSE/50


169 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:43:27 ID:lucv9o1O0
 立ち上がったガタックが、真魚に近付こうとするのを認めて間もなく、スパイダーが飛び掛かった。
 ガタックからすれば、人助けを妨げられた結果となる。
 怒りに燃えて再び握ったカリバーでスパイダーの得物をたたき落とすと、二条の孤を描いて複数回切り付ける。
 スパイダーの倒れ込んだ位置は真魚の手前。
 (手は出させない!!)
 力強い決意と共に、ゼクターのボタンを一回、二回と親指で叩くガタック。
 そのタッチが三回目を迎えようとした瞬間。

 『かがみいいいぃぃぃぃ!!!』

 拡声器による増幅声。声の主は言うまでもない。デネブである。
 (最初から罠だった? それとも、別の参加者か?)
 いくつかの考えが浮かんでは消え、その間にスパイダーの変身が解ける。
 ガタックが動作を再開しようとして間もなく――それを断念した。
 見てしまったのだ。少女の前に懸命に立ち塞がる少年の姿を。そしてそれに、一つの姿が重なる。
 
 ある少女を守ろうとそれまで見せてきた「完璧な強さ」をかなぐり捨て、彼女を守ることを叫びながら誓う端麗な青年の姿だ。

 眼前の瞳に宿る秘密――澤田の真意をガタックは知らない。
 彼が自分や仲間を襲ったのも加賀美にとっては揺るぎ無い事実だ。
 それでも確信する。目の前の男が少女を襲うことは無い、と。
 腰のボタンに手を添えて、高速移動を開始するガタック。
 自分が無責任な奴だと加賀美は思う。
 それを心の隅に寄せて、全力で疾走する。大切な仲間を、守る為に。

170 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:43:39 ID:H3PANuGS0


171 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:43:46 ID:8BXGTMYA0
          

172 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:44:07 ID:H3PANuGS0
 

173 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:44:11 ID:8BXGTMYA0
           

174 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:45:11 ID:ccZoSE/50


175 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:45:11 ID:lucv9o1O0


 日の出により深淵から解き放たれ、本来の生命感溢れる姿を取り戻した森の中を歩く異形、風のエル。
 身体の各部には激戦の証である傷跡や、戦利品であるこびりついた人間の血液が生々しく輝く。
 森の雰囲気は、エルにとって決して悪いものでは無かった。
 エルの愛する主。彼の眠る聖域にどこと無く似ているのだ。
 しかし血の味を覚えたエルにとって、生命の息吹を吹き込まれただけの空気の味はとても薄いものだ。
 エルは満足出来ず、新たな血を求める。それもただの血では無い。
 
 ――片腕をもぎ取られても、最後まで悪に屈すること無く立ち向かった人間、立花藤兵衛。
 
 ――劣勢の中でも決して退かず、鋭い牙でエルの身に深い傷跡を残したアギトの一種「ギルス」。
 
 純粋な力量だけでは計れない彼らの「強さ」。
 それを持つ参加者達を紅く染めて得られる「命」の輝き。
 望む血液の条件に見合う参加者を探し、エルは徘徊を続ける。
 最後の血を啜っておおよそ二時間が経過していた。
 ――そんなエルに、好機が訪れる。


 「…………ハァ、ハァ……加賀美、大丈夫かな……」
 人間のことを心配する台詞とは余りにもミスマッチなその風貌。
 ガタックとカイザの戦いから離脱してきたデネブであった。
 舗装路とはいえ、二人分のデイパックを抱えての全力疾走。
 流石のデネブでも疲労の色は隠せず、足をその場に落ち着かせる。
 三、四本離れた木陰に潜むエルが笑う。その血が魅せる味を、楽しみにして。
 手の甲に、もう一方の手先で描かれる印。横、斜め、横――Z字型に刻まれたそれが、狂喜の再開を示す合図となった。
 木陰から飛び出し、文字通り風となる。デネブが足音に気付いた時には、舗装路に踏み込んだエルが、自慢の爪を振るっていた。

176 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:46:00 ID:ccZoSE/50


177 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:46:01 ID:H3PANuGS0
 

178 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:46:25 ID:lucv9o1O0
 「……ええっ、うわっ!!」
 突如現れた爪に必死で身を捻るデネブ。デイパックからは、彼の集めた自然の幸が零れだす。
 なんとか間合いをとって、指先からマシンガンの如く銃撃を行うデネブだが、
 狙いの定まらない射撃でエルを正確に捉えることは出来ず、良い様に弄ばれるだけだ。
 デネブが突き飛ばされると、デイパックの中身が次々と散乱した。
 その中には、デネブが加賀美と出会うきっかけとなった拡声器の姿もある。
 (あれで……)
 加賀美に助けを求めようか、などと考えるデネブだが、考えを改める。
 余計な心配をかければ、それを原因にガタックが敗れ去るかも知れない――。
 また下手に拡声器を使えば、別の危険な参加者をおびき寄せてしまうかも知れない――。

 ほんの僅か、それでもデネブには長く感じたその時間。考えた一つの手段を実行に移す。
 指先からの射撃でエルを威嚇し、拡声器に走る。
 デネブが話すと決めた言葉は、「加賀美、こっちにきちゃ駄目だ」。
 勢い良く掴んだ拡声器のスイッチを入れ、大きく息を吸う。
 「かがみいいいぃぃぃぃ!!! こっちに……ってうわあぁぁぁぁ!!」
 エルが最後まで叫ばせる筈も無かった。加賀美の名を叫んだ時点で拡声器は弾き飛ばされ、デネブも続け様に突き飛ばされる。
 (は、早く続きを言わないと)
 しかし拡声器はエルを中点としてデネブの正反対。再び手にするのは絶望的だ。
 ……もっとも、叫びきったところで離れた場所のガタックが起こす行動に変わりは無かっただろうが。
 エルは笑いながら倒れたデネブを蹴り飛ばす。仰向けに、俯せにされては転がされるデネブ。
 しかしエルに止めを刺すつもりは毛頭ない。あくまでも獲物の「強さ」を見なくては、その血に価値が無いからだ。

179 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:46:29 ID:8BXGTMYA0
           

180 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:46:37 ID:H3PANuGS0
 

181 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:47:04 ID:H3PANuGS0
 

182 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:47:04 ID:ccZoSE/50


183 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:47:37 ID:dRtRepjLO
支援

184 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:47:38 ID:ccZoSE/50


185 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:48:04 ID:lucv9o1O0


 スローモーションで吹く風、それに揺れる木々の枝葉が、一秒毎に輝きを増す太陽の光に照らされた塵さえもが、走れと呼び掛けている。
 そのエールに答えながら、ガタックは走り続けていた。
 疲労の蓄積が、数歩毎に動きを鈍らせている。通常より早い電子音声に合わせて戻った時の流れは、精神的にガタックへと揺さ振りをかける。
 (間に合うのか……)
 いや、間に合わせなければいけない――そう刻んで足に鞭打つ。
 ほんの数分の疾走が、マラソンを走っている気分にまでなってしまう現状が、加賀美には辛くて堪らない。


それでも止まらなかった彼への褒美だろうか――――やがて加賀美の視線の先には、未知の異形と、それに甚振られるデネブの姿が。
 生きていてくれた――復活を遂げる気力に身を任せ、加賀美が仮面を通して叫ぶ。
 「デネブーーーーーーッ!!」

 「か、加賀美……なんで……」
 お前が呼んだからだろ、という心からのツッコミを抑え、ガタックがゼクターのボタンを連打する。

 ――ONE――
 戦いを必ず止めることと、

 ―――TWO―――
 殺し合いを続ける「悪」を討つことと、

 ――――THREE――――
 罪無き存在を守ることを誓って。

 「ライダーキック!!」
 そして仲間を――デネブを救う為に、
 
 ―――――Rider Kick―――――
 闘神が、跳躍した。

186 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:48:31 ID:H3PANuGS0
 

187 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:48:50 ID:ccZoSE/50


188 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:48:55 ID:GzW0zJzy0



189 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:49:08 ID:H3PANuGS0
 

190 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:49:10 ID:lucv9o1O0
 「何だと……」
 エルがデネブから足をどけ、両腕を重ねて防御態勢に入るよりも、早く。
 「ハァッ!!」
 渾身の一撃がエルの左側面へと叩き込まれ、その身をスパークさせる。
 その隙にデネブがエルから離れると、ガタックがカリバーを両手に構え、斬撃を浴びせようとする。
 「旨い……血を……ヨコセ」
 強き者を認めたエルが、強風を巻き起こす。堪らず吹き飛び、倒れ込むガタック。
 そのまま至近距離へと接近し、洗練された爪を先頭に右手で脇を突こうとするエル。それを前にして、ガタックの身に異変が起こる。
 「何っ……うっ……」
 電子音を鳴らしベルトを離れるガタックゼクター。続けて、叫ぶ間もなく加賀美の脇腹に突き刺さる手刀。
 それをエルが抜き取ると、合わせる様に加賀美が俯せに倒れた。長い十分が終わりを迎えたのだ。
 「僅かの間だが楽しかった……シネ……ッ――」
 爪を口元に運び、笑いながらそれを舐めるエルを背後から襲う衝撃。
 ようやく戦線に復帰したデネブの指先から一斉に行われた射撃である。
 無防備に振り向いたエルに次々と突き刺さるデネブの想い。その内のいくつかが、一際大きなエルの悲鳴に似た叫びを引き出し、その場から立ち退かせる。
 ただの直撃ではこの様な結果は引き起こせない。
 「いくつか」の着弾地点。それらはギルスの牙によって傷付けられたり、クウガのボウガンが撃ち抜いた部位であった。
 間接的とはいえ、二人の仮面ライダーがデネブ達を救ったのだ。
 勿論、デネブはそれを知りはしないのだが。

191 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:49:10 ID:8BXGTMYA0
       

192 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:49:38 ID:H3PANuGS0


193 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:49:45 ID:GzW0zJzy0



194 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:50:01 ID:ccZoSE/50


195 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:50:51 ID:GzW0zJzy0



196 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:50:56 ID:lucv9o1O0
 「よ…よく分からないけど、今の内に加賀美を……」
 あの銃撃でエルが去ったのはデネブにも予想外の展開だった。
 応急処置を済ませると、顔を近付けながら加賀美に問い掛けるデネブ。
 「加賀美……動けそうか?」
 「あー……ちょっとキツイ」
 「よし、だったら……俺に任せろ!!」
 「え……って、痛い、痛い!!だから肩に担ぐなって!!」
 「駅に戻るまでの辛抱だ、加賀美。少し頑張れ」
 これ以上言っても無駄だと理解した加賀美は、おとなしくデネブに身を委ねることにした。
 日の出まもない太陽に加賀美は誓う。
 「俺なりのやり方で戦いを止めて見せる」と。

 ――それで良い。お前は、お前の道を進め――

 太陽から聞き慣れた声が加賀美の耳を打つ。声の主との合流が近い印だと明るく考えるが、それは叶わない願いだ。


 午前五時五十五分。加賀美はまだ、現実を知らずにいた――


197 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:51:02 ID:H3PANuGS0


198 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:51:39 ID:dRtRepjLO
支援ふえたかな?

199 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:51:45 ID:ccZoSE/50


200 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:51:45 ID:8BXGTMYA0
         

201 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:52:26 ID:ccZoSE/50
パープルへイズ

202 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:52:42 ID:H3PANuGS0


203 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:53:13 ID:dRtRepjLO
僕、ホリエモン

204 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:53:20 ID:H3PANuGS0


205 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:54:00 ID:ccZoSE/50
 

206 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:54:14 ID:2nemZItGO
支援です

207 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:54:49 ID:GzW0zJzy0



208 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:54:52 ID:dRtRepjLO
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄支援無駄支援無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄支援無駄無駄無駄無駄無駄

209 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:55:08 ID:lucv9o1O0
■チーム「おかあさんといっしょ」
【デネブ@仮面ライダー電王】
【1日目 早朝】
【現在地:D-9 森林部北東出口付近】
【時間軸】:28話開始時辺り(牙王戦終了辺り)
[状態]:中程度の疲労。体全体に小規模の負傷。 二時間能力発揮不可。
[装備]:拡声器 (損傷度合いは未確認です)
[道具]:基本支給品一式 ファイズアクセル 不明支給品x1
[思考・状況]
1:駅に戻って加賀美を手当てする。
2:加賀美とともに、殺し合いに反発する仲間と合流(侑斗優先)
3:牙王の名前がある事に疑問
【備考】
※能力発動時以外は指からは一切の銃弾類は出せません。また、その事に気づいていません
※朝穫りたけのこと山菜はちゃんとデイパックに収まりました。新鮮です。
※拡声器による発言がD-9エリアに響きました。別エリアに届いているかは不明です。

210 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:55:34 ID:8BXGTMYA0
      

211 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:56:18 ID:lucv9o1O0
【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【1日目 黎明】
【現在地:D-9 森林部北東出口付近】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:大程度の疲労。脇腹に刺し傷。ガタックに二時間変身不能。
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
[思考・状況]
1:駅で手当てをする
2:デネブとともに、殺し合いに反発する仲間と合流、スマートブレインを倒す。
3:なんで変身が……?
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りません。

※友好的であろう人物と要注意人物について,ある程度の見解と対策を共有しています。
味方:天道総司、桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王(警戒)

212 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:56:33 ID:ZqG0N85G0


213 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:57:17 ID:GzW0zJzy0



214 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:57:37 ID:lucv9o1O0


 「血だ……血だ……」
 風のエルは歓喜する。少量ではあるが新たな血を得たこと。
 仲間を想う「強さ」が、血を極上のものへと仕立て上げるという事実を知ったこと。
 全力で戦える間隔も掴めて来ていたエル。次に狙う獲物の条件は――ただ一つ。

 【風のエル@仮面ライダーアギト】
【1日目 黎明】
【現在地:E-9 森林部D-9との境】
[時間軸]:48話
[状態]:頭部にダメージ。全身に大程度の負傷・行動原理に異常発生。二時間能力発揮不可。血の味を覚えた。アギトの力に畏怖。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式 不明支給品(未確認)1〜3個。
[思考・状況]
1:優勝して還る。
2:「仲間」を持つ「強き者」を狙う。
3:帰還した時には、主に未知の力を報告。
4:人を殺すことに、快楽を覚えた。
5:アギトの力、及びそれに似た力を持つ者との戦闘は避ける。
[備考]
※デネブの放送は距離と精神的動揺から聞こえていません。
※首輪の制限時間について考え始めました。

215 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:57:37 ID:8BXGTMYA0
           

216 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:58:32 ID:lucv9o1O0


 風谷真魚が目を覚ます。何故意識を失っていたのかを確かに理解したままで。
 まもなく、自身を抱えている二本の腕の存在に気付く。
 「澤田くん……」
 その顔には恐怖しか刻まれていないことを澤田は悟った。
 自分の目の前にいる男が倒した筈の怪人が、男の向かった先で戦っていた。
 自分ならどう反応するだろうか、と澤田も思う。
 「どうしたの? 真魚ちゃん……」
 「…………ま」
 「これが無かったら、危なかったよ」
 澤田が指差す先に視線を誘導させられながら、真魚は無機質なベルトを視界に収める。
 (これって………)
 灰色の怪人と戦っていた蒼い戦士の腰部にあったそれ。
 そこから今の真魚に導き出せる答えは一つ。
 数時間前倒された灰色の怪人と良く似た姿の怪人と、蒼のライダーに変身した澤田が戦った――それ以外のパターンなど、考えたくも無かった。
 真魚は深い理由も無く、ポケットに手を入れる。黒く縮れた紙が見せてくれる映像は、何一つ変わらない。
 二度戦いを自身の目で見て、真魚は確信する。
 澤田くんに頼るだけじゃ、生き残れない――――自分も戦う必要がある、と。
 そんな真魚の心情も知らずに、澤田が心の緊張を解く。自分には何の役にも立たないと思っていたベルトのお陰で、オルフェノクである事実を誤魔化せたのだ。
 放送が近い。それで真魚の反応を見てみるのも、一興だ――。

217 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:59:14 ID:ccZoSE/50


218 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:59:36 ID:ccZoSE/50
 

219 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:59:36 ID:dRtRepjLO
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ
ボラボラボラボラボラボラ
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ


220 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 18:59:44 ID:lucv9o1O0
【1日目 早朝】
【現在地:F-6 川に架かった橋近く】
【澤田亜希@仮面ライダー555】
[時間軸[:34話・真理再生前
[状態]:中程度の疲労。体の各部に軽い打撲。 カイザ、スパイダーオルフェノクに2時間変身不能
[装備]:カイザギア(全装備付属済)
[道具]:基本支給品、通話発信可能な携帯電話、不明支給品×4(澤田と天道の二人分・本人確認済み)
   ライダーベルト(カブト)、ディスクアニマル(アカネタカ)
[思考・状況]
1:参加者を皆殺しにして自分が完全なオルフェノクであることを証明する。
2:風谷真魚を殺すのは最後の仕上げ。先に他の参加者を殺す。
3:なるべくオルフェノク態で戦う事を避けるためカイザギア以外の変身装備が欲しい。
[備考]
※能力制限等のルールについて、あらかじめ大まかに知らされています。
※第一回放送を聞き損ねたため、禁止エリアを知りません。
※澤田の携帯電話は特別仕様のため、通話の発信機能が生きています。
 現在の所、通話可能な相手は主催者(村上社長・スマートレディ)のみです。

221 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 18:59:55 ID:8BXGTMYA0
           

222 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:00:22 ID:ccZoSE/50


223 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:00:54 ID:GzW0zJzy0



224 :太陽背負う闘神 ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 19:00:54 ID:lucv9o1O0
【現在地:E-9 道路】
【風谷真魚@仮面ライダーアギト】
[時間軸]:31話・サイコキネシス発現後
[状態]:健康、精神的ショック。激しく動揺。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式x2(真魚・天道)、コルトパイソン@クウガ(小消費)
      不明支給品(本人確認済み)、首輪(天道)
[思考・状況]
1:澤田についていく。なるべく離れたくない
2:生き残る為には、自分も戦うしか……
3:怪物だらけのこの世界に対する恐怖。
4:帰りたい。でも、どこに帰ればいい……?
[備考]
※サイコメトリーで見えた灰色のモンスターの正体は天道=カブトだと思っています。
※制限もしくは心理的な理由で超能力が不完全にしか発揮できません。
 現状では、サイコメトリーで読めるのは断片的なイメージだけです。
※灰色の怪物(海堂)と赤い怪物(モグラ)は殺し合いに乗っていると思っています。
※ガタックに変身していたのは澤田だと思っています。

225 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:01:56 ID:dRtRepjLO
将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍支援将軍将軍将軍将軍
将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍
将軍将軍支援将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍
将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍
将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍
将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍支援
支援将軍支将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍
将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍将軍

226 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:02:23 ID:ccZoSE/50


227 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:02:30 ID:8BXGTMYA0
    

228 : ◆N4mOHcAfck :2008/05/28(水) 19:03:23 ID:lucv9o1O0
投下終了です。支援してくださった方々のご協力に感謝します。
状態表にいくつか不備がありました。

加賀美・エルの時間→早朝
澤田・真魚の現在地→森林部E-9道路 です。

その他ご指摘等ありましたらお願いします。

229 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:04:58 ID:ccZoSE/50
投下乙ですー
前回のクウガとギルスの行動が、2人を助けたってのが憎い演出ですね。
面白い話でした。次回も楽しみにしてます。

230 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:10:53 ID:8BXGTMYA0
投下乙!
澤田が美味しいw このまま真魚ちゃんと……!
加賀美に訪れる放送後の真実が怖い。
風のエルも殺せはしなかったものの、若干持ち直し。
マーダー勢も元気な状況。
戦闘描写も迫力がありました。
GJ!

231 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 19:44:44 ID:H3PANuGS0
投下おつかれさまです。
ガタックの熱い活躍にデネブのフォロー、そして思わぬところで回ってきた二人のライダーの手助け。
澤田と真魚ちゃんは……うん、もう誤解持ったままでとかもうどうでもいいやw
風のエルもいい感じで狂うなぁ……前回の水のエルとは大違いだ。
GJ!

232 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 20:22:35 ID:uGDiL6cM0
投下乙です!
ヒーローの一撃が後々別の参加者を助ける手助けになるって展開は大好き!前回の響鬼さんがドラスに残したのとか
澤田と真魚は、うん。頑張れ、ヤンデレ+勘違いカップル。真魚ちゃん澤田の事盲目的に信じてきちゃったなぁ
風のエルはこの先もちょっとちょっかい出して撤退って続けるうちにダメージ重なってリタイアしちゃうんじゃw
GJです!

233 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:20:53 ID:tfHTXoJ3P
乙です!
加賀美デネブ班はようやく機能してきた?そして他のキャラから受け継いだもの……大きいですね。
澤田と真魚ちゃんも……w
風のエルの壊れ方含め、この先が楽しみです。

ところで、放送ができる時期が近づいて来たと思うので、
ちょっと書き手スレのほうで話題を振ってみました。
禁止エリアを決める都合もあるので、書き手さん以外でもご意見頂けると嬉しいです。
ご意見はこちらのスレでも結構です。

234 : ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:33:28 ID:H3PANuGS0
遅くなりました。
志村純一、ン・ダグバ・ゼバ、本郷猛(R)、城戸真司、日高仁志、
風間大介、ハナ、緑川あすか、一文字隼人(R)、手塚海之。以上十名、投下します。

235 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:34:14 ID:ccZoSE/50
支援します

236 :Riders Fight ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:35:54 ID:H3PANuGS0
ブォォォォォン……ブォォォォォン……

空が本来の明るさを取り戻した頃に、バイクの排気音が響き渡る。
時たまカーブがあるが、それを除けばほぼ直線な道路を突っ走る、真っ赤な――あまりの速さに閃光にすら見える――バイク。
その赤い車体に乗り、たった一人で夜明けの道を突き進む男、一文字隼人は急いでいた。
改造人間や、それ以外の未知の存在がうようよいるこの戦いで――――自分と共に呼ばれている女性、緑川あすかが生き残れる可能性は限りなく低い。
自分達と違って彼女はただの人間、故にこの場では身体的に劣る側にいる。
本郷や信頼できる人物に保護されているといいが……そう上手くいくとは限らない、だからこそ、今自分が走っているのだ。
別にこの気に乗じてあすかを手に入れようなんて気はない。他人の女に手を出すほど、おちぶれちゃいない。

だけれど――――惚れたよしみだ、本郷に預けられるまでは――――俺が迎えにいってやるよ。



「城戸さん、彼らを連れて逃げてください。」

荒野で龍騎がダグバに対し構えながら告げる。
最も、中身は本来の持ち主である城戸真司ではなく、ここでデッキを使った本郷猛なのだが。
変身したのは半ば賭けに近かったが、その賭けに勝つ自身はあった。

「け、けどそのデッキ使い方分かるんですか!?」
「大丈夫、使い方はさっきのを見てて大体把握したよ。それに……」


237 :Riders Fight ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:36:51 ID:H3PANuGS0

これは半分嘘だ。カードを使うのは分かっているが、どれがどの効果を発揮するのかは全く分からない。
だが自分にとって不利なカードは入っていないだろう。そう考えての発言だ。

「それに……話し合いが不可な以上、これ以上被害を広げないためにもここで叩く。」

その言い分に納得したのか観念したのか、真司は途方に暮れているヒビキと大介、それにあすかを連れて立ち去った。
……去り際にあすかがこちらを睨んでいた気がするが、今はそれどころではない。
改めてダグバに向き直る龍騎。全身を白く染め上げ、ちりばめられた金の装飾がそれを覆う。
各部の突起も然ることながら、ベルトの部分にある顔らしき文様は特に存在感を見せ付けていた。

(一筋縄で行きそうにないな。)

ベルトからカードを引き抜き絵柄を見る――――そこには所謂、青龍刀が描かれていた。迷うことなくドラグバイザーへと読み込ませる。

―― SWORD VENT ――
「ハァッ!」

電子音声と共に現れた剣を取り、龍騎がダグバへと斬りかかる。
その剣先はまるで予想されていたかのようにダグバの手に収まり、流される。だがここまでは予想通り。
ドラグセイバーでの一撃が効かないといるや否や、すぐさま左腕に持ったサソードヤイバーを叩きつけた。
肉を切り裂く音がして、白い胴体に僅かな切れ目と共に赤い血が走っていく。鋼のように鍛えようと、制限下ではこのようなものだ。
血だまりが出来るほどに広がり、夜明けの光には不釣合いなほどよく映えた。
しかし、ダグバ本人は蚊にでも刺されたかのようにそれを振り払い、龍騎のマスクを両手で掴んだ。

238 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:37:31 ID:tfHTXoJ3P
 

239 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:37:46 ID:ccZoSE/50


240 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:38:14 ID:tfHTXoJ3P
 

241 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:38:18 ID:ccZoSE/50


242 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:38:42 ID:tfHTXoJ3P
 

243 :Riders Fight ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:38:58 ID:H3PANuGS0

「グッ、ァッ」

マスク越しに本郷の呻きが漏れた。幾ら本郷が改造人間といえど相手はグロンギの長、究極の闇。
たった一人で太刀打ちできる相手ではない。そもそもここまで互角に戦えた事の方が不思議なのだ。

―― NASTY VENT ――

直後、血だまりから全身を装甲で覆った蝙蝠が飛び出したかと思うと、口からの超音波でダグバを攻撃し始めた。
本来、蝙蝠の超音波は暗闇で正確に位置を把握するためのものだが、これはそんな生易しいものではない。完全に攻撃に特化したものだ。
その攻撃で微かに顔をしかめ、龍騎を蝙蝠目掛けて投げつけた。もちろん、成すすべも無く両者は激突する。

「大丈夫ですか!?」

駆け寄ってきたのはハナが変身したナイトだ。さっきのナスティベントも彼女の計らいであった。


「ああ、ありがとう。」

差し伸べられた手を取って立ち上がりながら答える本郷。マスクが軽くひび割れているが、この程度問題にすらならない。
問題なのは相手の尋常じゃない強さだ。こちらの攻撃はまるで効かないのに、向こうからの攻撃は一つ一つがとても重たい。

「二人でもいいよ……どうせ、僕を笑顔に出来るのはクウガだけなんだから。」

ダグバが残念そうに愚痴る。そのクウガとやらが何者かは知らないが、彼と互角に戦えるほどのものだろう……と、本郷は結論付けた。


244 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:39:07 ID:8BXGTMYA0


245 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:39:16 ID:ZqG0N85G0


246 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:39:33 ID:ccZoSE/50


247 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:39:49 ID:H3PANuGS0

「互いの話は後に回しましょう、まずは……」
「ええ、あのイマジンを抑えなきゃ!」
「……イマジン?」
「ああ、えっと、後で話すわ!」

途中で話を切り上げて、ナイトが走り出す。途中でダークバイザーにカードを差し込んだ。

―― SWORD VENT ――

天から降りて来たおよそ剣とはいえない――寧ろ突撃槍に近い――武器を手に取り、ダグバに突き刺す。
やったか、と思う暇もなくダグバの腕が伸びてくる。体の心をずらしてあたかも剣が突き刺さったかのように見せたのだ。
ナイトへと迫るその手は二本の剣によって防がれる。それに目を見張る間もなくダグバの顔面に踵落としが決まった。

「これで、貸し借りなしだね。」
「……ええ!」

少し距離をとって並び立つ二人のライダー。きっとその仮面の下には笑みが浮かんでいるのだろう。
ハナはその仮面の下で思う。良太郎やバカモモ、それに他の皆も、戦っている間はこんな感じだったのかな……と。
だが思い出に浸っている暇はない。ダグバの両の拳が迫ってくる、一度あたればそこで終わりだ。
二人は同時に同じカードを読み込ませ、衝撃に備えた。

―― GUARDVENT ――
―― GUARDVENT ――

龍の腹部を模した盾が右の拳を押さえ、ダークウイングが変化した鎧が左の拳を受け止める。
けれども、ダグバの顔から余裕の色は消えない……本郷はこの理由を、直後に知る事になった。

「なっ!?」


248 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:40:16 ID:H3PANuGS0

盾が、鎧が音を上げて燃え始めた。ダグバが超自然発火能力を使ったのだ。
すぐさま盾を捨て、二人は各々の武器での攻撃に切り替える。軽い金属音がしただけで、どれも決定打とはなりえない。
ドラグセイバーがダグバの首を切り落とさんと進む――――だが手刀で阻まれ、もう一方の手で刀身を砕かれる。
両手が開いた隙に、ウイングランサーが今度こそダグバの脇腹を貫いた。だがダグバの猛攻を止めるにはあまりにも弱すぎた。

「ふふふ……痛いよ、でも……クウガにはまだ足りない。」

呟いたかと思うと、ナイト目掛けてダグバが特大の頭突きをお見舞いした。あまりの衝撃に思わずランサーから手を離してしまう。
少し力を入れただけでランサーを引き抜き、地で悶えているナイトへと向ける。

―― ADVENT ――
「GAAAAAAAAA!!」

龍騎がカードをベントインし、電子音声が鳴り響く。続けて耳に入るのは赤き龍の咆吼。
ランサーの切っ先がナイトに当たる寸前、ドラグレッダーの放った火球がダグバを包み込む。が、これしきでダグバの猛攻は止まらない。
腕を一振りして炎を払い跳躍。ドラグレッダーの背に飛び乗り、両肘の突起を突き立てた。バリン、と鏡の割れるような音と共に突起が突き刺さった場所に亀裂が広がる。
ドラグレッダーが鏡へと逃げ込み、ダグバが飛び降りる。短時間でドラグレッダーをここまで痛めつけられるのは、そうそういるものではない。

「さぁ、続きを……?」

突如ダグバの白い肌が歪み、元の青年の姿へと戻ってしまう。変身制限の十分間が経ったのだ。
好機とばかりににナイトが冥府の斧を投げつける。一方龍騎はサソードヤイバーを手に飛び掛った。
だが青年は軽くそれを避けると、二人に背を向けて歩き出した。

「待てッ!」
「時間が来た。だから、今はおしまい。」

龍騎が止めようとするが、青年はまるで遊びに飽きたかのような雰囲気を感じさせた。

「またね、仮面ライダー。今度会うときはもっと僕を笑顔にしてね。」


249 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:40:16 ID:8BXGTMYA0


250 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:40:40 ID:H3PANuGS0

それだけ言い残し、ダグバはすたすたと行ってしまった。白い影が砂煙に隠れてしまい、後には誰もいなくなった。
龍騎やナイトも追いかけようとするが、直後の出来事に気をとられてしまう。

―― ADVENT ――

ダグバの存在をかき消すように鳴り響く電子音声、だがドラグバイザーもダークバイザーもベントインした様子は無い。
再びダグバの残した血だまりから何かが飛び出す。今度は蝙蝠ではない、エイだ。赤い体と長い尾を持つ大きなエイ。
呆気に取られている三人を尻目に、エイに降りたつもう一人の人影。弁髪の様な飾りが揺れ、口を開く。

「――――そのデッキを城戸に返せ。」



そこを手塚海之が通りかかったのは、本当にただの偶然だった。
乃木に敗れてから、ずっと当ても無く歩き続けていたらいつの間にか早朝になってしまった。
そのまま一人で最初の放送を聞こうとしていたとき、二つの爆音が耳に入る。
急いでその場に駆けつけると、そこにいたのは数人の人だかり……というには少しばかり少なかったが。
いたのは二人の男と一人の女。二人の戦士――――その姿には見覚えがある、忘れてなるものか。あのライダーを。
脇に隠れていた男は特にどうでもいいが、気になるのはライダーと戦っている白い怪物。モンスターに近いが理性も働くらしい。
そして、最後の一人。自分がこの道に走って、唯一守ると決めた男。その名は――――

(……城戸、真司……ッ!!)

――――城戸真司。何の苦も無く浮かんできた名を自分の中で反芻する。
だがここで疑問が生まれる。何故龍騎に変身しているのが城戸真司ではないのか。
確かにデッキ自体があれば、その中身は誰でもいい。自分が――――雄一のデッキを使い、変身しているように。
……とすると、今、城戸真司は無防備なのでは?

251 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:41:05 ID:ccZoSE/50


252 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:41:13 ID:H3PANuGS0
その可能性に思い至ったとき、手塚は全身の血が逆流するような不快感を覚えた。
本当なら支給品等の護衛方法に結びつくのだろうが、この時の手塚には真司を見つけたことと真司が危機に晒されている事とが重なって冷静な判断力を失っていた。
――――ならば、成すべき事は一つ。その危機を一刻も早く排除するのみ、だ。デッキを奪還し真司の下へと送り届ける。

支給されたペットボトルを取り出し、空中へと放り投げる。
それは一定時間上へ上へと上り続け、やがて思い出したかのように止まり、地上に吸い込まれるが如く落ちていく。
ペットボトルが手塚の前を通り過ぎるその瞬間――――刹那、手塚の手に持ったカードデッキが妖しく輝いた。
落ちた衝撃でペットボトルの中身である飲料水がぶちまけられ、大地に吸収される。その場所を踏みしめるのは装甲に包まれた足。
朝焼けを反射し淡く煌く水面。そこに写るのは赤い鎧に身を包む、歪んだ道化、悲劇の戦士――――仮面ライダーライア。
一歩一歩進むごとに自分が戻れない道を歩いているような錯覚に襲われる……上等だ、元より戻る気などない。
倒すのは龍騎とナイトだけ。白い怪物は勝手に参加者を始末してくれるだろう。

――――いつの間にか、己の手を汚す事を躊躇っている自分に嫌気がさした。怪物に汚れ役を押し付けようとしている、自分に。
最後に真司が他の人を連れて逃げる姿が見えた。これで自分の姿を見られることはない、と少しだけ安堵する。

「……俺が、運命を変えて見せる。」

誰に言うでもなく呟く言葉は決意の表れか、己への悔恨か。それは誰にも分からなかった。



「ククク……ハハハハハ!! いい、実にいいぞ!」

激戦地からほんの少し離れた茂みの中、一人で狂気の笑いを上げるのは志村純一、不死生命体アンデッドの一人。
彼は物陰から戦いを見ていたのだが、自分の予想遥かに超え、且つ自分に有利な事態になってきた事に笑いを抑え切れなかった。
確かに本郷や真司がそれなりに戦う力を持っていたのもある、それも装着者を選ばないあのカードデッキは魅力的だ。
だがそれ以上に志村の興奮を誘ったのは、ダグバの存在。彼は白い怪物に変化し、二人に襲い掛かった。

253 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:42:24 ID:8BXGTMYA0


254 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:42:35 ID:tfHTXoJ3P
 

255 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:42:53 ID:H3PANuGS0
――――と、ここで一つ思い出してほしい。志村は、今まで出会った参加者に、何を言っていただろうか。

長田結花に伝えた情報は何か。

本郷猛に聞かせた言葉は何か。

城戸真司を乗せた口車は何か。

……そう、『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』である。

そして、ダグバが変化した姿は何か? 白い怪物である。この情報を知り、かつダグバと交戦した参加者は、何を思うだろうか?
きっとこう思うだろう。『こいつこそが、剣崎一真と組んでいる白い怪物なのでは』、と。

――――つまり、自分に対しての疑いの目を自然になくす事が出来るのだ。

集団の中で疑心を生み出す者にとって、疑いを持たれないと言う事は最も有利なアドバンテージ。
元よりアルビノジョーカーとしての姿はなるべく見せるつもりはないが、どうして使用せざるを得ない状況では信頼がそれをカバーしてくれる。
既にカミキリムシのような外見、とは伝えてある物の戦っている間は無理にでも集中せざるをえない。故にそこまで考えは回らないだろう。
それにその情報が人から人へ伝わる事によりいつしかあの怪物を覆う包囲網が出来上がる。邪魔になればそれを使って排除すればいい。
自分の掌の上で全てが踊る――――こんなにおかしい事は無い。そう思うと笑いを抑える事など出来なかった。


256 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:42:55 ID:tfHTXoJ3P
 

257 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:43:13 ID:H3PANuGS0

「よぉ、アンタ、無駄に楽しそうだな。」
「ハハハハ!!……ッ!?」

突然背後から話しかけられ、咄嗟に牽制を取りつつ脇へと飛ぶ。志村がいつの間に迫られたのかと思う間もなく次の言葉が飛んできた。

「戦いの横で高笑い……いい根性だが、誇れたもんじゃないな。」

そういって口元に意味深な笑みを浮かべる優男。自分の本性を見透かされたようで志村は思わず歯軋りする。
こいつは策に嵌りにくいタイプだ。何でも疑って掛かり、尚且つ信用失わない程度に馴れ合う。最も面倒な相手だ。(少しばかりリスクが高いが、ここで始末するか。)
僅か数秒で結論を叩き出す。逃げられる前に、誰かと接触する前にこいつを殺す。
グレイブバックルを構え、カードを差し込む。もう何度も繰り返してきた行為だ。

「変身!」
―― Open Up ――

走りながらベルトを操作し、現れたオリハルコンエレメントを潜り抜けて剣を振るう。が、まるで予想していたかのごとく優男はそれをかわした。
お返しとばかりに足払いで体制を崩され、そこから右ストレートをもろに食らった。それも生身の相手に、だ。
痛みを訴える体を無視して立ち上がらせ、グレイブラウザーを投擲。しかしその先にあの優男はいない。

「どこだ……ガッ!?」

後頭部を襲う衝撃、一瞬目の前が真っ白になる。軽く脳震盪を起こしたようだ。
倒れる直前にグレイブラウザーを回収し、杖代わりとして立ち上がる。立ち上がった先にいたのは、軽くステップを踏みながら構える濃緑の戦士。

「いきなり敵意むき出しか、まあ、俺もお前は気に食わないがな。」

ホッパー二号――――仮面ライダー二号が地を駆け、拳がグレイブラウザーと触れ合う。それが、開戦の合図になった。




258 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:43:19 ID:8BXGTMYA0


259 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:43:47 ID:ccZoSE/50


260 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:44:14 ID:H3PANuGS0
宣戦から離脱した真司たち四人は、まず互いの自己紹介からはじめるが、その過程でそれぞれの話に食い違いが出てきた。
真司の住む世界では猛士という組織は知られていないし、ヒビキの世界にはワームなどという化け物も存在していない。
ましてや、大介のいた世界に、ミラーワールドなどという別の世界はあるはずも無かった。

「引っかかりますね……ヒビキさんと話をしたときもそうですが、こうも話が違ってくるなんて……」

大介の言葉に真司とヒビキが頷く。どうやらこの二人はどこか気が合うようだ。
そんな中で、あすかはたった一人で考え事をしていた。早くも見つけた、憎き恋人の仇を。
すぐにでも引き返して殺しに行きたいが、生憎一人で敵う相手でもないし、何より信頼を勝ち取っている。
ちらりと本郷と一緒にいた真司を見る。単純そうで、人から聞いた話はすぐに信じそうだ……が、その中には誠実さが見え隠れする。
せめて何か強い道具さえあれば……あすかは理想通り行かない現実に歯噛みする。何故罪の無い克彦が殺され、罪人の本郷がのうのうと生きているのか。

(……道具? そうだ、支給品!)

ふとした切欠で可能性にぶち当たる。力の差を埋め、殺し合いを加速させる鍵。それこそ支給品だ。

「そういえば、城戸さんの支給品はなんだったんですか?」
「ん? ああ、俺はこれ。」

真司がデイパックからアタッシュケースを取り出し、開いて三人に中身を見せる。
なぜデイパックにアタッシュケースが納まるのかという疑問もあるが、それよりも中身に不自然さに眼を奪われた。
見た者に機械的な印象を持たせるその外観。黒を基調とするそれは、デルタギアと名づけられたものだった。

「何これ?」
「だよなー、俺もよくわかんない。」

ヒビキが真っ先に手を伸ばし、デルタギア本体を掴み取ると、ベルトの帯がひらひらと中に揺れた。
試しに巻いてみるが、特にこれといった変化は無い。むしろ金属で出来ているためか普通のベルトより重く感じられた。
ずっと着けているのも面倒だし、何より機械が苦手なのでベルトをアタッシュケースに戻しておいた。
はらりと落ちた紙を拾い上げ、大介がそれに眼を通した。


261 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:44:21 ID:tfHTXoJ3P
 

262 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:44:40 ID:ZqG0N85G0


263 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:44:46 ID:8BXGTMYA0


264 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:44:48 ID:ccZoSE/50


265 :Riders Fight!:2008/05/28(水) 21:44:52 ID:noA41hcE0

「互いの話は後に回しましょう、まずは……」
「ええ、あのイマジンを抑えなきゃ!」
「……イマジン?」
「ああ、えっと、後で話すわ!」

途中で話を切り上げて、ナイトが走り出す。途中でダークバイザーにカードを差し込んだ。

―― SWORD VENT ――

天から降りて来たおよそ剣とはいえない――寧ろ突撃槍に近い――武器を手に取り、ダグバに突き刺す。
やったか、と思う暇もなくダグバの腕が伸びてくる。体の心をずらしてあたかも剣が突き刺さったかのように見せたのだ。
ナイトへと迫るその手は二本の剣によって防がれる。それに目を見張る間もなくダグバの顔面に踵落としが決まった。

「これで、貸し借りなしだね。」
「……ええ!」

少し距離をとって並び立つ二人のライダー。きっとその仮面の下には笑みが浮かんでいるのだろう。
ハナはその仮面の下で思う。良太郎やバカモモ、それに他の皆も、戦っている間はこんな感じだったのかな……と。
だが思い出に浸っている暇はない。ダグバの両の拳が迫ってくる、一度あたればそこで終わりだ。
二人は同時に同じカードを読み込ませ、衝撃に備えた。

―― GUARDVENT ――
―― GUARDVENT ――

龍の腹部を模した盾が右の拳を押さえ、ダークウイングが変化した鎧が左の拳を受け止める。
けれども、ダグバの顔から余裕の色は消えない……本郷はこの理由を、直後に知る事になった。

「なっ!?」


266 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:44:59 ID:H3PANuGS0

「ライダーズギア初号機……全く分かりませんね……ただ分かるのはこれがスマートブレインが作ったものだという事、そして……」

少し間を空け、一呼吸。眼を開いて内容を淡々と口に出す。

「そして……信じがたいですが、これを使えば私たちと同様に変身出来るようですね。しかも人を選ばないと来た。」
「おお、風間さんスゲー!」
「いや……凄いも何も書いてある事を読み上げただけですが。」

変身、その単語にあすかの眼が光った。人を選ばないという事は、自分でも力が手に入る………本郷を、殺せる!

「多分、あいつが志村さんの言っていた白い怪物だ。今からちょっと俺戦ってくる!」
「待てって、これの強さも分からないのに行くのは無謀だ。今は待った方がいい。」

戦いに向かおうとする真司をヒビキが嗜める。駄目だ、ベルトを持っていかないでくれ。
もう迷っている暇はない――――ベルトを奪い取り、この力で本郷を殺す。

(……本当にいいの?)

何処かで誰かの声が聞こえる……嗚呼、これは誰だったか。顔も名前も思い出せない、この声。
だけれども、今はそんな事は微々たる物。今の自分には、本郷を殺すことしか頭に無いのだから。
例えるなら、これは罰。悪行を重ねた罪人、本郷猛に対して緑川あすかが下す、正しき裁きの鉄槌。

(……この馬鹿。)

――――ああ、そうか。あすかは今頃になって理解する。
この声は自分だ。ココロの何処かで殺人を否定する、緑川あすかの良心だ。
でもごめんなさい、今は私であって私でない。言わば――――そう、鬼。復讐の鬼が宿っている。
声に耳を貸す事は無く、私は私である事を、私自ら……放棄した。

267 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:45:36 ID:H3PANuGS0

「うわっ!!」
「あすかさん!何をするんですか!?」

不意をついて真司からアタッシュケースごとデルタギアを奪い取る。当然大介がそれを止めに入った。
差し伸べてくる手をケースの端で落とし、一目散に本郷の元へと走った。が、その前に立ちはだかるのはヒビキだ。

「一体どうしたの、眼が怖いよ?」
「どいてください!!」

いつもの軽い口調でヒビキが止めようとする。だが今は逆に神経を逆なでするだけだ。
逆の手に持っていた剣で一閃。どうやら顔に入ったのか、斜めに切り傷が入り真っ赤な血が流れ出た。
ヒビキが蹲っているうちにベルトを身に着け、説明書の変身のページを頭に叩き込む。

「ヒビキさん!大丈夫かよ!?」
「くっ……大丈夫、鍛えてるからこんなん大丈夫だよ。」
「あすかさん、何だってこんなことを……ッ!」

ヒビキを抱きかかえた真司と大介があすかを睨みつける。大してあすかはとても冷めた顔をしていた。
覚悟を決めたからか、あるいは純粋にどうでもよくなったのか。その眼に光は一切無い。

「ごめんなさい、私どうしてもやらなきゃならない事があって……変身。」
――standing by――

手にしたデルタフォンが音声を認識し、それに対応した電子音声が答える。
ゆっくりと腰のデルタムーバーに差し込み……白い閃光が体中を駆け巡った。

――Compleate――
光が止んだ時……そこには既にあすかの、いやデルタの姿は無かった。恐らくは激戦地に向かったのだろう。
三人は呆気に取られるが、いつまでも突っ立っている訳には行かない。

268 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:45:42 ID:tfHTXoJ3P
 

269 :Riders Fight!:2008/05/28(水) 21:45:50 ID:noA41hcE0
宣戦から離脱した真司たち四人は、まず互いの自己紹介からはじめるが、その過程でそれぞれの話に食い違いが出てきた。
真司の住む世界では猛士という組織は知られていないし、ヒビキの世界にはワームなどという化け物も存在していない。
ましてや、大介のいた世界に、ミラーワールドなどという別の世界はあるはずも無かった。

「引っかかりますね……ヒビキさんと話をしたときもそうですが、こうも話が違ってくるなんて……」

大介の言葉に真司とヒビキが頷く。どうやらこの二人はどこか気が合うようだ。
そんな中で、あすかはたった一人で考え事をしていた。早くも見つけた、憎き恋人の仇を。
すぐにでも引き返して殺しに行きたいが、生憎一人で敵う相手でもないし、何より信頼を勝ち取っている。
ちらりと本郷と一緒にいた真司を見る。単純そうで、人から聞いた話はすぐに信じそうだ……が、その中には誠実さが見え隠れする。
せめて何か強い道具さえあれば……あすかは理想通り行かない現実に歯噛みする。何故罪の無い克彦が殺され、罪人の本郷がのうのうと生きているのか。

(……道具? そうだ、支給品!)

ふとした切欠で可能性にぶち当たる。力の差を埋め、殺し合いを加速させる鍵。それこそ支給品だ。

「そういえば、城戸さんの支給品はなんだったんですか?」
「ん? ああ、俺はこれ。」

真司がデイパックからアタッシュケースを取り出し、開いて三人に中身を見せる。
なぜデイパックにアタッシュケースが納まるのかという疑問もあるが、それよりも中身に不自然さに眼を奪われた。
見た者に機械的な印象を持たせるその外観。黒を基調とするそれは、デルタギアと名づけられたものだった。

「何これ?」
「だよなー、俺もよくわかんない。」

ヒビキが真っ先に手を伸ばし、デルタギア本体を掴み取ると、ベルトの帯がひらひらと中に揺れた。
試しに巻いてみるが、特にこれといった変化は無い。むしろ金属で出来ているためか普通のベルトより重く感じられた。
ずっと着けているのも面倒だし、何より機械が苦手なのでベルトをアタッシュケースに戻しておいた。
はらりと落ちた紙を拾い上げ、大介がそれに眼を通した。



270 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:46:22 ID:8BXGTMYA0


271 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:46:47 ID:H3PANuGS0

「城戸さんはここでヒビキさんを頼みます。」
「ああ、わかった。」
「待った、その必要は無い。」

大介の提案に異議を唱えたのはほかでもないヒビキ自身だった。
見れば顔の傷は塞がりかけている。鬼としての超回復能力があってこそなのだが、それでも傷跡は残りそうだ。

「よし、急いで追いかけるぞ!」
「よしって……なんですかその人間離れした傷が治る速さは!?」
「鍛えてますからっ!」
「流石ヒビキさん!」
「流石って、それじゃすまないでしょう!」

自分とあまりに違いすぎるテンションの二人に、突っ込み疲れが出たのか大介は大きな溜息をついた。
それと一緒に気疲れも抜けて行ったのか、その後の顔を上げた大介には凛々しい表情が写っていた……単に諦めただけかもしれないが。

「兎に角、動けるようなら彼女を追いますよ。尤も、変身した足に追いつけるか……ですが。」



272 :Riders Fight!  ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:47:14 ID:H3PANuGS0



―― SWING VENT ――

エイの尾を模した鞭を振るい、ライアは龍騎に飛び掛る。サソードヤイバーで防ぐが鞭が絡みつかれ、接戦に持ち込まれた。
背後からナイトが襲うも体を器用に曲げて回避、鞭を持っていないほうの手で拳を浴びせた。

「きゃっ!」

拳の直撃を食らったナイトは地を転げ、中のハナも衝撃に声を出してしまう。
女性に手を出してしまった事に少し戸惑うが、すぐに頭を攻撃へと切り替える。
龍騎は刃を引き抜き、半ば無理やりにエビルウィップから引き抜く。対してライアは続く斬撃をバイザーで防いで、再びカードをベントイン。

―― COPY VENT ――

サソードヤイバーに鏡像の影が重なり、それが宙に浮いたかと思うと実体化してライアの手に治まった。
まったく出鱈目な物だと内心呆れつつ、龍騎はライアに刃を向けた。金属音と共に二つのサソードヤイバーが交差する。

「もう一度だけ言う、そのデッキを城戸に返せ。そうすれば今は見逃してやる。」
「……その声、一文字か!?」
「誰だそれは!」

本郷の勘違いをよそにライアの回し蹴りが命中、思わず体制が崩れる龍騎。

「城戸さんの名前を知ってるって事は、あなたも城戸さんの知り合いなんだろう! 何で殺し合いなんかにのって……」

隙を突いてライアのサソードヤイバーが襲うが、それを阻むのはナイトの持つダークバイザーの刃。


273 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:47:17 ID:8BXGTMYA0


274 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:47:22 ID:ZqG0N85G0


275 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:47:47 ID:ccZoSE/50


276 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:47:54 ID:ZqG0N85G0


277 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:47:53 ID:tfHTXoJ3P
 

278 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:47:59 ID:8BXGTMYA0


279 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:48:07 ID:uGDiL6cM0
 

280 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:48:14 ID:H3PANuGS0

「話を聞く気がないのなら……運命を変えるため、死んでもらう!」
「ふざけないで!」

―― STRIKE VENT ――
龍騎もドラグクローを持ち、徐々に構えを取っていく。
構えに合わせてドラグレッダーが回り、さらにその口に炎のエネルギーを収束させ狙いを定めた。

「ハァァァァァァ……」

一度だけ手前に引き、天を裂く叫びと共にライア目掛けて――――力いっぱい突き出す!

「……ッダアアアアアアアアッッ!!」

押さえつけられ、収束した炎を突きと共に開放。ドラグレッダーが吐くエネルギーが真っ直ぐライアに向かう。
すぐさま退路を取ろうとするが、ナイトがそれを防ぐ。背にダークウイングが着いたままと言う事は、ライアに着弾した時点で飛び立つつもりなのだろう。

「ファイア!」
―― Burst Mode ――

――――しかし、物事はそううまく進まない。
突如黒いライダーが割って入ったかと思うと、炎に向けて高エネルギー弾を何発も発した。当然炎はかき消され、その弾は龍騎にも襲い掛かる。

「ッ!?」
「本郷オオオオオオッ!!」


281 :Riders Fight!:2008/05/28(水) 21:48:46 ID:noA41hcE0
「よぉ、アンタ、無駄に楽しそうだな。」
「ハハハハ!!……ッ!?」

突然背後から話しかけられ、咄嗟に牽制を取りつつ脇へと飛ぶ。志村がいつの間に迫られたのかと思う間もなく次の言葉が飛んできた。

「戦いの横で高笑い……いい根性だが、誇れたもんじゃないな。」

そういって口元に意味深な笑みを浮かべる優男。自分の本性を見透かされたようで志村は思わず歯軋りする。
こいつは策に嵌りにくいタイプだ。何でも疑って掛かり、尚且つ信用失わない程度に馴れ合う。最も面倒な相手だ。(少しばかりリスクが高いが、ここで始末するか。)
僅か数秒で結論を叩き出す。逃げられる前に、誰かと接触する前にこいつを殺す。
グレイブバックルを構え、カードを差し込む。もう何度も繰り返してきた行為だ。

「変身!」
―― Open Up ――

走りながらベルトを操作し、現れたオリハルコンエレメントを潜り抜けて剣を振るう。が、まるで予想していたかのごとく優男はそれをかわした。
お返しとばかりに足払いで体制を崩され、そこから右ストレートをもろに食らった。それも生身の相手に、だ。
痛みを訴える体を無視して立ち上がらせ、グレイブラウザーを投擲。しかしその先にあの優男はいない。

「どこだ……ガッ!?」

後頭部を襲う衝撃、一瞬目の前が真っ白になる。軽く脳震盪を起こしたようだ。
倒れる直前にグレイブラウザーを回収し、杖代わりとして立ち上がる。立ち上がった先にいたのは、軽くステップを踏みながら構える濃緑の戦士。

「いきなり敵意むき出しか、まあ、俺もお前は気に食わないがな。」

ホッパー二号――――仮面ライダー二号が地を駆け、拳がグレイブラウザーと触れ合う。それが、開戦の合図になった。




282 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:49:03 ID:ccZoSE/50


283 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:49:14 ID:H3PANuGS0

紙一重でそれを避ける龍騎だが、続けてやけに派手な剣――デンカメンソード――での斬撃が飛んでくる。
思わずサソードヤイバーで流すが、それよりも相手が自分の名前を呼んで来た事に驚く龍騎。
確かにこの場に知り合いはいるけれども、このように叫びながら切りかかってくる知り合いは居ない。

「ちょっと待ってください! どうして俺の名前を……」
「危ない!」

会話の途中でナイトに突き飛ばされる。視界の端に龍騎の居た場所がライアのサソードヤイバーで切り裂かれているのが見えた。
ライアとデルタは互いを邪魔者と認識し、二人をよそに争い始めた。

「邪魔をしないでください!」
「それはこっちの台詞だ!」

ライアの拳がデルタの脇腹を捉え、間を空けることなく柄を使った頭部への打撃。さらにエビルウィップでの一撃を食らわせる。
動きにキレがない、素人だ。とライアは確信した。しかし、素人だからこそ凶器を持つと何をしでかすか分からない。
デルタムーバーから滅茶苦茶に発射される光弾。弾数が多すぎて軌道を読みきれず、その内の一つが装甲を掠めていく。
ただ、銃ならエビルウィップでも捌ききれる。問題は剣だ、刃筋が立たぬ以上斬り裂けはしないがそれだけに集中できない。
ちなみに飛ばされた龍騎とナイトは、少しだけ置いてけぼりを食らっていたが、デルタを見ていてあることに気付く。

「あの剣……あすかが持っていたやつだわ!」
「それにあのベルト、城戸さんに支給されたものだ!」

デルタの装備が自分らの知るものだと分かると、途端に二人は動き出した。
考えたくはないが、もしかすると襲撃者に会って装備を奪われたのかもしれない……それに、安全という保障も出来ない。
ならばどうする――――――――決まっている。さっさとこの場を切り上げて皆の下に戻るだけだ!
二人は同時にカードを引き抜き、それぞれのバイザーに差し込む。

―― FINAL VENT ――
―― FINAL VENT ――
「GAAAAAAAAA!!」

284 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:49:18 ID:8BXGTMYA0


285 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:49:40 ID:tfHTXoJ3P
 

286 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:50:03 ID:H3PANuGS0

咆吼と共にドラグレッダーが、そしてその陰に隠れてダークウイングが飛来する。
ナイトが一足早く飛び、ダークウイングと合体。その翼が体を包んだかと思うと、しなやかな布に変化し、何物をも貫く刃と化す。
グルグルグルグルとその身を回転させ、やがて螺旋を描くように落下していく。

続いて龍騎が構えを取り、その腕の動きと共にドラグレッダーが周囲を旋回。そして、地を蹴り一気に飛び立つ。
空中で捻りを加えて一回転。右足を前に突き出し、龍の口から放たれた灼熱の炎と共に突き進む。

「何!?」
「クッ!!」
―― FINAL VENT ――

ライアは迫り来る二人の必殺技に対処すべく、同じく自分の必殺技で対処した。
威力の上ではナイトの技と同じ5000AP。だがこちらにも負けられぬ意地がある、通して見せる。
現れたエビルダイバーに飛び乗り、飛翔。鋭角化した鰭を構えて特攻する。
一方デルタ。向かってくる烈火の蹴りに対抗する手段が見つからず、咄嗟にデンカメンソードの盾の部分を構えた。
――――本当ならルシファーズハンマーでも対抗できたのだろうが、生憎あすかは最後まで説明書を読んでいなかった。

「「「「オオオォォォォオオォォオッッ!!」」」」

四重にも重なる雄叫び。ぶつかり合う衝撃と衝撃、意地と意地。
ピシリ、と何かが砕ける音がし、四人の視界に移る物全てが――――――――白く、輝いた。



287 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:50:16 ID:tfHTXoJ3P
  

288 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:50:35 ID:ZqG0N85G0


289 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:50:40 ID:uGDiL6cM0
 

290 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:50:54 ID:ccZoSE/50


291 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:51:06 ID:tfHTXoJ3P
 

292 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:51:23 ID:H3PANuGS0
刀と刀が触れ合い、鮮やかな火花を何度も散らす。
グレイブの持つグレイブラウザーが二号の首を狙うが刃先を取られ、逆方向に向けられる。
それに気を取られる間もなく二号のアッパーが飛び、グレイブの頭部を強く揺らす。
グレイブも受けるばかりではなく、回転蹴りで二号の左腕を打つ、打つ、打つ!!
何度か拳をあわせているうちに左腕を庇う仕草が何度か見られた。ならば、弱点となり得る箇所を集中攻撃するのが道理という物。
卑怯などという論理感は存在しない……全ては勝つため、生き残るため。グレイブはそのためだけに刃を動かしていた。
折角策を労したのに、こんなところで潰されては適わない。故に邪魔者は排除するのみ。
二号の拳が腹部を打ち抜く。が、飛ばされる直前にグレイブラウザーを土に突き立てそれを軸として回転。
眼を見張る二号を尻目に、一周した勢いをつけて、逆に零距離からの蹴りをお見舞いした。

「グゥ……ッ!」

腹を押さえ唸る二号。その間に体制を持ち直したグレイブは剣を取り、左腕への攻撃を再開する。
一つ一つは小さくても、確実に切り傷は増えていき、二号の体力を奪っていく。しかし二号もやられるわけにはいかない。
刀で猛攻を止め、反撃。だが切っ先は僅かにグレイブの仮面を掠るのみで、傷一つつきはしなかった。

「クソッ、この鈍ら刀が!」

いいつつその隙にカブトエクステンダーへと戻り、起動。ランプが光りその場に排気音が木霊する。
ハンドルを握って、駆けた。眼にも留まらぬ速さでグレイブに突進し、半ば轢き逃げのような形で疾走する。その被害者ことグレイブは今だ引きずられたまま……であるが。

「チィッ!!」


293 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:51:58 ID:tfHTXoJ3P
 

294 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:52:01 ID:ccZoSE/50


295 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:52:19 ID:8BXGTMYA0


296 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:52:23 ID:ccZoSE/50


297 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:52:39 ID:H3PANuGS0
何とか身をよじって無理やりに車体を切りつける。が、怒りで頭に血が登ったグレイブにはそれが無駄な行為だという事に気付かない、気付けない。
カブトエクステンダーは所有者である天道総司ことカブト――――彼は既に居らず、カブトも『現時点では』存在しないが――――と同様にキャストオフシステムを備えている。
ライダーのマスクドフォームに相当するマスクドモードは、エクスモードとしての機能を守る鎧としての役割も持っている。
……ただ、制限のためにエクスモードへの変形が出来ないだけでもあるが。
ようやく刃が通らないと悟ったグレイブは攻撃目標を二号へと切り替え――――られなかった。二号がハンドルを切り、その衝撃で弾き飛ばされたのだ。

「ガァ、ハッ」
「どうした? おねんねするにしても、もう朝だぜ。」
「ぬかせ!」

グレイブの仮面の下で、志村は歯軋りする。まだ余裕綽々な一文字に対しての怒りもあるが、一番はこの苦渋を受けている自分自身への憤り、だ。
だが志村も馬鹿じゃない、自分と相手の差ぐらい理解している……機動力だ。自分は足、相手はバイク。追いつく訳がない。
だから奪えばいい。強者が弱者を蹂躙するが如く、食物連鎖の流れを直接味合わせてやろう。
ラウザーを構え、自分が持つ唯一にして最強のカードをラウズ。鳴り響く電子音声が終わる前に駆け出した。

―― MIGHTY ――

蒼く浮かぶ絵柄を剣に纏わせ、渾身の力でバイクの上の二号へと衝撃波を放つ。これぞ必殺、グラビティスラッシュ。
腹部に技を受け、バイクが横転。衝撃でマスクが吹き飛び二号の手から刀が落ちる。

――――――――否、落ちたのではない。落としたように見せかけ、地面に突き刺したのだ。その剣を左腕で握り締めて、回転。
グレイブはその光景に既視感、一種のデジャヴを覚える。それもそのはず、なぜならこの戦法は――――

「俺の策を、真似しただと――――ッ!!」

先ほど二号に与えた衝撃が、今度は自分の元へと跳ね返ってくる。いや、それにホッパーとしての脚力が加わっているのだ、先ほどの非ではない。
回避行動を取ろうとするが、もう遅い。技を返されると思って居なかったので、動くよりも早く二号の足が迫ってくる。


298 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:53:21 ID:H3PANuGS0

「……ヤァァァーッ!!」

技の二号が必殺技、ライダーキック。仮面ライダーの装甲を持つ怪人に向け、消して挫けぬ本物の蹴りが直撃する。
意識が途切れる寸前、グレイブの赤い瞳は、二号の素顔が――――一文字隼人が笑みを浮かべているのを認識した。
金色の装甲が爆ぜ、地面を二度三度転がり、体中から火花を散らせ――――

「……ッ、ガァアァアアァァァアアア!!」

――――仰向けに倒れ、やがては周囲を巻き込む大爆発を起こした。
思わず閃光に眼を閉じてしまうが、一文字はすぐさま踵を返してもう一つの戦いの地へとバイクを走らせていった。



眼が覚めたあすかがまず最初に感じたのは、静寂だった。
何分ほど気を失っていたのかを確認するが、既に日が昇り始めていることとまだ変身が解けていない事からそう長い間眠っていた訳ではないらしい。
自分を守った剣……いや盾はあの衝撃に耐え切れなかったのだろう、各部がひび割れ――――特に仮面が装着されていた場所は粉々に砕け散っていた。
現に変身の解けた本郷とハナ、ついでに見知らぬ男が横たわっている……いや、見知らぬ男などではない。この顔は片時も忘れたことがない。

「克、彦……?」


299 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:53:26 ID:ccZoSE/50
  

300 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:54:17 ID:H3PANuGS0

そんな、確かに死んだはずなのに、

嘘。
嘘嘘。
嘘嘘嘘。

嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘。

確かに殺された、今隣で寝ている本郷の手によって無残にも殺されたはず。でも……生きていた?

「克彦、克彦なの!?」

体を強く揺らす。すると自分の手の先から赤い電流が迸り、服を軽く焦がした。
男は苦痛に顔を顰めるが、あすかの注意は一瞬だけ別のところに移ってしまう。体中を覆っていた装甲が消えてしまったのだ。
変身制限の十分が経ったのだが、当のあすかはそんな事知る訳がない。特に変身が解けた事に疑問もなく男を抱きかかえた。

「ウゥ……ウ」
「克彦、ねえ起きて!」

眼を覚ました男は、訝しげに服の焦げを払うと、あすかに向かって口を開いた。




お前は、誰だ? と。





301 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:54:22 ID:ccZoSE/50


302 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:54:29 ID:tfHTXoJ3P
 

303 :Riders Fight!:2008/05/28(水) 21:54:44 ID:noA41hcE0
――――電車が6時から運行を開始し、水族館と大学へ通じることを知った二人だが、どちらへ向かうかで意見が分かれた。
 「水族館に行こう!加賀美!!」
 「いや、何でそうなるんだ……」
 「魚を侑斗に見せるんだ!」
 加賀美は頭を抱える。ここにその人物がいないと言うのに、水族館へ行ってどうするというのか。
 大体、今は水族館見学などしている場合では無い。そう断言する加賀美だが、デネブは中々納得しない。
 「加賀美こそどうして大学の方へ行きたいんだ?」
 「そ……それは」
 いざ聞かれると咄嗟に言い返せないのが加賀美である。
 「き……北にある大学や研究所になら、脱出しようとする他の人達が集まっているかも知れないだろ?」
 ぎこちなく並べられた言葉で、デネブを止めることなど不可能である。
 「他の人なら街の方が多いに決まっているだろう、加賀美!!」
 (街つっても脱出や仲間集めに役立つような施設は……)
 マップで市街地に点在する施設を眺めるうちに、「放送局」の三文字を目にする加賀美。
 放送局の電波塔をジャックし、自信に満ち溢れた名乗りをあげそうな男の事を心にしまい込みつつ、再びデネブとの口喧嘩を続けていく。
 
 それが収まったのは5分位後のことだろうか。二人が同時に時刻表の張り紙に再び目を通し、6時から水族館、大学の両方から列車が彼らの元へやってくることを知ったからである。
 始発から30分後に到着する二本の電車に、彼らは期待することにしたのだ。
 
 「そうなると、結構時間あるよなぁ……」
 それまでの空き時間に仮眠でもとろうか、と加賀美が考えた直後。
 
 『電車が動くまではまだ時間があるから、その森に行こう、加賀美!!もしかすると侑斗がいるかも知れない!!!』
 ぼやきをしっかりと聞きつけたデネブに押し切られ、現在に至る。



304 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:54:48 ID:8BXGTMYA0


305 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:54:49 ID:ccZoSE/50


306 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:54:49 ID:tfHTXoJ3P
 

307 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:55:05 ID:H3PANuGS0

「――――――――え?」

様にならない声が漏れる。だがあすかの思考は大パニックを起こしていた。
克彦が自分を忘れた?馬鹿な、記憶喪失か?克彦に限ってそんな事はない。
そういえば世界には三人同じ顔が居る、という噂を聞いたことがある。宇宙には五人いるだとかも聞いたがその辺は割とどうでもいい。
だけど名簿には克彦の名前はなかった……ああ、そうか、そういうことか。

「アハハハハハ!! そう、そうなのね克彦……いいえ、克彦の皮を被った偽者さん!」

突然あすかが笑い出したのもそうだが、その拍子に抱きかかえていた手が離れて地面に強く打ち付けられる。
すぐさま距離をとって、男――――手塚はデッキを構えるが、Vバックルが現れる気配はない。当たり前だ、彼にも等しく変身制限は課せられているのだから。

「聞いたことがあるわ……何でしたっけ、ドッペルゲンガー? あなたもそうなんでしょう?」

思わず手塚は身震いした。彼もドッペルゲンガーの噂くらいは聞いたことがある、だがそれでも今の状況が理解できなかった。
わかる事は一つ、「目の前の彼女は自分を誰かと勘違いしており、尚且つ狂っている」という事だけだ。
変身できないなら……どうする?生身でも負ける気はないが、一番の危惧は――――いや、今その危惧がこちらに向かっている。

「本郷さーん! あすかさぁーんっ!」

手塚の耳は確かに、自身が守ると誓ったお人好しの叫びを聞いた。
今城戸に気取られる訳にはいかない、思うと同時に駆け出してあすかの視界から逃れる。
運良くここは丘陵地帯と森林エリアの境。死角になるようななるような場所は幾らでもあり、すぐさま手塚の姿は見えなくなってしまった。

「おおーいっ……って、あすかさん! これは一体何が……」
「ハナさん! 大丈夫ですか!?」
「さて、訳を聞かせてもらおうかな?」

ああ、煩わしい。

308 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:55:13 ID:ccZoSE/50


309 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:55:27 ID:uGDiL6cM0
 

310 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:55:38 ID:8BXGTMYA0


311 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:56:11 ID:H3PANuGS0
答える気もなく、その場を立ち去ろうとしたが何物かに腕を捕まれる。誰だと振り返ったが、そこに立っていたのは本郷だった。
何も言わないが、眼が強く語りかけてきた。それがどうしようもなくあすかの気に障り、思わず電撃を出させた。

「ッ!」

予想以上に強かったのか、本郷が再び倒れる。その隙に全速力であすかは走って逃げた。

「待て!」

背後から真司の叫ぶ声があすかを貫く。だがあすかはそんなことを露ほども介さず、あの偽者は何処にいったかなどを考えていた。
自分の目の前で克彦を侮辱したのだ、本郷よりも先に殺す。首を本郷に持っていって自分が本気だと知らしめるのも悪くない。
――――そんな事を考えながら、緑川あすかは姿を消した。

「大丈夫ですか!?」
「……アンタ、は?」
「私は風間ですが……何処かでお会いしましたか?」
「風間……風見の間違いじゃないか?」
「……いえ、風間ですがそれが何か。」

――――他人の空似か。でもさっきの一文字と似たような声の奴も、別人とは思えない。

再び勘違いが起こり本郷が頭を抱える横で、けたたましいバイク音が鳴り響く。その場に赤い車体が割り込んで、急ブレーキ。
驚く本郷が見つけたその顔は、心配していた友の姿。ホッパー二号――――一文字隼人。

「一文字……お前なのか!?」
「……あれ、手塚?」
「俺以外に誰だって言うんだよ、手塚?誰だそいつ。」


312 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:56:22 ID:tfHTXoJ3P
 

313 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:56:29 ID:ZqG0N85G0


314 :Riders Fight!:2008/05/28(水) 21:56:36 ID:noA41hcE0
「……ヤァァァーッ!!」

技の二号が必殺技、ライダーキック。仮面ライダーの装甲を持つ怪人に向け、消して挫けぬ本物の蹴りが直撃する。
意識が途切れる寸前、グレイブの赤い瞳は、二号の素顔が――――一文字隼人が笑みを浮かべているのを認識した。
金色の装甲が爆ぜ、地面を二度三度転がり、体中から火花を散らせ――――

「……ッ、ガァアァアアァァァアアア!!」

――――仰向けに倒れ、やがては周囲を巻き込む大爆発を起こした。
思わず閃光に眼を閉じてしまうが、一文字はすぐさま踵を返してもう一つの戦いの地へとバイクを走らせていった。



眼が覚めたあすかがまず最初に感じたのは、静寂だった。
何分ほど気を失っていたのかを確認するが、既に日が昇り始めていることとまだ変身が解けていない事からそう長い間眠っていた訳ではないらしい。
自分を守った剣……いや盾はあの衝撃に耐え切れなかったのだろう、各部がひび割れ――――特に仮面が装着されていた場所は粉々に砕け散っていた。
現に変身の解けた本郷とハナ、ついでに見知らぬ男が横たわっている……いや、見知らぬ男などではない。この顔は片時も忘れたことがない。

「克、彦……?」


315 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:57:06 ID:H3PANuGS0

眼を丸くする本郷と真司に対し一文字はかなり落ち着いた態度を見せる。だがイカデビルやグレイブとの戦いで負った傷はそう浅くはなかった。
それでも尚、余裕が消えない――――あるいは弱さを見せない――――のは、彼なりの心遣いだろうか。

「一文字、折角合流できたところで悪いが彼らを任してもいいか?」
「は?」
「バイク、借りるぞ!」

言うが早いか、本郷はカブトエクステンダーに跨り、ハンドルを握って走り出そうとする。

「待てッ!」

静止の言葉をかけられ、振り返る本郷に黒くて丸い何かが投げつけられた。落ち着いて見ると、それは普通のフルフェイスのヘルメットだった。
それを持ってきたらしい真司と、それを投げたらしいヒビキが柔らかい表情を作る。大介も帽子を脱ぎ腕を組んでいたが、本郷は口元に浮んだ笑みを見逃さなかった。

「何があったかは知らないが、後悔だけはするなよ。」

一文字からの激動を胸に、ヘルメットを被る本郷。

バイクが鳴らす音は、戦いを仕組んだ者達へ向けた反逆の誓い。

このヘルメットは、戦いに乗った者達へ翳す黒き輝き。


そして――――胸に持つのは、戦いに抗う友の言葉と正義の炎。

【早朝、放送直前】【D-5】



316 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:58:01 ID:8BXGTMYA0


317 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:58:10 ID:tfHTXoJ3P
 

318 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:58:13 ID:H3PANuGS0


【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:FIRST終了後。
[状態]:左腕に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ、二時間変身不可(二号)。
[装備]:特殊マスク
[道具]:基本支給品、猛士の刀@仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼
【思考・状況】
基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出
1:頑張れよ、本郷。
2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。
3:後ほど本郷、及びあすかとの合流。
4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも?
5:余裕があれば首輪を回収に行く。
[備考]
※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。
※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。
※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。
※猛士の剣は現在誰が持っても切れ味の悪いただの剣ですが、本来の持ち主である日高の手に渡れば、あるいは――――?
※首輪について:
 金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。
 さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。 
 無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。


319 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:59:13 ID:8BXGTMYA0


320 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 21:59:16 ID:H3PANuGS0
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版、レイドラグーンへの特攻直前
[状態]:全身に激しい痛み、二時間変身不可(龍騎)
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:支給品一式
【思考・状況】
1:戦いを止める。絶対に。
2:スマートブレインに対する強い怒り。
3:大介たちとの情報交換。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指すついでに話を紐解く。
5:手塚に似てるなぁー。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
 白い怪物はダグバのことだと思っています。
※名簿に手塚、芝浦、東條、香川の名前がある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。

【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:最終回前
[状態]:軽い疲労、顔面に傷、二時間変身不可(響鬼)
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈火
[道具]:基本支給品一式(着替え2着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)、釘数本、ハイパーゼクター、不明支給品x1
【思考・状況】
基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出
1:青年よ、励むのだ!
2:何で鬼になれない?
3:もっと仲間を捜す。
4:あすか、どうしたのかな。


321 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 21:59:49 ID:tfHTXoJ3P
 

322 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:00:07 ID:uGDiL6cM0
 

323 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:00:12 ID:ccZoSE/50


324 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:00:16 ID:8BXGTMYA0


325 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:00:40 ID:ccZoSE/50


326 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:00:50 ID:8BXGTMYA0


327 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:00:51 ID:H3PANuGS0

【風間大介@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:ゴンと別れた後
[状態]:軽い疲労、二時間変身不可(ドレイク)
[装備]:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
[道具]:支給品一式、オロナミンC2本(ぬるめ)
【思考・状況】
基本行動方針:戦いはなるべく回避し、できるだけ早く脱出する。
1:今回ばかりは出番を譲りましょうか。
2:何故変身出来ない?
3:移動車両を探す。
4:脱出派と合流。
5:影山瞬に気をつける

【ハナ@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版・千姫と入れ替わっている時
[状態]:軽い疲労、気絶、二時間変身不可(ナイト)
[装備]:冥府の斧@仮面ライダーアギト、カードデッキ(ナイト)
[道具]:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう、戦国時代の衣装、ミニカー7台
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1:気絶中。
2:仲間を探して一緒に脱出する
3:イマジンに対する自分の感情が理解出来ない
4:本郷猛、牙王、影山瞬に気をつける




328 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:01:59 ID:ccZoSE/50


329 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:02:09 ID:H3PANuGS0
あすかの頭の中は、今や逃げる事しかなかった。
追いかけてくるのは自分の敵。追いつかれると殺されるぞ、と防衛本能が命令を出す。
故に走る。足がとっくに限界を超えているが、知った事ではない。
本郷猛は、一人で敵うほど強くなかった。だから、強い、強い仲間を得なくては。
出来れば自分のいうことを何でも聞いてくれる人がいい。何より手駒のしても使いやすさを最優先だ。
それに恋人の偽者も居る。だからそいつも併せて殺さなきゃ、忘れないうちに。
本郷の方には少しだけ痛みを与えたけれど、克彦が味わった苦しみはこんなものじゃなかった。
……! バイクの音が迫ってきた。走る速度を上げ、追いつかれないように急ぐ。

(待っててね克彦、もうすぐあなたの仇をとってあげる――――!)

あすかは心の中で、今は亡き恋人に囁く。それは、あすかの決意でもあった。

「そうよ、本郷を、偽者を殺さなきゃ…………あは、アハハハハハハハハハハハハハハ!」

彼女は、自分が狂っている事に気付かなかった。
自分の今の思考が、デルタギアのデモンズストレートによって齎された、狂気の産物であることに――――。



330 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:02:44 ID:tfHTXoJ3P
 

331 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:02:56 ID:ccZoSE/50
 

332 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:03:04 ID:uGDiL6cM0
 

333 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:03:09 ID:tfHTXoJ3P
 

334 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:04:10 ID:H3PANuGS0

【早朝、放送直前】【D-6】

【本郷猛@仮面ライダーTHE-NEXT】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-6エリア】
[時間軸]:THE−NEXT終盤(ショッカー基地壊滅後)
[状態]:全身に激しい痛み、二時間変身不可(一号、龍騎)、カブトエクステンダー起動中。
[装備]:特殊マスク@仮面ライダーTHE-NEXT、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト
[道具]:フルフェイスのヘルメット、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:戦いには乗らない。目指すは脱出。
1:あすかを追いかける。
2:戦いを止め、主催と対決。
3:スマートブレインに対する強い怒り。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指す。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
※名簿に自分の名前と一文字の名前が二つずつある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
※サソードゼクターに認められていないため、ゼクターは現れません。
※カブトエクステンダーはキャストオフできないため武装のほとんどを使えません。
 今の所、『カブトの資格者』のみがキャストオフできます。


335 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:04:32 ID:8BXGTMYA0
              

336 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:05:12 ID:ccZoSE/50


337 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:05:23 ID:H3PANuGS0

【緑川あすか@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-6エリア】
[時間軸]:本郷を疑っている時(トラック事故後)
[状態]:軽い疲労、精神汚染(軽度)、二時間変身不可(デルタ)
[装備]:デルタギア@仮面ライダー555
[道具]:なし
【思考・状況】
基本行動方針:本郷殺害後、脱出するか生き残る
1:逃げる、逃げる、逃げる!
2:本郷をはじめとした仮面ライダーに復讐
3:護身のために仲間を増やす
4:牙王、影山瞬に気をつける
[備考]
※精神汚染は凶暴化、被害妄想などです(ストレスなどで悪化する危険性も)。
※D-6エリアのどこかにデンカメンソードの欠片が散乱しています。
※電撃を出す能力を得ましたが、威嚇程度にしか使えません。
※本郷よりも先に手塚を先に始末しようと考えています。


338 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:05:36 ID:tfHTXoJ3P
 

339 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:06:08 ID:H3PANuGS0



最初に結論から言ってしまうと、志村純一は辛うじてその命を繋いでいた。
体中を人外の証である緑色の血で染め上げていても、その眼はまだ死んではいなかった。
実はあの時、爆炎からその身を守るためにグレイブの中で人間時よりも防御が堅いアルビノジョーカーに変化し、二重の変化でその身を守っていたのだ。
普通は不死生命体として、その名の通り死ぬ事はないのだが……今は遊戯の最中、首輪の制限はその不死の命にまで行き届いていた。
つまり、文字通り死の危険も背負っている、志村はこの戦闘でそう確信した。以前ほど無茶な戦闘は出来ない。
ならば取るべき行動は一つ、この忌々しい首輪を外す事。サンプルが必要なら参加者から取ればいい。
だから――――今は休もう。休んで、目覚め次第行動を取ろう。思考がそう結論付けたと同時に、志村は深い眠りに着いた。

――――志村が犯した過ちは、たった一つ。

――――この遊戯で主催側から伝えられる唯一の情報である放送が、もう間近に迫っているのに眠りについた事。

――――道化の眠りは、深い。


340 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:06:40 ID:H3PANuGS0

【早朝、放送直前】【C-5】

【志村純一@仮面ライダー剣・Missing Ace】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:C-5エリア】
[時間軸]剣崎たちに出会う前
[状態]気絶、二時間変身不可(グレイブ、アルビノ)
[装備]グレイブバックル@仮面ライダー剣・Missing Ace
[道具]支給品一式、ラウズカード(クラブのK)@仮面ライダー剣、蓮華のワイヤー内蔵型指輪@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:人間を装い優勝する。
1:移動して集団に紛れ込む。(市街地に拘らない)
2:橘チーフに合流。
3:『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という情報を流す。
4:誰にも悟られず、かつ安全な状況でならジョーカー化して参加者を殺害。
5:他の参加者の戦力を見極めて利用する。自分の身が危なくなれば彼らを見捨てる。
6:『14』の力復活のために、カテゴリーKのラウズカードを集める。
[備考]
※デネブの放送について(長田が聞いた範囲で)知りました。 また桜井侑斗は危険人物(?)、デネブは生きていると考えています。
※志村は橘から『仮面ライダーブレイド』の存在は聞いていますが、ライダーシステム資格者が『剣崎一真』という事は知りません。
ですが、志村は此処に連れてこられる前に独自に調査を行い、剣崎一真がブレイドであるいう事、彼の顔なども知っています。
※城戸、本郷(R)に『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』と話しました。
※『自分の協力者、長田結花が東方の人間に協力を求めるために行った』と城戸と本郷に話してあります。
※長田結花は市街地の方へ向かったと思っています。


341 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:07:02 ID:8BXGTMYA0
        

342 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:07:11 ID:ccZoSE/50


343 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:07:46 ID:H3PANuGS0



さて、最後に。先ほど手塚が消えた理由だが、これは手塚本人も与り知らぬところで偶然が待ち構えていたのだ。
それは、川。逃げる事に気が取られて川があることに気付かなかった。つまり――――川に、落ちた。
流れる水の冷たさは、疲れきった手塚の体から容赦なく意識を奪っていった。

そして、手塚が流れていく脇をゆっくり追いかけていく白い青年、彼はさっきの戦闘から離脱した後その場で様子を見ていた。
クウガと同じようなリントの戦士なのに、同じリントに牙をむく。この行為がほんの僅かではあるが、彼の興味をそそったのだ。
後から来た方も同じような事をしていたが、彼女は何故か気に入らなかった。全身から滲み出る狂気が気に入らなかったのだろうか。

ブルルル、と携帯が震えた。放送のときは、もう間もなく。


344 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:08:20 ID:8BXGTMYA0
             

345 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:09:17 ID:8BXGTMYA0
             

346 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:09:40 ID:H3PANuGS0
【早朝、放送直前】【E-5】

【手塚海之@仮面ライダー龍騎】
【一日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:E-5エリアの川の中】
[時間軸]:死亡直後
[状態]:全身打撲。精神・肉体的に強い疲労。二時間変身不可(ライア)。気絶。
[装備]:カードデッキ(ライア)
[道具]:基本支給品、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト、救急箱
【思考・状況】
基本行動方針:城戸を脱出させ、自身は在るべき処へ。
1:脱出の障害となる存在は全て排除する
2:あくまでゲームには乗っていないように振舞う
3:ゲーム乗っている奴は後回し。但し城戸に危害を加える場合は容赦しない。
4:出来るだけ城戸とは会わない方向で。
[備考]
※城戸が自分と同じ時間軸から連れてこられたと思っています。
※その為、城戸が死ぬ事は運命を変えられなかったことに相当すると考えています。
※川は下流に向かって流れていきます。


347 :Riders Fight! ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:10:31 ID:H3PANuGS0

【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
【1日目 現時刻:放送直前】
【現在地:E-5エリア川沿い】
[時間軸]:47話、クウガアメイジングマイティに勝利後。
[状態]:脇腹に刺し傷、二時間戦闘不可(ダグバ) 
[装備]:無し
[道具]:基本支給品×3 ラウズカード(スペードA〜9、ハートQ〜K)、不明支給品×1
【思考・状況】
1:究極の闇を齎す。
2:強くなったクウガと再戦
3:後で龍騎と戦う。
4:ライアに若干の興味
※自身の戦闘能力に制限がかかっていることを何となく把握


348 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:11:15 ID:8BXGTMYA0
         

349 : ◆RIDERjbYCM :2008/05/28(水) 22:11:30 ID:H3PANuGS0
投下終了です。感想意見等待ってます

350 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:17:52 ID:ccZoSE/50
投下乙です!!一挙手一投足が、どれも緊迫して見れました!
改めて、GJを送りたいです!
今回新規参戦のFIRST勢やハナさんには頑張って欲しいです!

351 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:19:40 ID:66oD71140
乙です
NEXT一文字かっけぇぇぇ
マーダーの今後も気になりますなぁ。

352 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:21:24 ID:8BXGTMYA0
投下乙です!
戦闘がどれも緊迫感に溢れて面白かったです。
一文字が美味しすぎるww
あすかを追う本郷は報われるのか!
そして大介を風見と見間違う、お約束の役者ネタがw
一方、手塚の方の見間違いはシリアス。
ダグバと手塚のコンビにも期待。あと志村涙目www
GJ!!

353 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 22:28:38 ID:tfHTXoJ3P
乙です。
混乱と錯綜と……デルタktkr!!!!
放送直前にして不安の種が蒔かれまくりですな。
さて、放送後どうなるか。楽しみになってきました。

354 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 23:37:08 ID:20UUF3TN0
投下乙。

そっくりさんが乱戦か。まさかの一般人デルタw
志村が早くもステルス続行不能の危機w

355 :名無しより愛をこめて:2008/05/28(水) 23:45:18 ID:3CO6wKu20
しかし、リメイクWライダーが放送前に出会えてよかった
放送後だと、本郷(R)がいらぬ心配をしなければならないところだったw

356 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 00:27:14 ID:s0cIMTuN0
凄い文章力だと思いました。
ですが、手塚の思考はおかしいのでは?
手塚マーダー化を否定するわけではなく、第三者視点として。
手塚はTV本編でも城戸以外に唯一「ライダー同士の戦いを止める」と考える数少ないライダーでした。
なので本郷(R)が龍騎に変身している時も「なぜお前が龍騎に変身しているのか?」など会話があったと思います。
本郷(R)の今までの描写を見ると手塚からの質問を無視することはないでしょうし、「城戸の代わりに戦っている」という感じの説明はするでしょう。
なら手塚は「城戸にカードデッキを返せ」と要求し、本郷(R)もそれを拒否しないのでは?

確かに戦闘の流れはあると思いますが、龍騎本編をビデオでも見ていた者からすると手塚の思考はかなり曲げられている(改変されている)と思いました。
手塚マーダー化は否定しませんが、本郷(R)のような戦いに乗らない善良な人間まで手塚が襲うことはないと思うのですが。

357 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 00:33:03 ID:ZF3ETNpB0
第一回放送を聞き逃す→寝ている場所が禁止エリアに→志村死亡 ってなったらウケるw

358 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 00:33:27 ID:ZF3ETNpB0
第一回放送を聞き逃す→寝ている場所が禁止エリアに→志村死亡 ってなったらウケるw

359 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 01:01:07 ID:5zjDhYRN0
>>356
まぁ、そこら辺は数少ないマーダーを増やす為の苦肉の策でしょう。
確かにTV版本編の手塚なら、こういう行動は取らないでしょう。
ただ、無理やりであれマーダーが少ない現状からしてマーダーらしい行動を
とらせるという方向に書き手さんは向かわせたかったのでは。

360 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 01:08:43 ID:QX/c1SxoO
二作ともGJ!!

加賀美、あすか、志村は死んでもおかしくない描写だったので、、
まさか全員生き残るとは。。

俳優ネタも良かったと思います。

後、何気に装甲響鬼の条件が揃いましたね。
アッ、でも24時間たたないと紅になれないからダメなのか?

手塚に関しては難しい所ですが、356さんの意見派です。

361 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 01:20:22 ID:tLPQzkXi0
手塚に関しては、前回殺し合いに乗った時点でキャラが云々は意味ないでしょう。
リレーの結果ですし、今回は手塚に関しての指摘は的外れでは?
指摘するなら、前回の手塚登場の時点で。今更遅すぎます。

362 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 01:22:33 ID:cyq++MwuO
>>356
既に、手塚はマーダー化してたはずですよ。

363 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 01:27:19 ID:DlYTL83C0
>>361-362さんのご指摘通り、
今回の話は前のSSで既に手塚がマーダー化した結果を引き継いだものですので
むしろリレーとしては正しいと思います。

修正を求めるなら前回の話の時点で言うべきでしょうし、
個人的にはその時点でもキャラの思考と状況からそこまで不自然ではないと感じました。

364 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 01:29:13 ID:Nzg4QuKh0
>>360
24時間制限はクウガとギルスだけじゃなかった?
強化ツールと巡り合うタイプと時間経てば解除されるタイプで

手塚の思考は特に問題ないと思うけど、マシンガンブレードの存在が忘れられてたような気がする

365 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 03:03:16 ID:IQupRZQ70
前回は響鬼紅も24時間制限受けてたし、今回もその制限は引き継いでいいんじゃないかな?

366 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 12:30:34 ID:ygY4eqxs0
何気にあすかってルシファーズハンマーの使い方知らないんですよね
アタッシュケース放ってったし・・・
おまけにデルタはエクシードチャージの仕方が特殊ですから他のベルトの真似をするわけにも行かないですから
これは逆に死亡フラグかな
しかし志村のこの失態がどう出るかドキドキです
一文字と戦ってしまいましたしグレイブも安易に使えませんね

ちなみに>>329の「デモンズストレート」は「デモンズスレート」が正しいです

367 : ◆cb4FtFqxco :2008/05/29(木) 20:21:09 ID:m5G0qEyU0
ゾル大佐、橘朔也、予約します。

368 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 20:29:25 ID:odUqjskF0
今、予約か…空気読めてないなぁ

369 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 20:29:36 ID:5zjDhYRN0
>>367
今は予約はやめたほうがいいんじゃないですかね。
放送前ですし。

370 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 20:34:25 ID:ygY4eqxs0
読めてないと言うよりチャレンジャーですね
今書くのは結構難しいかも

371 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 20:39:17 ID:5zjDhYRN0
いや、他の書き手さんも自重してるわけだし。

372 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 20:45:21 ID:TVoFEBp2O
同時進行で良いんじゃないだろうか
放送は上記予約投下の直後にすれば

373 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 20:53:42 ID:Dh9aYH+z0
放送についての投票などもありますし、話が進むのは良いことだと思います。

cb氏、頑張ってください

374 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 21:10:42 ID:hYUZ6q7t0
自分も>>373と同じ意見です。

その二人はたしか黎明の時間から登場してませんし。

375 : ◆KaixaRMBIU :2008/05/29(木) 21:18:17 ID:tLPQzkXi0
>>367
頑張ってください。応援しています。


ゴ・ガドル・バ、香川英行、桜井侑斗、金居を予約します。

376 :名無しより愛をこめて:2008/05/29(木) 21:18:48 ID:XzGIQoTT0
でも、二人だけですかw
歩いていたら、寝ている志村に蹴躓くとかしないのw

377 : ◆J5CGAQEyU6 :2008/05/30(金) 21:12:19 ID:1YXkLim4O
大変申し訳ありませんが執筆期間が取れないことが多かったので風見志郎、村上狭児予約期間の延長を申請します。


378 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 21:14:11 ID:VD5VLdw20
◆J5CGAQEyU6氏の予約期限が今日の21:03:18。
氏から何らかのご連絡を頂けるといいのですが・・・

379 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 21:18:27 ID:mkR8ofIg0
タイミングいいんだか悪いんだかw

>>377
了解しました。お待ちしています。

380 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 21:18:40 ID:VD5VLdw20
>>377
すみません・・・リロードできていなかったようです。
了解いたしました。

381 : ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:17:40 ID:4FmgSUkk0
海堂、モグラ獣人、山本大介、歌舞鬼投下します。

382 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:18:45 ID:4FmgSUkk0
貪るような勢いで読んでいた紙芝居に目を通し終えたそいつはあまりよろしそうに見えない頭なりにどうにか現状を理解したようだった。
やれやれ親切なこったねぇと、歌舞鬼は目に見えぬ敵に向かって唸り声を上げるアマゾンを眺めながら心中で息を吐く。
与えられた情報をどう受け止めたかは分からぬにせよ、これで畜生のようなこの人間も定められたルールの上でどう振舞うかの選択を迫られる訳だ。
諦めて従うか敢えて反抗するかを選ぶことはできる。逆に言えば居間の歌舞鬼達に与えられた自由はその程度のものでしかない。
歌舞鬼自身はどのなのかと言えば、気持ちは未だに中途半端なままだ。ツクヨミに食われ意識を失う寸前まで、荒れ狂う感情は身を削るようだった。いきなり仕切り直しを告げられても気持ちの整理がつかない。

あの鬼どもならどうするだろうか。守るというのだろうか。このような状況になっても、人間を。
歌舞鬼がこれまで見てきたような、汚い大人どもならどうするだろう。こちらは決まっている。自分のことしか考えずに醜く行動するのだろう。
歌舞鬼は人間が嫌いだ。自分達に都合の良い事ばかり主張し、大した考えもなく鬼を迫害する。
鬼ではなくかといってまともな人間にも見えないこいつの場合は、この状況において一体どのような行動をとるのだろうか。
「大体理解したかい?俺たちが今どうなっちまってるかをよぉ?」
膝を曲げアマゾンと視線を合わせながらなるたけ軽い調子で聞く。
「がうぅ……。たた……かい……うぅ」
思った以上にすんなりと状況を理解している。どうやら専用に用意された紙芝居は全くの無駄ではなかったらしい。
あるいは、それこそ野獣のようにこいつにとっては生き残るための他者と戦うことなど特別ではないのかも知れない。


383 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:19:08 ID:mkR8ofIg0
     

384 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:19:13 ID:4FmgSUkk0

「そうよ。闘い、殺し合いよ。事情はさっぱり分かんねぇが、どうやら俺たちは偉ぇたちの悪い連中に目を付けられちまったらしい」
ぐいと大げさな仕草で顔を突きつける。語っている内容とは裏腹に声に暗い影はないが、その代わりどこか他人事のような突き放した空気があった。
「で、お前さんはどうする?やんのかい?」
歌舞鬼は己の迷いは一時棚上げにすることにした。人とも野獣とも付かないアマゾンの答えには純粋に興味がある。
「がうぅ……」
「殺すかい?手始めに俺でも?」
「こ、ろす……うぅ……こぉさか……がぅう」
「こおさか?」
地名、それとも人の名前だろうか。その言葉を呟いたとたん何かを悔やむようにアマゾンが呼吸を荒げ始めた。
「うぅ……こおさか……ころ、された」
人名だったようだ。余程心の傷になっているのか先ほどまでの意識の定まらない態度とは違い、はっきりと何かへ向けて怒りをむき出しにしている。

「アマゾン……人間殺さない……でも、敵、倒す」
思い出した記憶が何かの決起となったのだろう。アマゾンはそう決意表明のようにそう言うと、目の前の歌舞鬼を押し退けるようにして立ち上がった。
そのまま、何かを辿るように歩き始める。まるで動物の匂いでも嗅ぎ付けたかのようだ。
歌舞鬼も山歩きには慣れているつもりだが、それとはまた違った意味でアマゾンの動きは危なげがない。跳ぶやらはねるやらしながらすいすいと進んでいく。

言われるままに人を襲ったりはしない。ただ、危険と判断したときには戦う。
とりあえずは、そういうことに決めたようだ。
人間何て守る程のものじゃないぞ、とか。
戦ったって馬鹿を見るばっかりだぞ、とか。
それなりに思い浮かべる言葉はあったけれど。
「そうかい。まぁやってみるこった」
何となく今は、それぐらいしか言う気にならなかった。
頭を掻きながらアマゾンの後に続く歌舞鬼の頭に、ちらりと響鬼の姿が浮かんだ。




385 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:19:43 ID:mkR8ofIg0
           

386 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:20:18 ID:mkR8ofIg0
          

387 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:20:21 ID:4FmgSUkk0



「ちゅちゅう。やっぱり俺ぁ駄目だなぁ……。アマゾォン……」
「まぁたそれかよ。いくら泣き言いっても会えんもんには会えんのだ。ちゅうか俺様がついてるだろー?」
ひとまずの休憩を終えた海堂とモグラ獣人は丘陵地帯を肩を並べて歩いていた。舗装こそされていないものの自然の力で整地された道は歩き難いということはなく、じゃりじゃりと砂粒を踏む感触がむしろ心地良いくらいだ。
しかし、そのような快適な道行に反して移動速度自体は家に帰るのを嫌がる酔っ払いのように遅々として進んでいない。うだうだと悩んでいるモグラ獣人に合わせた結果がこれだ。
行き先も定まっておらず、たださっきの敵にに合わなさそうな方向を何となく選んでいるに過ぎない。
方角的にはいつか道路に突き当たるはずなのだが、そうすると始めにいた森に逆戻りするしかないのではないかと海堂は密かに思っている。

「そりゃかいどーは頼りにしてるけど、アマゾンだって凄いんだぜ。どんな危険にも負けずに立ち向かっていくんだ」
「俺だって、そうだろ?」
徐々に白み始めた空の下、無意味にかっこつけたポーズで言ってみたが無視された。
海堂が戦闘の疲れから立ち直って以来、モグラ獣人はふさぎこんだままだ。短い時間に連続して命の危険にさらされたことが心身ともに余程堪えたらしい。
海堂としては自分が頼りにされていないように思えてあまり面白くない。
「ま、どこにいるか分からない、連絡もとれないちゅーんじゃ仕方ねぇわな」
「ちゅちゅ……」
その辺りの感情が出てしまったのか、思いの他冷たい口調になった。
目に見えて落ち込みだしたモグラ獣人に何とも言えぬ決まりの悪さを感じ、海堂はばたばたと手首を振る。
このまま嫌な沈黙が二人の間に満ちる――かと思えた。


388 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:20:25 ID:YNUb4vo7P
 

389 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:20:46 ID:4FmgSUkk0

「でもよお……」
それを防いだのは意外にもモグラ獣人だった。視線は相変わらず下を向き、山道に転がる小石達に注がれている。
しかし、一切の光沢を持たないそれらとは対照的につぶらなその瞳は子供が宝物を見るかのような純粋な輝きを放っていた。
「アマゾンは……仮面ライダーなんだ」
「仮面ライダー?何だそりゃ?」
耳慣れない言葉に海堂が聞きなおすと、モグラ獣人はいかにも驚いたとばかりに大げさに体を仰け反らせ甲高い声をさらに大きく張り上げて声を挙げた。

「ええ!?かいどーは仮面ライダーを知らないのかい?」
「知らんし知らん。なんだ?その、なんちゅうか胡散臭い……」
「よぉし!なら特別にこのモグラ獣人が説明してやるよぉ!よっく聞きなよ!」
海堂に最後まで言わせず、モグラ獣人が語り始める。嬉々として胸を張り、それについて話すのが楽しくてどうしようもないという風だ。
遅々として進まなかった行軍も俄然その勢いを増しはじめた。
「仮面ライダーってのは何てったってそりゃあ凄いんだ。ゲドンがどんあ卑怯な作戦を使ったって絶対に阻止しちまうんだぜ」
「ほほう、それでそれで」
現実味の感じられない話に正直余り興味は持てなかったのだが、まぁ元気が出るならそれも良かろうと適当に相槌を打って聞き流しておく。
川岸に辿り着いたのでそれに沿う形に方向を変えた。
気付くと周囲は朝焼けに照らし出されていた。川の流れる音と共に、独特の冷気が肌を刺す。



390 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:21:02 ID:YNUb4vo7P
 

391 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:21:13 ID:c4AJ89P80



392 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:21:29 ID:4FmgSUkk0
「困ってる人は絶対に見捨てないし、助けを求める人がいたらどこへだって飛んでいくんだ」
「あ〜電話でも掛かってくるんか?大変だなそりゃ」
「そんなんじゃないよ!アマゾンが行くところに自然とケドンに苦しめられてる人達がいるんだ」
「そりゃ凄いぐう……」
「そう!それがアマゾンの凄いところさぁ!かいどーも尊敬するだろ?」
海堂の言葉を都合の良いところで再び遮ってモグラ獣人が歓喜する。
聞けば聞くほどに現実味のない話だ。喋っているモグラ獣人が子供のようにはしゃぐせいで空想を聞かされているような印象ばかりが強くなっていく。
モグラ獣人がどれ程アマゾンとやらを尊敬しているかは知らないが、所詮そんなヒーローのような都合の良い存在など夢物語でしかない。

「それにさぁ」
「あん?」
それでも、まぁ。
「アマゾンはどんな奴が相手だって絶対に負けないんだ」
「絶対に、か」
いつか夢から醒めるときがくるとしてもだ。
「そう!だからアマゾンは絶対に来てくれる!それまで俺たちで頑張ろうぜ、かいどー!」
わざわざ夢の続きを取り上げるくらいなら、一緒にそれに乗っかるくらいのことはしてやる。
「ああ……そだな」
海堂は答えた。彼らしくない真剣な口調に、非常に彼らしい優しい感情を乗せて。
川にさしかけられた道路の向こう、二人が出会った森がすぐ近くまできていた。
「ちゅちゅ……?あ、ありゃあまさか!」



393 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:21:51 ID:4FmgSUkk0

そして、海堂は仮面ライダーという在り方の真髄を目の当たりにする。
「アマゾン!間違いない、ありゃあアマゾンだ!お〜〜〜〜い!」
モグラ獣人が駆け出した先には丁度森を抜けてきたばかりと見える二人の男がいた。
年のころはどちらも海堂のと大差ないだろうが一人は毛皮のような粗雑な衣装、もう一人に至っては半裸と海堂から見ても実に特徴的な格好をしている。
「お〜〜い!!俺だよ〜〜モグラ獣人だよ〜〜!!」
「まじか。無茶くちゃっちゅうかなんちゅうか……」
短い足を懸命にばたつかせて走る様子からしてどちらかがモグラ獣人の言っていたアマゾンなのだろう。
都合の良すぎる展開に半ばあっけにとられながら、海堂はどたばたと駆けるモグラ獣人の背中を目で追う。
信じがたいことではある。参加者として招かれていないにも関わらずスマートブレインの管理下にあるこの場所を僅か数時間で突き止めたというのか。
常識で考えれば絶対に不可能だ。
仮に、本当にそんなことを可能にする存在がいるのだとしたら。
(仮面ライダー、な)
悲劇が拡大する前に必ず現われ、それを食い止めるような存在があり得るのだとしたら。

(すげぇ奴がいたもんだ)
それは、正に夢物語のヒーローそのままではないか。


394 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:21:56 ID:mkR8ofIg0
        

395 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:22:12 ID:PTbtrZYMO
支援

396 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:22:16 ID:YNUb4vo7P
 

397 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:22:31 ID:4FmgSUkk0
モグラ獣人とアマゾン達との距離はもう殆どなくなっていた。向こうもとっくにこちらに気付いているようだ。
おもむろに、半裸の男が両手を挙げる。飛び込まんばかりの勢いのモグラ獣人を歓迎するかのようにも見えた。
「ちゅちゅう……!アマゾン、来てくれると思ったよぉ……!」
半裸の男の前でモグラ獣人が息継ぎする時間も惜しいとばかりに告げた。
急ぐ必要もなく、海堂は大分開けられた距離をゆっくりとした歩みで詰めていく。
視線の先では歓喜に咽ぶモグラ獣人の前で、仮面ライダーアマゾンが高らかにその名を叫んでいた。
「うぅ……ア〜!マ〜!ゾォ〜〜〜ン!!」
まばゆい光がまきおこり、それが収束した後に立っていたのは半裸の男ではなく森林に溶け込むような斑模様の怪人だった。
オルフェノクともライダーギアとも違う変身を見せられ海堂は一瞬ぎょっとしたが、それもすぐに収まった。
そもそも人間どころかオルフェノクですらなく、怪人としか言い様のないモグラ獣人が仲間と慕っていた人物だ。これぐらいのエキセントリックさはむしろあって当然なのかも知れない。
オルフェノク意外にも生身で変身できるものがいたこと事態は驚きだが、今の海堂にはむしろそれが頼もしく思えた。
理想の体現者たる仮面ライダーはゆっくりと手を頭上えと掲げ──
「ええい、もう言葉が出てこないよ!ああ、アマゾン紹介するよ、あっちがかいどー。俺の……」


398 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:22:41 ID:mkR8ofIg0
          

399 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:22:55 ID:4FmgSUkk0
「ケケー!」
奇声とともにモグラ獣人へと飛び掛かるとその腕を一刀の下に切り飛ばした。
「はぁ!?」
「ちゅ……?」
今度こそ全く理解不可能の事態に思わず海堂は足を止める。
モグラ獣人はそもそも起きた現象を認識すらできていないようで、海堂へと差し伸べられるはずだった腕が途中ですっぱりなくなっているのを何とも不思議そうに眺めていた。
「どうして腕がなくなっているんだろう」と言う疑問を顔全体に浮かべ、吹き出る血にも構わず素朴な表情で首を傾げながら腕の切断面とアマゾンの顔を交互に見比べている。
「ケケー!」
そんなモグラ獣人の口から上を、再度勢い良く振るわれたアマゾンの腕が綺麗に削り取った。
何が起きたのかとうとう最期まで理解できなかったのだろう、純粋な疑問の表情を浮かべたままのモグラ獣人の首が海堂の足下にぼとりと音を立てて転がった。
混乱した頭で静かに視線を下ろす。つぶらでかわいらしい形に固定された一対の瞳と目が合った。
「な……」
「ケケケケケー!ケケケケケー!」
仮面ライダーであるはずの男が両腕をめちゃめちゃに振り回し気色の悪い音を立てている。
海堂にはその姿が見えているようで見えておらず、その声が聞こえいてるようで聞こえいていない。焼け付くように熱っされた頭が五感の能力をどんどんと奪っていくからだ。
「何を……」
オルフェノクの姿で海堂は言葉を絞り出す。いつ変身したのか自分でも定かではない。体の震えが止まらなかった。
「何をやってんだてめぇはああああ!!」




400 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:23:20 ID:mkR8ofIg0
           

401 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:23:22 ID:4FmgSUkk0



アマゾンの後を付いて歩き、森を抜けた矢先に出会ったのはモグラの化け物と奇天烈な格好をした男の二人連れだった。
本当に匂いを辿っていたのだろうか。都合の良い出会い方に歌舞鬼がそう訝る間もなく、こちらに気付いたモグラが何やら叫びながら駆け寄ってきた。
攻撃の意思ありかと身構えた歌舞鬼だったが、その必要はなかった。雄叫びと共に異形に姿を変えたアマゾンがすぐさまそいつを葬ったからだ。
明らかに見知らぬ化け物を警戒している様子は感じられていたが、まさかここまで躊躇なく攻撃に移るとは思わなかった。
まるで何か激しい恨みをぶつけるかのような、恐怖さえ覚える鋭い腕の一閃。
鬼とも魔化魍とも違うアマゾンの姿を疑問に思うより、むしろその一撃の荒々しさに気を持っていかれる程だ。
化け物の様子はともすれば再開を喜んでいるように見えなくもなかったのだが、アマゾンのこの怒りようからするとそれは不幸な勘違いだったのだろう。
たしかに敵は倒すと言っていたが、それにしたって余りに血生臭い。野獣のような、どころではなくこれは歌舞鬼が何度も見てきた畜生どもの争いそのままだ。
高らかな勝利の雄叫びを終えたアマゾンは、今度はこちらも姿を変えて殴りかかってきた新たな異形へとその標的を移している。
目まぐるしく移り変わる状況への対処を考えながら、歌舞鬼は知らぬ内に冷や汗をかいている自分がいることに気が付いていた。


【モグラ獣人@仮面ライダーアマゾン 死亡】



402 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:23:37 ID:YNUb4vo7P
 

403 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:23:52 ID:7TqSPsRU0


404 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:24:03 ID:4FmgSUkk0
【1日目 早朝】
【山本大介@仮面ライダーアマゾン】
【現在地:F-7 道路】
[時間軸]:アマゾン本編1話終了後
[状態]:健康。アマゾンライダーに変身中
[装備]:ギギの腕輪、コンドラー
[道具]:治療用の植物、ルール説明の紙芝居、不明支給品x1、基本支給品
[思考・状況]
1:敵……倒す!
[備考]
※1:言葉は人と会話をしていけば自然と覚えます。
※2:コンドラーはナイフやロープ代わりになります。
※3:ギギの腕輪を奪われるとアマゾンは死にます。


【歌舞鬼@劇場版仮面ライダー響鬼】
【現在地:F-7 道路】
[時間軸]:響鬼との一騎打ちに破れヒトツミに食われた後
[状態]:健康。
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈翠
[道具]:基本支給品(ペットボトル1本捨て)、歌舞鬼専用地図、音撃三角・烈節@響鬼
[思考・状況]
0:目の前の状況に対処
1:アマゾンと行動を共にする……つもりだが
2:モモタロスがここまで来たら…戦闘か、共闘か。来ないでほしいものだが。
3:響鬼に会ったらその時は…
[備考]
※1:歌舞鬼専用地図はアルファベットの部分が歌舞鬼にもわかるよう当て字の漢字が使われているだけです
※2:モモタロスに同情の念は抱いていません。虚をついて水容器の毒味をさせたぐらいにしか思ってません。




405 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:24:28 ID:YNUb4vo7P
 

406 :正義のためなら鬼となる ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:24:44 ID:4FmgSUkk0
【海堂直也@仮面ライダー555】
【時間軸】: 34話前後
【状態】:健康。激しい怒り。スネークオルフェノクに変身中
【装備】:なし
【道具】:基本支給品、ディスクアニマル(ニビイロヘビ)、戦国時代のディスクアニマル(イワベニシシ)
【思考・状況】
1:モグラああああ!!
2:モモタロスに会ったらとっちめる。
3:モモタロスとカイザの危険性を会った奴に伝える。
※ 澤田の顔はわかりますが名前は知りません。また、真魚の顔は見ていません。
※ モグラ獣人の支給品一式は死体の側に転がっています。


407 : ◆6VDLcuc3FQ :2008/05/30(金) 22:25:23 ID:4FmgSUkk0
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。

408 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:25:28 ID:YNUb4vo7P
 

409 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:25:31 ID:mkR8ofIg0
           

410 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:27:19 ID:mkR8ofIg0
投下乙!
モグラぁぁぁぁぁぁ!!
なんと言う時間軸の違いによる皮肉!
怒りを示す海堂さん……。アマゾンは果たして、今後どう動くか!?
歌舞鬼が不気味に静観と、気になる展開が目白押しでした。
GJ!

411 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:31:04 ID:YNUb4vo7P
投下乙です。

これはなんという誤殺……。
言葉もありません。見事でした。
そして残されたキャラがどう動くのか、気になります。

412 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 22:32:06 ID:7TqSPsRU0
投下乙!
モ、モグラーーー!!嫌な予感はしたけどやっぱりかー!!!
けど、あのアマゾンからみたらモグラは敵にしか見えませんし当然ですよね……。
しかしアマゾンが只の凶悪な怪人に見えるのがまた不思議ですw
参戦時期の違いを利用した誤殺、GJでした!!今後が気になりますー。

413 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 23:26:43 ID:1vdtCAb+O
GJです。

途中から予感はしてましたが……む、むごい
モグラーーーーッ!!

GJでした

414 :名無しより愛をこめて:2008/05/30(金) 23:50:16 ID:wD62k+AZ0
モグラアアアアアアアアッ!!!

ああ、獣人マダラオオトカゲの餌食に…

415 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 00:03:19 ID:Cs5YYjA60
いつかはこうなるとは思っていた…モグラ…合掌

416 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 00:12:29 ID:ZHcQp8DJ0
投下乙です!
モグラが……!悲しすぎる誤解!!
怒りに燃える海堂とアマゾンの対決、静観している歌舞鬼と
今後の展開が気になります!GJでした!!

417 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 00:18:13 ID:6khIXZSAO
直前まで人間と一緒にいて、敵意も見せてないし、殺気も放ってないのに殺しちゃったの?
まぁ、ロワ的に面白い展開だからいいか。

418 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 00:49:36 ID:Cs5YYjA60
まぁモグラは歩く死亡フラグだしな…

419 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 00:54:49 ID:rEh+h7Rv0
投下乙です
ま、まさかこんな展開になるなんて・・・
モグラ・・・
アマゾン、いくらゲドンが憎いからって早とちりしすぎだよ・・・

幾つか指摘を
>>382「逆に言えば居間の歌舞鬼達」を「逆に言えば今の歌舞鬼達」
「歌舞鬼自身はどのなのかと」を「歌舞鬼自身はどうなのかと」
>>389「どんあ卑怯な作戦」を「どんな卑怯な作戦」
>>393「無茶くちゃっちゅうかなんちゅうか」だとちょっと読み難いと思ったので
「ムチャクチャっちゅうかなんちゅうか」にした方が良いと思います
あと、>>382で歌舞鬼が喰われたのはツクヨミじゃなくてヒトツミじゃないでしょうか


420 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 02:38:59 ID:iaiZ9OEjO
予約された時点、というか時間軸がわかった時点で展開を読んでいましたが…

モグラァァァア

海堂は今後『仮面ライダー』と名のつく者達を敵視するのでしょうか。


指摘としては

>>392
ケドン→ゲドン

>>397
オルフェノク意外にも→オルフェノク以外にも

421 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 03:40:06 ID:fQR6znWH0
もぐらぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!
こんな死に方むごすぎる……

久々にロワらしい展開、GJでした。
今後の彼らがどうなるのかに期待です。
モグラの意志を継いだ海堂が仮面ライダーになってくれたらかっこいいですね

422 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 16:14:37 ID:toKWPZRfO
別に意志は継いでないよなぁって突っ込んだら負けかな

423 :名無しより愛をこめて:2008/05/31(土) 18:37:14 ID:Pw/Ily86O
どうでもいい

424 :名無しより愛をこめて:2008/06/01(日) 00:49:24 ID:si36EL630
指摘を一つ 再開→再会 

425 :名無しより愛をこめて:2008/06/01(日) 00:49:52 ID:si36EL630
指摘を一つ 再開→再会 

426 :名無しより愛をこめて:2008/06/01(日) 01:57:20 ID:rRD4QSU80
投下乙です
もぐらぁああああああああ!!!
しっかしシリアスでも砕けた場面でも海堂が原作さながらに活き活きしてるなあ…
GJです!

427 :名無しより愛をこめて:2008/06/01(日) 21:18:52 ID:x4DipEnP0
保守させてもらう

428 : ◆cb4FtFqxco :2008/06/01(日) 22:56:57 ID:d0ob4e8E0
自作の進行状況ですが、全体の半分位までは書き上がっています。
期限までには間に合いそうです。

429 :名無しより愛をこめて:2008/06/01(日) 23:04:50 ID:yRG1Teza0
>>428
乙です!楽しみにしています。

430 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 00:50:17 ID:GAyGru+KO
>>428
了解いたしました!執筆乙です!
楽しみに待っています。

431 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 01:29:52 ID:RFmoWytaO
>>428
楽しみに待ってますねー。

しかしもうすぐ放送か……死者の数も前回より多いし快調な滑り出しだな。

432 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 07:22:36 ID:dFxsYaud0
前回よりも荒らしを生んでしまったけどな
好調なことよりも負の点をそれぞれが反省して次に生かすようにしないといけない

433 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 08:25:55 ID:8Nq916AvO
本スレが賑わえば何が来たって敵じゃないぜ
ということで今後は盛り上げていこうぜ

434 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 13:48:09 ID:GAyGru+KO
よーしじゃあここらでどのキャラの行く先が気になるか話そうぜ!
もちろん展開予想になりすぎない程度に。

ちなみに俺は志村が楽しみだ。
緑の血塗れだわ対主催の一文字にグレイブ姿見られるわで
今までステルスだったスタンスがどう変わるか気になる。

435 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 14:38:42 ID:8Nq916AvO
おまけに現在の状況がマズイなw
この間の感想が「志村涙目www」だったのも印象深いw

436 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 15:47:22 ID:/0U6DQ2f0
そういや毒吐きで冗談のつもりでダグバは白い→志村の策略はまだ終わっていない!説を言ったら本採用されてびびったなぁw

437 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 16:02:04 ID:Rjidp8WZO
白「っぽい」怪物ならオルフェノクも入るかな…って思ったり。

438 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 16:24:26 ID:sNzzy9/PO
展開予想になってるぞ
頭を使って雑談しろよ

439 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 16:49:03 ID:8Nq916AvO
そういや今回は読んでる最中に「こいつはここで死ぬな」
って脳内予想したキャラがことごとく生き残ってるw
色々な意味で予想を裏切られてるw

440 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 21:27:51 ID:/0U6DQ2f0
◆J5CGAQEyU6氏からの連絡がありませんなぁ

441 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 21:29:09 ID:qTeraWCZ0
そうですね

442 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:04:10 ID:U+7TQt8Q0 ?2BP(1)
桜井侑斗、香川教授、ガドル、金居投下します。

443 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:04:52 ID:U+7TQt8Q0

 風が吹き、砂埃が舞う。
 暗闇が晴れていき、黒から紫へと色を変化させて、朝の訪れを伝えている。
 まだ闇に紛れている雲が風によって流れていた。
 周囲には整然された街並み。所々に使い古された建物がある。
 その一角の雑居ビルの二階の看板には日本語でカラオケなる店であることを示していた。
 一階にはエレベーターと駐車場が設置されており、一台も駐車している車が存在していないことに、寂れた雰囲気を加速させる。
 いや、ただ一台、バイクが停車していた。鍵はかかっておらず、持ち出すことは不可能である。
 もっとも、隣のファミリーレストランより食材を持ち出し、貪り食って身体を癒す男には関係がなかったが。
 軍服に似た礼服に身を包み、骨太な輪郭に短く刈り上げた黒い髪を持ち、男の持つ重厚な雰囲気を醸し出している。
 巌のように鍛えられた肉体に隻腕の姿で未調理の食材を貪る姿は異常であった。
 ゴ・ガドル・バ、人にあらず者。
 未確認生命体と呼ばれる、グロンギ族。ただ力を求め、ゲゲルに挑み、究極の闇を目指す者。
 その彼がただ、身体を癒している。
 制限により彼の身体が変化できないというのと、ダブルライダーに負わされた傷があったのが、理由だ。
 一度身体を変化させると、次の変化に時間を要することをガドルは学習する。
 効率よく狩るには、敵より遅く変化することが重要になるだろうが……ガドルはその策を否定する。
 彼にとっては未来の話ではあるが、彼に課せられたゲゲルは『リントの戦士』、つまり警察のみを殺しの対象とすること。
 抵抗のあるゲゲルほど、楽しいという感覚だが、ここは警察の比でない抵抗力を持つ、『仮面ライダー』なる戦士がいる。
 つまり、よりゲゲルとして楽しめる方向へと向かっている。
 惜しむことは、まだ自分のゲゲルの出番がきていないこと。
 このままでは村上なるリントの思惑通り、自分が死ぬか、ザギバス・ゲゲル(ファイナル・ゲーム)への権利を失うか。
 どちらもごめんこうむる。
 ふと、携帯を開き、ボタンを一つ押す。本のマークが入っているボタンだ。

444 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:05:16 ID:KiYUvRQ70



445 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:05:39 ID:U+7TQt8Q0
 人の名前らしきものが並ぶ。左のボタンを押し、ページが変わった瞬間、ガドルの目が驚愕に丸くなる。

 ン・ダグバ・ゼバ。

 ザギバス・ゲゲルの相手。究極の力を得るための存在。グロンギが目指す頂点。
 ガドルの口角が上がる。自然と笑み浮かべ、携帯を閉じ、どこでもない場所へと力強い視線を向けた。
(ダグバ……奴を倒し、俺は更なる高みへと昇る。今は手も足も出ないだろうが……新たなる力を得て、必ず倒す。
これが……俺のザギバス・ゲゲル! そう認識する)
 強くなる。そして、ダグバを倒しさらに力を得る。
 しばらくはダグバを避け、強くなって挑みに向かう。行動指針を固めたガドルは、ひたすら狩りの時をまって潜む。
 その目に、野望を乗せて。



 空になったコーヒーカップが三つ並ぶ。
 それぞれコーヒーカップを前に、三人の男がそれぞれの思惑を抱えて立つ。
 青いYシャツに白衣を羽織る、三十代後半とおよぼしきメガネを掛けた男。
 知的な瞳が、金属に似た冷たい輝きをもって信実を射抜く。
 その視線も、情報が足りなければ意味がない。やはり情報が足りないと、男―― 香川 ――はそう思った。
 香川の右前方で、コーヒーの苦さに今だ顔を顰めている青年がいる。
 茶髪に整った顔を持つ、いわゆる今時の高校生だろう。
 もっとも、顔つきや身のこなしは修羅場をくぐり抜けたそれであったが。
 異世界の仮面ライダーの力を駆使して戦う青年を、香川は高く評価している。
 そして、最後の男、金居。
 彼もまたメガネを掛け、茶のジャケットを着込んでいる。背は高く、怜悧な瞳に感情は見えない。

446 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:06:03 ID:MzwBLP4H0
 

447 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:06:08 ID:ysbndRhM0


448 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:06:18 ID:6JyM80L/P
 

449 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:06:25 ID:U+7TQt8Q0
 彼の持っていた狙撃銃……シグザウアー SSG-3000に、神経断裂弾と言う銃弾が五発。
 確か、この銃はボルトアクション式の狙撃銃だったはずだ。
 ボルトアクションとは、ボルトを前後に操作して弾を装填・排莢する形式の銃だ。
 機関銃や短機関銃より発射速度が劣るものの、精度が増し狙撃銃や狩猟用ライフルに採用されている形式である。
 射撃精度も、各国の公的機関が採用するほど高い。
 一度見たものを記憶する香川の頭脳が、戯れに見た銃のカタログスペックを蘇らせる。
 変身でき、銃弾を跳ね返す装甲があるものが多数いる中でも、この銃の価値は高い。
 変身できる香川だからこそ、たとえ制限時間がなくても常に変身しているような者はいないと判断する。
 変身していない隙を狙えば、少ない労力で狙撃銃は役に立つ。
 制限により、変身が自由に行えないこの状況なら、なおさら狙撃銃は価値が上がる。
 ただし、相応の訓練をしているなら、と条件がつくが。
 事実、使った跡があるのに、金居はこの銃に価値を見出していない。上手く扱えなかったのだろう。
 あっさり譲ったのがいい証拠である。
 その手の人間なら、この状況でこの銃を持つことの意味、他人へ渡す恐怖を理解しているはずだからだ。
 なのに、あっさりと手放した。
 戦闘能力があるかどうかも確かめたいが、少なくともその手の力はあるのだろう。
 己の力を過信しているのか、それとも銃による攻撃を恐怖に思う必要がなかったのか。
 いずれにせよ、今は確かめる手段はない。警戒をしながら、監視する。
 そして、邪魔になるようなら切り捨てる。これが現実的な手だ。
 九十九を救うために一を切り捨てる。
 それが香川の持論。
 それにしても、一条の死は惜しかった。彼はカードデッキを駆使して強敵を相手にし、一歩も譲らなかった青年だ。
 ゾルダの火器を自在に操っている様を見るに、この狙撃銃に関しても頼れた存在かもしれない。
 とはいえ、あの場では他に手を取りようがなかった。
 一条という一が自ら切り捨て、自分と侑斗というライダーの戦いに慣れた戦力という九が残った。

450 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:06:50 ID:6JyM80L/P
 

451 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:07:11 ID:U+7TQt8Q0
 ならば、彼の死を無駄にしないように進むしかない。
 香川の決意は固い。かつて、家族を犠牲にする選択をしたときのように。


 侑斗は苛立ちを紛らわせるためにデイバックを漁る。
 この殺し合いを止めるために必要なものは集めておくに限る。
 もう二度と、一条のような犠牲を出したくないし、あのだらしない格好をしたイマジンのような怪人を倒さねばならない。
 武器らしきものはこの場にはない。あれば前回の戦闘で使っていた。
 使えそうなのは双眼鏡とデジタル一眼レフと望遠レンズ。カメラを見た瞬間、金居がそれを譲るように声をかけてきた。
 侑斗は金居を胡散臭そうに見つめる。顔を合わせたときから、侑斗は彼を信用できない。
 坊や、と自分を馬鹿にしたこともあるが、詐欺師を前にしたような本能的な警戒心が侑斗の中で働いているのだ。
 とはいえ、断る理由も浮かばず、香川を見ると彼も頷いて手渡すことを許容している。
 そのまま、侑斗はデジタル一眼レフと望遠レンズを放り投げた。
「すまないな。俺の知り合いがカメラマンをやっているから、つい興味をもってな」
 金居は笑みを浮かべるが、侑斗は無視してデイバックを漁る。中から、最初に支給されている地図とは別の、一エリアの拡大地図にバイクの鍵が付属していた。
 G−3エリアのカラオケハウスの駐車場にバイクが存在していることを示すもの。
 これが支給品か、と侑斗は思案した。バイクを手に入れれば、機動力が増し、デネブや香川の知り合いを探す足となれる。
 こいつは回収するべきだと香川へと提案をした。
「そうですね。この首輪探知機と合わせれば、人を発見できる確率も上げれますし、向かってみましょうか」
「ええ。……お前もいいな」
「選択の余地はないように見えるがな」
 侑斗は香川のときとは態度を変えて、金居に告げる。相変わらず、金居は薄ら笑いを浮かべていた。
 構わず、コーヒーセットをたたみ、三人は南へと向かう。侑斗は率先して、先頭を進んだ。


 金居は先に進む侑斗の背中を見つめながら、静かに微笑んだ。

452 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:08:07 ID:U+7TQt8Q0
 デジタル一眼レフ……CFカードを使っているそれを持って、これで動きやすくなったことを確認する。
 これで写真を撮り、秘密を握ったり、目の前の二人の戦う姿をとっては、人を襲っていることにしてもいい。
 また、死体に写真を握らせたりすれば、色々な効果が望める。
 街に入ればプリントショップくらい、一軒や二軒くらいあるだろう。プリントも可能だ。
 それに、家電を売っている店にもプリンターは置いてあるだろうし、用紙さえあれば仕事場として使われている場所のPCとプリンターを操作して出力すればいい。
 写真を出す手段など、山ほどある。
 とはいえ、カメラを持っているだけなら香川ですら警戒しないだろうが、写真をプリントすれば明らかに疑いをもたれるだろう。
 カメラを持っている時点で、すでに疑っているかもしれないが、それはもともと信用をあまり得ていない証拠でもある。
 生き残るためとはいえ、人間の信用を得るために媚を売るほど安くもない。
 信用できないなら、無理して信用を得る必要もないだろう。金居はそう判断し、デイバックにデジタル一眼レフを入れる。
 それにしても、デジタル一眼レフは普通のコンパクトデジタルカメラと比べて、持ち運びがしにくいものだ、と金居は内心で愚痴った。
 コンパクトデジタルカメラなら、隠し撮りもしやすいのに。
 まあ、自分の荷物は全て彼らが持っているため、今更愚痴るのもしょうがない。
 このまま戦闘は目の前の二人に任せて、自分は怪我で戦えないことにしておこう。
 邪魔になるようなら、殺せばいい。そこまで考えて、白い怪人に襲われる青年と、目の前の青年が重なる。
 顔が似ている……どころではなく、双子かと思わせるほど、瓜二つだ。少し気になり、侑斗に声をかける。
「お前、兄弟はいるか?」
「いない。どういうつもりだ?」
「いや、お前と似ている少年を見ていたからな。怪人に襲われて逃げ惑うな」
「!? それはどこでだ!」
「放送局の近くだったかな? まあ、生きていればその辺にいるだろう」
「お前……それを黙ってみていたのか!?」
「銃でも倒せそうになかったしな。それに、俺が来たときはすでに誰かが逃がすことに成功していた。
手を貸す暇もなかったよ」
「落ち着きなさい、桜井くん。君も彼を挑発するような真似はよしなさい」

453 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:08:21 ID:MzwBLP4H0
 

454 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:09:13 ID:U+7TQt8Q0
 香川の仲裁に金居は肩をすくめる。侑斗は相変わらず、金居を厳しい視線で射る。
 香川は二人の険悪な雰囲気に呆れたようにため息を突いてから、話を続けた。
「とりあえず、バイクを見つけたらその少年を探索。それから各人知り合いを探す。
それで構いませんね? お二人とも」
 香川の結論に、金居も侑斗も頷いた。特に異論はないからだ。
 そのまま移動を再開し、金居はこの殺し合いどうするか、思考を進める。
 生き残るのは絶対条件だ。出来れば、アンデッドである城光は封印しておき、元の世界へ戻ったときのバトルファイトを楽にしておきたい。
 アンデッド以外の力を得るのも悪くはない。金居はこの二人を利用しよう。
 暗黒の決意を秘めながら、歩みを進める。



「むん」
 軽くガドルは腕を振るって、調子を確かめる。
 グロンギ族の回復力は並ではなく、制限下とはいえ、戦うには問題ないほど傷と疲労が癒えている。
 片腕だけとはいえ、戦いの準備は万端。次の戦いへ向けて視線を動かす。
 二人ほど近寄ってくる。周囲を警戒しながら進む姿には、ある程度戦いに慣れた様子を見せていた。
 ガドルは微笑み、目標へと向かう。
「止まりなさい。私たちは銃を持っていますよ。こちらから近寄るまで、背を向けて両手と膝をついていなさい」
 ガドルは無視して、その姿を一瞬で変える。
 カブト虫を模した一本角が額に雄々しく生え、オレンジの瞳が瞬く。
 黒い強化外骨格が艶々と街灯を反射して輝いていた。首にかける装飾品を一つ千切り、瞳が紫色になると同時に剣へと変化させる。
 香川より銃弾が発せられるが、ガドルは剣を盾代わりにして、一瞬で距離を詰める。
 香川の前に侑斗が庇うように立ち、右手に持ったゼロノスベルトを腰に巻く。

455 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:09:43 ID:6JyM80L/P
 

456 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:09:44 ID:ysbndRhM0


457 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:10:01 ID:cdfEXXH30
 

458 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:10:04 ID:U+7TQt8Q0
 緑のゼロノスカードを取り出し、ガドルを睨みつけたままバックルへと差し込んだ。

「変身!」

 ―― ALTAIR FORM ――

 緑の強化スーツが侑斗を包み、牛の形をしたマスクが二つ、仮面の目の位置に固定して変形、複眼となる。
 金の列車の線路のような模様が身体に纏わりついた緑の強化スーツの戦士。
 仮面ライダーゼロノスがゼロガッシャー・サーベルモードでガドルの剣を受けとめた。
 甲高い金属音のぶつかる音が市街に響く。ガドルは躍る心を抱えたまま、片手でゼロノスの剣を押し込んでいった。


 少し、時間は遡る。
 バイクを探していた三人は、金属探知機に反応を見つけて、対策を練る。
 バイクが放置されているであろう場所に、人が居座っていたのだ。
 相手が殺し合いに乗っているのか、それともただわけも分からず一人でいるのか、判断に悩む。
 特に、ここは金居のいう侑斗に似た青年が逃げ惑っていた場所からもそう遠くはない。
 接触を避けるかどうか、香川は侑斗へと視線を送る。
 瞳には、向かうことを提案する色があった。香川が見るに、彼は今時珍しい正義感の強い青年だ。
 彼が一般人が一人だけ孤立するような状況を受け入れるとは思いがたい。
 香川は行くべきか、と心を固める。自分と侑斗、変身できるものがいれば、たいていの相手には対処も出来るだろう。
 腹をくくって、侑斗と金居に向かって結論を出す。
「行きましょう。バイクは貴重ですし、一刻も争う自体です。のんびりはしていられません」
 反論はもちろんなく、そのまま進むことに。
 なるべく変身は避けたいため、香川はSSG-3000を構え、威嚇に使う決心をする。

459 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:10:38 ID:ysbndRhM0


460 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:10:51 ID:U+7TQt8Q0
 ある種の踏み絵だ。
 銃を向けられて、予測される反応は二つ。
 銃の脅威を感じ、慌てふためく者。まったく意に介さない者。
 前者なら変身手段を持たないと見て保護。後者なら、戦いに乗っているかそうでないかで対応が変わる。
「俺は制限でしばらく戦えないから、別行動させてもらうぞ」
 金居の言葉に頷く。侑斗はもともと期待をしていない、という視線を送っていた。
 この言葉が本当かどうかは知らないが、下手に戦いに混ざって引っ掻き回されるのも困る。
 香川は待機するように金居に指示して、侑斗と共に目的の場所へと向かう。
 十分くらい歩いた頃だろうか。軍服を着た厳つい男が出てきた。
 香川はこちらに視線を向ける男の勘の鋭さに驚き、さっそく銃を向ける。
「止まりなさい。私たちは銃を持っていますよ。こちらから近寄るまで、背を向けて両手と膝をついていなさい」
 男は笑みすら浮かべている。後者。
 侑斗と視線を交わして、発砲。変身を果たした男に弾かれるが、侑斗の変身時間は稼いだ。
 侑斗の背中を見つめ、香川はカードデッキをガラスへと向ける。
 着慣れたオルタナティブ・ゼロの強化スーツを纏いながら、剣をぶつけ合うガドルとゼロノスを見て、己も地面を蹴りだした。



「離れて正解だったな」
 金居は望遠レンズを使い、戦闘の場を静観していた。
 制限で戦えない。最初の一回だけとはいえ、なんと都合のいい言い訳だろうか。
 今回だけ、首輪の存在に感謝をする。とはいえ、自らの命を握られているのは居心地悪いが。
 それにしても、発砲する香川、という写真を撮れたのは運がいい。
 戦う三人を尻目に、金居はプリントショップへと入る。
 後方で戦いの音を聞きながら、仕込みを忘れない。彼はこの戦い、誰が死のうと生きようと興味がない。
 生き残ったほうが、カブト虫の怪人のほうなら静かに離れる。

461 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:11:17 ID:MzwBLP4H0
 

462 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:11:18 ID:U+7TQt8Q0
 香川たちが生き残れば、変わらず利用する方針を続ける。
 とりあえず、保身のために香川の発砲シーンを取った写真は必須だ。隠し持つサイズへとプリントできるのもいい。
 金居は振り返り、
「ま、せいぜい頑張るんだな」
 と言い捨てて、自動ドアをくぐり抜ける。
 自分を頂点とした世界。バトルファイトのただ独りの勝利者となる。
 それが金居の目的であった。



 剣と剣がぶつかり合う、高い金属音が音楽を奏でるように、一定のテンポで響いていた。
 ガドルは隻腕。ゼロノスは両手が顕在。
 なのに、剣を振るう速度は互角。いや、ガドルが僅かに勝っている。
 勝っているのは速さだけではない。
「ぐっ!」
 ゼロノスは振り下ろされた一撃を受け止め、腕が痺れて腰が落ちる。
 続けて、ガドルが剣を横一文字に薙ぎ払う。ゼロガッシャーの刀身で受け止めるが、足が勢いで滑って、数十センチ身体が移動する。
(片腕なのに……なんて力だ!)
 力すらも、ゼロノスを大幅に上回っていた。
 腕が痺れているゼロノスの回復を待たず、三度目の薙ぎ払いがゼロガッシャーを弾いて、胸部を横に火花を散せてゼロノスを吹き飛ばす。
 そのまま踏み込もうとしたガドルの耳に、女性の電子音が届いた。

 ―― ACCEL VENT ――

 同時にガドルは瞳を青く変化させ、身体に走る悪寒のままに跳躍する。
 刹那、ガドルが存在していた地面が爆ぜて、オルタナティブ・ゼロが姿を現した。

463 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:12:08 ID:ysbndRhM0


464 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:12:30 ID:U+7TQt8Q0
 新たな敵の登場にガドルの闘争心が燃えて、装飾品を千切り、ロッドへと変化させる。
 着地前に前に突き出したロッドの先端がオルタナティブ・ゼロの胸を突き、たたらを踏ませた。
 無事着地を果たしたガドルは体勢が崩れているオルタナティブ・ゼロへと突進、ロッドで脇腹を思いっきり叩く。
 オルタナティブ・ゼロは吹き飛ばされて、そのままガドルは立ち上がろうとするゼロノスも逆袈裟にロッドを振るい、吹き飛ばす。
 地面に叩きつけれれる二人を、ガドルは見下ろした。


(まさか……ここまでとは)
 オルタナティブ・ゼロとなった香川は相手を侮っていたことを痛感していた。
 隻腕であることもあったが、ここまで強敵だとは。北崎の例から、警戒しておくべきだった。
(ですが、その動き。記憶しましたよ)
 オルタナティブ・ゼロは静かにガドルに対峙して、バイザーに一枚のカードを通す。

 ―― SWORD VENT ――

 オルタナティブ・ゼロは大剣を手に、地面を蹴ってガドルに斬りかかる。
 二合、三合斬り結び、オルタナティブ・ゼロが回転して横凪に剣を振るう。
 構えられたロッドの中央に斬り筋が刻まれ、ガドルがオルタナティブ・ゼロの背中へとロッドを振り下ろした。
 ガドルのロッドは、背中を向けたままのオルタナティブ・ゼロに受け止められる。
 背中越しに刃でロッドを受け止めたオルタナティブ・ゼロの技量は並みでない。
「私は一度見たものは記憶するのでね」
 そのままオルタナティブ・ゼロはロッドを弾き、ガドルの胸板を斜めに刻む。
 散る火花。手ごたえはあったものの、オルタナティブ・ゼロの腕が痺れている。硬すぎる。
 紫色の瞳でオルタナティブ・ゼロを見下ろすガドルが、いつの間にか精製した剣を振り下ろした。
 オルタナティブ・ゼロが大剣で受け止め、周囲に衝撃が走る。
「言ったはずです。私に同じ動きは通用……ッ!??」

465 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:12:46 ID:6JyM80L/P
 

466 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:12:54 ID:KiYUvRQ70



467 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:13:18 ID:U+7TQt8Q0
 受け止めきって、タイミングもぴったりだったはずだ。力も流しきったはずだった。
 なのに、ガドルの侵略が止まらない。そのまま大剣ごと、ガドルはオルタナティブ・ゼロの胸を縦に斬る。
 オルタナティブ・ゼロの膝が崩れ、倒れ伏す。そのまま彼は力で押し切られた事実を噛み締めた。
 ガドルの足が上がり、オルタナティブ・ゼロの頭部へと狙いが定められる。
「殺す前に尋ねておこう。ダグバ……白い服を着た、あの小僧より少し年上の男を見なかったか?
もしくは、金の角に黒い瞳、白い身体の俺と同じく変化する者」
 ガドルの尋ねに、オルタナティブ・ゼロは首を振る。
 偽りの情報など、すぐにばれるだろう。もっとも、オルタナティブ・ゼロは諦めていないが。
 答えを聞いたガドルは、あっさりと足を振り下ろす。そうはさせないと、オルタナティブ・ゼロは大剣を胸に向かって突き出した。
 振り下ろされるガドルの足のほうが、先に届くだろう。しかし、オルタナティブ・ゼロは確かに目撃していた。

 ―― FULL CHARGE ――

 ゼロノスが、ゼロガッシャーをボウガンモードへと変え、必殺技の体勢をとっていたことを。
 グランドストライクと呼ばれるゼロノスの技。
 巨大な光弾が光の速度でガドルの右胸で爆ぜる。刹那、よろめいて頭を踏み潰さすために狙いをつけていた足が外れた。
 オルタナティブ・ゼロの剣が胸に届き、ガドルは後退する。
 体勢を整えるため、オルタナティブ・ゼロは跳ね起きてゼロノスと並ぶ。
「やりましたね、桜井くん」
「はい。このまま畳み掛けましょう、香川さん」
「ええ、いきま……」
 オルタナティブ・ゼロの言葉は途中で途切れる。圧縮された衝撃波が、胸板の装甲を歪ませ、吹き飛ばしたのだ。
 ゼロノスが声をかける暇もない。オルタナティブ・ゼロは車に叩きつけられ、地面に伏せる。
 オルタナティブ・ゼロから香川へと姿を戻していく。
 二人が衝撃の放たれた方向へと視線を向けると、ボウガンを構えているガドルが眼に入った。


 ボウガン、剣、ロッドと見た目と違って多彩な技を繰り出す敵を前に、ゼロノスは戦慄をする。

468 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:14:00 ID:cdfEXXH30
 

469 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:14:09 ID:6JyM80L/P
  

470 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:14:24 ID:U+7TQt8Q0
 一瞬で変身を解除するほどの威力、あの技は受けるとまずい。
 それに、後方には香川。彼の命を落とすような真似は避けねばならない。
 いや、誰も殺させない。
 ゼロガッシャーを剣モードへと組み替え、腰溜めに構えて正面を向く。
 ガドルは余裕を持ち、悠然とこちらに歩いてくる。馬鹿にしていると感じるものの、事実ガドルとこちらの戦闘力は大きな隔たりがある。
 どう攻めるべきか、ゼロノスは思考する。剣戟では勝れないことは先ほどの打ち合いで理解している。
 遠距離からも、相手はボウガン持ち。威力もこちらに負けていない。
「今のあなたでは勝てない。逃げなさい! 桜井くん」
 それは、自分を見捨てて逃げろということだろう。ゼロノスは、侑斗はそれを素直に聞き入れる人間だろうか?
 答えはNOだ。
 ゼロノスは大剣を軽く上げ、肩に乗せる。意思を込めた視線はガドルを睨みつけた。
「最初に言っておく!」
 デネブなら、侑斗の身を案じて一人残って逃げるように促しただろう。香川もそうだ。
 しかし、ゼロノスは違う。悲しい思いはさせない。涙を流す人はもう見たくない。
 未来の婚約者、野上愛理と未来の自分のように、赤ん坊を己の手で忘れさせざるを得ない状況に、誰もならないように。
 だからこそ、その言葉は相手に対し虚勢を張っているのでも、己を奮い立たせるのでもない。

「俺はかーなーり……」

 誰にも負けない強さを、誰をも救える強さを持つことを決めた覚悟の印。
 たとえ自分のことを誰も知らなくても。
 忘れ去られるとしても。そのために、彼は自分に課す。

「強い!!」

 お前にも負けない。その意思を込めて、ゼロノスは宣言する。

471 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:14:37 ID:6JyM80L/P
 

472 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:15:06 ID:U+7TQt8Q0
 その言葉が第二ラウンドの掛け声。
 ゼロノスとガドルは地面を蹴り、再び剣のぶつかり合いに衝撃が走った。


 ガドルはゼロノスと数合打ち合い、動きが変わったことを確信した。
 片腕の自分にすら敵わない稚拙な剣術であったはずだが、今は何とか食らいついている。
 ガドルの頬に、笑みが浮かぶ。先ほどの仮面の戦士もそうだが、やはり手応えのある相手は心が躍る。
 横凪に振るった剣を、ゼロノスが受け止めた。先ほどはこちらの威力に負けて身体が泳いでいたが、今は辛うじて耐えている。
「おおぉぉぉぉっ!」
 それどころか、こちらの隙を突いて剣を振るってきた。
 身体に火花が散り、痛みにガドルは顔を顰める。同時に確信する。
 こいつは自分の手で殺すべき資格のある戦士だと。
 ガドルは剣を振り上げて、一旦力を溜める。剣を受け止める構えをしていたゼロノスの身体が泳いだ。
 右腕の筋肉が爆発、唸りを上げてガドルの剣がゼロノスへと向けられる。
 ゼロノスは慌てず、ベルトのボタンを押し、剣の柄にカードを差し込む。

 ―― FULL CHARGE ――

 ゼロノスがエネルギーを纏った剣を振るった。
 激突する剣と剣。一瞬の拮抗後、すぐにバランスは崩れ、エネルギーがクレーターを作るほどの爆発を生む。
「ぐう!」
 ガドルはコンクリートの柱を砕きながら吹き飛び、痛みを無視して立ち上がる。
 ゼロノスも同じく、痛みに耐えて立ち上がったようだ。こいつを凌駕すれば、また一つザギバス・ゲゲル、究極の力へと近付ける。
 ガドルは地面を蹴り、ゼロノスへと迫る。振り上げる剣を、力任せに降ろした。
 受け止められながら、剣を離す。呆気にとられるゼロノスを尻目に、腹へ目掛けて拳を叩き込む。五メートルほど地面を転がっていく。
 しかし、ガドルの頬にも痛みが走った。拳が当たる瞬間、ゼロノスは強引に足を上げてガドルの頬を蹴ったのだ。

473 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:15:36 ID:6JyM80L/P
 

474 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:15:43 ID:KiYUvRQ70



475 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:15:56 ID:U+7TQt8Q0
 とっさの判断。戦いなれていることにガドルはさらに狂喜する。
「どうした? カブト虫野郎。俺はまだ立っている。お前より強いからな!」
 そう、奴の言うとおり、敵は強い。手ごわい相手。リントの戦士。
 相手にとって、不足はない。ガドルの地面を踏む足に力がこもる。
 迸る衝撃。敵、ゼロノスは一歩も引かない。ガドルの戦士としての血が踊る。
 二人の剣先が同時にお互いの身体を抉り、お互いの血が宙に舞う。
 しかし、お互いしか見ない二人には関係ない。
 激しく身体を入れ替えながら、剣が舞い踊る。金属音が音楽を奏でる。苛烈する斬り合いは二人の身体を刻む傷跡を量産していく。
 一際大きい金属音が響き、お互いに距離をとった。ガドルは瞳オレンジへと変化、腰を落とす。対峙するガドルとゼロノス。
 最後の技の、時間が迫る。


 香川は目の前の戦いを固唾を呑んで見守っている。
 SSG-3000で援護をしようかとも考えたが、香川の狙撃の腕ではゼロノスを撃ってしまう可能性があるため、手を出せずにいた。
 それにしても、ゼロノスの想定外の戦闘力に驚く。
 若さゆえの後先を考えない防御を無視した突撃。それが、ガドルと渡りあっている秘密だ。
 頼もしさを覚えると同時に、香川は危険を察知している。
 今のゼロノスは、己の限界を超えた戦いをこなしているのだ。
 いつ倒れてもおかしくはない。香川は現状を計算する。
 ゼロノス……桜井を見捨てるべきかどうか?
 答えは否。
 ゼロノスという力以外にも、彼にはゼロライナーという脱出の手段との繋がりが深い。
 ここで彼の死が意味するものは、脱出の道が困難になるということと、戦力の大幅低下。
 それはまずい。つまり、切り捨てるのは侑斗よりも、自分の命。
 侑斗のゼロライナーとゼロノスを含めたメリット、自分が存在するメリットを天秤にかけた結論だった。

476 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:16:07 ID:ysbndRhM0


477 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:16:17 ID:6JyM80L/P
 

478 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:16:48 ID:U+7TQt8Q0
 首輪の解体を出来る人間は確かに貴重だ。自分は解除を行える筆頭の一人だろう。
 とはいえ、未知の技術が跋扈しているこの舞台。解析技術を持つものは他にいるかもしれない。
 それに比べて、脱出を行える手段を持つ人物はどれほどいるのだろうか?
 彼、侑斗の話では良太郎なるデンライナーと繋がりのあるものはいないとのこと。
 つまり、今現在ただ一人の時の列車の主、桜井侑斗は優先して救う価値がある。
 自分の命より。
 そして、他の参加者より。


 ―― FULL CHARGE ――

 三度響く電子音を合図に、対峙しているゼロノスとガドルが動く。
 ガドルは稲妻のような速さで地面を駆け、天へと跳躍。
 右足をゼロノスへと狙いを定め、砲弾と化して迫る。
 ゼロノスはそのガドルを迎え撃つため、剣を腰溜めに構えた。
 迫り来るガドルの動きに合わせて、横凪にゼロガッシャーを振る。
 稲妻を纏う斬撃と、総てを砕く蹴撃の打点が重なる。
 膨大なエネルギーの暴風が電柱を折り、コンクリートを砕いた。

「「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」

 ゼロノスとガドルの咆哮が重なる。お互い、負けるかもしれないなどと微塵も思考しない。
 命を賭した死闘。その先にあるものだけをひたすら求める。
 数十時間にも、一瞬にも思える拮抗の中、二人は視線を相手だけに注いでいた。
 ガドルは歓喜を噛み締め、ゼロノスは負けるわけにはいかないと決意をもって、お互いの全力を絞りつくす。

479 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:17:27 ID:6JyM80L/P
 

480 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:17:51 ID:6JyM80L/P
 

481 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:17:53 ID:U+7TQt8Q0
 サイクロンのごときのエネルギーの暴走が二人を中心に渦巻き、再び爆発が起こる。
 その中心には、己の意地をぶつける二人の男がいた。


 粉塵が晴れ、倒れ伏す男が一人。立ち尽くす男が一人。
 倒れている男、桜井侑斗が力を出し尽くしていた。
 それを見下ろすガドルの負傷も軽くはない。装甲が砕け、右足にヒビが入っている。
 ゼロノスの力のおかげだ。
 ガドルは侑斗に近寄り、剣を逆さに構える。
「リントの戦士……いや、『仮面ライダー』か。キサマは強かった。誇るがいい」
 剣先を侑斗の首に狙いをつけ、振り下ろそうとした瞬間、眼前を銃弾がかする。
 程よい陶酔感を邪魔され、ガドルは不機嫌になりながら振り向くと、SSG-3000を構えている香川が視界に入る。
「すいませんね。その子を殺されては困ります」
「ふん。今は戦えないお前に、なにが出来る?」
「取引……しませんか?」
「断る」
「あなた、ダグバという方を探していましたよね? その人物の居場所は分かりませんが、私は首輪を探知する探知機を支給されています。
これとあそこに放置されているバイクの鍵、これで私たちを見逃してもらえませんか?」
 ガドルは香川を見つめる。残された怪人態の時間は二分弱。
 香川と変身が解けた侑斗を殺すには、充分な時間。しかし、ガドルは剣を下げた。
「一つ聞かせろ。キサマの変身、アレは誰でも使えるか?」
「カードデッキのことでしたら、相手を選びません」
「いい事を聞いた。それもよこせ」
 香川は銃を構えたまま、数瞬迷いを見せた。
 ガドルがカードデッキを求めた理由は一つ。十分しか戦えない、二時間の制限がある状態では強くなるための戦いの経験を積みにくい。
 なら、戦う回数を増やすにはどうすればいいのか?
 答えは簡単。リントの使う、仮面ライダーとなる道具を得ればいい。

482 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:18:11 ID:ysbndRhM0


483 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:18:43 ID:6JyM80L/P
 

484 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:18:44 ID:U+7TQt8Q0
 そして、侑斗を見逃したことにも理由がある。単純に、ここで殺すには惜しい、そう思っただけだ。
 侑斗とは、左腕をくっつけた、万全の状態でまた戦いたい。自分をこれ以上強くするには、程よい戦士。
 ガドルは香川の選択を待つ。もっとも、選択の余地などない。
「ええ、いいでしょう。しかし、渡した瞬間殺されても困ります。
これが探知機つき携帯、これがカードデッキ、これがバイクの鍵、デイバックに入れておきます。
桜井くんをこちらに投げてください。私もデイバックを同時に投げます」
 妥当な意見だ。ガドルは侑斗を持ち上げ、香川の顔を見つめる。
 もう一つ気になったことがあった。
「こいつの名、桜井というのか」
「ええ、桜井侑斗。前途ある若者です」
 桜井侑斗。その名をガドルは刻む。願わくば、次ぎに会うときはお互い全力で。
 ゲゲルで表に出さなかった戦士としての矜持が、ガドルの中で首をもたげる。
 香川のデイバックと、侑斗の身体が、同時に宙に舞った。



 甲高い足音を響かせ、ガドルは放置されているバイクへと近寄る。
 バダーが馬代わりに愛用していた乗り物を前にして、鍵を差し込んだ。
 ガドルの記憶がたしかなら、この乗り物は歩くよりも遥かに楽で、しかも速く移動が出来る。
 操作マニュアルも一緒に入っていたところ、あの香川という男は几帳面で、約束を守る男だと判断した。
 ガドルはバイク―― YAMAHA T MAX ――に跨り、エンジンを吹かす。
 ガドルは知らなかったが、ビックスクーターであるため、片腕でも何とか運転が可能だ。
 特に運動神経とバランス感覚に優れている彼なら、多少の運転しにくさにも目を瞑れるだろう。
 携帯の探知機能を見てみると、周囲のエリアに人が固まっている。北上してまずは身体を休めたほうがいいと判断した。
 それほど、ゼロノスのつけた傷は深い。
 傷む傷口に視線をやりながら、ガドルは呟く。
「桜井侑斗……」
 恋焦がれるような呟きは闇に消える。

485 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:18:53 ID:cdfEXXH30
 

486 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:19:14 ID:cdfEXXH30
 

487 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:19:20 ID:U+7TQt8Q0
 駐車場に響く排気音。ガドルはそのまま、加速させながら進む。
 強くなり、ダグバを越える。そのためにより多くの戦いを経験する。
 ガドルは侑斗や仮面ライダー二人の善戦に思いを馳せた。
 朝日が昇りかけ、空に光が満ちる。
 ガドルはさらにアクセルグリップを捻って、バイクを進めた。
 新たな戦いを求めて。



「手を貸そうか?」
 侑斗に肩を貸す香川の前に、金居が現れる。
 別行動した際の彼の収穫を期待するが、帰ってきた答えは散々だった結果に追い討ちをかけた。
「お願いします」
 侑斗を金居に預け、とりあえずこの場を離れる。
 どうにかガドルをやり過ごせたが、彼や北崎のような連中が多いこの殺し合い、やはり人員が必要だ。
 結果だけを見れば散々とはいえ、あのクラスの強敵と出会った結果としては悪くはない。
 侑斗が生きていることが最大の収穫だ。
 とはいえ、カードデッキにバイク、探知機を失ったのはでかい。
 早急に戦闘力を持つメンバーを引き入れる必要がある。
 金居に抱えられている侑斗を、守るために。
 自分が侑斗を守る盾となるために変身手段が、侑斗を守るための盾が、両方必要だ。
 香川の瞳が冷たく輝く。
 変身手段、そして盾となりうる参加者の確保。
 香川は、なんとしても侑斗を守り抜く決意をした。
 ゼロライナーという脱出手段をつぶさないために。

488 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:19:27 ID:6JyM80L/P
 

489 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:19:48 ID:MzwBLP4H0
 

490 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:20:02 ID:6JyM80L/P
 

491 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:20:14 ID:ysbndRhM0


492 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:20:39 ID:U+7TQt8Q0
 例え、一を犠牲にしても。残り九十九を救うために。


 金居は散々だった二人を見つめ、失望する。
 もう少しやると思っていたが。懐にしまった写真は今は使えない。
 最大限利用してから、これは使う。今まだ二人は自分の役に立っていない。
 これだから、人間という奴は使えないと考える。
 やはり、己も時機を見ては二人を見捨て、新たな集団に取り入る必要があるのかもしれない。
 なぜなら、あのカブト虫の怪人―― 見た目だけなら、スペードのAやキングと酷似していた ――の実力は、自分やキングに迫る。
 まともに相手しては身体がいくつあっても足りはしない。
 駒が必要だ。自分の手足となって動く、駒が。
 金居のメガネの奥の瞳が冷たく輝く。
 己が目的、クワガタ虫の楽園を目指すために。
 己が世界の頂点と立つために。




493 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:20:44 ID:6JyM80L/P
 

494 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:21:04 ID:U+7TQt8Q0

【香川英行@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:G−3北西部】
[時間軸]:東條悟に殺害される直前
[状態]:強い決意。全身に大程度のダメージ、大程度の疲労。二時間変身不可(オルタナティブ・ゼロ)
[装備]:神経断裂弾(三発)、シグザウアー SSG-3000
[道具]:煤けた首輪、双眼鏡
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:侑斗の生存を優先。
3:北崎(名前は知らない)を倒す。
4:東條、北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を警戒
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居は信用できない。邪魔になるなら切り捨てる。
7:侑斗を生存させるため、盾となるべく変身アイテム、盾となる参加者を引き入れる。
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。



495 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:21:12 ID:6JyM80L/P
 

496 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:21:37 ID:U+7TQt8Q0
【桜井侑斗@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:G−3北西部】
[時間軸]:最終回直後
[状態]:深い悲しみ、強い決意。全身に大程度のダメージ、大程度の疲労。二時間変身不能(ゼロノス)
    気絶中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、ゼロノスカード4枚、不明支給品1〜3(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立たない)
    一条の支給品0〜1(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立てない)
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:香川と行動しつつ仲間との合流を目指す
3:自分と同じ顔をした少年(桐矢)への疑問。保護が必要ならそうする。
4:北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を倒す。
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居は気に食わないが戦力が必要。坊やって言うな!
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。



497 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:22:00 ID:6JyM80L/P
 

498 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:22:19 ID:U+7TQt8Q0

【金居@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:G−3北西部】
[時間軸]:45話終了後
[状態]:ある程度回復。疲労と負傷共に中。鼻血は止まった
[装備]:なし 
[道具]:基本支給品×2、コーヒーセット、デジタル一眼レフ(CFカード)、望遠レンズ
    Lサイズの写真(香川の発砲シーン)
[思考・状況]
1:可能な範囲で殺し合いの内幕をさぐる。
2:橘とは会いたくない、というか知り合いに会いたくない。
3:東條が参加者を減らしてくれる事に期待。
4:利用できる参加者は利用し、障害となる参加者は状況によっては殺害する。
5:この二人を利用して上手く生き残る。邪魔になるなら殺す。
6:香川英行が首輪を解除する方法を思いつくのではと期待。
7:二人の戦闘力に僅かに落胆。
[備考]
※香川・侑斗と簡単な情報交換を行いました。しかし、仮面ライダーとの敵対や東條と約束を交わした事など、自分に不利になる情報は伏せました。
※ライフル・首輪を香川に譲渡しました。
※桐矢と侑斗は別人だと認識しています。



499 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:22:24 ID:cdfEXXH30
 

500 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:22:41 ID:U+7TQt8Q0

【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:F−3南西部】
[時間軸]:ゴ・ジャーザ・ギのゲゲルを開始後
[状態]:二時間怪人体に変身不可、左腕の肘から先を破損。右足部装甲破損。疲労&全身の負傷大
[装備]:オルタナティブゼロのデッキ、基本支給品×1、首輪探知携帯、YAMAHAのT MAX
[道具]:破損した左腕、
[思考・状況]
1:リントの戦士を倒す。
2:再びあの二人と戦う。
3:桜井侑斗と決着をつける。
4:戦闘を繰り返し、強くなる。
5:最終的にダグバを倒す。
備考
※ガドルは自分にルールを課しているため、抵抗しないただのリントには攻撃しません。



501 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 22:23:18 ID:U+7TQt8Q0
投下終了。
タイトルは 暗雲

指摘、感想をお待ちしています。

502 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:24:37 ID:/0U6DQ2f0
投下乙です
早速ですが>>443の 鍵はかかっておらず、持ち出すことは不可能である。
は 鍵がかかっており、持ち出す事は不可能である。 ですかね?

オルタナティブはまーたマーダーの手にわたるのかw

503 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:35:08 ID:Y8DkHgUi0
投下乙!
金居が取った写真が後々影響を及ぼしそうで怖いw
ゼロノス&オルタVSガドルのバトルが面白かったです!
香川がゼロライナーの存在を見越して、侑斗の命を救う選択も彼らしい!
片腕がちぎれてもカードデッキをゲットしたガドルの今後が気になりますね。
GJ!!

504 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:35:24 ID:MzwBLP4H0
投下乙です
ガドルつえええ!貫録ありまくりですw
暗躍する金居がどうなるか楽しみです
香川と侑斗はまたも一敗地、だがそれを糧にしてくれる事に期待w


505 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:40:29 ID:6JyM80L/P
投下乙です。
マーダーたちが順調(?)に戦力を拡充しつつありますな。
金居もここからどう転がるか、楽しみです。

しかし剣勢は志村も金居もばりばりステルスか……w

506 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:47:26 ID:GAyGru+KO
投下乙です!
ガドル強ぇー!!戦力強化でさらなる脅威になりそう。
侑斗を守る決意を固めた教授ですが、変身手段を失ってこれからどう出るか気になります。
金居も悪どいっていうかちょっとカブトムシVSクワガタムシを期待したのにお前はw
交錯する思惑と迫力のあるバトルが素晴らしかったです!

507 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 22:56:24 ID:6aknTyns0
さすが最強のゴでした、しかも隻腕。
今回の怪人勢は、前回に増して強いヤツばかりだと再認識しました・・・
本編でブウロが翼を復活させていたこともあるので、時間が経てばガドルの腕も治るかもしれませんね。

侑斗は金居から聞いた少年を、過去の自分だと思っていたりするのでしょうか?
まあ名簿に桜井侑斗は一人しか載っていませんが。

508 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/02(月) 23:02:44 ID:U+7TQt8Q0
>>502
鍵がついていないので、エンジンがかからない、という意味でした。
wikiにて、鍵が付属していない、という方向で修正を入れます。

>>507
そこは次の書き手さんしだいかな、と。

509 :名無しより愛をこめて:2008/06/02(月) 23:45:45 ID:UED7aoXI0
投下乙であります!
ガルドが戦力を拡充させつつ、強敵への思いを見せて貫禄を示しましたね。
団結とは行かない上に大幅戦力ダウンした香川達の今後は……?先生の頭脳に期待です。
再戦の望みが今後どのように展開するのか、楽しみです。

510 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 00:11:18 ID:jpQ9o5IB0
◆J5CGAQEyU6さんの予約が昨日の21時過ぎで切れているのですが、未だご連絡が頂けません。
もし今日中に連絡がなければ、予約破棄と見なさざるを得ないかと思いますが、
いかがでしょうか。

もし◆J5CGAQEyU6さんがご覧になっていれば、一言でもよいのでご連絡ください。

511 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 00:28:10 ID:R/Jz5oQdO
>>501
投下乙です。
ガドルVSゼロノスが燃えました。
教授の大勢の生存の為なら、自分の命さえ犠牲にする覚悟、
英雄的行動を尊ぶ彼らしい行動だと思いました。
GJです。

512 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 01:17:52 ID:YzKbvt4iO
>>510
残念ですが仕方ないですしね。
賛成です。

513 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 01:42:49 ID:RNGoo8UM0
そんな急かさなくてもいいじゃないか
別に急がなきゃならないわけでもないだろうし

514 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 11:25:22 ID:yiJuBYPeO
延長期限過ぎても連絡がないのなら>>510は妥当な対処だと思いますが・・・

515 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 11:45:55 ID:TDKId474O
前回は延長期限破りで揉めたこともあったしねえ
24時間猶予があるから連絡して欲しいなあ

516 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 15:13:10 ID:Cl50fSItO
延長も寛大にしてるわけで今回もまだ待ったほうがいいと思う

517 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 16:38:27 ID:b3bi0MA/0
>>516
一日待つのはかなり寛大だよ?

とりあえず、連絡は欲しい。

518 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 18:33:59 ID:TDKId474O
>>516
延長は寛大でもなんでもなくて普通に権利内のこと
権利外である期限切れと同じ次元で語ってはならんな

519 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 18:53:29 ID:DtbioDtmO
>>501
乙です!!
ガドルが全フォーム使用して戦うなんて熱すぎるっ!!
反主催コンビ+1の前途多難な今後も楽しみですね

>>513
ルールは ルールだ

って言ってた怪人がクウガにいたなぁ
確かメのやつだったハズなんですが、どなたかわかります?

520 : ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:13:32 ID:89ANEF7y0
ゾル大佐、橘朔也、投下します。

521 :Hypothesis and reality ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:15:35 ID:89ANEF7y0
ゾル大佐は先の戦闘で取り逃がした金居を追うのを止めた。
自身は――恐らく主催者に仕込まれた制限に拠って――変身出来ない上
同行者である橘朔也は気絶しているという状態で、強行軍を行うのはどう考えても無謀だ。
ゾル大佐は橘を肩に担ぎ視界の開けた現在地から民家の建ち並ぶ市街に移動し、その中の適当な1軒に入る。
その家は2階建てで周囲の家よりも若干大きく、外部からの襲撃にも比較的守りが堅い。
2階の部屋のベッドに橘を寝かせ、ゾル大佐も床に座りその身を休ませる。
今居る部屋は玄関側の壁に窓があり、照明を付けなければ外から人が居るとは気付かれ難い。
緊急時には改造人間のゾル大佐なら、その窓も脱出経路に出来る。
もっともそうなったら、橘は置いていく事になるだろうが。
 
 
 
「…………ここは?」
「……気付いたか」
ゾル大佐が操作に慣れる為携帯電話で名簿や現在位置の確認をしている内に、橘は目を覚ました。
 
「貴様が気絶した場所から、そう遠くない民家だ」
「わざわざ俺を運んでくれたのか……」
「…………一応、協力者だからな」
馴れない様子で携帯電話を操作しながら、ゾル大佐は橘に話しかける。
「橘、現時刻は放送まで1時間を切っている。放送まで、この場で休むが構わんな?」
「……ああ、頼む」
先の戦闘の影響かまだ身体に重みを感じる橘には、ゾル大佐の提案は都合が良かった。
あるいはゾル大佐の体力を鑑みるに、自分の状態を気遣っての判断かも知れない。
 
橘がコンビニと携帯電話について、ゾル大佐に簡単に説明する。
「なるほど。このケイタイという奴は、内部の機械はともかく操作方法は簡略化されているのだな」
飲み込みの早さから、橘にはゾル大佐の知能の高さが窺えた。
「これほどの多様な機能が内蔵された、小型通信端末を作る技術があるとは……
 ショッカー再興の為にも、これを持ち帰り使用技術を我が物とせねばな」
「……俺の時代には、ほとんど同じ機能が備わった物が市販されているぞ……」
「何っ!? これほどの技術水準が、一般的に普及しているのか…………」

522 :Hypothesis and reality ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:16:55 ID:89ANEF7y0
橘の説明が終わってからもゾル大佐は携帯電話がよほど気になるのか、それの操作に夢中になっている。
「…………ゾル大佐、お前は長期に渡る冷凍睡眠措置を受けた心当たりは無いか?」
「無いな。そんなものがあれば、とっくに思い当たっている」
橘はショッカーが何かも続けて質問しようかと考えたが、止めにした。
他から情報を得る前に、1人で考えておきたい事が橘にはあった。
この殺し合いという状況そのものに対する、考察である。
 
ゾル大佐は、1971年の時点から来たと言っていた。
コンビニや携帯電話に対する反応は、とても演技とは思えない。
本当にそうだとしたら、ゾル大佐は時空間を超越して
いや、主催者が時空を操作してこの場に呼び寄せた事になる。
時空間を操作。科学者である橘にとって、方法論さえ想像もつかぬ難事である。
アンデッドに――スペードのカテゴリー10だった――時間停止能力を持つ者は居たが
それはあくまで神とも言える存在、統率者がアンデッドに与えた唯一無二の異能。
それですら僅かな時間を、停止出来るに過ぎない。
異なる時間軸上から人を集めるのは、それとは全く次元の違う問題だ。
やはり異なる時間軸上から人を集めたというのは、信じ難く思えてくる。
 
信じ難い事態はそれだけではない。
思い起こされるのはこの殺し合いが始まって、最初の出来事。
忘れ様も無い、部下である禍木と三輪が殺害された場面。
主催者側の説明によると、首輪の効果でその身を灰にされた。
そう人間の身体が着ている服ごと、炭化ですらなく灰化したのだ。
しかも同じ首輪を付けられている参加者に、アンデッドである金居と城光が居る。
アンデッドを簡単に灰に出来るのなら、ライダーシステムによる封印など必要無くなる。
そんな超常的な機能が、この小さな首輪に込められているなんて事が有り得るだろうか?
主催者にとって首輪の灰化機能は、自分達を守る安全装置の筈だ。
もしアンデッドにそれが効かないとすれば、参加者に選ぶだろうか?
主催者が金居と城光をアンデッドだと知らずに、偶然参加させた?
自分や剣崎や志村が参加していてその偶然は、余りにも不自然に過ぎる。


523 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:17:11 ID:a/Wrx8Z10


524 :Hypothesis and reality ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:17:48 ID:89ANEF7y0

「据え置いてある電話も、使えないようだな……」
不意に聞こえてきたゾル大佐の声に、橘の意識は現実に戻された。
ゾル大佐は部屋内の机の上に置いてあった電話の受話器を、側頭部に押し当てている。
「その電話も通じないのか?」
「ああ、通話以前に何の反応も無い。回線そのものが、繋がっていないのだろう」
電話回線が繋がっていないのは、予想できた事だ。
電話で助けを呼べたら、殺し合い等成立しようが無い。
疑問となるのは、それ以前の部分だ。
 
橘はベッドから身を起こし、クローゼットに向かう。
クローゼットの中には、衣服と防虫剤が掛かっていた。
コンビニでは、最近仕入れたとしか思えない商品が並んでいた事からも
この場所には、最近まで人が住んでいた形跡が有る。
「ゾル大佐は殺し合いの場で、誰か見なかったか?」
「見ていない。市街地には人の居た様子は見受けられたが……」
「まるで生活空間から、神隠しの様に人間だけが抜け落ちた状態か?」
「どうやら貴様も、私と同じ印象を持った様だな」
「ああ…………」
参加者以外に人が居ない、殺し合いの為に用意されたと思しきこの場所。
だがどうやったら、こんな場所を用意出来る?
市街の様子から推して、ここは自分が居たのと近い時代の日本だと分かる。
これだけの規模の街から住人が全て消えれば、全国的に騒ぎにならない筈が無い。
まさか世界中の全ての人間が、消えた訳でも有るまい。
何処か無人の空間に、住人の居ない街のレプリカを作ったのか?
コンビニの寿司や、クローゼットの防虫剤に到る細部まで?
 

525 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:18:32 ID:b3bi0MA/0
       

526 :Hypothesis and reality ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:19:04 ID:89ANEF7y0
 
神の如き全能を持つ『会社』が
ゴーストタウンを作り出し
時空を超えて人間を集めて
アンデッドをも首輪の灰化機能で縛り
殺し合いを強制する。
落ち着いて考えれば考える程、これは何重にも異常な事態だと思い知らされる。
一体何がどうすればこんな理不尽を通り越して不条理な事が起こるのか、見当も付かない。
現実に行われている筈なのに、まるで夢の中の出来事だ。
個々の疑問点を突き詰めて考える程に、疑問点が増えていくのだ。
橘とて自分の科学的常識に、世界の全ての事象が納まらなければならないと考える程傲慢ではない。
しかしこの場においては、科学的常識を大幅に外れる事例が余りにも多過ぎる。
 
いや、1つだけこれらの超常現象に解答を与える方法が有る。
と言うより、それ以外に現状を解釈する方法は無い。
そう、全ての現象は現実に起きているという前提を外せばいい。
「やはり、そういう事か……」
「どうかしたか?」
思わず声が漏れ、ゾル大佐が声を掛けてきた。
「いや、何でも無い……」
言葉を濁す橘に、ゾル大佐はそれ以上追及しない。
橘が今考えている事は、とても他人に相談できる事ではない。
しかし確信は有る。他に考え様が無いからだ。
 

527 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:19:58 ID:b3bi0MA/0
         

528 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:20:08 ID:a/Wrx8Z10


529 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:20:30 ID:giTDHO3iP
 

530 :Hypothesis and reality ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:20:51 ID:89ANEF7y0
 
ここは現実の世界ではなく、仮想現実だったんだ。

そう考えれば疑問点のほとんどが解決、整理される。
この殺し合いの舞台は、現実の場所のデータから仮想現実上に作り上げたものだ。
時空を超えて集められた参加者というのも、仮想現実上にのみ存在する仮想人格だ。
アンデッドの2人も、仮想現実上のデータに過ぎない。
最初に殺された禍木と三輪も、実際に殺された訳では無い。
何故あの2人が、『見せしめ』として選ばれたのか
それは現実からの参加者である俺の――もし志村もそうなら彼も含めて――動揺を誘い
仮想現実という可能性から、目を背けさせる為だ。
では、どうやって俺を仮想現実の世界に入れたか?
心当たりは1つ、最初に参加者全員が集められた広間で眠らされた時。
あの後脳に直接電気信号を送る等して、人間を仮想現実の世界に入れる装置に組み込まれたのだろう。
それでも驚異的な技術と言えるが、タイムマシンやアンデッドを灰化させる機能を有する首輪よりよほど現実的だ。
 
もはや仮想現実という説は橘にとって、仮の物ではなく現状に置いて最も確かな事実となった。
悪夢的と言える不条理な現実に、妥当な解釈を与えられて
橘はようやく目前の霧が消えた様な、晴れやかな気分になれた。
現実ではないのだから、誰の死も恐れる必要は無い。
後、問題となってくるのはどうやって現実に帰還するかだが――
 
「橘よ、もうすぐ放送が始まる。それを聞き終わったら、今後の行動方針を決めるぞ」
ゾル大佐が話しかけて来た。
このゾル大佐も、仮想現実上にしか存在しない仮想人格だ。
何故『1971年の時点から来た改造人間』等と言う、妙な設定にしたのかまでは分からないが。
「分かった……」
適当に相槌を打つ。

531 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:20:52 ID:giTDHO3iP
 

532 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:20:59 ID:1bXLsA7Y0


533 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:21:02 ID:b3bi0MA/0
      

534 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:21:16 ID:5c7RYMx+0



535 :Hypothesis and reality ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:21:27 ID:89ANEF7y0
仮想人格と言えど、ここでは貴重な協力者だ。
下手に機嫌を損なうのは得策ではない。
ふと剣崎と志村は本物なのかが気になったが、ここでは余り意味の無い疑問だと思い至った。
ここは仮想現実、誰の生も死も全ては偽者(フェイク)なのだから。

【橘朔也@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:G-3エリア 民家の2階】
【時間軸:Missing Ace世界(スパイダーUD封印直後)】
【状態:健康】
【装備:ギャレンバックル】
【道具:基本支給品一式、ラウズカード(スペードJ、ダイヤ1〜6、9)、レトルトカレー、特殊支給品×?】
【思考・状況】
基本行動方針:仮想現実から本当の現実に帰還する。
1:本当の現実への帰還方法を考える。
2:ゾル大佐と行動を共にする。
3:余裕があれば剣崎、志村との合流。
備考
※今の自分は仮想現実の中に居ると確信しています。


536 :Hypothesis and reality ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:21:59 ID:89ANEF7y0

【ゾル大佐@仮面ライダー(初代)】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:G-3エリア 民家の2階】
【時間軸:三十九話開始直後】
【状態:健康、文明による精神的ショック。】
【装備:なし】
【道具:基本支給品一式、特殊支給品×?】
【思考・状況】
基本行動方針:生き残ってショッカーを再興させる
1:放送を聞いた後、橘と今後の行動方針について相談する。
2:後ほど一文字と本郷を倒しに行く。
備考
※基本支給品の携帯電話の使用方法を知りました。
※参加者が別々の時間軸からつれて来られている事に気付きました。
※変身制限に気付きました。
※剣世界について大まかな知識を得ました。

537 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:22:01 ID:giTDHO3iP
 

538 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:22:17 ID:a/Wrx8Z10


539 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:22:30 ID:1bXLsA7Y0


540 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:22:30 ID:giTDHO3iP
 

541 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:22:58 ID:b3bi0MA/0
           

542 : ◆cb4FtFqxco :2008/06/03(火) 22:23:26 ID:89ANEF7y0
投下完了しました。
支援ありがとうございます。
指摘点が有れば、よろしくお願いします。

543 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:24:56 ID:b3bi0MA/0
投下乙!
ああ、橘さん、あなたはなんて間違いをする人なんだwww
真面目に考察しているゾル大佐が輝いているというのに、もうw
割と面白い切り口だと思いました。
GJ!

544 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:26:08 ID:1bXLsA7Y0
投下乙!
いいかんじに大佐と橘さんの思考かずれて来てるな、つーか仮想世界ってwwwwww
それはぶっ飛びすぎにもほどがあるけど、橘さんだからいいかwww

545 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:28:39 ID:a/Wrx8Z10
投下乙です
橘さんwwwなんて考えに行きつくんだw
ゾル大佐の方が100倍は頼もしく見えてくるぞ
剣崎が死んで剣唯一のまともな対主催として頑張ってくれw

546 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 22:39:19 ID:jpQ9o5IB0
現実逃避wwさすが橘さんwwww
一歩間違うとマーダーですよ!原作通りに!
なんでライダーがヤバい人で悪の幹部がまっとうな対主催に見えるんだ……w
投下乙でした!

ところで仮投下スレのほうに第一回放送案が上がっています。
明日一杯が締め切りで、複数出ているので木曜日が投票になりますが、
今回の投票はホスト表示の必要がありますか?
強制IDだけでよければ、議論スレのある方に簡易投票スレを
ホスト表示がよければ以前の投票所の方にスレを立てますが。

547 :名無しより愛をこめて:2008/06/03(火) 23:44:21 ID:szvExl7Z0
投下乙です!
橘さんがとんでもない勘違いをーーー!!!www
本当に死んじゃった剣崎とかのために頑張って欲しいがwww
変に真面目な橘さんらしい思い込みだと思いました!GJ!

>>546
以前の投票もホスト表示でしたし、個人的には統一したほうがいいと思います。
ので、投票所で。

548 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 00:07:20 ID:o3iz0GS1O
>>542
嫌な橘さんらしさ全開www
ここからの展開に期待が高まる話でした、GJ!

>>546
形式統一が良いと思うので、ホスト表示を希望します

549 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 00:09:42 ID:YNUm6DXB0
>>510での呼びかけ後、昨日一日の間にお返事を頂けませんでしたので、
大変残念ですが、前スレ>>869の◆J5CGAQEyU6さんの予約は破棄となります。
確認まで。

550 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 00:25:02 ID:c4N2EE2v0
>>546
おつかれさまです。
手間が変わらないならより安全性の高いホスト表示にした方がいいと思います。

cb4氏投下乙!
橘さん帰って来いwwそのままだとショッカーにも見限られるぞw
彼の今後が非常に不安ですが、まぁ橘さんですしねぇw

551 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 08:48:03 ID:JHVT5s/k0
橘さんwwwwwwww
これは予想がつかないwwww

552 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 09:29:32 ID:o+klMV0d0
橘さんの間違えを一回本気で考えてしまった自分が恥ずかしいwwwww
この事については結構考えてはいるんですけど中々いい考えが出てこない・・・

今後に期待ですねw

553 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 16:43:21 ID:nkRQuqCc0
>>552
真面目すぎるんだよお前は。もっと馬鹿になれ!

…って桐生さんが言ってたぜ!

しかし本当にとんでもない勘違いだwww
仮想現実だからいいやと思って無茶やるんじゃないかと心配でたまらんw
橘さんの親しい人ほとんど脱落してるし、誰か目を覚まさせてやってくれないもんかね。

554 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 16:44:39 ID:pqN0zG2O0
しかし、これは燃えフラグでもある!
橘さんは橘さんwwしたあと、生贄か自身の命を賭ければ、かっこよくなる!

…………はずw

555 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 17:05:33 ID:El650qVI0
いや待て皆。前回ロワでは橘さんの言う事は結果的には全て正しかったじゃないか!つまり… おっと誰かきたy

556 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 17:09:24 ID:kAXXN0nk0
前回は大して活躍できなかった響鬼勢に期待してます。
明日夢?あぁ、あれはオリキャラですから。

557 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 17:18:38 ID:lEzWi9WqO
展開予想は自重してほしいな

558 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 17:21:54 ID:pqN0zG2O0
>>557
いや、これくらいはまだいいかと。

559 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:01:08 ID:o3iz0GS1O
>>557
展開予想と雑談の区別くらいつけてくれよマジで

560 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:04:37 ID:exYYrX330
「雑談は構わないが展開予想になりそうな時は自重しろ」ってこったろ

561 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:06:26 ID:lEzWi9WqO
すみませんでした、自分が自重します。
今までお世話になりました

562 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:33:33 ID:o3iz0GS1O
>>561
一度間違った程度でお世話になりましたなんて極端な発言は止めようぜ
自重するくらいなら雑談でもしてた方がスレのためさ

563 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:37:27 ID:pqN0zG2O0
話を戻すが、ゾル大佐が男前で惚れる!

……ダディとの対比のおかげとか、言わない

564 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:48:34 ID:SJ+KocdxO
大佐かっこいいよなー
やっぱり信念持ってる奴は魅力的だ。

個人的には風のエルが好きだったりする。
本編とのキャラのギャップがいい。

565 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:55:46 ID:o3iz0GS1O
エルは回を重ねる毎に凶化していってるなw
これからどうなるのか予想がつかないw

566 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 18:55:53 ID:El650qVI0
言い方を変えればオリキ…

二次創作なんだからしょうがないよな!でないとロワなんてやってられんし

567 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 20:07:45 ID:B8tseIxZO
前回のドクトルGとかもそうだったが、昭和の幹部は渋かっこいい。

568 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 21:18:03 ID:TIjeWYunO
死神博士がカッコ良すぎ!!
このままショッカー軍団作ってほしいわ

569 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 21:32:09 ID:kAXXN0nk0
牙王かな、俺は。リュウガのデッキを持ってるのも
「牙」繋がりで面白いと思う。前回の王蛇ポジはこいつに期待してる。

570 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 21:35:31 ID:YNUm6DXB0
第一回放送案の投票用スレを立てました。
http://www6.atpages.jp/riders/bbs/test/read.cgi/vote/1212582712/
ホスト、および携帯識別番号が表示されますのでご了承ください。
(例によって、投票結果確定後にdatに落とします)

571 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 22:13:01 ID:gZ9gooYfO
バダーが頭ぶつけて人格改変して影山かウェンツ辺りに『お前…オレの弟になれ』な展開はマダ〜?

572 :名無しより愛をこめて:2008/06/04(水) 22:14:17 ID:pqN0zG2O0
>>570
乙です。

>>571
風見も入れて、地獄三兄弟ですね。分かりますw

573 :名無しより愛をこめて:2008/06/05(木) 01:50:29 ID:7Kl/1+ZA0
あまり言いたくないけど少し展開予想方面に雑談がいってるかも…
雑談歓迎だけど少し意識してほしいな

574 :名無しより愛をこめて:2008/06/05(木) 07:03:23 ID:8CE4dWavO
だから空気読めって言ってんだろ、この愚図!

575 :名無しより愛をこめて:2008/06/05(木) 07:15:04 ID:9Mhgs19cO
>>573
具体的にどの書き込みがまずいのかハッキリ
雑談の度にこうなって話題全部止まるのは見てて辛い

576 :名無しより愛をこめて:2008/06/05(木) 08:14:14 ID:8CE4dWavO
どうせ荒らしだ。荒らしじゃなくても愚図には変わりない。
ほっといて雑談しようぜ

577 :名無しより愛をこめて:2008/06/05(木) 08:52:21 ID:OwfGpgaj0
いよいよ投票か
放送後は予約合戦になるのかな
はたして被る人は現れるのだろうか

578 :名無しより愛をこめて:2008/06/05(木) 12:12:52 ID:DDBCOhOc0
>>576
携帯は黙ってろ

579 :名無しより愛をこめて:2008/06/05(木) 13:07:59 ID:fd4AuwjN0
>>578
携帯だからどうとか、言うことが小さいよ。
もう少し寛大になろうぜ。

580 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 00:06:57 ID:JpILPKxB0
CIPHER0/kY氏の放送案
11票

deggScNisI氏の放送案
5票

という結果になりました。

581 : ◆SBNext.HzA :2008/06/06(金) 00:22:10 ID:UjceWehf0
>>580
集計ありがとうございました。
投票スレはdatに落とし、マップの禁止エリアを更新しました。

582 : ◆CIPHER0/kY :2008/06/06(金) 00:22:44 ID:XbuaUZGjP
それでは、ただいまより第一回放送を投下します。

583 :ウェイクアップ・コール(第一回放送) ◆CIPHER0/kY :2008/06/06(金) 00:23:27 ID:XbuaUZGjP
 朝日はビルの谷間に柔らかなぬくもりを投げかけている。
 その光景に逆らうが如く、窓を人口の光で満たし続ける建物が一つ。不夜城という言葉を思い出させるその眩さも、穏やかな陽の光に少しずつ薄らいでゆく。
 まるで町が悪夢から醒めて行くかのようだ。
 現実と言う名の悪夢からは、誰も醒められはしないのだが。

 陽の光が完全に遮られたビル内の一室。天井からつり下げられた青い布の前に立つ女性の側で、スタイリストが慌ただしく最後の化粧直しをしている。
 その前を早足で横切った女性に耳打ちされ、カメラ脇の男が太いフェルトペンで大判のスケッチブックに何かを書き取っって女に向けた。
「はい、それでは本番はいりまぁす……五秒前!」
 不意に響き渡った声に群れていた人影が引き、部屋が静寂に包まれる。

「四!」
 電算室でモニタリングをしていた社員たちが、一斉に顔を上げて目の前の巨大スクリーンを見やる。

「三!」
 整列したライオトルーパーたちの前に、ゆっくりと上官が立つ。

「二!」
 調整室のスタッフが互いに目配せを交わし、スイッチに手をかける。

「一!」
 サロンの椅子に身を預けた村上が、一人時計に視線を落とす。

 島中の時計が、それぞれの方法で夜明けを告げた。

         *   *   *



584 :ウェイクアップ・コール(第一回放送) ◆CIPHER0/kY :2008/06/06(金) 00:23:44 ID:XbuaUZGjP

「ハァ〜イ。参加者のみなさん、おはようございます。よく眠れましたか?」
 自動的に点灯した画面の中で手を振る女の表情には、計算づくの笑みに宿る独特の白々しさがある。
「それでは、早速脱落しちゃった参加者さんを紹介してみたいと思います。
 一条薫さん、一文字隼人さん、剣崎一真さん、芝浦淳さん、立花藤兵衛さん、天道総司さん、水城史郎さん、モグラ獣人さん、モモタロスさん、以上の九人です。
 せっかく参加者してくれたのに早くもこんなに死んでしまって、お姉さんもちょっと寂しいです。くすん」
 女は両目を指で拭う素振りをする。が、次の瞬間にはもうわざとらしい笑顔をこちらに向けている。
「でも心配はいりませんよ。死体さえ無事で残っていれば、親切な優勝した人が生き返らせてくれるかもしれません。生き返らせたい人がいる参加者さんは、ぜひぜひがんばって優勝してくださいね。ファイト♪」
 大げさな身振りは見たものに苛立ち以外の何ものも感じさせない。あえて反感を買おうとしているのであれば、立派に成功と言えるだろう。
「でも身体の大事な部分が欠けてしまったり、灰になってしまった死体は、流石の我が社でも復活させることはできません。お友達の死体は、くれぐれも大事にしてくださいね。間違っても首輪を外してあげよう、なんて考えちゃ……だめですよ」
 笑顔のまますっと細めた目尻はどこか、獲物を見据える猫のような残虐さを漂わせている。
「そうそう、もちろん死んだお友達が禁止エリアに残っていても灰になってしまうので気をつけてくださいね。これから禁止になるエリアは、七時にF-7、九時にE-5、十一時にC-6です」
 女が天気予報の如く手で背後に映った地図を指し示す。
「最後にお知らせです。この放送が終わった頃、電車が動き始めます。乗車可能なのはD-9の乗換駅からそれぞれG-2の水族館、A-4の大学北に向かう二つの路線です。
 皆さんはフリーパスで利用できるので、ぜひぜひ使ってみてくださいね〜。それじゃお昼まで、さようならぁ〜♪」
 誘惑のような、それでいて嘲笑を帯びたウインクとともに、画面が切り替わる。
 残り43人、という文字を大きく映し出すだけの、冷たい映像に。

          *   *   *



585 :ウェイクアップ・コール(第一回放送) ◆CIPHER0/kY :2008/06/06(金) 00:24:15 ID:XbuaUZGjP

「おつかれさまでした〜」
 機材を置いて持ち場を離れ始めたスタッフの間を、スマートレディがにこやかに通り抜けてゆく。
 スタジオを出る彼女の肩越しに歩き回る人影も、照明が落ちるとともに鮮やかさを失う。
 灰色の怪物たちが蠢く光景を覆い隠すかのように、背後で扉が閉じた。



586 : ◆CIPHER0/kY :2008/06/06(金) 00:25:23 ID:XbuaUZGjP
以上で投下完了です。
何か問題など残っていれば、ご指摘をお願いします。

予約は明日の0時解禁、ということでよろしいですか?

587 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 00:27:42 ID:mav3Kh+h0
投下乙!
スマートレディの不気味さが出ていました。
明日の予約合戦に期待!

588 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 00:36:22 ID:giTkrMSf0
投下乙!
放送の中に敵の組織力が示されているのが面白いw

予約合戦に関してはそれでいいと思います

589 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 00:38:17 ID:N4iOZKLoO
>>586
投下乙です
死体さえ無事なら蘇生可能……これは益々戦いが激化しそうですね。

予約もそれで良いかと。
どの書き手さんがどこを予約するか楽しみにしております

590 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 13:01:10 ID:6KQb9PloO
票数少な!

591 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 19:20:11 ID:v7p7uReCO
そういや悪側で死んだのは芝浦だけか…

死者スレのためにも、放送後の皆の反応に期待

592 : ◆SBNext.HzA :2008/06/06(金) 21:30:23 ID:UjceWehf0
今のうちに一応確認です。
明日の予約解禁時ですが、予約が被った場合は
「スレに書き込みが反映された順に優先権がある」ということでよろしいでしょうか。
全く同じ秒数の書き込みがあったり、まれに時間と書き込み順が逆に反映されることもありますので、
一番混乱が少なそうな形、ということで。

593 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 21:53:21 ID:nq9Cr66pO
>>592
それでよいと思います。

この放送が参加者にどう影響するか…
個人的には五代と一文字(R)のリアクションが気になる所。
あと橘さんも…

594 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 22:02:02 ID:dY5aVb4AO
>>592
いいと思います。

もうすぐ予約解禁かぁー……予約合戦が凄い気になるw

595 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 22:04:29 ID:N4iOZKLoO
>>592
賛成です

あそこは一体誰が書いてくれるのだろうか……w
って場所が多すぎるぜ!

596 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 22:54:43 ID:6KQb9PloO
予約合戦、俺も参加するぜ

597 :名無しより愛をこめて:2008/06/06(金) 23:33:39 ID:SKvcH/dl0
>>55
>今まで見ていたロワが偏っていたんだと思います。
そのようですね。
では、よいネットサーフを。

>>56
自由に、気軽に行使していいから「権利」なんですよ。
そして権利は使っても使わなくても自由です。
使わない人間が使う人間に云々する筋合いの物ではありません



60 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:30:09 ID:YdUkBTJw0
とりあえず、半年ROMってくださいね。

流石に、「執筆する」「スレを運営する」と言う行為をあんまり軽く見て欲しくないので。

こいつら嫌な奴等だよな

598 : ◆CIPHER0/kY :2008/06/07(土) 00:00:00 ID:O8e2YyVp0
本郷猛(初代)、風のエル、風見志郎、デネブ、加賀美新、澤田亜希、風谷真魚を予約します。

599 : ◆RIDERjbYCM :2008/06/07(土) 00:00:00 ID:OxUbDwLI0
海堂直也、山本大介、歌舞鬼、桐矢京介、三田村晴彦、風見志郎予約します(ノ)・ω・(ヾ)

600 : ◆deggScNisI :2008/06/07(土) 00:00:00 ID:CDxHgI010
山本大介、海堂直也、歌舞鬼 予約します

601 : ◆N4mOHcAfck :2008/06/07(土) 00:00:01 ID:EgK3lACb0
五代雄介、北條透、長田結花、城光、和泉伊織、乃木怜治を予約します。

602 : ◆j4QFVZJTi. :2008/06/07(土) 00:00:04 ID:dY5aVb4AO
死神博士、牙王、十面鬼ゴルゴス、影山瞬を予約します。

603 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/07(土) 00:00:01 ID:mav3Kh+h0
桐矢京介、三田村晴彦予約します。

604 : ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/07(土) 00:00:08 ID:wk3XFsZq0
一文字隼人(R)、日高仁志、風間大介、ハナ、城戸真司、風見志郎予約します。
(キャラが被ってたら、他の方にお任せします)

605 : ◆RIDERjbYCM :2008/06/07(土) 00:00:30 ID:iTZWgZrv0
む、かぶった、では風見抜きで再度予約

606 : ◆deggScNisI :2008/06/07(土) 00:00:32 ID:l4zAbISG0
無念だ…っ

607 :名無しより愛をこめて:2008/06/07(土) 00:01:23 ID:VEgtbRbf0
風見志郎の人気に嫉妬

608 : ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/07(土) 00:02:00 ID:xIw/84S00
すいません。。風見志郎抜きで、自分も予約しなおします。

609 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/07(土) 00:02:40 ID:440Ch3d+O
木場勇治、東條悟予約します。

610 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/07(土) 00:12:35 ID:bnmDTaRK0
負けた。
葦原涼予約します

611 :名無しより愛をこめて:2008/06/07(土) 00:13:50 ID:tjQgLedm0
現在の未予約キャラ

ゾル大佐、ゴ・ガドル・バ、ゴ・バダー・バ、ン・ダグバ・ゼバ 、香川英行、
手塚海之、北崎、橘朔也、志村純一、桜井侑斗、本郷猛(R)、緑川あすか

612 :名無しより愛をこめて:2008/06/07(土) 00:14:44 ID:tjQgLedm0
あ、金居が抜けてますね。失礼しました。

613 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/07(土) 00:16:20 ID:bnmDTaRK0
本郷猛(R)、緑川あすかも追加で予約します

614 : ◆iwvnMf7HkM :2008/06/07(土) 00:17:34 ID:20cjDq9e0
香川英行 桜井侑斗 金居 ゴ・ガドル・バ予約

615 :名無しより愛をこめて:2008/06/07(土) 00:22:12 ID:OxUbDwLI0
予約リストと未予約キャラリストですー。

◆CIPHER0/kY氏
本郷猛(初代)、風のエル、風見志郎、デネブ、加賀美新、澤田亜希、風谷真魚

◆RIDERjbYCM氏
海堂直也、山本大介、歌舞鬼、桐矢京介、三田村晴彦

◆N4mOHcAfck氏
五代雄介、北條透、長田結花、城光、和泉伊織、乃木怜治

◆j4QFVZJTi.氏
死神博士、牙王、十面鬼ゴルゴス、影山瞬

◆aj6Zn5J.vQ氏
一文字隼人(R)、日高仁志、風間大介、ハナ、城戸真司

◆yFvLIBbl9I氏
木場勇治、東條悟

◆KaixaRMBIU氏
葦原涼、本郷猛(R)、緑川あすか

◆iwvnMf7HkM氏
香川英行、ゴ・ガドル・バ、桜井侑斗、金居


現在の未予約キャラ

ゾル大佐、橘朔也、ゴ・バダー・バ、ン・ダグバ・ゼバ 、手塚海之、北崎、志村純一

616 : ◆c7qzxSVMQs :2008/06/07(土) 00:41:38 ID:IHo1beNu0
ゴ・バダー・バ予約します

617 : ◆deggScNisI :2008/06/07(土) 00:46:24 ID:CDxHgI010
ゾル大佐、橘朔也、北崎 予約します

618 : ◆c7qzxSVMQs :2008/06/07(土) 00:51:38 ID:IHo1beNu0
すみませんsage忘れました


619 :名無しより愛をこめて:2008/06/07(土) 23:32:52 ID:Hs+YXq7DO
スレが止まった・・・
ゴルゴムの仕業か!!

620 :仮面ライダーゼクロス:2008/06/07(土) 23:51:25 ID:KfCDYpVKO
漫画ロワで僕と握手!!

621 :名無しより愛をこめて:2008/06/07(土) 23:56:17 ID:enRs+dG40
禁止エリアは二時間ごとに変わるの?
それとも二時間ごとに増えていくの?

622 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:00:53 ID:q9PViNCU0
葦原涼、本郷猛(R)、緑川あすか投下します。

623 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:01:42 ID:q9PViNCU0

 朝日が昇り、闇が晴れて光が現れる。空も白から青へと変化していき、雲の切れ目から降り注ぐ陽光に男は目を細める。
 風が運ぶ臭いには血臭が混じっており、無愛想な表情がさらに厳しくなる。
 川の流れる音を耳にしながら、石を踏みしめて男は先を進んでいた。
 逆立つ金髪に人を厳しく射る瞳と黒い眉。肉付きの少ない骨ばった輪郭の痩躯の持ち主であった。
 名は葦原涼という。
 五代と別れた葦原は、風のエル―― 彼は名を知らず、アンノウンとしか認識していないが ――を探し出し、立花藤兵衛の仇を討つ。
 決して揺らがない意思を持って歩みを進める彼の身体が止まる。
 支給されていた携帯が鳴ったのだ。この殺し合いで使われるのにふさわしく、川に落ちても防水対策が施されているらしい。
 この分では、衝撃対策もされているのだろう。頑丈な携帯だと感想を持つと同時に、画面が勝手に点滅しているのを目撃する。
 甲高い甘い声が葦原の耳朶を打ち、やがて放送が告げられる。
 死んでいった者の名を告げる女に葦原は不快感を示しながら、その内容を一言一句漏らさず聞き入った。
 聞こえてくる声に、葦原の知っている名は一人しかいない。
 立花藤兵衛、アンノウンに殺された、ここで出会った仲間。
 真魚が無事であることに葦原は安堵のため息を漏らす。携帯をポケットにねじ込みながら、再び南の方向へと歩く。
 あのアンノウンがどこに消えたかは葦原は知らない。
 血を覚えた狂獣。立花のような犠牲を二度と出すわけにはいかない。
 恩師に疎まれ、父親を失い、恋人から離れられたこの力。ただ人を守る。
 そのためにあるのだと葦原は思う。血の臭いを運ぶ風を前にしながらも、葦原の視線は揺るがない。
 光がいずれ沈もうとも、死ぬまで生きるのをやめるわけにはいかなかった。


 葦原が土手を越えると地に伏せる人影が視界に入る。
 砂利道に突っ伏している女の姿。黒い髪が肩よりも先に流れており、整った眉の下の瞳を血走らせていた。
 息も荒くし、右手に機械のベルトを持っている。白いスーツはところどころ砂埃にまみれており、一心不乱に走っていたことを示していた。

624 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:02:26 ID:q9PViNCU0
 瞳に見える狂気に、葦原は眉をしかめる。この殺し合い、巻き込まれて精神を保てる人間はどれほどいるだろうか。
 風見も、妹のことがあるとはいえ修羅の道を行った。あの女は関わるには危険が大きすぎる。
(だからどうした?)
 葦原は内心毒づき、一歩女へと歩みを進める。
 確かに、この殺し合いで精神を保つのは難しいのかもしれない。
 葦原の力を知り、去っていった恩師や恋人を思う。彼等は日常を壊されることを恐れた。
 それは当然のことだと思う。誰も、今いる場所を破壊などしたくないのだ。
 葦原とて、この力さえなければと何度思ったか、数え切れない。
 突然、見知らぬ土地につれてこられて、殺しあえと言われるなど、自分が変身能力を得たと同じくらい、理不尽な状況だろう。
 人として、大事なものを失う人間が出るかもしれない。
 誰かを殺すことも、自分も守ることも、等しく恐ろしい。孤独こそが人を殺せる手段だ。
 そのことを理解している葦原だからこそ、関わることを決める。
 孤独にも負けず、変身能力にも負けない。そのことを誰かにも知ってほしいと思う。風見にも。
 だからこそ、放っておけなかったのだ。目の前の女の狂気を。
「どうした?」


 携帯電話より聞こえる放送すらも耳に入らず、走り続ける女が一人。
 緑川あすか。黒い髪を流した彼女は、不幸だといえる。
 彼女は本郷猛を恋人の仇だと、頑なに信じていた時期より現れ、狂気をもたらすデルタのベルトを手に入れた。
 あすかを守るために戦う、二人の男本郷猛、一文字隼人の思惑を超えて、暴走するしか道はなかった。
 彼女がもう少し、本郷と話を交わせていたのなら。
 彼女がもし、一文字と出会っていたのなら。
 今の状況も少しは、改善したのかもしれない。
 機会は失われ、デモンスレートと呼ばれる毒にあすかは身体を任せる。

625 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:03:04 ID:ymTsW58XP
 

626 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:03:15 ID:q9PViNCU0
 ギュッ、と握ったデルタのベルトを、胸元に引き寄せた。
 まるで恋人のエンゲージリングのごとく。デルタのベルトこそが、あすかのより所だった。
 恋人を殺した本郷猛を殺すための。
 恋人の偽者を殺すための。
 血に塗れた歪んだエンゲージリング。愛の証と信じて疑わない。
 その狂気こそが、デルタの毒とは知らずに。
(克彦。絶対、私が仇を討つから。本郷猛と、あなたの偽者を殺して……!)
 何度目か分からない後方確認をあすかは行い、誰も追ってこないことに安堵をする。
 いや、聞こえてくるバイクの排気音だけが、恐怖を覚えるのに充分だった。
 追われている。変身が解けたいまでは、太刀打ちできない。
 変身が解けたあと、何度か変身を試したが、もう一度身体が変わることはなかった。
 そういえば、風間やヒビキがもう一度変身できるまでに、時間を置かねばならなかった事実を思い出す。
 このベルトもおそらくそうなのだろう。
 まずい。生身同士の戦いで、本郷を殺せる自身はない。
 あすかはさらに速度を上げようとする。その瞬間、足がもつれて、身体が土手へと踊る。
 転がり落ちて、受身も取れず体中に擦り傷が生まれていく。
 ようやく止まったころには、あすかは息も荒く上半身を両腕で支えるのが精一杯だった。
 惨めな自分の姿に、涙が出る。これでは克彦の仇を取るどころではない。
 一滴の涙が、瞳より零れ落ちそうになったあすかに、声がかかった。
「どうした?」
  


「禁止エリア……?」
「そうだ。ここが今回指定された禁止エリアだ」
 呆然とするあすかを、見つけた小屋に連れて行き落ち着かせた。

627 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:04:04 ID:q9PViNCU0
 ログハウスの木の香りが室内に漂う中、葦原が自分の名と放送の内容をあすかに伝えたのだ。
 禁止エリアを書き写したあすかはデルタのベルトを抱きしめるように、引き寄せる。
 すがるような態度に、葦原はいつか見た亜紀の瞳を思い出した。
「何があった?」
 葦原が声をかけると、話するべきかどうか迷っている態度が目に入る。
 葦原を信頼できるかどうか、迷っているのだろう。
 無言で答えを葦原は待つ。立花なら、安心できるように声をかけたのかもしれない。
 自分にはせいぜい、相手が切り出すのを待つしかできない。そのことに歯がゆく思いながらも、あすかが口を開いてきた。
「恋人を……克彦を殺されたのよ」
「この殺し合いでか?」
 葦原の問いに、あすかが否定の意味で首を振る。
 ここにつれて来られる前に人が死ぬ機会に遭遇した。
 つまり……
「犯人がこの殺し合いに参加しているということか」
 と、なる。肯定するようにあすかが首を縦に振った。今度は肯定の意味だ。
 話はここで終わりではない。
「それに……克彦の偽者まで出て、何がなんだか……」
「偽者?」
「克彦と……克彦と同じ顔をした男が、私のことを知らないといったのよ。
克彦ならそんな酷いことを言わない。きっとあれは克彦の偽者よ!!」
 語尾がだんだんと強くなっていき、必死に言い切るあすか。
 その姿を見て、葦原はやはり彼女の状態が望ましくないことを知る。
 葦原は自分のように、死んで生き返ったのではないかと一瞬疑ったが、携帯の電話帳に克彦らしき人物の名はない。
 おそらく、よく似た他人であろう。
 どう落ち着かせるか。あすかは明らかに冷静ではない。

628 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:04:09 ID:ymTsW58XP
 

629 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:05:00 ID:h4Im3t7fP
 

630 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:05:06 ID:q9PViNCU0
 単純な結論さえ見落とすほど、視野が狭くなっている。このままでは、あすか本人の命も、彼女に関わる人間の命も危うい。
 悩む葦原の耳に、バイクの排気音が聞こえる。音から察するに、よほどの馬力があるのだろう。
 窓から外の様子を覗くあすかの表情が険しくなる。
「私を追ってきたのね……本郷猛!」
 デルタのベルトにあすかの手が伸びる。
 葦原は女の手にふさわしい、力を入れれば折れてしまいそうなほどの細くて白い、たおやかな手をつかむ。
「やめておけ」
「離してよ!!」
「……俺が行く」
 葦原の言葉に、あすかが目を見張る。
 葦原は無言でドアを開けた。



 カブトエクステンダーを走らせ、本郷は走り去ったあすかを探索していた。
 途中、聞こえてきた放送にいったん足を止める。仲間は無事だ。
 しかし、聞きなれた名前が二人、呼ばれていた。
「一文字……けど、あいつは無事だった。……同姓同名の、誰かか? ……立花さん」
 かつて、サイクロン号を与えてくれた人。大人の顔になったと呟いた、彼の声が蘇る。
 もはや、彼に会えることはない。悲しみを持ちながらも、本郷はフルフェイスのヘルメットのバイザーを下げる。
 グズグズしていられない。このままでは、あすかが二回目の放送で呼ばれる羽目になるかもしれないのだから。
 彼女がなぜ変身を果たし、自分を襲ってきたかは謎だ。
 確かに、彼女は一時自分のことを恋人を殺した男だと勘違いをしていた。
 その誤解については解かれ、和解したはずである。
 本郷はあすかにほのかな恋心を抱いた。ショッカーの魔の手から救い出したいと思い、奮い立った。

631 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:05:47 ID:q9PViNCU0
 綺麗なものを守る。
 命も、愛した人も、すべて本郷にとっては綺麗なものだ。
 確かに、黙って消えたのは悪いと自覚はしている。
 しかし、ショッカーと戦わずにはいられない運命の自分の隣では、ただ不幸に巻き込まれるだけだと思ったのだ。
 彼女に対しての想いは、いまだに燻っている。
 できることなら、そばにいて支えてあげたい。その想いで、カブトエクステンダーのアクセルグリップを捻った。
 一段と高く唸る排気音。砂利道を乗り越えてカブトエクステンダーが走る。すでに、この道は何度も行ったり来たりを繰り返していた。
 人の足とバイクでは、移動速度が違う。
 あすかの足の速さを計算に入れるなら、まだこのエリアに留まっているはず。
 見つからないのは、隠れているのか、それとも、殺されたのか。
 本郷の背筋がゾッとした。
 彼女を失いたくない。純粋にその想いから、本郷のハンドルグリップを握る手に力が入る。
 本郷は走るカブトエクステンダーの上で、あすかの身を案じていた。


 やがて、一軒のログハウスを本郷は見つけた。
 このログハウスに、あすかが隠れているのかもしれない。淡い希望をもって、駆け寄ろうとする。
 本郷がドアの五メートルほど手前まで進むと、ドアが開いた。
 現れたのは、金髪の青年。
「あの……」
「お前、克彦という男を殺したのか?」
「え!?」
 本郷は青年が尋ねてきた内容に驚く。
 かつて、過去に同じことをあすかに言われたのだ。
 なぜ、今更過去の事実が、ショッカーとして暗躍していた罪が自分を襲うのか。

632 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:06:22 ID:q9PViNCU0
 いや、それは正しいのかもしれない。自分がショッカーの改造人間として暗躍していた事実は、罪は簡単には拭えない。
 とはいえ、なぜ目の前の青年がそういってきたのか。疑問を口にしようとした。
「本郷猛、言い逃れはできない。私は見たんだから! あなたが克彦を殺すところを!」
「あすかさん!!」
 青年の後ろから乗り出したあすかが、憎しみのこもった視線をぶつけてきた。
 訳が分からず、本郷は戸惑う。その件については、誤解は解けたはずなのだから。
 青年があすかを制して、前に出る。
「…………いくぞ」
「待ってください! あすかさんと話を……」
「いったい、何を話すというの!?」
 かけられる拒絶の言葉に、本郷の心が抉られる。かつて、同じことを言われた。
 なぜ、今また同じことを繰り返すのか。本郷には知る余地もない。
 やがて、青年が両腕を交差する。
 光が青年の身体から発して、緑の異形が青年の隣に並んだ。

「変身!」

 青年が叫ぶと同時に、本郷へ向かって突撃を開始する。
 緑の異形―― アギトの力を持つ、ギルスという存在 ――が青年の身体に重なった。
 驚く本郷を前に、ギルスは跳躍、右拳を繰り出してきた。
 本郷は身を捻って辛うじて避ける。本郷がいた地面を、ギルスが砕いた。
「やめてください!」
「あいつに引く気はない。ここは大人しく去れ」
 ギルスはそう告げて、再度殴りつける。殺気がないことから、自分を殺すつもりはないのかも知れない。
 本郷は彼があすかのそばにいてくれたことを感謝する。

633 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:06:50 ID:ymTsW58XP
 

634 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:07:08 ID:q9PViNCU0
 同時に、誤解を解くことをやめるわけにはいかないと、決意を強くした。
 ギルスの右ストレートを捌いて、本郷は後方に跳躍。ギルスと十メートルほどの距離を作る。

「俺も……引くわけには行かない……」

 本郷の言葉に感応するように、ベルトが顕在する。
 風車が回ると同時に、強化スーツが本郷の身体を包んで、一瞬にしてホッパー1号としての姿を見せた。
 ライダーヘルメットを被り、クラッシャーを装着。
 ホッパー1号、彼はギルスと対峙する。大事な人の誤解を解くために。


「ウォォォォォォォォォォォォォ!!」
 ギルスの咆哮をきっかけに、二人の地面が爆発。
 疾風のごとく勢いで互いに右脚を振り上げ、激突する。
 衝撃が走り、ギルスは後方に下がった。追い討ちをかけるホッパー1号をギルスは冷静に見つめ、迫る右拳を首を捻って紙一重で躱す。
 あいたホッパー1号の胸板に、ギルスの鋭い突きが打ち込まれる。
 咳き込むホッパー1号を尻目に、ギルスは回転、鳩尾に後ろ回し蹴りを叩き込んだ。
 ギルスの身体が、蹴りを打ち込んだ体勢で止まる。ギルスの右足を、ホッパー1号が掴んでいたのだ。
 片腕で身体全体を支える怪力にギルスは戦慄する。ホッパー1号はギルスが振りほどく動作に入る前に、思いっきり大木へと投げ飛ばした。
 木をへし折る衝撃が、ギルスの全身に駆け巡る。息をするのもきつい。しかし、休んでもいられない。
 ギルスはホッパー1号にV3と似た戦闘方法だと感じ取っていた。
 変身方法が、V3と似ていたこともある。ホッパー1号とV3では多少の差異があったが、戦闘スタイルは似ている。
 つまり、次の動作の予測がつく。
 ギルスは前も見ず、地面を全力で蹴って跳躍する。

「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 ホッパー1号の蹴撃―― ライダーキックと呼ばれる技 ――が、ギルスが数秒前まで存在していた、地面を木の根ごと抉りぬいた。

635 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:07:46 ID:ymTsW58XP
 

636 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:07:55 ID:TwLHrpxHO
支援

637 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:08:22 ID:q9PViNCU0
 舞い上がる土砂に紛れて、ギルスの瞳が輝く。
「なにっ!?」
 避けられたことに戸惑うホッパー1号を見下ろし、ギルスが天を仰いで獣の叫び声をあげる。
 振り上げたギルスの右脚が上半身と密着した。

「オォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」

 落下に合わせて、鉄槌のごとく右足をホッパー1号の胸板の中央にめがけて振り下ろす。
 ギルスのトンを超える衝撃を生み出す踵が、上半身を逸らそうとするホッパー1号の右胸を叩く。
「がはっ!」
 ホッパー1号が五メートルほど吹き飛んで、地面を転がる。
 身体を震わせるホッパー1号を前に、ギルスは腰を落として油断なく構えていた。


 あすかは戦うギルスとホッパー1号の戦いを見て心を躍らせる。
 異常な力を持つ本郷に、葦原は勝っている。
 さすがに本郷も並ではなく、ほぼ同等の戦いを見せているが、ギルスが優勢である。
 ここで、そろそろ制限が解けたであろうデルタを使えば、ギルスの勝利は確定する。
 それに、克彦の敵討ちは譲りたくない。あすかがゆっくりとデルタのベルトを取り出した。
「よせ! こいつとの戦いは、俺が決着を着ける!!」
 ギルスの鋭い声が、あすかを射抜く。
 何を馬鹿なことを。そういって変身を続けようとしたが、ギルスの無言の視線が押しとどめた。
 変身しようとしたあすかの身体が止まる。
 偉そうなことを言って、と言い返し、反発する力を奪われていった。
 仕方なく、あすかは目の前の戦いを見届ける。

638 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:08:48 ID:ymTsW58XP
 

639 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:09:07 ID:q9PViNCU0
 再度、ギルスとホッパー1号の影が交差した。


 二人の右ストレートがぶつかり合い、衝撃を生む。
 数秒の拮抗の後、互いに吹き飛んだ。ギルスはすぐに直進、ホッパー1号にワンツーを繰り出す。
 ギルスの一発目の右拳が捌かれ、左拳がホッパー1号の脇腹を捉えた。
 怯むホッパー1号に向かって跳躍し、右足と左足を時間差で身体を捻りながら打ち込んだ。
 ギルスが地面に着地した瞬間、ホッパー1号はその隙を狙っていたかのごとく突進してくる。
 V3とホッパー1号の突進がギルスの脳内で重なった。
「はぁぁぁぁっ!」
 ホッパー1号の拳が唸りを上げてギルスに迫る。立花藤兵衛が生きていれば、ライダーパンチと呼んだその技が。
 ギルスは掌で腕の横っ腹を叩いて逸らした。驚くホッパー1号に膝蹴りで鳩尾を強打する。
「かはっ」
 続けて、ギルスは両腕でホッパー1号を猛打した。
 吹き飛ぶホッパー1号を前に、ギルスは咆哮をあげる。

「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

 ギルスのY字の角が伸び、エネルギーを身体中に充満させる。
 跳躍、振り上げた踵を再度ホッパー1号へと振り下ろす。
 ホッパー1号の仮面にギルスの踵が当たった。直撃したホッパー1号は仮面が外れ、放射状に地面を飛び、地面に叩きつけられた。
「あ……すか…………さん……」
 震える手をホッパー1号の仮面が外れた本郷が伸ばす。
 そのまま力尽き、意識を手放していった。


「やったわ……ありがとう」

640 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:09:44 ID:q9PViNCU0
「いや、いい」
 変身を解いた葦原を前に、あすかは礼を言う。
 ホッパー1号こと本郷猛を倒すことに協力してくれた。恋人、克彦の敵討ちを助けてくれたのだ。
 いくら感謝しても足りない。あすかは葦原を味方と認識した。
「克彦……いま仇を討ってあげる……」
 ログハウスから取り出した包丁を手に、あすかは本郷の前に立つ。
 本郷猛、人殺しの彼だけは許しておけない。
 太陽の光を、包丁の刃が反射してあすかの狂気を浮き彫りにする。
 逆さに両手で包丁を構えたあすかは振り下ろすために持ち上げた。

「やめろ!」

 葦原が押しとどめた。あすかはなぜ彼が止めたのか、分からず戸惑う。
「なんでよ! やっと、やっと克彦の仇を討てるのよ!?」
「……人を殺して、得るものなんてない。奴はしばらく身動きが取れないようにした。いくぞ」
「離して!」
 しかし、葦原の力は強い。女の腕では振り解けなかった。
 葦原に感謝はするが、復讐の機会は逃がしたくない。
 それでも、葦原の鋭い眼光があすかの行動を縛る。下手に動いて、葦原を敵に回したくない。
 あすかは歯噛みしながら、本郷を倒す次の機会を伺うことにする。
 葦原に引っ張られるまま、流されるように彼の後をついていった。
 まだ、狂気に蝕まれたままの想いを持ちながら。


 葦原はあすかの手を引きながら、カブトエクステンダーへと近寄る。

641 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:10:09 ID:ymTsW58XP
 

642 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:10:12 ID:TwLHrpxHO
支援

643 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:10:51 ID:q9PViNCU0
 これは借りていく。なぜなら、風のエルを追わねばならないからだ。
 内心、本郷にあすかを守るからそれで勘弁してほしいと謝罪を告げる。
 葦原は本郷があすかの恋人を殺したことは誤解ではないか、疑っている。
 本郷の拳に、自衛の意思はあっても人殺しの殺気はなかった。動き自身は修羅場を潜り抜けたそれではあったのだが。
 風見のことも話として聞きたいが、今はまずあすかを落ち着かせる必要がある。
 そのために、この二人は長く同じ場所にいてはいけない。
 あすかに時間を与えるため、カブトエクステンダーのエンジンをかける。
 同時に、葦原の全身に激痛が走った。
「っ!?」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
 葦原は強がり、バイクのアクセルを全開にする。唸りを上げたエンジン音を耳に、加速を続けた。


 風に木の葉がそよいでいる、森の中に赤いカブトムシを模したバイク、カブトエクステンダーが道路沿いを走る。
 人里はなれた薬局が寂れた様子をかもし出しながら存在していた。
 葦原の細く、それでいて筋肉のついた背中に頬をつけながら、あすかは思考を進ませる。
 やはり、戻って本郷を殺すべきかどうか、迷いを見せているのだ。
 本郷が無防備をさらすのは、数少ないチャンスなのだ。
 葦原を味方につけることのメリットと合わせて、彼に従ったのだが後ろ髪を引かれる。
 葦原を説得するべきか。あすかが正面の葦原の顔を覗くと、玉のような汗が葦原から流れていた。
 しかも、顔色が悪い。
「顔色悪いけど、どうしたの?」
「……いや、大丈夫だ」
「嘘! 顔色が悪いわよ!?」

644 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:11:27 ID:q9PViNCU0
 あすかが心配で声をかけると同時に、カブトエクステンダーが止まる。
 振り返る葦原の息が荒い。
「大……丈夫……と……いって……」
 葦原はそう呟くと、バイクから崩れ落ち、地面へと倒れた。
 あすかは主を失ったバイクを支え、スタンドを立てて固定してから葦原に寄る。
「ちょっと、ねえ! あなた! 葦原さ……涼! しっかりして!!」
 あすかが必死で呼びかけるも、葦原の震えは酷くなる一方だ。
 腕の皮膚がそこだけ年をとったように皺だらけになる。葦原が激痛に眉をしかめていた。
「何……? これ……」
「この力の…………反動だ……。すぐに……収まる…………」
「それだけ……辛いのに私を助けるために、変身をしたの……?」
 葦原は答えなかった。答える力もないのだろう。すぐに意識を落としていった。
 あすかの心が揺れる。
 葦原は、命を削ってまで自分を助けてくれた。こんなにも、辛いのに。
 彼がどうして、自分のためにここまで戦ってくれるかはあすかは知らない。
 それでも、あすかのために、誰かのために命を懸ける葦原を無碍には扱えなかった。
 あすかの中に、一時的だが本郷も克彦の偽者も消える。その瞬間、彼女の瞳に狂気だけでない光も宿った。
(涼……あなたは私を守るために力を貸してくれた。今度は、私の番)
 あすかはデルタのベルトを巻きつける。

「変身!」

 ―― Complete ――

 白いラインがデルタのベルトから生み出される。

645 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:11:46 ID:ymTsW58XP
 

646 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:12:02 ID:q9PViNCU0
 まとわりつく三角を示すラインが、黒い強化スーツを生成した。
 デルタと化したあすかは葦原を担いで、目の前の薬局へと進む。
「涼、あなたは殺させない。私が……デルタの力で守る。だから、生きて!
克彦のように死なないで! お願いだから…………」
 デルタは葦原を幼子を抱く母親のように抱いた。
 その怪力で押し潰さないように、そっと大切に。
 生まれた感情が、亡くした恋人の代用品なのか、それとも異常な環境に追い詰められた中で生まれた歪なものかは、誰も知らない。
 それでも、彼女が抱いた感情は、ただ一つの真実であった。
 たとえ、それがデモンスレートという毒に塗れていても。


 葦原は揺れる意識の中で、虚無に手を握っては開いた。
 あの時、狂気に満ちた瞳を持って、葦原を守ると宣言した亜紀を守ることはできなかった。
 同じ言葉が耳に入り、葦原は思う。
(亜紀。俺を守る必要なんてない。俺が守る。だから、君はそんな眼をしないでくれ)
 ただ一つの願い。
 狂気から、愛する人を解放したい。
 その思いがあるから、この力にわずかながら価値を見出せる。
 葦原涼。
 野生のごとき戦いをする、ギルスへとなるもの。
 彼の想いは、見た目よりも純白の雪のごとく、優しかった。


647 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:12:39 ID:ymTsW58XP
 

648 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:12:42 ID:q9PViNCU0


【本郷猛@仮面ライダーTHE-NEXT】
【1日目 朝】
【現在地:D-7中央道路】
[時間軸]:THE−NEXT終盤(ショッカー基地壊滅後)
[状態]:全身に激しい痛み、全身負傷中。疲労中。気絶中。二時間変身不可(一号)
[装備]:ホッパーマスク@仮面ライダーTHE-NEXT、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト
[道具]:なし
【思考・状況】
基本行動方針:戦いには乗らない。目指すは脱出。
1:あすかを追いかける。
2:葦原(金髪の青年)はいったい?
3:戦いを止め、主催と対決。
4:スマートブレインに対する強い怒り。
5:志村の後を追い、長田結花との合流を目指す。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
※名簿に自分の名前と一文字の名前が二つずつある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
※サソードゼクターに認められていないため、ゼクターは現れません。


649 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:13:10 ID:q9PViNCU0

【緑川あすか@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 朝】
【現在地:D-8東道路】
[時間軸]:本郷を疑っている時(トラック事故後)
[状態]:軽い疲労、精神汚染(軽度)、葦原に依存? デルタに変身中
[装備]:デルタギア@仮面ライダー555
[道具]:なし
【思考・状況】
基本行動方針:本郷殺害後、脱出するか生き残る
1:葦原涼を死なせはしない
2:本郷をはじめとした仮面ライダーに復讐
3:護身のために仲間を増やす
4:牙王、影山瞬に気をつける
[備考]
※精神汚染は凶暴化、被害妄想などです(ストレスなどで悪化する危険性も)。
※D-6エリアのどこかにデンカメンソードの欠片が散乱しています。
※電撃を出す能力を得ましたが、威嚇程度にしか使えません。
※本郷よりも先に手塚を先に始末しようと考えています。



650 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:13:22 ID:ymTsW58XP
 

651 :狂気と侠気 ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:14:22 ID:q9PViNCU0


【葦原涼@仮面ライダーアギト】
【1日目 朝】
【現在地:D-8東道路 】
[時間軸]:第27話 死亡後
[状態]: 全身負傷(中)、疲労(大)、2時間変身不可(ギルス)
    腕部に小程度の裂傷、変身の後遺症、仇を討てなかった自分への苛立ち
[装備]:フルフェイスのヘルメット、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト(道路傍に放置)
[道具]:支給品一式、ホッパーゼクターのベルト
[思考・状況]
1:殺し合いには加担しない。脱出方法を探る。
2:立花藤兵衛の最後の言葉どおり、風見の面倒を見る?
3:自分に再び与えられた命で、救える者を救う。戦おうとする参加者には容赦しない。
4:立花を殺した白い怪物(風のエル)に怒り。必ず探し出して倒す。
6:五代雄介の話を聞き、異なる時間軸から連れて来られた可能性を知る。
  白い怪物(ダグバ、ジョーカー)を倒す。
7:本郷(R)に対し、すこしすまなく思っている。
※五代の話を聞き、時間軸のずれを知りました(あくまで五代の仮説としての認識です)。
※剣崎一真の死、ダグバの存在、ジョーカーの存在などの情報を五代から得ました。
※ホッパーゼクターが涼に興味を持ちました。(まだ資格者とはなり得てません)
※カブトエクステンダーはキャストオフできないため武装のほとんどを使えません。
 今の所、『カブトの資格者』のみがキャストオフできます。



652 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 00:15:04 ID:q9PViNCU0
投下終了。
感想指摘お待ちしています。

653 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:32:59 ID:TwLHrpxHO
投下乙です!
あすかさんを守りたい本郷と涼の熱いバトルと各人のすれ違う思いが切ない…!

あすかさんと涼がどうなるのか、本郷への誤解が解ける日は来るのか、
先行きが気になります!GJ!!

654 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 00:42:18 ID:f5MjNDKb0
投下乙です。
本編に負けず劣らず、命と身体削っている涼…
ギルスって本当に、こういう奴だったよな。
本郷とのバトル、良かったです。

しかしあすか、涼の側にいる女性ってだけで、
死亡フラグな気がするのは何故だろう?

655 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 01:12:00 ID:aqYhfO3y0
投下乙です!
あすかはこの会場でパートナーを得るか?これからどんどん落ちていくようにしか思えないw
本郷もなかなかに貧乏くじw時間軸の違いって残酷だなぁ。



656 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 02:07:55 ID:v9JMlvnP0
ぬう、まさかこんな事になるとは・・・
経緯は違うけどお互いに大切な人を失っているし確かに何か感じ合う物があるのかも
面白い展開です
それに戦闘シーンも格好良かったです
しかし、葦原を運ぶためだけに変身しちゃうとは健気だなぁ
制限でやばい事にならないと良いけど

ちょっと言うと
デモンスレートじゃなくてデモンズスレートだったと思います
なんか語呂が悪いですけど
あと、>>637の「ギルスのトンを超える衝撃」って何トンなんでしょう?
表現としては数値を入れずに使うことも有るので一概に間違いとも言えませんが
なんか上から目線っぽくなってしまったかも

657 : ◆KaixaRMBIU :2008/06/08(日) 02:23:23 ID:q9PViNCU0
>>656
wiki掲載時に、訂正しておきます。

下のほうはただの演出なんで、別に決めていません。

658 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 07:59:57 ID:WLBHirZ7O
、GJ!
侠気、字の如く本郷と涼の侠気が伝わりました。
狂気を孕んだあすかがなぜか綺麗に思えた作品でした。

659 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 09:54:17 ID:fBPGNlIa0
ギルスがよかった黙って行動で応える、男・葦原の本領発揮って感じでした

660 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 14:09:38 ID:pmA21VAT0
乙です
葦原さんに関わるのはあすかさん死亡フラグかもw
これからが気になる2人です
支えあうのかすれ違うのか?

661 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 19:21:26 ID:y6bQqyaJO
面白くない
面白くない
面白くない
以上三点

662 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:35:04 ID:ZUxz38T20
>>661
面白くないなら来るな馬鹿!

663 : ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:35:36 ID:KghkBhYG0
投下乙です!
この展開は予想できませんでした……まさか葦原さんがw
相変わらず戦闘描写が上手く、見習いたいです!
本郷も頑張ってるのに……これから期待せずにはいられませんね。
あと、最後のデルタに変身して葦原さんを介抱するシーンがとても印象に残りました!
GJ!!


それでは死神博士、牙王、ゴルゴス、影山を投下しますね。

664 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:36:00 ID:ymTsW58XP
 

665 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:36:15 ID:rpnCysYR0


666 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:36:25 ID:q9PViNCU0
  

667 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:36:44 ID:ymTsW58XP
 

668 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:37:45 ID:KghkBhYG0
殺し合いが始まって約五時間強が経った現在。
多くの参加者が出会い、別れ、そしてこの世から黄泉への飛び立ちを終えた世界。
いつ自分の身に危険が及ぶかはわからず、決して気を緩める事の出来ない緊迫した空気が会場を漂う。
ゆらゆらと、まるで行き場を失くした幽霊のように。
そして、そんな空気が漂う会場で男性の声がいくつも飛び交う場所があった。
其処はエリアH-4のほぼ中心部。

「影山……腹が減った」
「は、はい! ど、どうぞ牙王さん」
「カゲヤマ、死にたくなったらいつでも言え。この俺がお前の血を貰ってやる」
「だ、大丈夫ですゴルゴスさん! 俺、未だ死にたくありません!」

周囲に響く声は計三つ。
その一つは黒の短髪を生やした屈強な男性、牙王のもの。
二つ目は奇妙な顔面を幾つも付いた顔に身体を生やした異形の者、十面鬼ゴルゴスのもの。
そして、最後の一つはとても弱弱しく、他の二人の声と較べるとあまりにも小さな声。
それは慌てながら自分の食料を牙王に分け与え、ゴルゴスの顔色を伺いながら必死に言葉を連ねる男の声。
対ワーム特殊組織、通称“ZECT”に所属する影山瞬のものであった。

「くそ……なんで俺がこんな目に……」

牙王に大事な食料を取られ、ゴルゴスの獲物を狙うような眼つきに耐え切れなかった影山。
そんな影山は彼ら二人からすごすごと逃げるように離れ、一人小さく愚痴を漏らす。
あくまでも二人に聞こえないようにとても小さな声でボソボソと。
そしてゆっくりとではなく、何キロもの道のりを全力で疾走したような疲労を見せながら、影山はその場に座り込む。
更に、嫌な汗さえもが頬から地に向かって垂れ落ちる程に憔悴しきっている。
実際、先程牙王達と闘ったせいで影山に負傷と疲労はあった。
しかし、それよりも影山を取り巻くこの状況の方が彼にストレスを与えているのだろう。
協調性はまるでなく、不気味な威圧感を醸し出す二人に影山は萎縮し、恐れを抱いていたからだ。
時折、後を振り返り、牙王とゴルゴスの様子を世話しなく確認しながら影山はふと思う。

669 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:38:26 ID:q9PViNCU0
     

670 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:38:34 ID:rpnCysYR0


671 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:38:50 ID:ymTsW58XP
 

672 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:39:08 ID:KghkBhYG0
「木場……悪いコトしたかもな……」

その男こそ木場勇治と名乗った青年。
影山がこの殺し合いで始めて出会い闘いはしたが、行動を共にする事も決めた男。
だが、先程牙王達との戦闘で影山は戦況の不利を悟り、木場をあっさりと裏切った。
決して諦める事なく闘い、影山の裏切りにより海へ叩き落される事となった木場を。
また、影山は自分の知り合い、加賀美新のようにお人好しでもなければ正義感に溢れている人間ではない。
しかし、そんな影山でも流石に先程の自分の行為は酷いものだったと思い、後悔の念を抱く。
たとえば、自分がシャドウの部隊と共にワームと戦闘を行っている時に、もし彼らが自分に向けて発砲を行ってきたら……。
考えるまでもなく、影山は彼らを恨む事は当然として、仕返しに一撃を加えても可笑しくはないだろう。
そんな最低の行為を平然と行ってしまった自分に影山は思わず視線を落とし、俯く。
影山が浮かべる表情には木場に対する謝罪、そして自分が取った行動への自責の念しかない?
わけではなかった。

「でも……仕方ないよな。
あそこで木場と一緒に闘ってもどうせ負けてた……だったら俺は間違っていない……!」

必死に己の行動を弁護する影山。
プライドも大事ではあるが、何よりも優先するのは自分の命。
ZECT内で功績を上げ、伸し上がっていく事が影山の目的。
その目的の達成のためにはこんな所で死ぬわけにはいかない。
そのため、たとえ何を言われようとも自分の命を優先させた行動に影山は再び自信を取り戻す。
?自分は間違っていない。
?ああしなければ間違いなく死んでいた。
?だから木場がたとえ自分を恨んでいようとも、仕方がない。
自分を弁護する声がどこからか聞こえた気がする。
また、自分に圧し掛かっていた重荷のようなものが軽くなっていくような感じさえも覚えた。
更に次第に全身にも血色が増し、影山は元気を取り戻していっているようにも見える。

673 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:39:41 ID:aqYhfO3y0


674 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:40:26 ID:rpnCysYR0


675 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:40:35 ID:rC4qKhqC0
 

676 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:41:30 ID:ymTsW58XP
  

677 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:41:56 ID:rC4qKhqC0
 

678 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:44:34 ID:aqYhfO3y0


679 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:44:40 ID:KghkBhYG0
「……ふん」

だが、そんな影山を牙王とゴルゴスから離れた所で見ている――
いや、観察している者が一人。
少し薄くなった毛髪を生やし、漆黒のマント、白衣のような服を着込んだ男。
ショッカー幹部の一人、死神博士が影山のいまいち頼りない背中を凝視する。
その両の瞳から覗かせる彼の意志は、今の時点では誰にも理解出来はしないだろう。
そんな時だ。

『ハァ〜イ。参加者のみなさん、おはようございます。よく眠れましたか?』

携帯から響く甲高い女性の声が響き、四人の注意を引き付ける。
その声の主はスマートブレインの一員、スマートレディのもの。
そう。第一回の提示放送が始まりを告げた。

◇  ◆  ◇

『――それじゃお昼まで、さようならぁ〜♪」

スマートレディの声が放送の終わりを告げる。
新たに禁止エリアに設定された場所は三つ。
其処に足を踏み込んでしまえば首輪が作動し、己の身体が灰になるらしい。
よって禁止エリアの情報は全参加者にとって重要な情報であるという事はいうまでもないだろう。
しかし、禁止エリアの情報と同じくらい重要なものもある。
それは死者のついての最新の情報。
誰が誰をどこで殺したのかはわからない。
正確な時刻も知らされない。
あくまでも死んだ人間の名前が列挙されるのみ。
しかし、それだけでもその情報は参加者によっては重要な意味を持っている。
それは今この場に居る影山にとっても同じ事が言えた。

680 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:44:56 ID:q9PViNCU0
     

681 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:45:19 ID:ymTsW58XP
 

682 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:46:53 ID:rpnCysYR0


683 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:47:33 ID:KghkBhYG0
「ば……馬鹿な……」

影山は木場の名前が呼ばれなかった事に気づいているのだろうか。
思わずそんな疑問を漏らしてしまう程に影山の表情は驚愕一色に染まっている。
先程収まったばかりなのに、影山はまたも嫌な汗を流す。
影山を除く三人はそんな不審な様子を見せる彼を怪訝そうに見つめるが、特に言葉を掛けようとしない。
彼ら三人にとって影山は単なる荷物持ちであり、彼がいつ野垂れ死のうが特になんとも思わないだろう。
しかし、それでも放送に対する影山の過剰な反応は彼らの注意を引き、ほんの少し興味を持たせていた。
そう。影山がこれほどまでにも狼狽している理由に。

「あの天道が……もう、やられたっていうのかよ…………」

天道総司。
天の道を行き、全てを司る男という言葉を文字通り実現していく男。
影山はその天道の名前が放送で呼ばれた事に驚きを隠せなかった。
別に影山にとって天道の死は悲しむ事でなく、寧ろ喜ぶべき事でもある。
突然、自分の上司となり、シャドウを私物化した、いけ好かない天道の死に悲しむ事など何もないから。
だが、今回の問題はそこではなかった。
天道の死という事実そのものが影山の動揺を煽り、彼の心中に荒波を打ち立てている。

「どうしてカブトになれる天道がもう死ぬんだよ……?
なんで、なんであいつが……あんなに強かったのに! なんで死ぬんだ!?」

湧き上がる疑問を押さえきれずに、影山は思わず大声を上げ、三人の訝しげな視線を一身に受け入れる事になる。
カブトゼクターに認められ、カブトに変身し、闘いを繰り広げてきた天道。
傲慢な正確は鼻につくが、それでも天道の実力は一流で影山は何度も煮え湯を飲まされてきた。
そんな天道が僅か六時間足らずで死んだ事実。
普段の状況なら手放しで喜べただろうが、そうもいかない。
何故なら実力者である天道が――――
認めたくはないが、自分よりも強い天道が死んだ事は自然とある事実も指し示している

684 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:48:47 ID:rpnCysYR0


685 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:48:47 ID:KghkBhYG0
そう。天道が早期に脱落する程この殺し合いに参加している参加者のレベルが高いという事。
数時間前まで木場と共に行動していた時とは違い、いつ自分を見限っても可笑しくない三人組と行動を共にする自分。
ZECTの救援も期待できず、頼れる仲間も一人も居ない。
このままでは自分が行き着く運命は――――
惨めな死しか見えない。

「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
俺はこんなところで……死にたくない……死にたくないんだ……」

ふと、影山の脳裏にこの殺し合いが開始された時、灰となって死んだ二人の男女が浮かぶ。
名前も知らない、見るも哀れな末路を迎えた二人に自分の姿がどうしようもなくだぶり始める。
一瞬の内に、影山は自分の血の気がさっと引いた感じを覚えた。
みるみる内に青ざめていく影山の表情はまるで彼の心境を示しているようにも見える。
最早、先程までに少し持ち直していた自信など一片の片鱗さえ見せない。
只、自分の生命の蝋燭の火が消える事に怯える臆病さだけが影山の意識を支配しているのみ。
まるで真っ暗な闇に一人残され、泣き出し始める小さな子どものように。
そんな時、影山以外に口を開くものが居た。

「……ふん、くだらねぇな」

牙王が不機嫌そうに顔を引きつり、言葉を呟く。
そう思いきや、牙王はだるそうにしながらも歩き出す。
視線に気づき、牙王に対し怯えきった表情を向ける影山に対し――――
唐突に彼の胸ぐらを掴み、牙王はそのまま彼の身体を宙に持ち上げた。

686 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:49:13 ID:ymTsW58XP
 

687 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:49:16 ID:rpnCysYR0


688 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:49:50 ID:aqYhfO3y0


689 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:49:52 ID:rC4qKhqC0
 

690 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:49:54 ID:ymTsW58XP
  

691 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:50:07 ID:KghkBhYG0
「な、何を……」

両眼をこれでもかといわんばかりに見開き、影山が牙王を凝視する。
牙王の気を障るような事をした覚えもないため、影山が抗議の意を交えて、疑問符を浮かべるのは不思議ではない。
だが、影山に強く抗議は出来ず、弱弱しく、命乞いをするかのような眼つきで牙王と視線を交わす。
牙王の性格などよく知らないため、影山には彼が何を考え、こんな事をするのかわかるはずもない。
そんな影山に出来る事といったら、心の中で一刻も早く、自分が理不尽な暴力から解放される事を願うのみだ。
やがて、牙王が口を開く。
何故か、更に不機嫌そうに歪ませた顔で影山を威圧するかのように。

「天道ってヤツは……そんなに強かったのか?」
「…………え?」

予想を超えた牙王の質問に影山は思わず間抜けな声を出す。
何故、この男は、牙王という男は天道の事を改めて自分に聞くのだろうか。
所詮、もう死んでしまった男の事にどうして興味を持つのか。
思いがけない疑問符が影山の頭の中を彷徨い始め、影山は開いた口が一瞬閉まらなかった。

「質問に答えろ」
「は! はい! そ、そうです!
加賀美も風間も天道よりは劣る……俺の知っている中ではあいつが一番かと……」

牙王は影山に掛ける力を強め、更に顔を近づける。
無骨な表情に潜む、一言では形容し難い威圧的な意思。
しいて言うならば、獰猛な牙獣の威嚇を思わせるような上っ面で影山を睨む。
胸ぐらを掴む力、そして眼を背けたくなるような程強烈な牙王の睨みと言葉を受け、影山は慌てながら彼の質問に答えた。
牙王の機嫌を損ねないために、必要以上の情報を与える点が彼の動揺を良く現している。
また、影山は自分が憎憎しい存在である天道の実力を、口に出して認めるという屈辱的な行為を取っている事にも気づいてはいない。
そんな事に気を取られる余裕がない程、影山は牙王に恐怖しているから。
脆弱な兎が血気溢れる獅子に頭から――――
喰われる。
そんな考えを今の影山にはどうしても大袈裟な考えと思い、笑い飛ばす事は出来なかった。

692 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:50:24 ID:q9PViNCU0
            

693 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:51:35 ID:ymTsW58XP
 

694 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:51:43 ID:rpnCysYR0


695 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:52:46 ID:KghkBhYG0
「なるほどな……じゃあ、もうひとつ聞かせてもらおうか?」

どうやら影山の答えに満足したらしく、牙王は首をだるそうに捻る。
これで開放されるのだろうか。
そんな事を影山は一瞬考えるが、どうやらそうはいかないらしい。
牙王の次の言葉に影山は怯えながらも無言で頷き、彼の質問に備える。

「お前は……その天道を喰った奴を喰いたくはねぇのか?
お前がそいつを喰えば……それはお前が天道より強い証明になるじゃねぇか」
「え…………? 俺が天道より……強い……?」

牙王の心底不思議そうな疑問。
そして、その言葉に対し、影山は驚きのあまり牙王に対し敬語を使い忘れる。
自分が天道より強い。
この殺し合いに参加するまで、今まで何があろうと影山は自分が天道より劣っている事は決して認めなかった。
そんな事はZECTに所属する、名誉あるシャドウの一員としてのプライドが許せない。
だが、影山の心の奥底では天道に対する劣等感が確かに存在していた。
シャドウに従わず、カブトの強大な力を存分に使いこなし、己の道を行く天道。
自分は人類の敵であるワームと手を組む羽目になったというのに――――
天道は常に自分の一歩先を駆け抜けていく。
天道に対し、どうしようもなく募る憎憎しさ、そして嫉妬の念。
だが、もし自分が天道より強ければ。
それらの嫌で仕方ない感情を根こそぎ断ってくれるどころか、自分がこの殺し合いで生き残る確立も高くなる。
突如、舞い降りてきた希望の光に影山は自分の心に広がる漆黒が晴れて行くような心地よさを覚えた。

696 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:52:56 ID:rpnCysYR0


697 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:53:08 ID:ymTsW58XP
 

698 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:53:08 ID:q9PViNCU0
            

699 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:53:42 ID:rC4qKhqC0
 

700 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:54:47 ID:KghkBhYG0
(けど、俺が天道より……強くなれる事なんてあるのか……?)

しかし、影山の頭にはどうにもネガティブな考えが浮かぶ。
それは情けない事ではあるが、自分が天道を越える事――――
彼を倒した参加者を倒す事は出来ないという弱気な考え。
確かに、天道には加賀美新を始めとした仲間達が居る。
だが、自分はそれ以上の数のシャドウの仲間やワーム共と彼に挑んでも完璧な勝利を掴む事は出来なかった。
少し、良心が痛むような卑怯な手さえも使ったというのに。
そのため、牙王の魅力的な言葉な言葉に興味は惹かれるが、どうしても頷く事が出来ない。
そんな影山の行動を牙王はじっくりと観察しているように見えた。

「……やっぱやめだな。お前にはやれそうにもねぇ」

だが、急に牙王は影山の胸ぐらを掴んでいた手を離し、彼の身体から自分のデイバックを奪い、そっぽを向く。
開放された喜びを噛み締める間もなく、無様に地面に倒れこむ影山から牙王は離れ、歩き始める。
牙王が歩む先は死神博士の方でもなく、十面鬼ゴルゴスの元でもない。
どこを目的地にしているかもわからないような、明後日の方角に牙王は歩を進める。

「おい、貴様! 何処へ行く!?」

大声を上げる人物は十面鬼ゴルゴス。
待ちぼうけ、そして先程の戦闘による一件も重なってゴルゴスと牙王の仲はいたって悪い。
気に入らない牙王が不審な動きを見せ、ゴルゴスは今にも襲い掛かりそうな勢いで彼の行動を咎める。
だが、牙王はちらりとゴルゴスの方を向くだけで、直ぐに再び歩き出す。
依然、明後日の方向へ向けて。

701 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:54:49 ID:ymTsW58XP
 

702 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:55:22 ID:q9PViNCU0
      

703 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:55:32 ID:rpnCysYR0


704 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:56:20 ID:KghkBhYG0
「き、貴様!この俺を無視するとは……!」

元々、真っ赤な皮膚で覆われているゴルゴスが怒りで余計に顔を真っ赤にさせ、言葉を吐き出す。
最早、ゴルゴスが牙王に対する怒りは十分すぎる程に高まっている。
元々、ゴルゴスには牙王と共闘する気など更々なく、状況を考え、仕方なしに同盟を結んだにしか過ぎない。
だが、今までの牙王が自分に行ってきた行動は既に限度を超えている。
牙王を叩き潰すために、ゴルゴスは身体を宙に浮かせようと身体に力を込めるが――――
それはあまりにも小さな浮遊しか出来なかった。

(な、何! 身体が重いぞ! もしや、未だ制限とやらが掛かっているのか!?
これではあいつにトドメを……)

怪人が全力を発揮出来るのは十分間、そして二時間を置かなければ再び全力で戦う事は出来ない。
自分達に掛けられた制限の存在は知っていたが、その詳細は知らなかったため、ゴルゴスは慌てる。
たとえ、制限が掛かっていようと自分が負けるとは思えない。
しかし、牙王を今この場で倒しても、40人あまりの敵が残っており、それらを倒すためにも出来るだけ負傷はしたくない。
だが、先程の戦闘で見ていた牙王の実力も決して、低くはなく、一筋縄でいきそうにもないのも残念ながら事実。
更に牙王にはゴルゴスが未だ知らない力もあり、彼は牙王に襲い掛かるのを躊躇した。
死神博士が手渡した黒いケースのようなもの――――
仮面ライダーリュウガのカードデッキの存在をゴルゴスは無視出来なかった。

「牙王、お前は我々を裏切るつもりか?
裏切り者は許さん……それがわしの所属するショッカーの信条だが……それでも行くと
お前は我々に言うのだな?」

そして、ゴルゴスの苦悩をよそに、死神博士は牙王に声を掛けた。
牙王は背中を向けているためわからないが、死神博士は鞭を構えている。
行くというのなら、力ずくでも屈服させる。
そんな意思を感じさせるかのような死神博士の挙動、そして一向に何も答えず、歩き続ける牙王。
一人、地にペタンと腰を落とした影山は事の成り行きをおろおろと眺める事しか出来ない。
やがて、牙王は徐に死神博士の方を振り向いた。

705 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:56:43 ID:ymTsW58XP
  

706 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:57:19 ID:ymTsW58XP
 

707 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:57:23 ID:rpnCysYR0


708 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:58:07 ID:KghkBhYG0
「……俺はそこの影山に失望した。自分より強いヤツ……獲物がわかってるのに、そいつを喰う勇気もねぇ。
俺はそんなヤツと一緒に行動もしたくねぇなぁ……」

いや、寧ろ牙王は影山に向かって振り向き、言葉を吐き連ねる。
自分を最強の存在と信じ、どんなものをも喰らう牙王。
逃げることなど、己の命の危険に怯える事など絶対に行うわけがない。
そんな信念ともいうべき、思想を抱く牙王は影山が酷く気に入らなかった。
この殺し合いで行われている事に怯え、無様に弱き言葉を吐く、影山がどうしようもなく苛立たしい。
存在すらも認めたくなくなるほどに強い、嫌悪感。
そう。恐ろしい形相で睨みつけ、再び恐怖で表情が崩れてきた影山の存在が――――
気に入らない。

「それに、お前らとグダグダやっている内に獲物が減っちまった・
だから、俺は一人でやらせてもらうぜ……その方が俺向きだ。
まぁ、お前らは共に飯を食ったコトもあるから、最後に残してやるがな……」

影山からふっと視線を離し、死神博士に牙王は告げる。
牙王の言葉から出た獲物という単語。
それは恐らく、先程放送で呼ばれた脱落者の事を言っているのだろう。
名前を呼ばれた九名の中には牙王が知っている人物――――
モモタロスの名前があり、彼のトドメを自分で刺せなかった事に牙王は心の中で嘆いていた。
だが、未だ獲物は約四十名も残っている。
もう一人も取り零すつもりはなく、残り全ての参加者を喰らう。
想いを研ぎ澄まされた両眼に宿し、牙王は自分に対し険しい表情を向ける死神博士を睨む。
完全に発言の機会を失くしたゴルゴス、そして視線を世話しなく右往左往させる影山を尻目に、牙王と死神博士は険悪な様子を漂わせる。
それはまさに一触即発という状況と表するのに相応しい光景。

709 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:58:44 ID:rpnCysYR0


710 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:59:08 ID:q9PViNCU0
        

711 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:59:35 ID:ymTsW58XP
 

712 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 21:59:41 ID:KghkBhYG0
「この馬鹿者が……!
もう一度言う、我々ショッカーは――――」

死神博士が苛立ちで表情を曇らせ、もう一度牙王に言葉を掛けた。
牙王の傲慢に以前から不快感は覚えていたが、今彼に抜けられると自分達の戦力が確実に低下する。
六時間の間に九人の参加者が脱落した事から、参加者の質が高い事もわかり、無闇に戦力を手放すのは得策ではない。
だが、力づくで牙王を止めるのも自分達に被害が及ぶ危険があり、それも出来れば避けたい。
そのために、死神博士は鞭で脅しながら、もう一度口を開き、牙王を思い留まらせようとする。
だが――――


「……くどいッ!」


それはあっけなく突っ返された。
影山を散々、怯えさせた表情よりも険しい。
常人なら見るだけで、恐怖により震撼させるほどの形相で。
牙王は文字通り、吼えた。

713 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 21:59:46 ID:RqLYytPI0



714 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:00:45 ID:RqLYytPI0



715 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:00:53 ID:rC4qKhqC0
 

716 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:00:55 ID:q9PViNCU0
      

717 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:01:38 ID:ymTsW58XP
 

718 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:01:40 ID:KghkBhYG0
「俺はお前が言うショッカーなど知ったこっちゃねぇ、それにお前らと仲良しごっこをするつもりもねぇ。
俺がやるコトは只一つ……」

相変わらずにだるそうに首を回し、牙王が死神博士に対峙する。
依然、緊迫した空気をものともせずに、牙王は言って退けた――――


「全てを喰らう……それがこの俺、牙王だ」


己の存在意義とも言える言葉を惜しげもなく、叩きつける。
その言葉を言い終え、牙王は満足した様子で更に歩を進み始めた。

「ま、待て! 貴様ッ!!」

影山の近くに転がったデイバックをぶんどり、慌てながら自分の後を追いかけるゴルゴスを気にした様子もなく、進む牙王。
そんな牙王に対し、影山はいうまでもなく、死神博士さえ掛ける言葉はなかった。
立ち尽くした死神博士、地に座り込む影山を残し、牙王とゴルゴスはどんどんと離れ、やがて市街地へ消えていった


(なんなんだよ……あいつは……)

未だ立ち上がれない影山は心の中で愚痴る。
牙王も居なくゴルゴスも居ない今、隙を付けば死神博士を倒せるかもしれない。
そんな考えが浮かびそうなものだが、今の影山にはどうしても浮かばなかった。
只、自分を恐ろしい眼で睨みつけてきた牙王に対する不満を発散したい気持ちが支配している。
出来るものならば、牙王に眼にものいわせて、彼を後悔させたい気持ちはあった。

719 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:02:16 ID:ymTsW58XP
 

720 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:02:36 ID:q9PViNCU0
        

721 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:02:52 ID:KghkBhYG0
(けど、どうせ……無理だ。そうさ、どうせ俺なんて……)

しかし、どうせ無理だろう。
そんな弱すぎる考えが浮かび、どうにもその考えに反抗する事が出来ないのが歯がゆい。
どうせ、こんなにも怯えきり、無力な存在である自分は死んでいくしかない。
悔しさに塗れた拳を地に打ちつけ、影山は弱弱しく頭を垂れる。
考える事を止め、影山は現実から逃げるように眼を瞑ろうとした。
そんな時。

「……影山、お前は悔しくはないのか?
あんな男にあそこまで言われおって……貴様、それでも仮面ライダーを名乗っているのか?」

死神博士が影山を覗き込み、彼に叱咤をするかのように口を開く。
どうやら、死神博士もゴルゴスと同じく、マスクドライダーシステムを使う者を仮面ライダーと呼ぶらしい。
しかし、そんな事よりも影山は死神博士の言葉に耳を傾けずにいられなかった。
悔しくはないのか?
そんな事……聞かれるまでもない。
悔しいに決まっている。
自分を覗き込む死神博士に対し、無言で影山は大きく頷く。

「ならば、わしに協力しろ。
お前もわしも今のところ、一人の身。
それならば互いに協力すれば、この殺し合いに生き残る確率も高くなる。
悪い話ではあるまい」

確かにそうだ。
牙王とゴルゴスに較べ、この死神博士は未だまともに見える。
比較する対象に問題が有り過ぎるような気もするが、それでも未だマシだろう。
それに一人より二人の方が生き残れる確立も高い。
暫し、考える影山を尻目に死神博士は言葉を続ける。

722 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:03:27 ID:KghkBhYG0
「そして……わしがお前を導いてやろう。
天道総司を倒したという参加者と牙王にも負けるコトはない存在に……わしがお前を導く。
約束しよう、影山瞬よ」

言葉と共に死神博士は右手を差し出す。
当然、その右腕は死神博士を見上げるように見つめる影山に対してのもの。
未だ、死神博士は完全には信用出来ず、裏切られる可能性もある。
だが、影山には何故か死神博士の差し出す手がどうしようもなく、救いの手に見えた。
暗闇が広がる地獄に落ちた自分を救い上げてくれるような救済。

(俺は……俺は……もう一度、這い上がってみせる……!)

影山はもがくようにそれを求めた。
そう。死神博士の手をしっかりと握りしめる。
そんな影山が浮かべる表情には、ほんの少しの希望の灯火が宿り始めたような気がした。

◇  ◆  ◇

723 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:03:41 ID:q9PViNCU0
      

724 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:04:01 ID:rC4qKhqC0
 

725 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:04:24 ID:ymTsW58XP
 

726 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:04:48 ID:ymTsW58XP
 

727 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:07:01 ID:KghkBhYG0
(勢いで此処まで来たのはいいが……どうする? 時間が来るまでヤツを追うか?
それとも別のヤツを……)

牙王から一定の距離を取り、後方から付け狙うゴルゴスは思考する。
ちなみにゴルゴスもこれ以上死神博士達と同行する気はなく、丁度良い機会だったと思っていた。
結局、一人の血も吸えなかったため、牙王と同じく単独で血を求め探す事に決めたていたからだ。
死神博士と影山を襲う事も考えたが、一対二ではこちらが不利であり、またの機会に回す。
そして、そんなゴルゴスは気に入らない牙王を襲うか、別の場所に行くか迷っていた。

「おい……赤だるま、そろそろ何処かへ行け。
鬱陶しいぞ」
「ぬっ! 貴様ぁ……」

しかし、振り向きもせずに牙王はゴルゴスに言葉を飛ばす。
牙王の相変わらずな言動にゴルゴスは怒りを隠せない。
しかし、直ぐに襲い掛かるような真似もせずに只、立ち止まる。
牙王に恐れを抱いたわけでもなく、ゴルゴスにも考えがあったから。

(しかし、今、無理をしてまでもこいつの血を手に入れる必要はないかもしれん……。
もっと弱いやつから奪う方が手っ取り早いしな……)

九人の参加者は脱落したものの、未だこの殺し合いに四十名程の参加者が居る。
ならば、今この場で牙王に負傷した身体で闘いを挑む必要もないかもしれない。
そもそも、制限により自分の力が満足に発揮出来ない状態なら尚更だ。
己の部下であるモグラ獣人が脱落した今、これ以上の負傷は避けたい。
未だ、先程の戦闘で受けた傷は完治はしていないからだ。
暫くは他の弱者を狙い、最終的に必ず牙王、そして仮面ライダーアマゾン、死神博士、影山瞬を倒す――――
牙王への苛立ちを押さえながら、ゴルゴスは当面の方針を決定する。

728 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:07:34 ID:ymTsW58XP
 

729 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:07:47 ID:KghkBhYG0
「まぁいい。今回は見逃してやる、だが忘れるな!
貴様は必ずこの十面鬼ゴルゴスが殺す……それを覚えておけ、牙王ッ!」

そして、どこか古臭い捨て台詞を残し、ゴルゴスは牙王から離れていった。
入手が容易で、粋の良い血を求めるために。



「ふん……ようやく行ったか」

ちらりと眼をやり、ゴルゴスが離れていくのを牙王は確認する。
その表情に安堵という生温い感情などなかった。
ゴルゴスとの闘いを後回しにした事は只、自分が喰う獲物の順番を選択した事にしか過ぎない行為に等しい。
直ぐにゴルゴスから興味を失くし、牙王は再び前を見据える。
そして、牙王は徐に自分の携帯を取り出し、名簿の画面を開き、視線を走らせた。

「なるほど……加賀美新、風間大介。
影山が言ってた奴らはこいつらか……。
それと天道総司を喰った奴も探す必要があるな……」

影山の口から出た、加賀美と風間の本名を牙王は知る。
恐らく、影山がわざわざ自分に名前を教えてくれたところを考えると、彼ら二人にも力があるのだろう。
影山が使っていた奇妙な蜂のような機械――――
変身を行い、自分と闘う事が出来るような力が。
そして、誰かはわからないは強者である天道を倒したという参加者の存在も見逃せない。
よって、牙王は彼らを必ず見つけ出す事を堅く心に決める。
そう。何故なら牙王は――――

「楽しみだな……『仮面ライダー』とやらが」

全てを喰らうために、この場に存在しているのだから。

730 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:08:13 ID:ymTsW58XP
  

731 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:08:23 ID:RqLYytPI0



732 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:09:27 ID:KghkBhYG0
【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻: 朝】
【現在地:H−5 南西部】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:健康、0〜30分間変身不可(ガオウ)
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品一式、ランダム支給品1~3(未確認)、リュウガのデッキ、コンビニから持ってきた大量の飲食料
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:適当に歩き回り、参加者を喰らう。最終的にゴルゴス、死神、影山も喰う。
2:加賀美新、風間大介、天道総司を倒したと思われる参加者を喰らう
3:煩わしい首輪を外す。
4:ガオウライナーを取り戻して村上も喰う。
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。
※何処へ向かうかは次の人にお任せします。
※木場の生存には未だ気づいていません

733 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:09:39 ID:RqLYytPI0



734 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:09:58 ID:ymTsW58XP
 

735 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:10:16 ID:KghkBhYG0
【十面鬼ゴルゴス@仮面ライダーアマゾン】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:G-4 中心部 朝】
【時間軸】:本編13話前後
【状態】:全身に軽い疲労、0〜30分間能力発揮不可
【装備】:ガガの腕輪
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品1~3(未確認)
【思考・状況】
基本行動方針:打倒仮面ライダーアマゾン、主催者への報復
1:参加者、出来れば弱者を狙い、血を吸う。
2:アマゾンを見つけ次第殺す。腕輪を奪う。
3:牙王、死神博士、影山は最終的に殺し、血を吸う。
4:赤いライダー(ファイズ)にも苛立ち。
※岩石の9つある顔のうち一つが潰されました。
※木場の生存には未だ気づいていません
※目的地はありませんが牙王とは別の方面に向かっています。詳細は不明です。

736 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:10:34 ID:q9PViNCU0
     

737 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:10:37 ID:rpnCysYR0


738 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:11:25 ID:RqLYytPI0



739 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:12:07 ID:KghkBhYG0
エリアH-4で影山が死神博士を先導するような形で歩き出す。
彼ら二人は死神博士の提案で、当初の目的通り研究所に向かう事にしていた。
ザビーゼクターの事について研究を行いたいという死神博士の意向に基づいて。
また、同盟を組んだ牙王とゴルゴスが離反し、死神博士の目論見は完全に崩れ去った。
死神博士にとってメリットになる事は何一つない。
よって、死神博士の表情は暗いものに――――
なってはいなかった。

(ふん、馬鹿共めが。
所詮、闘う事しか脳がない奴らなど……この先、生き残る確立など低かろうに)

冷静に、非情に死神博士は牙王とゴルゴスを心の中で見限る。
たとえ、自分の力に大きな自信を持っていようとも、不可解な制限があるこの状況で単独行動ははっきりいって辛い。
休憩を取る時など、見張りを立てなければ寝込みを襲われる可能性もあり、強者でも早急に脱落する可能性もある。
六時間の内に脱落した九人の参加者の内に、そんな理由で命を落とした者も居て可笑しくはない。
そんな事すらもわからない、牙王とゴルゴスに死神博士は大きな絶望を抱き、興味を喪失した。
そう。この殺し合いは力だけでは生き残る事は出来ない――――
伊達に博士という名を名乗っておらず、ショッカー内でも髄一の頭脳を持つ死神博士はそう結論付けた。
そして、ふと死神博士はある事について考え始める。

(しかし、一文字隼人の名が呼ばれたが……恐らくあの優男の方だろうな。
我らショッカーを何度も邪魔してくれたあの一文字隼人は馬鹿ではない。
きっと今もこの殺し合いで、相変わらず酔狂な事をやっているのだろう……)

一文字隼人、またの名を仮面ライダー二号。
本郷猛こと仮面ライダーと共にショッカーに反抗を掲げる緑の反逆者。
死神博士には直接一文字と闘った事はないが、彼がこれほどまでに早く死んだ事は到底信じられない。
ショッカーの様々な作戦を潰し、しぶとく生き残った一文字が牙王やゴルゴスのように自分の力に溺れる事も考えにくい。
どうせ、仲間を募り、弱者を保護し、主催者への反抗の機会でも窺っているのだろう。
そのため、死神博士は放送で呼ばれた一文字隼人は『あちら』の一文字隼人と結論付けた。
数時間前出会った、茶の髪をした一文字隼人の方であると。

740 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:12:21 ID:rpnCysYR0


741 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:12:20 ID:ymTsW58XP
 

742 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:13:08 ID:KghkBhYG0
(……さて、色々と考える事はあるが、先ずはこやつの事だな。
影山瞬よ……精々、利用させてもらうぞ)

放送で通知された参加者の蘇生方法、そしてゼクターの事について色々と気になる事はある。
だが、それよりも当面の協力者――――
利用し尽くそうと考える影山の事に死神博士は思考を飛ばす。
本郷猛や一文字隼人のような揺ぎ無い正義は持たず、只の一般人とは特に変わらない様子を見せる影山。
圧倒的な力で屈服させるのもいいが、それでは影山の精神を潰し、使い物にならなくなる恐れもある。
実力の程度はともかく、変身が行える影山をみすみす潰すのは惜しい。
そのため、出来るだけ慈悲を伴いながら、死神博士は影山に救済の手を差し伸べた。
影山が縋る様にその手を掴んだ事から、結果は良好。
死神博士はその結果に対し、心の奥底でほくそ笑んでいた。
そこに影山に対する同情感や優しい感情などは微塵もない。

(しかし……やってみるのもいいかもしれん。
この影山を……ショッカーの仮面ライダー、いうなればショッカーライダーともいうべき存在に仕立て上げる……。
そして仮面ライダー共や牙王にぶつける……それもまたおもしろい)

そんな時、死神博士の中で一種の興味が湧く。
仮面ライダーはどちらともショッカーで造られた改造人間だが、共に脱走。
今、死神博士が知る限りではショッカーに仮面ライダーは居ない。
ならば、自分が影山をその存在にさせ、彼に強さを持たせる事が出来れば面白いかもしれない。
扱い易そうな影山ならうってつけの人材であるのはいうまでもない。
また、放送が告げる前から死神博士は牙王やゴルゴスに見せた、影山の意思の弱さに注目していた。
あっさりと仲間を裏切った所も考えると、影山は酷く周りの状況に流されやすく、脆い存在であると死神博士は確信した。
そんな影山なら自分の手駒に丸め込めるのも容易い。

743 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:13:20 ID:q9PViNCU0
        

744 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:13:26 ID:ymTsW58XP
 

745 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:14:01 ID:4RITbxL30
 

746 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:14:03 ID:q9PViNCU0
      

747 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:14:29 ID:rpnCysYR0


748 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:15:04 ID:rC4qKhqC0
 

749 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:16:41 ID:KghkBhYG0
(まあ……それはこの先、決めてゆけばよい。
これからじっくりとな…………)

自分の前を行く影山をちらりと見やり、死神博士は思考を張り巡らせる。
只、不敵な表情で、あくまでも冷静に――――
悪魔のような笑みを時折見せながら。



(木場が生きてて良かった……んだよな)

死神博士の密かな策謀をよそに、影山はふと思う。
死神博士と会話を行い、影山は落ち着きを取り戻した。
そして、彼はもうなんとなくもう一度名簿を見て、死者の情報を確認。
木場が未だ生きている事を知り、影山は安堵した。
しかし、自分が木場を裏切った事実は消えず、きっと彼は自分を恨んでいるだろう。
そんな木場に影山は少なからず罪悪感を覚え、出来るものならばもう彼と出会いたくないと思っていた。
何故なら、過去に犯した過ちから眼を背けるように影山は新たなスタートを切ったから。

(取り敢えず、暫くは死神博士と行動して……いつか、いつかは……)

固く拳を握り締め、影山は同様に意思さえも固める。
自分の命を優先させる。
その最大の目的に変わりはない。
だから、今は未だ完全には信用出来ないが死神博士と手を組む。
そして、影山には出来ればやりとげたい――――
叶えたい願いが出来ていた。

750 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:17:08 ID:KghkBhYG0
(天道を倒したやつ、そして牙王を倒して……俺の強さを証明する……。
矢車のものとは違う、俺だけのパーフェクトハーモニーを見せてやる……!)


牙王に言いたい放題に言われた事により、影山にも反骨の精神が芽を出し始めた。
それは未だとても小さな力。
小さき力を糧に影山は一歩ずつ歩き続ける。
そんな影山の周りをザビーゼクターが機械の羽をせわしなく駆動させ、飛び回る。
まるで影山と死神博士の二人を品定めするかのように。
気まぐれな蜂は自由気ままに彼らの周りを舞っていた。



751 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:17:27 ID:rpnCysYR0


752 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:17:54 ID:ymTsW58XP
 

753 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:18:03 ID:q9PViNCU0
      

754 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:18:28 ID:KghkBhYG0
【死神博士@仮面ライダー(初代)】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:H−4中心部】
【時間軸】:一号に勝利後。
【状態】:若干疲労、擦り傷程度の傷多数 
【装備】:鞭
【道具】:基本支給品一式、デスイマジンの鎌@仮面ライダー電王
【思考・状況】
基本行動方針:打倒本郷、及び一文字。この殺し合いをショッカーの実験場と化す。
1:影山を利用して戦いを有利に進める。
2:仮面ライダーを倒す、牙王とゴルゴスも倒す。
3:ゾル大佐?そいつは後回しでいい!
4:首輪を外す方法を研究する。その為にも研究施設へ向かう。
5:ゼクターの技術を可能な限り把握する。
6:影山をショッカーライダーとして導く……?
7:利用できそうな人物を集める、障害となりうるのであらば排除。
※一文字隼人(R)の事を一文字隼人(O)だとは信じていません。
また、第一回放送で呼ばれた一文字隼人(O)は一文字隼人(R)だと思っています。
※流れ星は一戦闘に六発まで使用可、威力はバイクがあれば割と余裕に回避できる程度。
 尚、キック殺しは問題なく使えます。
※変身解除の原因が、何らかの抑止力からではないかと推測しています。

755 :かげやまのなく頃に〜仕切り直し編〜 ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:19:29 ID:KghkBhYG0
【影山瞬@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:H−4中心部】
【時間軸:33話・天道司令官就任後】
【状態】:全身に疲労。背中に裂傷。ザビーに0~30分間変身不可。
【装備】:ザビーゼクター、ブレス
【道具】:支給品一式×2、ラウズカード(◆J)、不明支給品0〜2(確認済)
【思考・状況】
基本行動方針:生き残り、脱出する。
1:取り敢えず死神博士に協力する。
2:天道総司を倒した参加者、牙王は自分の手で倒す。
3:自分に使用可能な武器・変身ツールの確保。
4:木場とは出来れば会いたくない……。
5:仲間を集める。
※午前1時過ぎの時点でG-2のガソリンスタンドに乗り物はありませんでした。
※不明支給品は彼に戦力として見なされていません。

756 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:20:11 ID:ymTsW58XP
 

757 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:20:41 ID:rpnCysYR0


758 :かげ ◆j4QFVZJTi. :2008/06/08(日) 22:20:47 ID:KghkBhYG0
投下終了しました。
長い間支援ありがとうございます。
PCの不調により投下に必要以上の時間がかかってしまいもうしわけないです。
それでは感想やご指摘をお待ちしていますね。

759 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:25:46 ID:q9PViNCU0
投下乙です!
牙王にゴルゴス、我の強い連中ですねw
影山のナイスヘタレに死神博士の改造フラグww
影山wwな話でしたw

タイトルの影山の中の人ネタにも笑いました。
バトルを予感させるつなぎ、GJ!

760 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:28:00 ID:rpnCysYR0
投下お疲れ様です。
死神博士が策士!そしてチーム分断とは予想外でした。
影山が惨めながらも成長の芽を……牙王は格が違うなあ、ゴルゴスもどうなるやら。
先が読めない展開、GJでした!

761 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:28:22 ID:RqLYytPI0
投下乙。
影山がショッカーライダーに!
十面鬼と牙王の動向も気になりますね。


762 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 22:51:52 ID:y6bQqyaJO
感想少ないぞ

763 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 23:50:14 ID:6onQBCl/O
投下乙です。
ただ一つ疑問が。
牙王の思考に
3:煩わしい首輪を外す。
とあります。
あの狡猾で手段を選ばない牙王が自分から首輪解除が出来そうな、利用できる存在の死神を裏切るとは思えないのですが。
そこら辺の心理描写や変化が見えないかなと思います。

764 :名無しより愛をこめて:2008/06/08(日) 23:54:31 ID:aqYhfO3y0
投下乙です!
影山w情けないところが実に彼らしいwいじめられポジションがここまで似合うライダーもいないなぁ。
それぞれに我の強いマーダー連中がそれぞれどんな波乱を巻き起こすのかも楽しみです。

765 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 12:57:58 ID:CArwB2Be0
投下乙です!
マーダーチーム、クセのある連中だと思っていたらまさかの分断!
死神博士の策略に飲まれる影山の行方はいかに?と気になる展開ですね!
牙王の底知れなさもカッコよくてどきどきしました。GJです!

766 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 14:39:41 ID:rf0GB10WO
予約荒らし何人かいるな
俺の予想は当たる

767 : ◆j4QFVZJTi. :2008/06/09(月) 19:09:57 ID:XaanlO5+0
感想どうもありがとうございます。

>>763
ご指摘どうもです。
それでは
3:煩わしい首輪を外す。を3:機会があれば煩わしい首輪を外す。
に変更し、首輪よりも闘いを優先する文を少し加筆しますね。
wikiに収録され次第行う予定です。

768 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 22:30:36 ID:5G/TuE7rO
死神博士がイイ人に見えてきた…!

766は荒らしですか、そうですか

769 : ◆j4QFVZJTi. :2008/06/09(月) 22:31:08 ID:XaanlO5+0
連レス失礼。

本郷猛(R)、ン・ダグバ・ゼバ、手塚海之を予約します。

770 : ◆c7qzxSVMQs :2008/06/09(月) 23:00:49 ID:Mcw9yocs0
ゴ・バダー・バ投下します

771 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:01:30 ID:QOzcyFTB0
  

772 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:01:52 ID:QE3NyLZ6P
 

773 :キョクギンサギザザ(脅威のライダー) ◆c7qzxSVMQs :2008/06/09(月) 23:03:50 ID:Mcw9yocs0
A-5のガソリンスタンドにバダーを乗せたバイクがやってくる。
大介達を襲撃した後、彼は今の自分の場所から一番近い「バ」と書かれているポイント、つまりこの場所に、禁止ポイントを迂回しながら向かい、目的であるバイクを探していた。
ここにあったバイクというのは彼の乗っているハリケーンなのだが、そんな事を知る由も無い彼は一つの結論に辿り着く。ここに存在したバイクは、この場に連れてこられたリントの誰かが乗り、どこかへと向かったのだと。
バダーの口角が吊りあがり笑みを形作る。
ゲリザギバス・ゲゲル、日本語でセミファイナルゲームと呼ばれる、特定の条件を満たす相手のみを殺す、グロンギの中でもゴと呼ばれる上位集団が行うゲゲル。
バダーのゲリザギバス・ゲゲルは鉄の馬、バイクに乗った人間を引きずりおろして殺す事である。
ゲリザギバス・ゲゲルの最中から連れてこられたバダーは、何十人ものバイクに乗った人間を殺しており、人間の世界に沢山のバイクがある事も知っている。
故に彼は地図に書かれたバのポイントには必ずバイクが存在し、もしも無かったのであれば、既に誰かが乗っているのだと結論付けたのだ。
バイクに乗ったリントがいるというのであればそいつを引きずりおろして殺す。バダーはここにいたであろう、バイクに乗っていずこかへと去ったリントがどこへ向かったのか考える。
まずは西と北を選択肢から外す。北はいわずもがな、西側のルートは彼が走ってきたので、見落とす可能性は低い。
そうすると残ったのは南部か東部かになる。南部を進んで行けばリントの密集地とも言える繁華街、東には研究所とやらの施設がある、繁華街は距離がある為、こちらに向かったとも考えられなくもない。
どちらにするか、そう思案していた時、唐突に携帯電話が鳴り響く。第一回目の放送が始まったのだった。

774 :キョクギンサギザザ(脅威のライダー) ◆c7qzxSVMQs :2008/06/09(月) 23:05:15 ID:Mcw9yocs0
放送が終わり、バダーは行き先を東、研究所へと定めた。
理由は一つ、繁華街へと向かう最短ルートが潰されたからだ。
バイクに乗りここを去ったリントが直線ルートを通ったとしたら、わざわざ遠回りをしている間に距離はさらに離される。それにこのゲゲルは場所を限定して行われているのだ、無理に追いかける必要はない。
そして研究所に書かれているバの文字、それを見つけたら、クウガや先ほど変身し、敵対した連中のようなリントを守る戦士が見つかり次第、場所を教えてやってもいい。やはり戦うのであればバイクに乗った相手と戦いたいのだ。
そこまで考え、バダーは今まで、ある可能性を考えていなかった事を知る。
自分がここにいる以上、クウガや他のグロンギ族もここにいるのではないかという可能性を。
だがバダーは、その事に関しては大して重要視しなかった。クウガはあくまでゲゲルを行う際の障害という認識に過ぎず、結局はここに来る前と同じ対応で構わない。
自分以外のグロンギが呼び出されたとしても、現在ゲゲルを行っているのは自分である以上、他の者がリントを殺す事はゲゲルを降りるという事だ。ゴウマでもあるまいしゴ集団がわざわざそのような真似をするとは考えにくい。
もし、他のグロンギ族にあったとしたら? 彼は考える。
他のグロンギを倒しても自分にはメリットは無いが、このゲゲルのルール上、生き残れるのは一人のみ。ならばリントのゲゲルを終え、戻った所でゲリザギバス・ゲゲルを続行する為にも倒すしかない。逡巡の末、そう結論付けた。
この場にいるものは誰であろうと殺す。改めてそう決めたバダーは、参加者名簿に目を通す事は無かった。
もし彼が参加者名簿に目を通していたら、ン・ダグバ・ゼバの名前を見てどのような反応をしていただろうか? それは、いずれ判るかもしれないし、判らないかもしれない。
バイクのエンジン音が響く。自分のゲゲルに則り、バイクに乗ったリントを殺害する為に、元の場所に戻りゲリザギバス・ゲゲルを続行する為に、バダーはバイクを研究所へと走らせる。
どんな障害があろうとも排除する、彼は負けるという可能性を一切考慮しない。何故なら……。

「ゴセパ、キョクギンサギザザ、ゴ・バダー・バザ(俺は、脅威のライダー、ゴ・バダー・バだ)」


775 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:05:39 ID:RnuFZeeK0
 

776 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:05:47 ID:QOzcyFTB0
            

777 :キョクギンサギザザ(脅威のライダー) ◆c7qzxSVMQs :2008/06/09(月) 23:05:51 ID:Mcw9yocs0
自信に満ちた言葉が自然とバダーの口からこぼれる。そう、彼は偉大なるゴの戦士、脅威のライダー、ゴ・バダー・バ。
不敵な笑みを口に浮かべ、彼は無人の道路をひた走る。

【ゴ・バダー・バ@仮面ライダークウガ】
【時間軸:ゲゲル実行中(31-32話)】
【1日目 早朝】
【現在地】B-3 道路
【状態】健康 グロンギ体に2時間変身不能
【装備】ハリケーン@仮面ライダーTHE NEXT
【道具】基本支給品 車両配置図 ラウズカード(ダイヤの7・8・10) ライダーブレス(コーカサス) 
【思考・状況】
基本行動方針:リントではなく自分の「ゲゲル」を完遂する。

1:研究所に向かいバイクを探す。
2:グロンギ族に遭遇しても、このゲゲルを終え、ゲリザギバス・ゲゲルを続行する為に殺す。

※バダーは「乗り物に乗った敵を轢き殺す」ことにこだわっています。
 選択の余地がある状況では上の条件に合わない相手は殺せる場合でも無視するかもしれません。
※車両配置図はあくまで「配置予定」であり、印のついたすべての場所に車両があるとは限りません。

778 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:06:03 ID:QE3NyLZ6P
 

779 : ◆c7qzxSVMQs :2008/06/09(月) 23:06:41 ID:Mcw9yocs0
短いですが以上で投下終了します。支援ありがとうございました。

780 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:19:48 ID:QE3NyLZ6P
投下乙です!
研究所がいよいよ激戦地に!しかも、今の予約を見ると……。
今後、クウガの面子が顔合わせした際、どんな動きを見せるのか気になりますね。GJ!

781 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:25:04 ID:QOzcyFTB0
投下乙です!
ガドルといい、バダーといいグロンギ連中は面白い!
今後の脅威のライダーに期待させる内容でした!
GJ!

782 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:31:43 ID:ZDVXLmnD0
投下乙です
グロンギ連中のかっこよさは異常w
なんだ、ライダーは怪人の方が輝く法則でもあるのかw
橘さんや影山もこいつらを見習ってほしいものだ
そして研究所がヤバい!

783 :名無しより愛をこめて:2008/06/09(月) 23:58:01 ID:/2CpFAnAO
>ゴウマでもあるまいしゴ集団がわざわざそのような真似をするとは考えにくい


あ〜そうゆう認識なんだ彼の事W

784 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 02:48:32 ID:Fzx1dQtrO
グロンギで一番好きな怪人がバダーなので密かに応援中↑

一つ指摘ですが、

ゴウマではなく、ゴオマですね。

785 : ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:33:56 ID:kBjnKRus0
一文字隼人(R)、日高仁志、風間大介、ハナ、城戸真司 投下します

786 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:34:35 ID:kBjnKRus0
――朝日が昇り、静寂を破るように放送が始まった。まるで殺戮を、死を愉しむかのような女の声。死者がカウントされ、名前を呼ばれる。まるで、命が消え行くことが
幸福であるかのように。

「天道総司?…そ、そんな馬鹿な!!」
1人の死者の名を聞き愕然とする男、風間大介。
まさか、彼がこの戦いでこんなに簡単にも死ぬとは。
あの男は、確かに鼻につくところもあったが実力だけは確かだった。
間違いなく、自分やあの影山という男よりも強かったはずだ。
それ程の男が、こうも簡単に死ぬという現実。
風間は、この戦いから生き残ることが如何に難しいかを知る事となった。

――その一方でまた、死者の名に聞き覚えのある名前を見つける者が1人。

「モモ……何でよ。何で……何でモモが死んじゃうのよ!!
嘘でしょ……嘘って言ってよ……馬鹿モモ!!」
参加者の1人、先ほどのまで戦闘で気絶していたハナは朝日の眩しさに目を覚ますと同時に、信じられない現実を知った。
モモタロスという名前を聞き、溢れ出す感情を抑えれずにいる。
本当は、大嫌いな存在だったイマジン。モモタロスもそのイマジンの1人だったはずだ。
だが、モモタロスたちと旅をしていくにつれ自分でも知らぬ内に仲間としての「情」のようなものが生まれていくのを感じていた。
自分で、必死にその感情を抑えようとしていた為に表に出ることはなかったが。
「モモ、あんたが死んだら……私、誰と喧嘩すればいいのよ!?あんたは馬鹿だけど、
すごく馬鹿だけど……でも!!」
溢れ出す涙。信じたくない思いと、現実の狭間でハナの心は大きく揺れていた。



787 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:35:08 ID:kBjnKRus0
「大好き……だったんだよな、ハナ。」
その様子を見ていた青年よりいくらか上の年代の男が1人。
ハナの肩に、そっと手を当てる。
「泣きたいだけ泣けばいい。」
男の名前は、ヒビキ。この戦いを止める為に、戦う決意をした参加者の1人である。
ヒビキは、昇り行く朝日に向け無言で手を合わせる。

「一体、何やってんのさ?ヒビキさん。」
ヒビキの様子を、不思議そうに城戸が見つめる。
ヒビキは合掌を解き、それまでの神妙な面持ちを崩して笑顔を見せた。
「死んでいった人達に、ちゃんと挨拶しとこうと思ってさ。」
それを聞き、城戸もまたヒビキと同じように手を合わせ始める。
(俺、あんた達の分も絶対に戦いを止めてみせます…!!絶対に!!)
城戸の姿を見て、ヒビキもまた少し頬を緩めた。安堵したのかもしれない。
自分だけではない、人の為に戦う戦士はまだ此処にいるのだと。

地面に膝を下ろすハナを見て、軟派そうな男が1人近付く。
先ほどのヒビキとは違い、ハナの肩を抱くようにして顔を近づけてみせる。
「どうした?哀しいなら、俺の胸で……泣けばいい。さぁ、遠慮はいらないぜ?」
軟派男の名は、一文字隼人。先ほどの放送で呼ばれた男と同じ名前を持つ者。
そんな一文字の姿を見て、対抗心を燃やしながらハナに近付く風間。
一文字の手を払うと、ハナを自分の手に抱き寄せゆっくりと微笑む。
「貴方はまるで女性の扱いがなってませんねぇ……もっと花を扱うように。
そう、ゆっくりと優しく……!?」


788 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:35:37 ID:kBjnKRus0
――「あんた達 い い 加 減 に!!」――
全てを言い終える間もなく、ハナの鉄拳が風間の顔面をストレートの一撃が襲った。
吹っ飛ばされた風間は、鼻血を垂らしながら気絶してしまった。
「……あ、やり過ぎちゃった。ごめんなさい!!」
その様子を見ていた一文字が、ハナを見てニヤリと笑う。
こういう女性も悪くないと。
(殴られた風間は災難だが、俺はこういう攻撃的な女も好きだぜ……)
新たな「獲物」を見定めた男は、この戦いでもう少し生きてみようと心に決めた。

3人のやり取りに気付き、ヒビキと城戸もその輪に加わる。
まず、ここでやるべき事はお互いの持つ情報の交換。
「まずは……お互いが知ってることの整理だな。
一文字っていうんだろ?さっきの放送と同じ名前だろ?」
「あぁ、俺は一文字隼人だ。だが、さっきの奴とは名前だけが同じなだけで
まったくの別人だ。まぁ、俺が死んだと思う奴がいればそれも利用出来るかもしれないがな。情報交換には賛成だ。俺も生き残る為に、出来るだけ情報は欲しい。」
ヒビキの提案に一文字も賛同した。一文字の説明が始まる。
要注意人物のことを。一文字が出会った老紳士、牙王、赤い巨大な怪物たち。
「まずは、骨付き肉を食ってた男に、イカの怪物に変わった奴。それに赤い岩みたいな化けモンだ。」
この3つが少なくとも殺戮に加担する側の参加者であるという情報。
「牙王……たぶん、そいつは牙王ね。やっぱりあいつ、このゲームに乗るつもりなんだわ。」
一文字が話した1人の男。牙王と呼ばれる参加者の姿にハナが反応する。
城戸、ヒビキは一文字の話に聞き入っている。
「で……最後に出会った白い怪物だ。」
白い怪物、と一文字が言った瞬間。ヒビキたちは同時にある1人の参加者を思い出す。
「まさか……ついさっき会って、ハナたちと戦った――”あいつ”か?」
ヒビキが口を開く。名前はまだ知らない。
だが、先ほど出会ったあの異様な怪物の姿。
名前をダグバ。究極の闇を齎す最強のグロンギのことを。

789 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:36:19 ID:kBjnKRus0
「おい、ちょっと待て。さっき、ってどういうわけことだ?
俺はそいつと戦ってた。……あんたらが戦ってた白い怪物っては一体……誰だ?」
一文字はヒビキの様子を見て、不意に疑問が湧く。
今、ヒビキは自分もつい先ほど出会ったという。
少なくとも、自分はヒビキ達とは違う場所にいた。
城戸やハナの顔も曇る。少なくとも、2人いる可能性が一文字の情報から見て
予測は出来る。あれほどに強い怪物があと1人?
考えただけで恐ろしい。そんな中で1人、それでも平然とした顔で一文字の話を聞き終えたヒビキが立ち上がる。
「よし、情報はある程度聞けたな。少し休んだら、行こうか。」
城戸が立ち上がり平然としているヒビキに言葉を返す。
「ヒビキさん!!行こうって一体何処に?あんなに強い奴がもう1人なんて、
怖く……ないんですか?あんだけ束になっても勝てなかったのに。
もう少し、作戦を練るとか……」

ヒビキは一瞬だけ、厳しい表情を見せる。だが、すぐにそれさえも仕舞い込み
城戸の肩をポン、と叩くとゆっくりと歩き出した。
「ハハ……そりゃ、怖いさ。でも、自分に負けちゃうのが一番嫌じゃないか。
どんな事があっても、人助けをする。それが、俺の信念ってところかな?
だから、怖くても……鍛えて、戦う。まずは、この辺りにいる仲間を探す。
それが先決だろ?」

その言葉を聞き、ハナも立ち上がる。先ほどまでの涙は、当に乾いていた。
「私も、戦います。モモの分まで……」
今でも、イマジンに対する……いや、モモタロスに対する自分の気持ちに整理が付かない。
でも、1つだけ分かった事がある。自分は、モモタロスの死が悲しかった。
だから、モモタロスの為にも生きて戦う。それが戦いが好きだった
彼への弔いになるのではないか、ただそんな気がしていた。



790 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:37:55 ID:kBjnKRus0
立ち上があった2人を茶化すように手を叩く一文字。
「いい話だ……涙が出てくるぜ。」
ヒビキがその姿を見て、呼びかける。
「一文字、一緒に行動しよう。仲間は多い方がいい……そうだろ?」
一文字は、他人と馴れ合うつもりなど毛頭無い。
だが、本郷が自分に託した言葉――「仲間を、お前に任せる」
一文字は懐に忍ばせていた鈍ら刀を取り出すと、ヒビキに投げてよこした。
「本郷の頼みだ……少しくらいは付いていってやる。
それに、こいつは俺にとっちゃいらないモンだ。料理に使うくらないなら出来るかもな?」
ヒビキは一文字が渡してきた謎の短剣を見て、妙に懐かしい感覚に捕らわれた。
それが何なのか。何故、そう感じるのか。今はまだ分からないまま。

――――1時間後

「2つに分かれて仲間を探そう。仲間が集まり次第、もう1回合流。
それでいいか?」
ヒビキの提案に、一文字は文句も無い様子で首を縦に振る。
「いいだろう、だが1つ。条件がある――」
一文字の出した条件は1つ。ハナと自分だけのチームを組ませること。
「まぁ、別にいいとは思うけど……」
城戸は特に反論する様子もないが、逆にハナは不満そうに一文字を見る。
「まぁまぁ。2人とも仲良くやろうぜ?それに、一文字だって口は悪いかもしれないが
きっとハナを守ってくれると思う。俺はそう信じてる。」
ヒビキが2人の間に割って入り、一文字に笑顔を向けた。
――この男には、ハナに対する自分の考えが見透かされている?――
飄々として、どこか抜けた様子すらあるこの男だがそれでいて
油断すればこちらの全てを見透かすような落ち着いた物腰。
ヒビキという戦士が、どれだけの男か。一文字にはまだ理解出来なかった。



791 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:38:24 ID:kBjnKRus0
これで、チーム分けは決まった。
ヒビキと城戸、風間。ハナと一文字。
2時間後、ここに戻り再び合流すること。
そして、それまではお互いが仲間になれそうな参加者を探し出すこと。
「お互い、頑張ろうぜ。」
ヒビキが一文字達にいつものポーズで見栄を切る。
「あんたも、な。」
それを片手を上げてあしらいながら、歩き出す一文字。

ぶっきらぼうな態度ながらも、ヒビキは一文字の中に確かに「魂」を感じた。
愛する者の自由と希望を守る――猛る士の魂を。

「ちょ、ちょっと!!待って下さい!!なんて扱いだ……まったく!!
まぁ、いいでしょう。今回ばかりは出番を譲り……あの。
もっとゆっくり歩きましょうよ!!」
気絶から目覚めた風間がヒビキと城戸を追いかけていく。
まだ朝は始まったばかりだ。命を削り、何を残すのか。
何の為に生きるのか?

――今はただ、”明日”へ走れ。



792 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 18:39:34 ID:Ibd0LK1G0
 

793 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:42:01 ID:kBjnKRus0
【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:最終回前
[状態]:軽い疲労、顔面に傷
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈火
[道具]:基本支給品一式(着替え2着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)、釘数本、ハイパーゼクター、不明支給品x1、猛士の刀
【思考・状況】
基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出
1:青年よ、励むのだ!
2:何で鬼になれない?
3:もっと仲間を捜す。
4:あすか、どうしたのかな。
5:2チームに分かれて仲間を探す。後ほど一文字たちと合流。
※一文字の話から、白い怪物がダグバ以外にもう1人いる可能性を知りました

【風間大介@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:ゴンと別れた後
[状態]:鼻血(ハナに殴られた鼻から)
[装備]:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
[道具]:支給品一式、オロナミンC2本(ぬるめ)
【思考・状況】
基本行動方針:戦いはなるべく回避し、できるだけ早く脱出する。
1:今回ばかりは出番を譲りましょうか。
2:何故変身出来ない?
3:移動車両を探す。
4:脱出派と合流。
5:影山瞬に気をつける


794 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:42:53 ID:kBjnKRus0
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版、レイドラグーンへの特攻直前
[状態]:全身に激しい痛み
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:支給品一式
【思考・状況】
1:戦いを止める。絶対に。
2:スマートブレインに対する強い怒り。
3:大介たちとの情報交換、ヒビキ、風間と行動する。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指すついでに話を紐解く。
5:手塚に似てるなぁー。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
 白い怪物はダグバのことだと思っています。
(一文字の情報により、白い怪物がもう1人いる可能性を知りました)
※名簿に手塚、芝浦、東條、香川の名前がある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。

(チーム:ヒビキ、風間、城戸)
次にどこへ行くかは書き手さんにお任せします。

795 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 18:45:00 ID:VC85mgOH0
支援
遅いかもだけど

796 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:45:02 ID:kBjnKRus0
【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:FIRST終了後。
[状態]:左腕に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ
[装備]:特殊マスク
[道具]:基本支給品
【思考・状況】
基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出
1:頑張れよ、本郷。
2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。
3:後ほど本郷、及びあすかとの合流。
4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも?
5:余裕があれば首輪を回収に行く。
6:ハナに興味。風間、ハナと行動する。後ほどヒビキたちと合流。
[備考]
※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。
※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。
※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。
※猛士の剣は現在誰が持っても切れ味の悪いただの剣ですが、本来の持ち主である日高の手に渡れば、あるいは――――?
※首輪について:
 金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。
 さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。 
 無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。
※白い怪物(ダグバとジョーカー)が少なくとも2人はいると推測しています



797 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:45:23 ID:kBjnKRus0
【ハナ@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版・千姫と入れ替わっている時
[状態]:軽い疲労、悲しみと決意
[装備]:冥府の斧@仮面ライダーアギト、カードデッキ(ナイト)
[道具]:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう、戦国時代の衣装、ミニカー7台
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1:一文字(R)と行動。後ほどヒビキたちと合流。
2:仲間を探して一緒に脱出する
3:モモタロスの死に深い悲しみ。イマジンに対する自分の感情が理解出来ない
4:本郷猛、牙王、影山瞬、死神博士、ゴルゴスに気をつける

(チーム:一文字(R)&ハナ)次にどこへ行くかは書き手さんにお任せします。

798 :傷付いてもいい、強く立ち上がれ ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:46:16 ID:kBjnKRus0
訂正
【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:FIRST終了後。
[状態]:左腕に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ
[装備]:特殊マスク
[道具]:基本支給品
【思考・状況】
基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出
1:頑張れよ、本郷。
2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。
3:後ほど本郷、及びあすかとの合流。
4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも?
5:余裕があれば首輪を回収に行く。
6:ハナに興味、ハナと行動する。後ほどヒビキたちと合流。
[備考]
※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。
※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。
※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。
※猛士の剣は現在誰が持っても切れ味の悪いただの剣ですが、本来の持ち主である日高の手に渡れば、あるいは――――?
※首輪について:
 金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。
 さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。 
 無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。
※白い怪物(ダグバとジョーカー)が少なくとも2人はいると推測しています


799 : ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 18:47:04 ID:kBjnKRus0
投下終了です。支援ありがとうございました。
ご意見、ご感想お待ちしています。

800 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 18:51:00 ID:Ibd0LK1G0
>全てを言い終える間もなく、ハナの鉄拳が風間の顔面をストレートの一撃が襲った。

あと一文字(R)の欄に「猛士の剣」はもう不要かと。

801 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 18:51:30 ID:VC85mgOH0
お疲れ様です。とりあえず気になった箇所一個だけ

一文字の状態表(修正版)で猛士の剣についての説明があるのですが、
ヒビキに剣を渡したのなら、ヒビキの状態表に剣の説明をつけたほうがいいかと
一応、本来の持ち主の手に渡ったから、文もそれっぽく変えるといい気がします

802 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 20:17:07 ID:wo+qSOdp0
お疲れ様です。

あの、気になったんですけど一文字ってアルビノジョーカー直接見てましたっけ?
戦ってた時はグレイブだし、ジョーカーになって逃げる志村見てた描写はなかったような・・・。
見落としてたり、勘違いしてたらスイマセン。

803 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 20:36:55 ID:wFmnj+/30
投下乙。
指摘は先の人がしていますので、特には。

ハナさんをナンパする風間と一文字に苦笑w
殴り倒される風間も、間抜けだけどおいしいと思いました。
ヒビキさんと城戸、お人よしコンビも行き先が気になります。
GJ!

804 : ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/10(火) 20:45:45 ID:kBjnKRus0
ご指摘、ご感想ありがとうございます!
指摘頂いた部分で、ジョーカーの部分ですが自分の間違いでした。
よく確認して書くべきでしたので、誤字なども含めて再度訂正したものを避難所に投下致します。
申し訳ありませんでした。

805 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 21:26:50 ID:TD9DmZmw0
投下乙です。

これは対主催の希望の星チームですね!
一文字がもうハナに狙いをつけたのは流石としかw
ヒビキさんが今後彼らを上手く纏めていけるのか……気になりますね。
GJでした!


806 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 21:38:29 ID:mGCrYc2K0
一文字が風間見ても驚かないのってもう前の話で説明されてたっけ?
本郷の方だけだと思ってたんだけど

807 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 21:40:07 ID:eyNUYhLQ0
投下乙です。

放送後、モモの死を悲しむハナと、大人の男らしく慰めるヒビキに、思わずほろり。
その後、ハナに顔面を鉄拳ストレート一発ノックアウトされた風間に、苦笑い。
そして、二組に分かれた彼らのうち、再会が叶うのはいったい…
GJでした。

808 :名無しより愛をこめて:2008/06/10(火) 21:42:28 ID:wFmnj+/30
>>806
つ参戦時期

一文字は風見を知らない時期からきている

809 :名無しより愛をこめて:2008/06/11(水) 00:09:42 ID:SKtLSMYaO
二手に別れるとはフラグ立ったか…


一つ指摘というか、案なんですが

猛士の剣には『響鬼』の名が刻まれていますから、「なつかしさを感じる」と同時に、ヒビキさんが自分の名前に反応する描写を加えてもらえればより良いかなーと思いました。。

810 :名無しより愛をこめて:2008/06/11(水) 01:13:23 ID:mrMpODrNO
真司…悪人とはいえどーてーサイの子についてはスルーか

811 :名無しより愛をこめて:2008/06/11(水) 11:03:00 ID:yX6l8lXkO
一文字の行動が一瞬音也に見えたwww

812 : ◆aj6Zn5J.vQ :2008/06/11(水) 17:23:31 ID:0Ri2VrFA0
ご感想ありがとうございます。
ご指摘頂いた部分の修正版を避難所に投下しました。

813 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/12(木) 15:40:36 ID:71fysQCL0
避難所の方に仮投下させていただきました。
誤字脱字、矛盾点等の指摘をお願いいたします。

814 :名無しより愛をこめて:2008/06/12(木) 17:40:42 ID:eUN1ya3w0
>>813
仮投下乙です。

指摘としましては、現地アイテムで変身一発とサバイブの疾風はやりすぎかと。
以前、マップにアイテムを配置しようとして、ご都合展開になりやすい、との指摘もあったので。
アイテム枠も、まだ余っている状態ですし、いま出す必要性は薄いかと。

それ以外は特に。
感想は本投下時にいたします

815 :名無しより愛をこめて:2008/06/12(木) 22:51:14 ID:BbAn8XnS0
>>813 自分も秘宝アイテムは全員の支給品が出つつどうしても出したいならにしないと
収集がつかなくなると思います、あと余談ですが木場555のクリスマは跳躍しないです

816 : ◆CIPHER0/kY :2008/06/12(木) 22:59:21 ID:HFY/LVrC0
>>813
乙です。
ストーリー面では特に指摘することはありません。本投下を楽しみにしています。

現地調達については、可能性は残しておいてもいいと思いますが、
まだ必要ないという点では他の方々と同じ意見です。
出すとしても場所上誰でも使えるアイテムのほうが良い気がするので、
変身一発はまだしもサバイブ疾風のような強化アイテムは避けた方が良いかと。
強化アイテムは、残りの支給品欄から出した方が上手く回ると思いますしね。

817 : ◆CIPHER0/kY :2008/06/12(木) 23:00:49 ID:HFY/LVrC0
しまったトリップ消し忘れたー!

恥ずかしついでに延長を申請しますorz

818 :名無しより愛をこめて:2008/06/12(木) 23:08:06 ID:eUN1ya3w0
>>815
クリスマ自身は、別にいいかと。
たっくんも合体技のときは地上で撃ち込んだりしていましたし。

819 : ◆N4mOHcAfck :2008/06/12(木) 23:15:17 ID:w3uIk+obO
>>813
乙です。支給品に関しては皆さんと同意見です。

それと一カ所誤字してきですが、クリスマのロックオン描写の「光速」は、「拘束」かと思います。

>>815
仮投下を見た限りでは本編同様跳躍前にロックオンしているみたいですよ


投下は私的な事情で期限から数時間遅れになりそうなので、一応延長を申請します

820 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/12(木) 23:52:23 ID:71fysQCL0
ご指摘ありがとうございます!

>>814-819
了解いたしました。孤島に何か意味をもたせたかったのですが、
思慮が足りなかったようです。申し訳ありません。
その辺りの記述を削った修正版を仮投下スレに投下して、それで問題ないようであれば
本投下させていただきます。
クリスマの描写に関してはこのままでいきたいと思います。

>>817
>>819
了解いたしました!楽しみにしております!

821 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 01:42:20 ID:g8Dd8ZvCO
おまえら感想よりも人の作品にイチャモンつけるほうが好きだな

822 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 04:27:27 ID:SInfJIEuO
一時投下された時なにいちゃもんつけないでいつつけるんだよw

823 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 07:35:43 ID:rs8JD4uk0
そもそもここは特撮板だからな、
仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT などという特撮作品は存在しないから他板へ行くべきだな

824 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 07:40:09 ID:SInfJIEuO
あー、その指摘はやめてw
俺の好きな兄弟スレとかクラインまで移動しちゃいそうじゃないかw

825 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 08:39:33 ID:qjEcjY1rO
>>824
わたしはだれ?スレも出て行っちゃいます><
でもとりあえずsageようぜ

見返してみて思ったけどデネブ面白いなww
モモタロスが死んだ分も頑張って欲しいな、ロワ的な意味で

826 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 09:47:52 ID:Bo13AhYcO
デネブは面白いし頑張って欲しいと思うが
ロワ的に、というと怖い想像しかできないんだぜ!!
何とは言わんが。

827 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 10:58:06 ID:OwbolyDG0
             ,. -一……ー- 、
                /::::{:/::::‐-:、:::丶:\
                 /:::::/´ ̄ ̄__\、::::l,. -―、
              /::::// /:: ̄、:\::::ヽヽ≦、ス=、、
           /::::/::|,.イ:l::丶::::::::\:X:::',:::ヽ、 ヽハ ',ヽ
           f´ ̄!:::::l:_|_|\::\--/,r=ミ|::::::lヾく:l::', | |
          ヒア_|:l::::|::N,≧ミ、トゝ ハ心}!::::::K:ヾニ二ヽ
         ,r=ヽレ|:|::::l::|{ ト心     `'" !::::::|::!',::|ハ::! `
        // |:|:::::ハ!、::ヾゝゞ'′ _'_,.ヘ  /::::/:::|_!:l リ
          //  !ハ//|:|::ヽ::::丶、__丶 _ノ/|:::/イ::ハヘ!ヽ_
       L!   /ヘ |:|ミニ='⌒ (⌒ヽ´ _ !イノl/ |:! ! !L_
           〈_{  ヾ.,!/  , ´ \ ∨,.‐、|  l:| |ノ   !
                __!\ /   __ム  V⌒!   !:! !   ハ
             /__レ-〈  / f´ ヽ. '. __! //./-‐ '´ /
                 ヽ! |r'   \l__ V/ /-‐   /
                 「 ! {  `\_f_ノ∠ミヽ! /
               / ヽ`ヽ.二ニァ'V∠二ハ }},!-'
               /   ヽ---/´/レ!ト--'/‐'
             /      / ̄ヽ二ノ´l:ヽノ_
           r‐!       /     l:/   `ヾ==、ー-- 、
          / ̄|     ヽ./     〃  /人   `ト、::::\
          ', /     ,!\   |l       \ /  \:〈
           | ′   / |   `  |:!       /    `
           L.__   /  !    !:ヽ     / !
             ` iー---一'Tー-∨-r‐''´  |


828 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 10:59:31 ID:OwbolyDG0
        , -‐ ´ ̄   ̄ ̄`ヽ、
.       /             丶
        / /     _
.       / / /.// " ̄ `ヾ、 ヽ     ',
     / / ,' 〃       ヽハ     l
     Vl  l _斗'´     `ヽ、l从│    l
       |  ! /リ        j N | 、   l   にょろ〜ん
      ヽ小l ●     ●  イ l| }   |
.         lハl⊃       ⊂⊃| |ノ    |
.         | 人   r_,、_y     | |    l |
          j|  >'う  __, r<l ││ ││
       / | レ'  /:::_j_  / / ,/、│   l |
.      / ,リ /   ∧f三ミ/  / //l j   | │
.      ,' / l/  〃!l|`¨7 /ル/  V   | │
     l./ |{ヘ_ノト、|:l|M/// /    l_  | |
     |l  |`ー''7 ヾV'_/   ├― ┴!  | |
     |l  |  <_/ ム ヽ    ,|二二ニj. i| |
     ij │ /ヽ/|ヘ_>―--イ ∧  |  リ |
.       l/   //|_|     ∨ ヽ  l /l |
      /   /´       l   \j″j j
     <    /|    /|   |       ノ
      ` ー‐-'-L __j_l.____j


829 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 11:02:28 ID:OwbolyDG0
     l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
     l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:/、 l:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
     l:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.::.:.:.:ハ:.:.:.:./ `l:.:.:.:.lハ:.:.:..ト、:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
     .l:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.ll:.l l:.:.:.i   l:.:.:.:l、. ',.:.:l ヽ:.:.:.:l i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ィ:.l
     l:.ハ:.:.:.lヽ:.::l l:l  i:.:.l _/',:.:.:l `ヽ、_i__ ',:.:.l  l:.:.:.:.:.:.:./l l:l
      l f ',:.:.:l ',:.l-l― ヽlニ 、  ,:.l  , ゝ:l― ',:.ト 、i:.:/l:.:/ヽ l!
      .l l ',:.:l、ハl      ヽ  ヾ /  ヾ  ',l  l/、l/`i .ト、
      '、 ' ゝl i        ノ===〈.         //l / /  ` ‐- 、_
       ヽ l .l \___../    ヽ、____./イlレ /       `
      / ヽ i.                    / ,ィ
     /    l¨i      r, 、 i、  ,i_ -、      //:.l
  ,, ''     .l ヘ     i `ー-`=' - ‐''!     /´ : . l
,, ''        l: .ヽ.    l , ――‐ 、.l     ./: . : . :l
          .l: . :\   .H     H    /: . : . : .l
          ', : . : ヽ.  l l       l !  /: . : . : . : l
           ', : . : . ヽ  ',ヽ.___.ノ/ //: . : . : . : .l
           ヘ: . : . : . \` -----' / ./: . : . : . : . :l
.           ヘ.: . : . : . :\ニニ// ./ . : : . : . : . :l
            ヘ: . : . : . : . : .\ \/: . : . : . : . : .l


830 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 19:51:32 ID:w/LrK1BG0
木場勇治、東條悟 投下します

831 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 19:52:39 ID:w/LrK1BG0
水平線より現れた太陽が、辺りをやわらかく照らす。
木の芽に生えた産毛に輝く朝露。きらめく水面。鳥の声。
春の冷たい空気を暖めて、まだ淡い光が全ての生命を輝かせる。

孤島の砂浜にも、透き通った朝の光が降り注いでいる。遮るものもないため、白い砂が眩いほどだ。
波打ち際を慌しく走るヤドカリが、障害物にぶつかって方向転換をする。

障害物―――砂浜に横たわる男。木場勇治。
砂に頬をつけたまま目を閉じ、微動だにしない。
育ちのよさを思わせる優しげなその顔には、疲労の色が濃く現れていた。

「……う…っ」

意識がゆっくりと戻ってくると同時に、体を苛む痛みにうめき声が漏れる。
波が朝陽を乱反射し、開いた木場の目を射た。
ようやっと上半身を起こし、改めて周囲を確認する。
目の前には、穏やかな海。そう遠くない所に、対岸が見える。
そういえば、地図の端に小さな島があったような気がする。そこまで流されたのだろうか。
持ち物は握り締めていたファイズギアとファイズフォンのみ。基本支給品は置いてきてしまったようだ。
木場は嘆息する。支給された地図も食料も携帯電話もなく、孤島に一人きり。
限りなく不利な状況だが、こうして途方に暮れていても何もならない。

痛む体を奮い立たせ、木場は立ち上がる。靴が海水を含んで、踏みしめるとごぼりと音を立てた。


832 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 19:53:24 ID:w/LrK1BG0
そう広くも無い島を一回りするうちに、木場は島の裏手の桟橋につけてあった小船を見つけることが出来た。
最悪泳いで本島まで戻らなければならないかと思っていたので、これには胸を撫で下ろす。

船に乗り込み、櫂を握る。太陽は目を覚ましたときよりもいくぶん高く昇り、いよいよその輝きを強くしている。
正確な時間は分からないが、まさか一日中眠っていたという訳でもないだろうし、一日目の朝だろうと判断を下す。
定時に行われるという放送を聞くことは出来なかった。そもそも携帯電話がなくては意味がないが。
二時間ごとに増えるという進入禁止エリアと、仲間の安否。
それらを知ることが出来なかったのは不安だったが、それでも木場は戻らなければならない。

理不尽な殺し合いに巻き込まれた仲間を。影山を救うために。この狂ったゲームを、阻止するために。

船はゆっくりと岸を離れ、戦場を目指して進み始めた。

※※※

「はぁ……はぁ……ちょっと…失敗したかも……」

足を引き摺りながら、海岸沿いの道路を歩く男。東條悟である。
変身中だったため目立った外傷はないものの、ダメージは大きい。高圧電流を浴びたのだから無理も無い。
何よりも、本郷が変身不可能であるという事を見越して慢心していたとはいえ、その相手に一杯食わされたという事が東條のプライドを傷つけた。
足がもつれ、遂にその場にへたり込んでしまう。


833 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 19:53:51 ID:w/LrK1BG0
「いけない……あんなのに負けるんじゃ……僕は英雄になるんだから……」

搾り出すように呟き、拳を握り締める。そうだ、きっと。

「きっと、こいつに慣れてなかったからだよね……」

手の内のガイのデッキを見つめて言う。使い慣れたタイガの力なら、きっとやれていた。
誰に聞かせるでもなく、自分を慰めるように続ける。
それでも、この状況で上手く戦うためにはどれも使いこなせるようにならなければならない。
自分が有利になれる機会があれば、ガイを使って力をつけるか。
あるいは、もっと他の自分に合った変身具を手に入れるか。
そんな事を考えていると、ふとデイパックから振動を感じた。
携帯電話を取り出して開くと、まるで子供に言い聞かせるような大仰な口調で人の死を告げる女が画面に映る。
定時放送を聴き終えた東條の瞳には、先ほどまでの心細げな色は消えうせていた。
―――変わりに現れたのは、喜び。

(九人。九人も死んだ。 僕が英雄に近づいてる証拠だよね……?)

五十二人のうちの九人。決して少なくない数だ。
東條にはそれが、運命が自らの野望を後押ししてくれているように感じた。
最後に言い渡された蘇り云々も、彼にとっては全く意味をなさない。
死者の復活など、英雄的行為ではない。
むしろ、自分が真の最後の一人になるためには倒した者全ての首輪を外してやった方がいいとすら思える。


834 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 19:54:20 ID:w/LrK1BG0
そして何よりも東條を喜ばせたのは、香川の名が読み上げられなかった事。

(先生、先生…待っていてください、きっと僕が先生を殺すから……
 先生を殺して、最後の一人になって、英雄になって……、先生の説を証明してみせるから……」

思考は次第に胸のうちからあふれ出し、口の端に昇り言葉になってこぼれ落ちる。
幼ささえ伺わせる東條のその顔は、呪いにも似た、恐ろしい決意によって歪んだ笑みを浮かべていた。

※※※

慣れない船の操作に戸惑ったが、何とか岸辺に着くことが出来、木場は大きく息をつく。
小島からまっすぐ最短距離を進んだ為、着いたのは砂浜だった。
無論小船を結わえ付ける場所などはなく、流されてしまうかもしれないとも思ったがもう利用することもないだろうとそのまま降りる。

辺りを見回すが、砂浜の堤防の向こうに建物が見えるだけで特になにも無いようだ。
これからどうするか。考えながら数歩歩いた所で、木場のオルフェノクとしての驚異的な五感が殺気を捉えた。

(後ろ……ッ!)

反射的に飛びのくと、自分がいた場所に湿った砂が舞い上がるのが見えた。
振り返る木場の眼前に、大きな生き物らしきシルエットが立ちふさがる。

(まさか、海から!?)

白い体に朝陽を浴び、輝く爪を持つどこか無機質な雰囲気を持つそのモンスターと対峙する木場。
少しためらったが、眼光を鋭くするとその顔に紋様が浮かび上がる。
次の瞬間、白灰色の彫刻めいた体を持つ怪人―――ホースオルフェノクが現れ、振りかぶられた爪をその剣で受け止めた。


835 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 19:57:40 ID:w/LrK1BG0
「……なんだ、あいつもモンスターなのか」

東條は外灯の影からそれを見ていた。その手にはタイガのデッキが握られている。
海の向こうからやって来る木場を見つけた東條は、確実に彼を仕留めるためにデストワイルダーでの奇襲を仕掛けた。
一般人なら、すぐにかたが付く。そう思ったのだが。

「一分じゃ、足りないかも……」

呟きながら、カーブミラーにデッキを翳す。
自分に話を持ちかけた金居や、本郷たちと交戦していた怪人。
彼らのように、人ならぬものもこの会場に集められていることも、東條は理解していた。
だがその事は何の関係も無い。何であろうと構わない。このゲームの参加者ならば。
絶対に、殺す。
そうする事が、自分が英雄になるための早道だと信じて。

「変身」

左右より現れた虚像が幾重にも重なり、東條の姿を変化させる。
召喚機・デストバイザーを握り、その氷を思わせる装甲に、暗く冷たい野心を纏わせて。
仮面ライダータイガは、堤防を駆け下りた。


836 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 19:59:54 ID:w/LrK1BG0
※※※

巨大な爪を振り回し襲い掛かってくる虎に似たモンスターの攻撃を、ホースオルフェノクが剣でいなす。
激しい火花と金属音が辺りに響く。隙を見て撃ち込むが、怯んだ様子はまったくない。
その時。

『!?』

飛び込んできた影の一撃に、ホースオルフェノクが吹き飛ぶ。
何とか体勢を整えて見やると、斧を携えた騎士の仮面。白銀の体にブルーのラインを持ち、隣に佇むモンスターに酷似したその姿。
咄嗟に、木場の脳裏にある考えが浮かぶ。

(こいつが、このモンスターを使役しているのか!?)

その考え通りに、現れた仮面の戦士はモンスターに目配せをすると、斧を構えて襲い掛かってきた。

『くッ!』

ホースオルフェノクは、自然のヒエラルキーに従うが如く始終二匹の虎に圧倒されていた。
それには何よりも、メンタルの違いが大きい。
木場は不意を打たれたという事に引き摺られてしまっている。
一方の東條は、参加者を皆殺しにし自らの望みを叶えるために必ず仕留めるという覚悟に疲労を忘れている。
唯一の救いは、そのために東條の動きには精細を欠く、という事。
それでも、二対一では到底凌げるものではない。
デストワイルダーの爪を躱した所にタイガの斧の一振りがかする。
このままでは、いずれ体力を消耗しその命を奪われるだろう。


837 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:00:32 ID:w/LrK1BG0
考えあぐねている木場の目にふと飛び込んできたのは、虎のモンスターの体が粒子となり消え去る姿だった。

「時間切れか……それじゃあ」

タイガが呟き、デッキからカードを取り出すとバイザーに読み込ませる。

 ---STRIKE VENT---

電子音声が響くと同時に、その両腕には鋭く巨大な爪が装着される。
デストクローを振りかざし、タイガは再びホースオルフェノクへと向かっていく。

どうやらあちらは近距離戦を得意としているようだ。
剣で何とか爪の猛攻をしのぎながら、木場は思案する。
一対一になったとはいえ、余力を残しているあちらの優位に変わりはない。
あの斧や、先ほど消えた虎のモンスターの腕に酷似している手甲様の武器。
その一撃は強力。受け続ければ敗北は間違いない。ならば。
ホースオルフェノクの体が一瞬白く輝き、下半身の空間が歪む―――と、そこにはまさに馬の四肢が現れた。
伝説にある半人半馬、ケンタウロスのようなフォルム。
奇異な姿にタイガも少し驚くが、どんな姿だろうと関係ない、邪魔者は倒すのみだ。
そのままこちらへ突進してくるのかと思い、クローを構えるが、ホースオルフェノクは身を翻し、タイガから遠ざかっていく。

「?」

逃げるつもりかと思ったが、ホースオルフェノクはある程度距離を取ると、姿を木場に戻した。
タイガは肩をすくめて、無防備な姿になった木場をせせら笑う。


838 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:01:28 ID:w/LrK1BG0
「諦めたって事? それとも、命乞いするつもり?」
「―――いいや!」

木場がタイガを見据え、取り出したのは小さな機械。携帯電話のようにも見える。
続いて、藍色の上着の下に見えたものに東條は仮面の下で目を見張る。
銀色の―――ベルトだ。
木場は手にしたファイズフォンを開く。

 ---Standing by---

電子音声が響き、すばやく変身コードを入力すると、その手を力強く空へと掲げ叫ぶ。

 「変身ッ!」

 ---Complete---

腰に巻いたドライバーに装着すると、赤く輝くフォトンストリームのラインが木場の体を走り、黒と銀の装甲が現れる。
黒い体に輝く赤。
奇しくも青と白の体を持つタイガと対を成すような姿の戦士、仮面ライダーファイズとなった木場が、そこに居た。


839 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:03:10 ID:w/LrK1BG0
「へえ、君も変身できるんだ……」

興味なさげに言うタイガだったが、まさか木場がさらなる変身手段を持っているとは思わなかったため、内心動揺が走る。
こちらにも残された時間はそう多くない。

「……まぁ、関係ないけどね」

東條は自分に言い聞かせる。
自分は強くなっている。現に、ここに来てから二人殺した。
こいつも倒せる。絶対に殺してみせる。
手甲を装備した両腕を広げ、その鋭い爪にファイズの血を吸わせんとタイガは駆け出す。
ファイズはその黄色い双眼に向かってくる相手を映していた。
ドライバーからファイズフォンを外し、コードを入力する。―――1・0・6。

 ---burst mode---

変形したファイズフォンから無数の赤い光弾が発射され、タイガの白い体を射抜く。
木場の狙いは一つ。タイガを退けるための決定的な隙を作る事。
そのためには距離を取って戦う事が必要だと判断したのだ。

「がッ!……く!」

浴びせられる攻撃に怯んだタイガは、腕を交差させそれを凌ごうとする。
ファイズはその隙にミッションメモリーをポインターへ差し込むと、右足脹脛へ装着。

 ---Exceed charge---

甲高い電子音が忙しく鳴り響き、ベルトより生じた輝きが体表に走るラインを渡る。
それがポインターへ到達したとき、一際強く光が輝く。


840 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:03:40 ID:w/LrK1BG0
タイガがはっと身じろぐが、ファイズはすばやく右足を突き出し、ポインターから照射された赤い光で敵を拘束した。
光線は輝く円錐を形作り、タイガの白い体を赤に染めている。

ファイズは深く身を屈め、次の瞬間跳躍した。
円錐に吸い込まれるようにして、飛び蹴りを放つ。

「―――ぁあああああッ!!!」

エネルギーを纏った鋭い蹴りの一撃に、タイガが吹き飛ぶ。
数メートル離れたコンクリートの堤防に体を叩きつけられ、そのまま砂浜に崩れ落ちる。
東條の纏っていた白銀の装甲が粒子となって掻き消えた。


※※※

砂浜に倒れたまま起き上がる事の出来ない東條をファイズが見下ろす。
木場は一瞬の逡巡の後、ファイズフォンを操作し変身を解いた。
話を聞く為には変身したままでは相手を萎縮させてしまうと思ったからだ。

「教えてくれ、君は何故こんな殺し合いに参加しているんだ?」


841 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:05:06 ID:w/LrK1BG0
何か理由があるはずだと思った。倒れ伏し、こちらを見上げてくる東條はごく普通の青年にしか見えない。
人は、弱い。
正しい心を持っていても、様々な状況によってそれを保てなくなる。
木場が今まで見てきた人々。ここで出会った影山。―――そして、木場自身のように。

「僕は……僕は……勝ち残って、英雄になるんだ……」

激しい喘ぎの下から、搾り出すように帰ってきた答えは、到底木場を納得させるようなものではない。

「英雄になる? 殺し合いに乗る事で? ……そんなのは英雄じゃない。 君は―――」

思わず強い口調になり、腕を掴んで顔を覗き込む。
東條の目。
朝の光の中でもなお暗く、妄執を宿す瞳。
それを認めた木場の背筋に冷たいものが走る。
何故こんな闇を、この青年が抱えているのか。

刹那、東條の手が木場の首に伸びた。

「ッ……!?」

紙一重で身を引き、首輪を外そうとする手から逃れる。
避けた勢いで木場が砂浜に尻餅をつくと、東條は身を翻して傍らのデイパックを掴み、そのまま走り去った。


842 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:06:37 ID:w/LrK1BG0
※※※

陽光にビルの窓ガラスが輝く。
萌黄色の街路樹の葉が風にそよぎ、淡い影を煉瓦が敷き詰められた歩道へ投げかけている。
リゾート地にふさわしい佇まいを見せる市街地。
夜の闇が去っても虚ろな印象はぬぐいきれないが、良く整備された美しい街並みだと言えるだろう。

「英雄じゃない……? 馬鹿な事言わないでほしいな……」

その路地で、東條は壁に背を預け呟く。息は荒く、体は激しくダメージを受け、疲労している。
それでも東條は笑っていた。嘲笑していた、木場を。

「僕って言う英雄が生まれるために、皆が犠牲になるのは当たり前だよね……」

選び取る犠牲。その中に、彼自身が含まれる事は決してない。
ゆがめられた恩師の信念を胸に秘め、東條は少し休息を取る事にする。
そうしたら、今度こそ障害になる相手を殺して、殺して、殺して。

「……先生。 僕が殺すまで、死なないで……」

全ての美しいものに背を向けて、東條の闇は深さを増してゆく。


843 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:07:32 ID:w/LrK1BG0
【東條悟@仮面ライダー龍騎】
【1日目 朝】
【現在地:G-2 市街地の路地裏】
【時間軸:44話終了後】
【状態:ダメージ・疲労共に極大。二時間変身不可(タイガ)、30分変身不可(ガイ)。】
【装備:タイガのデッキ、ガイのデッキ】
【道具:基本支給品×2、特殊支給品(未確認)、サバイブ烈火@仮面ライダー龍騎、芝浦の首輪】
【思考・状況】
基本行動方針:全員殺して勝ち残り、名実共に英雄となる
1:今は少し休む。その後↓
2:『ある程度の力を持つ参加者を一人でも多く間引く』
3:できれば最後の仕上げは先生(香川)にしたい
4:殺した奴の首輪をコレクションするのも面白い。積極的に外す
備考
※東條はまだ芝浦の特殊支給品(サバイブ烈火)を確認していません


※※※

木場は一人砂浜に佇む。
東條を追う気にはなれなかった。何故か。
……佇む、というよりは、立ちすくむと言った方がいい状態だったからだ。


844 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:08:09 ID:w/LrK1BG0
恐怖していた。

不意を打たれて、命を奪われかけたという事ばかりではない。
その恐怖は、人間と、自分自身へと向けられていた。
かつての自分の境遇を思い出す。
絶望に飲まれ、与えられた力に溺れ、それを振るった自分。
指先がすうっと冷えていくような感覚に捉われ、木場は拳を握り締める。
―――そこにはもう戻らないと決めたはずだ。
だが。
彼がここへ連れて来られてから出会った人間達。
自分の望みを叶えるために、何のためらいも無く他者を手に掛けようとするもの。
保身のために、易々と裏切るもの。

もちろん、こんな事で絶望などしない。
少なくとも、自分と共に連れてこられた仲間たちはこの状況に抗っている。
そう思い、顔を上げる。眼前には穏やかな海が変わらず広がっていた。
止めなくては。このゲームを。多くの良き人たちが狂わされる前に。

決意を新たにする木場だったが、その心には影山や東條によって投じられた、小さいが重く冷たい小石―――
ほんの僅かな、人間への『失望』が沈んでいる。
今まさに、オルフェノクと人間の狭間に惑っている友人を、乾巧を、木場は思い出す。
彼の顔は何故か、ぼんやりと霞んで遠く見えた。

「……俺は、人間として生きる」

呟いた言葉はか細く震え、波の音に紛れて掻き消えた。


845 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:08:47 ID:w/LrK1BG0
【木場勇治@仮面ライダー555】
【1日目 朝】
【現在地:G−3 海岸】
【時間軸:39話・巧捜索前】
【状態】:他人への僅かな不信感。全身に疲労大、背中等に軽い火傷。二時間変身不可(ファイズ・オルフェノク態)
【装備】:ファイズギア
【道具】:なし
【思考・状況】
基本行動方針:主催者及びスマートブレインの打倒、脱出
1:海堂、長田、加賀美の捜索
2:首輪の解除
3:死神博士、ゴルゴス、牙王、東條(名前は知らない)に警戒
4:影山をできれば助けてやりたい
5:事情を知らない者の前ではできるだけオルフェノク化を使いたくない
備考
※第一回放送を聞き逃しています。


846 : ◆yFvLIBbl9I :2008/06/13(金) 20:11:51 ID:w/LrK1BG0
投下終了です。
タイトル付け忘れました…『すべてのうつくしいものから』です。
感想、ご指摘等お待ちしております。

847 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 20:34:19 ID:O/jfDo+YO
投下乙です。
変わらず自分の道を進む東條に対して、徐々に転落の影が見えてきた木場。
両者の違いが上手く表現されていた話だと思います。
次回も期待しています、
GJ!!

848 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 20:49:47 ID:ylPcNRWU0
投下乙です。
何気に小島の風景描写が上手い。
東條の不気味さにおびえる木場の心理描写も上手く伝わってきました。
次回どうなるか、楽しみです。
GJ!

849 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 21:50:31 ID:g8Dd8ZvCO
死者スレがくだらない

850 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 22:00:36 ID:DdIyynEsO
投下乙です。
東條の不気味さが滲みでた、良作だと思いました。
GJ!

851 : ◆RIDERjbYCM :2008/06/13(金) 22:17:17 ID:lYEy6F+I0
すみませんが、期限までに間に合いそうもないので延長を申請します。

852 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 22:17:49 ID:ylPcNRWU0
>>851
了解です。楽しみにしています。

853 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 22:43:25 ID:aT8kNyi20
どいつもこいつも延長延長って・・・。
延長に関しての議論をもう一度行った方がいいんじゃないか?
忙しいのは分かるが、何の為に期限を設けてるんだよ・・・。

854 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 22:44:05 ID:SInfJIEuO
これで予約した人全員延長したのかな?

855 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 22:50:01 ID:o/D9kC9p0
>>853
その議論はもう終わったぞ

856 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 22:53:48 ID:SInfJIEuO
>>852
何の為に期限があるかって?
期限がなかったらいつまでもキャラを予約されたままになるからだべ
締切とは違うのさ、パロロワの予約ってのは
金絡んだら話は別だけど俺たちは書き手のオナニーを好き好んで見てるんだから
あ、もちろん>>852が書き手で早く続きを書きたいってんならわかるよ

857 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 23:00:37 ID:OwbolyDG0
                          /, ァ_
                        、{:、:.:.:.:`:< __
           ,、            _/iァ`j=、:::::<、
          ==、ー--、ー‐ ´  ̄ ` <`ー-、-_ヘ、:._:zー
            フソー L.. __          ノ`ヽ}_`    _
 、- 、        ´      ` ー―<, -‐    ヽ`ー-く_'j
  \ \          _ _r- 、_    l __ ィ  ー 、V   ,...ゝ
   \ \, -、     ,⊥! ヽ l  ``ヽ、r三_- '′   ヽ´ ̄
   { `i'\ \、 ーく Y´  l  j/     ` く´> 、    ヽ
   ーヽ. _\ \ーj〉'´  ̄`ー '^ー 、       `i  ,.ヽ ヽ   }
       ` \ \         `丶、    | 〈  ヾ ヽ/
         \ \         _j´`ヽ、 | ヽ  〉´
            \ \       }ハ __ >、_ V lト〉
              \ \      リ、  /      ′
                 \ \    j  7′
                   \ \  _j、ヽ〈
                     \ く、 ヘア´
                  _, ヘ ヾv′     ..  ..  ..
                ヽ、`ヽ \ \、 _, _-z .:: rー 、:: :       ..  ...:  .:: ::
                 `ヽ:: `ー\ \   Z::_ : ´.: ̄ .:: :_;: - ー- - ' ー-ー ―z .::
                  .:.. `丶、 \ 〉    ` ー‐ ´    、 _ ,. .-ー-. ::´ .: :
                   . ..: .: `ヽ、               ゝ-z_ .::: : ..: . .::
                      :: :..:: 丶 、 ..: :           : .::_j ::  .. :: . ::
                        .:... : .: `丶 .:   ::. .::  ::  .:: : ̄_: ーz :: .. ..::


858 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 23:01:39 ID:OwbolyDG0
        __   __
      /  ヽ'´   `ヽ‐-、   __
       /  ,. -      、  `'´ `ヽ
       !  /    __ ,イ  }   ヽ  |
     /|  {/  r'´,∠ |  ∧ヽ   }   !
    / ! /ィ /イ r,: l/;''ヽ   ノ  ノ
  '--/    {´` { !j   l'| |i、|'   /|
    i    /ヽ', ´゙     ゙ '/ノ   丿
    ', , / _,,,,_丶、 - _,.. '"´ヽ  {
     ヽ" /  /´!ヽフ;ー-、  ,!、!'ー`
      ,.!_  /_ ',介/ ',  !ri´ !;;=、
       /、 `丶、/ ヽ/ く  ノ'  ゙;==''
     j_ `゙ー- `゙''ー―‐'´}、、 j
      ( `゙''ー- ..__      ) ``
     ノ-、...__      ''''j´
    ノヽ `ヽ、     __j
    }、 丶、 丶、 ヾ´ ア
    ノ、 `゙''ー-丶、 `゙ー-{
   / i |丶、,,___`ニゝノ
   / / !/    ヽ'´ ̄丶、
  ,' ,'  /       |    i
  ,' ,' ノ _ノ      ノ     丿
  !_'/ヽ{ !ヽ、__,,/ _,. -''´
   `''ー‐|  ''l´゙' `T´
      | ‐''''ヽ、 !_
      ヽ-----'―''


859 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 23:02:20 ID:OwbolyDG0
         , ‐ '´ ̄ ̄ ̄``' -.,
         /           ` 'ー 、
       , '     .... ___       `ヽ、
      /    ..:::/      ̄ " ''ー 、    ヽ
       ,'    .::/    _,. --―‐-- ..,_ヽ、  /
     |   ..:/  ,. - '´  、   ヽ :.:.:.:.`ヽV
      ! ..:::/:;: / l  l ト  ヽ、   ヽ:、:.:.:.i.:.:l
     | .:::::レ: / ! ! l   ! lヽ ヽヽ   !.:ヽ:.:';:.|i
     ,' .::::::レ' l l ト, !  ト, lヽ  !、ヽ  |ヽ.l.:.:.リ:!
    ,' .::::::::|   l | !lヽ l ヽ!-ヽ l_lLヽ !-!j┐:!.:!
    ! .::::::::|l ! |ヽ7リ'''ヽ! ` ヽ!-/ リ┬リ !:.|:.|
   l  ::::::/l !. ! l! ヾ,ー':リ ヽ   !'´ /ーリ ノ l:::|:.|
   | .:::/ lj l ! ト、 `''ー‐'   l: : 'ー'‐':./.:.:.!.:!
   ヽ- '  ! ,ト, l  !ヽ\.     l: : : : :/|:. :|:.|
      l / ,|   ! l.\`ヽ、   : : :/イ'`l   | |
    r‐ / / .l   ', ! |: ヽ、 `ヽ.//::::::::l ! :l !ー- 、
    l ,' ,'  ! l  ヾ !: : : ` :ー':´:l___::::::::! !  |    \
    l ,'  !   ', ',  ',: : : : : : : : : : : :ヽ::::| l.  !      i
    / __l、  ヽヽ  ! --‐‐-、 _,.-‐'' ヽト.l  |     /
   i/  `ゝ- 、 ヽヽ, l、           レl  !  ,イ\
  /  r_i 'ー- 、`ヽ', l ヽ            : :|l l / / __ヽ
 7i- ..,_       \ヽヽ.!ー、ヽ        : :l l |' /_  ゝ-' ゝ
./::::|   ` ー- 、  r.iヽ |l  ヾ、 \...    ノ:r|l /〃) _,.ィ´
{:::::::l       `ヽ´ ヾ ',   ヾ、  ヾ   ノ::::l リl、` /i  !
ヽ::::ヽ        \l:ヽヽ  ll::`ー'‐ '´::::::::l ! l >'´ /  !


860 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 23:09:05 ID:Ue3uxbS2O
そうだね、852じゃなくて853だね。

861 :名無しより愛をこめて:2008/06/13(金) 23:12:15 ID:OwbolyDG0
           _,)' ` '´ `<_,           .ィ
          _ン ィ/_lハl,,,ヽr、       _/っ
           >イl. "_i_i_,.V      _. ‐''´ }/
           フ/ir、_l__l.イ{  _, -''´  _.-''´〃
            >ルヘ! VハL´  ,、r<  ノノ
         / `ー、ー、 ‐'7 l\ V‐、ノ
           / ,.イ  \ / ト、 /` 7
        / /  K'^) V_(`| \_/    鉄の 予約延長〜♪
       __/ /   l/ "´「 l.i |
      / 7 /=z、 l// {  _|          無敵 将軍〜♪
/    L_ト-l_///  }ニエ◎エ-|
      ``´`    l:::::::::;::::::::l
/            .l::::::::i!'li:::::::l
              l::::::::il .li:::::::l             j`` i_、_、     _,、
/          l:::::::;il li;::::: l              ハr'´、  ,.`.    r' ノ
           l:::::::;il  .li;::::: l            rV (・).-(・) _,/>'´
/           .l::::::::;il  li;:::::::l            'ー、( (二7)´ /
         /.::::::::;il   li;:::::::l                >‐v-< r'^j ノノ
/       ./.:::::::::;;il    li;:::::: l            _.-'´ ,.n_.._nl `「`l
         /.:::::::::::;;il    li;::::::::l         _,.へ_. イ( r-'-ハ`ー┘
    (\ ,∠ィ、::::::::;;il    li;:::::;:;:>__,. -'ソ   '⌒ '´  ノ  'ーr' }
     ミ:.:.:.`:.:.:.´'7ヘl!     lハr'.:.:.:.:.:.∠        ( 、_  ノ_,.イ


862 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 00:23:12 ID:I0lVpl63O
新規書き手の期限がきれてるな
はやく延長の宣言しないとこのロワ特有の新人イビりが始まるぞ

863 : ◆deggScNisI :2008/06/14(土) 00:30:30 ID:EHUCUyTL0
駄目だ、間に合いそうにない…ゾル大佐、橘朔也、北崎の期限延長お願いします
今日中には投下できるかと

864 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 00:32:28 ID:Q/3sMbKy0
GJ!
テンポ良く、読み進められるバトル!
木場、東条の心理描写が秀逸でした。

865 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 00:33:39 ID:l9E3ljHY0
>>863
了解です。お待ちしています

866 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 00:50:02 ID:uTFksUDMO
>>863
了解しました。執筆お疲れさまです!
楽しみにお待ちしています。

867 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 00:53:51 ID:I0lVpl63O
そろそろ将軍らへんが嫌味言いにくるな

868 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 01:28:53 ID:l9E3ljHY0
◆iwvnMf7HkM氏予約の 香川英行、ゴ・ガドル・バ、桜井侑斗、金居 が期限が切れています。
今日中に連絡をお願いします。
連絡がない場合、予約破棄となります。

869 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 01:33:12 ID:I0lVpl63O
やけにアッサリとしてるな
新人が予約期間一秒でも過ぎていいと思ってんのか?
破棄だ!破棄!と来ると思っていたのに残念だ

870 : ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 02:54:03 ID:rW1hqsOB0
一つの重大な問題点を見つけ、その部分の修正に多くの時間を
費やした上に、これから用事があるため投下が不可能となりました。
本日自宅に戻った際に投下しようと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

871 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 08:14:25 ID:1Bgl9Vn/O
>>870
了解いたしました。
楽しみにお待ちしております

872 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 21:35:41 ID:l9E3ljHY0
投下乙!
盛り上がってまいりました!
ケンシロウとアミバの会話、そして握る希望!
赤木の鬼思考、覚悟&ヒナギク&零のほのぼのと失恋。
見所がたくさんでした。赤木ラスボスフラグも最高!
平次が死神に魅入られた!!
GJ!!

873 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 21:36:03 ID:l9E3ljHY0
誤爆

874 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 21:47:57 ID:f3tqQ7850
まだ書き終わんねえのかよ。どうしょうもないグズばかりだな。

875 : ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:01:05 ID:rW1hqsOB0
遅くなりましたが、これから投下します

876 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:01:17 ID:l9E3ljHY0
 

877 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:04:03 ID:M7zWQ54J0



878 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:05:00 ID:rW1hqsOB0
 空に浮かぶ雲の隙間から除く唯一無二の存在が、刻一刻とその輝きを増していく。
 それは即ち、殺し合いが順調に進行を続けていることに等しい。
 合わせる様にして明るさを取り戻し始めた青空の元、五代雄介は小屋へと足を返していた。
 左手で小屋の扉を開けた五代の右手にいくつか握られていた果実が、やや小型のテーブルに並べられる。
 それらは精一杯自らの存在を主張するが、五代がそれに答えることは無い。
 つい先程までベッドに横たわっていた青年――――葦原涼が、既にその場から姿を消していたからだ。
 もっとも、小屋を出る前から涼の表情には兆候が見られていたから、大きな衝撃を五代へ与えるには至らない。
 五代は右の掌に視線を滑らせながら確信を持つ。――――彼もまた、自分や剣崎と同じ「仮面ライダー」なのだと。
 彼はまた戦いに行ったに違い無い。負傷程度で「仮面ライダー」は立ち止まらない。
 既に満身創痍の五代自身が彼の考えが正しいと示す何よりの証拠だった。
 そして、「仮面ライダー」を止める術が無いことも五代は理解している。逆のパターンになっても、五代が止まることは無かっただろう。
 だから無理にそれを引き戻す真似はしない。いずれ再開できることを願い、再び小屋を出る。
 「一人でも多くの笑顔を守る」為、剣崎との誓いを守る為に、五代ももたもたしている訳にはいかなかった。
 
 名残惜しい、といった雰囲気を醸し出す小屋を背にバイクへと歩を進める五代。吹き抜ける疾風が、その歩みを先導していく。
 ヘルメットを被りシートに跨った彼を、携帯の電子音が襲ったのはその時だった。五代はポケットから支給された携帯を取り出す。
 
 殺し合いの進行度合いを発表する、放送。
 女の口から語られる全てを、一句残らず耳に叩き込む。やがて放送が終わると、情報を一つずつ整理していく。

879 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:05:41 ID:Vwdkr/V50


880 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:05:42 ID:rW1hqsOB0
(…………一条さんっ…………)
 放送の最初に行われた脱落者の発表。五代と同じ志を持った「仮面ライダー」剣崎一真だけでなく、彼以外にも8人の参加者が既に命を落としている。
 その8人の中に一人だけ、五代の良く知る名があった。一条薫――この場に来る前に拾い上げた警察手帳の持ち主。
 手帳と拳銃を拾った時点で、ある程度の覚悟はできていた。だからこそ五代は涙を流さず、取り出した手帳へと静かに目をやる。
 幾つもの思い出が五代の脳内にフラッシュバックする。継ぐ遺志が、背負う魂がこれで一つ増えた。それが五代の決意をより一層強固なものへと変えていく。
 優勝すれば、脱落者を蘇生させることが可能だとも放送では告げられた。が、五代に心境の変化は生まれない。
 禁止エリアと列車の運行について説明されると、マップと合わせてそれらの関係する位置を確認する。
 殺し合いが順調に進んでいることを思い知らされる五代。「戦いを止めたい」という思いは人一倍持っているつもりだったが、彼は力不足をその身で痛感している。
 想いだけでは、どう足掻いても敵わない存在がいる。五代にとって何よりショックだったのは、本来持ち得る力を発揮しきれないことである。
(金の力が使えたなら……)
 あの未確認生命体を倒せたかも知れない。そう考えるが、五代はすぐにその考えを否定する。
 白い青年と出会う前に湧き上がったイメージで彼と対峙していたのは、「赤」でも「青」でも「緑」でも「紫」でもなければ、当然「白」でもない。
 「黒」だったのだ。もっとも自身の中で弱き姿である「白」の、圧倒的力を持つ謎の未確認生命体の「白」の対極色。
 
 
 ――なれたんだね。究極の力を、持つ者に。
 イメージの最後に呟かれた言葉を回想すると、五代の背筋が凍り、その意識が闇に侵食される。
 普段の彼ならば、周りがそれをいくら心配しようと、笑顔でそれを跳ね除けただろう。
 だが今は違った。殺し合いを楽しむ参加者達への憎悪が、何度も何度も彼を支配しようとする。
 それに苦しみながらも、バイクに鞭打ち、小屋から離れる。
 
(戦い抜きます、俺。どんなにこれが辛い道だとしても…………)
 薄白色から少しずつ蒼付いていく空の下で、一人の仮面ライダーは疾走し続ける。

881 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:06:26 ID:rW1hqsOB0


「これは……何でしょうかね……」
 ひんやりと冷たい感覚を指先に覚えながら、北條が首輪を撫でた。
「お願いですから、誤作動とかさせないでくださいよ」
 苦笑いしながら、イブキが北條に話しかける。
 北條が触れている首輪は、イブキの首に取り付けられたそれであった。

 北條が首輪の調査をするにあたって、それに直接触れて、目に映して確認したいと考えるのは当然のことと言えた。
 そこで問題となったのが、「誰の首輪を調べるか」という点である。サンプルが手元に無いからには、危険でも誰かしらのそれを使うしかない。

 他の参加者から奪う、という手段もあるが、それは他の参加者を殺害することとイコールである。
 北條が警察官である以上、何があろうと直接殺し合いに加担することは許されない。
 既にアンノウンと遭遇している事実が示す通り、彼らにとっての「倒すべき敵」がいるのも事実だ。
 それらを討つということも彼は考えたが、リスクが大きすぎた。
 現在彼に同行している三人の中で、それらに対抗し得る戦闘能力を保有するのは二人。
 残り一人が保護対象である一般人である以上、戦闘に立ち会わせる訳にはいかないし、最低一人は護衛を付けておきたいというのが本音だ。
 そう考えた場合、運用できる戦力――――駒は一つとなる。
 首輪が戦闘に支障を及ぼす制限を掛けている状態では、駒一つの単独運用にあまり期待はできない。

 ――――駒が不足している現状、無茶は控えるべきだ。

 結論として、ここにいるメンバーの首輪を可能な限り調査するしかない、ということになる。
 
 まず北條自身の首輪は論外。直接見ることが敵わないからだ。
 ――というのは口実で、正直な話、彼とていつ自分の身を滅ぼすか分からない危険な真似はしたくはない。
 
 次に、長田結花。流石に北條としても一般人にその様な真似はとりたくないし、微妙に話しにくい節がある。
 その隣で腕を組んで椅子に腰掛け、常に隙を見せないもう一人の女性――城光に対して北條がそんなことを提案すれば、直ぐに彼の首が飛んだことだろう。
 そうなると、消去法で選択肢は一つしか残されていなかった。

882 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:06:47 ID:l9E3ljHY0
  

883 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:08:01 ID:rW1hqsOB0

「……そう思うなら、じっとしていてくださいよ……」
 
 実に面倒臭そうな物言いで、イブキに返答する北條。発言中も彼の指先は絶えず金属製の首輪を這い纏わり続ける。
 重点的に調べるのは用途不明の穴がある部分だ。もう一つの目立つ部分である赤い突起物については、ある程度の把握を既に済ませている。
 ゲームの開始時に二人の参加者が死を迎えた際、彼らの首輪が赤く光っていたのが北條の把握を早めた結果となる。

 それから数分間の間、北條はイブキの首輪を調べ続けるが、穴に関しては考えが纏まらない。
 そんな二人の様子を光はつまらなそうに、結花はイブキを心配そうにしながら目に収めている。
「とりあえずこの位にしておきましょうか」
 疲れた顔で北條がイブキから離れる。情報交換を終えてから首輪を調べ始める前に一時間程度休憩を挟んではいる。
 しかしゲームへの召集からいきなりのアンノウンとの邂逅、短時間での登山に下山、研究所での情報交換――これらを極限までの緊張感を解かず行って、消耗しない筈が無い。
 疲労を隠さず、調査前と同様に柔らかめの椅子に深く腰掛ける北條。
 彼とて所詮一般人の域を出ない存在。不死生物――もっとも、ここではその常識は覆されるが――である光や、人間といっても鬼になるほど鍛えられているイブキと同じベクトルで動けはしない。

「何か分かりましたか?」
「それについては、考えが纏まってからお話します……」
 北條の返答にイブキはそれ以上返そうとしない。彼なりの気遣いといえる。
 イブキが続けて椅子に座り込むと、その物音を最後にロビーがしばらくの間静寂に包まれる。
 永遠のものになろうかという沈黙を断ったのは、携帯から四つに――正確には五つなのだが――重なって流れ出した電子音だった。
 四人がそれぞれの携帯電話を開く。画面に現れた派手な服装の女性、聞く者の不快感を煽り立てる声――
 それらが現在行われている行為が「放送」だと理解させる。

884 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:08:03 ID:M7zWQ54J0



885 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:09:01 ID:rW1hqsOB0
 ――放送が終わりを告げると、四者は四様の態度を見せた。
 素早く脳のスイッチを切り替えた北條は禁止エリアと脱落者を漏らさずチェックし、地図に書き込みを行う。
 イブキと結花は自分の知人が生存していることに安堵しつつも、参加者を殺害している存在達への怒りや恐怖を募らせる。
 そして最後の一人――光が腕を組んだまま口を開く。
「ブレイド、死んだのか……」

 他の三人からの視線が一斉に光へと集まる。
「あなたは、剣崎一真と面識があるのでしたね」
「それがどうした」
 無愛想な返答に笑いを堪え、北條が続ける。
「彼はどれ程の実力者だったのかを知りたいのですが」
「何故そんなことを聞く」
「彼が死んだと聞いて、随分驚いていた様でしたから」

 イブキと結花の視線が北條に移動する。二人には全く感じとれなかった異変を見逃さなかった彼の洞察力にイブキは関心する。
 その一方で、結花は自分も見透かされているのではないか、という不安に駆られた。
 光は答えを返そうとせず、そのまま表情を崩そうともしない。
 北條にはそんな彼女の様子が、絶やすく射ぬける固定された的の様に感じられた。
 立ち上がると、光の座り込む椅子に一歩一歩近付き、再び口を開く。
「イブキ君との戦いを見る限り、あなたは相当の実力者だ。そのあなたが今の質問に対する返答に困る以上、彼はそれだけの力を持っていた存在……ということですね?」
 人間でありながらカテゴリーキングを始めとする上級のアンデッドを封印する程の力を持ち、それらと融合してジョーカーすら覚醒させる。
 その剣崎が殺された。となると、確かに相当の実力者が参加していることになる。
 若干の不安が、北條の言葉を通して光を包み始める。
 相変わらず光が答えないので、北條は肯定と受け取りながら続けた。
「自分の知る強者が簡単に殺された……さすがのあなたも不安でしょう。ですが、安心してください」

886 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:09:27 ID:l9E3ljHY0
     

887 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:09:41 ID:rW1hqsOB0
 北條の顔に自信に満ちた笑みが浮かぶ。
「私が首輪を解除すればあなたは全力で戦えるようになります。他の参加者を殺すことばかり考えて、首輪の存在を考慮しない愚かな者達には負けません」
 それは“駒”を自分の戦力として確立する為の“指し手”に出来る最大限の牽制であり、皮肉。
 光はこの戦いにおける単独行動の危険性を理解した筈だ。満足気に椅子へ戻る北條を黙って見つめる他無い三人である。



「九人……か」
 放送で発表された死亡者の人数に、思わず顔が緩む。
 ゲームの開始と同時に死んだ二人を含め、これで11名。早くも五分の一が脱落したということになる。
 その中には自分の知るライダーもいたのだろうか……等と考えるが、もしそうだとしても手を下す者が代わったにすぎない。
 自分が差し向けた参加者がそれらに関与していたかは定かでは無いが、このペースなら十分だ。
 積極的に動き回る必要は無く、首輪の解除に必要な“駒”を集めれば良い。

 そして――変身の実験から得た首輪による制限時間――約二時間を迎えるまで、そう遠くはない。
 最初の二人が軽く施設内を見て回った時や、餌が四人に増えた時点でこちらから仕掛けることも考えた。
 しかし誰一人として施設内の詳細な探索に動かないことから、実験を行ったロビー近くの機材置場から移動するに留めた。

 そして現在自分がいるのは研究室。餌達が迷い込んで来たロビー側の入口とは真逆にある、もう一つの出入り口に近い。
 気配を絶つために明かりは付けていないが、もうその必要も感じられなかった。
 太陽が昇ったらしく、施設内にも光が通っている。それはこの研究室とて変わらない。
 壁に括り付けられた時計に目をやる。6時を過ぎたために、二本の針が生み出す角度は百八十度から変化し始めていた。

「朝食の時間は、近い様だな……」

888 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:10:18 ID:rW1hqsOB0


 北條による光への牽制が終わり、再び長い沈黙がロビーを襲っていた。
 好機とばかりに疲れを癒す北條を尻目に、イブキが口を開く。
「あのバイク、どこにあったんですか?」
「道端に放置されていた。ご丁寧なことに自由に持っていけとも書かれていた。気になることでもあったのか?」
 質問に先程までと打って変わりすばやく答える光。
「あれは僕のバイクなんですよ。物入れみたいなのに何か入ってませんでしたか?」
「ああ、それなら――――」
 イブキの言う「物入れ」とは、サイドバッグのことを指している。それに光が答えようとしたのだが――――

「は……入ってましたよ」

 質問に答えたのは結花の方だった。何故彼女が答えたのかは二人共分からなかったが、答える必要の無くなった光は口を結び、イブキは結花の方へ向き直る。
「そうなんだ、ありがとう」
 イブキの笑顔に釣られる様にして、結花も微笑を浮かべた。
 それに頷き終えると、続けて立ち上がり、出入り口へ向かおうとする。
「どこへ行かれるつもりですか?」
 合わせて北條も立ち上がり、イブキの肩に手を掛ける。
「『竜巻』の所です。探し物があって」
「では、私も付いて行きます。お二人は待っていてください」

 二つの足取りが重なり、出口へと伸びる廊下が足音で鳴り響いた。

889 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:11:16 ID:l9E3ljHY0
       

890 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:11:54 ID:rW1hqsOB0


 全く、針のむしろに座る思いとはこのことか――――。
 手懐けるだけで一苦労の“駒”達。現在自分が腰掛けている椅子から向かって右の青年――イブキに、離れているテーブルとはいえ、視界の正面で堂々と腕を組む女――城光。
 首輪の調査に放送内容のチェック、ようやく落ち着こうかという局面においても、この二人が場に撒き散らす対照的な雰囲気が、ロビーの居心地をギリギリのところまで悪化させている。
 前者は、この様な理不尽な殺し合いの場にいるにも関わらず平然とリラックスしている。そののほほんとした態度にはちょっとした嫌悪感を覚えるしかない。
 間接的に幾度か文句を口にしてみたが、頭が固いらしく意図が通じない。既に何度も感じているが、やはり嫌な意味であの男そっくりだ。
 一方の後者は、下手な行動に移ればその場で殺されるのではないかと思うほど、体中から得体の知れない雰囲気――闘気とでも呼んでおくとする――を漲らせている。
 この女、もう少しそれらしくして黙っていれば結構な美人に思えるが、雰囲気や口調、態度で全て台無しだ。そういった要因に限って言えば皮肉にも自分が一番良く知る女性に酷似していると言える。
 両者の対照的雰囲気が中和という形となれば言うことは別に無い。だが現状このまま時を過ごすのは耐え難いものがある。

 それだけでも手一杯なのに、更に厄介と言えるのが視界の左側で俯く一般人――長田結花。
 自分が口を開く度、小刻みに震えるその姿や行動は、最早「自分の弱さに脅えている」だけでは説明がつく様には思えなかった。
 どんな理由で脅えていようと、それが直接的被害を齎さないのであれば別に構いはしないのだが。
 自分とて一人の人間。他者と比べて明らかに自身が避けられている、というのは気分の良いものではない。
 いい加減に気分転換を行いところだ。荷物をとってきて朝食にでもしようか――等と考えていると、イブキと城光が会話し始めた。





891 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:12:10 ID:M7zWQ54J0



892 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:12:26 ID:l9E3ljHY0
        

893 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:13:09 ID:rW1hqsOB0
「……そうなんだ、ありがとう」
 会話に割り込んできた長田に会釈して立ち上がるイブキの肩に、慌てて手を掛ける。あくまでも、冷静を装ったままで、だ。
「どこへ行かれるつもりですか?」
 ……正直な話、ここでイブキにだけ離れられる訳にはいかない。
 両手に花、と言えば聞こえは良いかも知れない。が、明らかに違う。三百六十度を通り越して五百四十度別物だと断言できる。
 二人の人間が歩くには少々広い廊下。一定間隔で輝くライトが目に入るが、既に日が昇っている。
 別に点けておいても良いかと考えたが、イブキがスイッチの傾きを反対にした。前途の通り日光のおかげで支障は無い。
 整備不足か、少々自動ドアの動きが鈍い。荷物を置きに初めて訪れた際は反対の入り口を使ったが、あちらよりも色々と汚い。
 暗闇で詳しくは調べなかったが、駅らしきものを見つけたのもその時だった。こちらはサブで、メインで使われていたのがあちらの入り口だということだろう。

 開いたドアを通り抜ける程度の時間では、その位のことを判断するのが精一杯だ。
 触覚が澄んだ外気を、嗅覚は空気の匂いをそれぞれ感じ取る。そうなってしまうが最後、自我が緊張を緩ませ、可能な限りの休息を得ようとする。
 室外へと歩を進めてまもなく、バイクが目に入る。これで目にするのは二度目だ。傍らを進んでいたイブキがいっきに歩行速度を速め、シートに手を付いている。
 イブキが何かを取り出そうとしているサイドバッグへ焦点を合わし思考。「探し物」とは何なのか――確かに彼はこのバイクを初見時から「僕のバイク」と言っていた。
「あ、やっぱりっこにあったんだ〜」
 そう考えれば、現状を好転させる可能性を秘め得るものを心の底から期待する。程なくして腕が抜き取られ、その手先に掴まれているものは――――

「いや、何ですかそれ」
「見ての通りです」
 ――――トランペットだった。しかも色々と大事な部分が掛けていて演奏にも使えそうにない。
「いや、だから何故そんなものが入っているんですか……」
 期待しない方が良かった。多大な期待を寄せた分、反動のショックは二倍、いや三倍に増幅された。



894 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:14:24 ID:l9E3ljHY0
         

895 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:14:26 ID:rW1hqsOB0
「これで戦うんです。おかしいですか?」
「おかしいです」
 楽器で戦うなんて発想、何処の誰が思いつくものか――――思い起こせば、イブキは笛で変身していた気がするが。
 アギトやG3シリーズを知らなければ、彼の変身をみた時点でそういった発想に至ったのかも知れない。
 それにしても、変身は可能にしておきながら武器は与えないという主催者の意図は理解し難いものがある。
 殺し合いを要求するなら、彼にしか使えそうに無いこの楽器状の武器は誰が使用するか分からないバイクとセットにするべきではないだろう。
 実際バイクを見つけたのは城光だし、存在を気にも留めていなかった様だ。
 まあ、考えても無駄か。とりあえず、ロビーに戻ろう。

896 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:14:34 ID:Vwdkr/V50


897 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:15:39 ID:rW1hqsOB0


「早かったな…目当ての物は見つかったのか?」
 視線すら合わさない光だが、イブキは別に気にせず返す。
「はい、これです」
 右手にぶら下げていた音撃管・烈風を肩の高さまで持ち上げてみせると、ロビーが一瞬静まり返る。

「それ、トランペットみたいですけど……何に使うんですか?」
 結花が微妙な顔で烈風を指差しながら質問する。まさかこんな時に演奏なんてする筈があるまい。
 イブキが答えようとするが、彼の一歩前に進み出た北條が口を開く。コホン、と咳ばらいに続けて。
「彼の……武器だそうです」
 再度の沈黙。変身する人間が使う武器と言えば、基本的に刃物や火器。悪くて悪趣味な杖や強化型の警棒。それが基本認識であった光や北條は口を慎む。
 逆に、携帯電話で変身する知人を持つ結花と言えばそうでも無い。理解を示した顔を見せていた。

 やれやれ、といった表情の北條が座り込むのと入れ替えに、今度は光が立ち上がる。
「今度はあなたですか。何をする気で?」
「飯を探しに行くだけだ。これは話にならん」
 投げ捨てられた乾パンに目を通した後、光を見上げる北條。若干その表情には不安が塗られていた。
 彼が目にした女性の表情が、人間や怪人というよりは、野生の肉食動物のそれに思えたからだ。
 虎の先祖であるタイガーアンデッド、城光がこの程度で満足する筈も無いのは当然と言えた。
「じゃあ僕も、荷物取ってきますね」
 変調をさらりと流し、イブキも立ち去ろうとする。自分の分も頼む、という意思表示をしておいて、北條はトランシーバーを二人に投げる。情報交換の際に預かったものだが、調度良い。
「何かあったら、連絡します」

898 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:16:17 ID:rW1hqsOB0
「…………そいつは任せた」
 トランシーバーをデイパックに押し込んで、去り際に光がイブキへと投げ掛ける。北條にしなかったのは、彼女なりに結花へできる最大限の配慮だろう。
「分かりました。……じゃあ、行こうか?」
「は、はい……」
 結花は携帯に加え二つの支給品だけを持って、イブキへと付いて行く。
 一つは、デイパックの奥に入っていたマニュアルによれば、「変身」を可能にするという純白のカードデッキ。もう一つは、光から貰ったバングル。こちらは腕に付けたままというだけなのだが。
 三つの人影が消え、一人になった北條が呟く。

「やはり纏め役というのは、大変ですね」
 呟きは虚しくロビーに響き渡るだけだった。



「えーと、こっちかな」
 横にも縦にも長い廊下を、二人の男女が狭い間隔をとりながら歩く。
「道、分からないんですか?」
「荷物を隠した時は、もう一つの入口から来たからね。その近くなんだけど……」
 無理に強がりを言ったりしないイブキに結花は好感を持つ。加えて優くて、思いやりを持っている。
 いつもメールで励ましてくれた啓太郎さん、志を同じくした木場さんや海堂さん、そしてこのイブキさん。人間が皆、こういう人達だったら――――。
 そう考えて間もなく、彼女の視界には出口と外世界が映りこんだ。
「あ、あそこだ」

 「更衣室」というプレートが示す扉を開くと、少々息苦しい世界が広がる。
「これ、持ってて」
 ゆっくりとした口調と共にトランシーバーと音撃管を預け、イブキが隠していた荷物を回収する。
 結花は預かったそれを返そうとも思ったが、デイパック二つを持っている相手に持たせるのも忍びなく、そのまま部屋を出た。
「じゃあ、帰ろうか――――!?」「はい―――えっ?」
 扉を出て間もなく、二人が察知したのは足音。音源が角を曲がった先の研究室からだと気付いて間もなく、目を向けた角から長髪の男が現れる。

899 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:16:52 ID:l9E3ljHY0
          

900 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:17:19 ID:rW1hqsOB0


 ようやく近づいてきた気配に接触を試みようと、部屋から歩を進める。散々待たせてくれたお陰で変身の制限も解けている。
 歩き始めておおよそ百メートル、最初の角を右折。左折しては施設内から出ることになってしまう。
 確認できたのは二人の人間。利用するに足るか、否か。試しに話し掛ける。

「おはよう……参加者の諸君。放送を聞いての気分はどうかな?」

 男の方が即座に身構えた。「殺し合いに乗っている」とでも取られたのだろうか。だとすれば心外ではある。
「この首輪……これを外すだけの技術者ならば命までは奪わない」
 則ち、「それが出来ないなら殺す」という意思表示。後は相手の出方で全て決まる。

「結花ちゃん、逃げて」
 この場面で殿になってもう一人を逃がそうとする。確定だ。
 こいつは首輪を外せない。できるだけの頭があるなら、こちらから誘った時点で交渉の余地有りと判断するだろうに。
 男が荷物をその場に落とし、笛の様なものを取り出し、一吹き。良い音色ではある……が、場違いだ。
 笛を額まで持ち上げた男は、辺りに巻き起こした竜巻を縦に切り、その姿を変える。

「ハアッ!!」
 
 ライダーとは別の何か――鬼とでも言おうか――が、眼前に出現。
 一方で女は手に持った楽器状の道具を鬼に渡すと、逃げ出そうとする。
 ――逃がすものか。

901 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:17:36 ID:l9E3ljHY0
           

902 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:18:00 ID:rW1hqsOB0

「変……身」

 予め装着済みのバックルに突き刺すは紫のデッキ。
 扱いはマニュアルで可能な限り会得したつもりだが、感覚ばかりは実戦でなくては、な。
 デッキから左手でカードを抜き取り、右手の杖――ベノバイザーというらしい――に叩き込む。
 これにより何が起こるかは先の戦闘で確認済みだ。
 カードに描かれていたサーベルが飛来、左腕を伸ばして掴む。
 そして――――投擲。

 狙いは走り去る女。ただし直接当てはしない。あくまでも釘付けにするだけだ。
 女を塞ぐ様に壁へ刺さったサーベルを見て安堵。次いでその場に膝を付くのを確認。
 もう一人を見捨てる勢いで走れば逃げ切れただろうに。つくづく人間が愚かだと実感する。
 さて、後は鬼の方だ――――。

「ハッ!!」

 手に持っていた楽器は――銃だったらしい。一度放つと瞬時に距離を取り再び掃射してくる。
 だが大それた威力ではない。別段捌く程の価値は無い。
 それでも相手の有利なレンジで戦わせるのは不愉快だ。理想は接近戦。
 しかしこちらの武器たるサーベルは……壁に刺さったままだ。
 形勢不利――否、現状必要という訳でも無い。“これ”で十分だ。

「ハァァァァァァァァァァッ!!」
 
 叫びと共に地を蹴る。鬼の前方へ着地後、返したバイザーの柄で一突き。
 相手の体から散った火花がお互いの視界を曇らす内に、もう一度それを返しながら左を添える。
 視界の復旧と共に最上段から蛇頭を頭部へと振り下ろす。確かな直撃の感触。
 脳へのダメージが、管での銃撃を再開しようとした相手の腕を鈍らしたのを確認、右手一本でバイザーを短く握りなおし、追撃。
 更に左腕は鬼の右腕に密着した管を押さえ込み、地へと叩き落とした。

903 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:18:38 ID:l9E3ljHY0
            

904 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:18:40 ID:rW1hqsOB0
 投げ捨てたバイザーで管に地を滑らせ、強制的に距離を離す。互いに武器無しの状況。
 ようやく出現した反撃。右手首を捻ることでそれを去なし、三日月を描く軌道で蹴り上げる。
 数歩の後ずさりと、よろめき。それらが意味するのはしばしの間反撃不能という相手の状況。
 存分に堪能させてもらうとする。右は全力、左はその半分に力を調整してのコンビネーション。
 威力差を広げることで、本命の体感ダメージが広がることを期待する。
 右、左、右、左、左、右――――リズムをあえて崩すことで、相手の対応を遅らせる。
 全段の命中を確認するが、それでもこの鬼は倒れない。余程鍛えているらしい。
 無能とも当初は思ったが、誤解だった。非常に優秀な人材だ。

(俺の餌、としてはな……)

 一際強く踏み込み、蹴撃を突き刺す。遂に崩れ落ちる鬼。
 それと同時に聴覚が反応を示す。そう、女が助けを呼ぶ声。
 通信機を持っていたらしい。更に空いていた右手に握られたそれは、自分のそれと同型のカードデッキ。
 通信機をその場において、女が立ち上がる。左手に持ち替えたデッキを窓に翳し――。

 「へ……変身……」

 例えるならその姿は――騎士。だが悲しいかな、その風格に中身が見合っていない。
 おそらくこちらの見様見真似、変身できるかも半信半疑だったというところか。
 うろたえるその様を見れば予想するのは容易。
 ならば、精一杯足掻かせてから餌にしてやるまで、だ。

905 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:19:16 ID:rW1hqsOB0



 遠くから確かな戦闘音を耳に感じながら、北條が研究所の廊下を駆けていた。言うまでもなく、トランシーバーの通信を受けての行動である。
 もしもの事態に備えて、彼のトランシーバーと結花のデイパックは置いて来ていた。
 余裕があればデイパックにあったゼクトマイザーを携帯したかったが、マニュアルを読む暇など彼にありはしない。
 文字通りの丸腰なのだが、まだ最後の武器がある――問題はそれを生かせる相手かどうか。戦闘狂で無いことを祈りつつ、北條が角を曲がった。

 一層強くなった音を前に、北條は足を止める。次の角を曲がった先、そこでは間違い無く戦闘が行われている。
 それを理解しているからこそ、簡単には踏み込まない。背面を壁に当てながら、一歩ずつ進む。
 北條は六歩進んだところで、再び停止する。冷静に耳を研ぎ澄ますと、掛け声が三つ聞こえた。
 北條はその内二つがイブキと結花によるものだと判断して、遂に顔を一瞬角から出す。
 そして目にする。「鬼」と「騎士」と「蛇」の舞い踊る混沌の戦場を。

906 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:19:32 ID:l9E3ljHY0
             

907 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:19:54 ID:rW1hqsOB0



 威吹鬼の手元に握られた音撃管が咆哮し、王蛇の装甲に着弾する。
 ものともせずベノバイザーで突き掛かる王蛇の戦い方には、明らかな余裕が見て取れた。
 威吹鬼が数歩後退すると、入れ代わる様にファムが王蛇の懐へと飛び込み、ブランバイザーを振るう。
 型も何も無い力任せの振り方。振る者によっては強引に押し込めたかも知れないが、乃木の変身した王蛇と結花の変身したファムでは、技術も力も前者に軍配が上がる。
 王蛇が回避しながらベノバイザーを当てに行く。二つのバイザーが拮抗した衝撃が空気を揺らし、様子を伺う北條にまでそれを感知させた。
 態勢を立て直した威吹鬼が音撃管を構えるが、意図的に王蛇がファムと密着した為に攻撃できない。
 無理して撃ったところで、王蛇の装甲にダメージを与えるには至らないことは威吹鬼も承知している。
 清めの音にしても威吹鬼にとって未知の存在であるワーム――乃木に通用する保証が無い。鬼石を埋め込むことができるとも思えなかった。
 威吹鬼は音撃管をその場に置くと、王蛇へ向けて駆け出す。肉弾戦は不得手だが、止むを得ない。
 風を纏っての手足からの連撃が、王蛇の体を少しずつ裂いていく。そこにファムの追撃が加わり、いよいよ攻撃を捌き切れなくなる。

「思ったよりは粘るものだな……」

 王蛇が壁に突き刺さったベノサーベルを抜き取り、威吹鬼に向けて先端を射抜く様に向ける。

「だが、それもここまでという訳だ」

 北條は戦慄していた。明らかに態度を変えた王蛇に対して。こうなるなら先に仲裁へ入るべきだったと後悔するが、遅すぎた。今行うのは危険すぎる。

 ――介入する次の機会は、戦局が落ち着いた時だ。

 得物を構えた王蛇が威吹鬼とファムに向けて走り出す。威吹鬼が迎え撃つ中、ファムは一枚のカードを取り出す。

 ――SWORD VENT――

 思い出したかの様に差し込まれたカードの名を告げる電子音の後、飛来する薙刀――ウイングスラッシャー。

908 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:20:41 ID:l9E3ljHY0
             

909 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:21:28 ID:rW1hqsOB0


 ベノサーベルが威吹鬼の鍛えられた肉体を切り刻む。威吹鬼の反撃も王蛇へと直撃するが、威力の差は両者の状態を見れば一目瞭然だ。
 そこに背後から孤を描き迫る一刀。返す刀で王蛇は受け止めるが、体勢が悪かった。
 振り下ろされたことで威力を増したファムの斬撃は、サーベルを弾き、余力で王蛇の胸板をも切り裂いた。
 だがそれで終わる王蛇でも無い。すぐにファムの腹部へ二発、威吹鬼の頭部へ一発ずつ拳を浴びせると、距離を広げる。
 数十メートルともなろうか――「必殺技を使う」のには十分な距離と言えた。
 王蛇がカードを抜く前に――威吹鬼が接近さえしていなければの話だったのだが。
 追い付いた威吹鬼が王蛇を押さえ込み、遠方のファムが一枚のカードを取り出す。

 「滑稽だねぇ……」

 それでも乃木怜治が怯まなかったのは、威吹鬼の行動がもう一人の追撃までの時間稼ぎにすぎないと理解していたからだ。
 「自身の命を投げ打ってまでの足止め」ならばともかく、「自身の命を確保した上での時間稼ぎ」に、何を脅える価値があるだろうか――。
 威吹鬼をバイザーで再び突き放し、カードを抜き取る。そこに一切の動揺も王蛇は見せない。
 緩やかに、確実に「ファイナルベント」のカードを読み込ませようとした、その時。

 「……なっ!! ……馬鹿な!!」
 
 変身を解かれながらも、横転しながらイブキが使役した式神が、王蛇の指先からカードを弾く。
 その火の鳥を睨む間も無く、遠方から勝敗を決しようとばかりに電子音声が鳴り響いた。

 ――FINAL VENT――

 ファムの契約モンスターブランウイングが、自動ドアから飛び出して王蛇の背後から突風で吹き飛ばす。
 そう、これで無防備な王蛇が飛ばされて来たところを切り付けることで決着する。
 イブキが、北條が、そして結花さえもが勝利を確信した一瞬、それを嘲笑うかの様に乾いた音声が廊下に鳴り響いた。

910 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:22:10 ID:rW1hqsOB0

 ――STEEL VENT――

 北條が音声から何が起こるのか推測し終えるのと、突風の勢いに乗った王蛇がウイングスラッシャーでファムの装甲を深々と斬り付けたのは、ほぼ同時のことだ。
 既に声の形を成していない叫びを上げて、ファムが結花の姿に戻る。

「つまらん。二人掛かりでこの程度か」

 僅かな静寂を破り、結花の首輪に薙刀を突き付けた王蛇――乃木が嘲笑する。

「あ……あ…ぁ……」

 結花の顔に浮かぶ紋様は、唯一それを目にした乃木に「長田結花は人間では無い」という事実を示唆しただけで、それ以上の意味を成さない。
 王蛇の握力が落ちることは無く、死へのカウントダウンは継続する。
 オルフェノク化して戦う気力があれば話は別だが、結花の精神はもう死を待つばかりだ。
 不意に、結花は自身が助けを呼んでいたことを思い出す。
 北條に関しては人間である上、情報交換の時点で戦力が無いと語っていたことから結花も当てにはしていない。
 しかしもう一つの可能性を彼女は捨てていなかった。
 城さんなら、城さんならきっと――――。
 一方、乃木は一考する。今腰部に据え付けられたデッキに眠る「契約」カードの存在。
 目の前に転がって放置された純白のデッキを踏み潰せば、解放されたブランウイングとの契約を行える。
 上げ幅は不明だが、戦力が増すのは間違い無い。直接そのデッキを使うという選択肢もあったが、好んでファムに変身するのは女性だけだろう―――などということを。



911 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:23:03 ID:rW1hqsOB0

 ――結論から言えば、乃木は契約を断念した。理由は単純明快、「より強力なモンスターと契約する為」。
 乃木の見た限り、白のデッキに他のデッキに対する優位性を誇示するカードが見られなかった為だ。
 ならばより強力かつ、契約することで協力なカードを得ることのできるモンスターと結ぶべきだ。
 デッキの処遇を決めたところで、乃木が再び視線を少女へ移す。
 変身のリミットも近い。それでも、目的から逸脱すると理解しながらも、敢えてもう一度口を開く。


「…………助けが来ないな。君も所詮――――」


 その先は、彼女には聞こえなかった。いや、聞かなかった。
 彼女の視界に君臨していた紫の蛇が、涙によってその存在を曇らせる。
 結花が心の奥に抱いた、不安。助けは来ない。自分はここで死ぬ――
 ゲームに乗っていた危険な人間、剣崎のことで明らかに動揺していた。
 彼女ももしかしたら――――マイナス思考は重なり続ける。
 やがて全てが彼女の敵となる。――則ち、無機質な廊下の壁の香り、間隔が短くなるばかりの呼吸音以外何も聞こえない、空間の沈黙。
 倒れ込んでいる彼女の背中が触れている床も、スイッチを切られて輝きを失ったライトも該当するだろう。

「さらばだ……」

 振り上げられたスラッシャーは、その動作を巻き戻す様に同軌道を逆に進む。
 イブキが立ち上がり、北條が交渉を行おうとしたのとタイミングは同時。
 一人の少女が確信する。――――ああ、自分は舞台から降りるのだ――――、と。

 その確信に間違いは無かった。そう、ただ退場の仕方が違うだけで。
 角から飛び出そうとした北條を制し、神速で踏み込む影。右の一歩で王蛇の注意を引き、次の左による一歩が完了の踏み込み音を鳴らす前に右で手首を蹴り上げる。
 天井に跳ね返り、降下したスラッシャーが影の手元に収まり、王蛇が左手のバイザーを握り直す。
 その二本が互いの首輪に突き付けられるのと、突き付け合う二人の一方が城光その人だと結花が気付いたのはほぼ同時のことだ。



912 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:24:51 ID:l9E3ljHY0
               

913 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:25:11 ID:rW1hqsOB0
「ほう……遅れてきただけのことはあると言う訳だ」
「早く行け……」

 光が流し目で立ち上がったイブキに視線を送る。同時に王蛇の変身が解け、長髪の男――乃木に戻る。
 両者の首輪から脅威が去り、同時に二人が爆ぜる。
 乃木の右ストレートに光が左腕で合わせると、返しの膝蹴りが腹部を襲う。
 瞬時に退いた身が追撃に備え防御態勢へ変化するのを見届けるよりも先に光が左腕を振り抜く。
 デイパック一つに音撃管を入れて走り出したイブキが、光の投げ捨てたものに気付く。
 「竜巻」のキー。それは研究所からの脱出を求めるメッセージ。
 身を屈めて掴むと、続けて結花に手を差し延べるイブキ。それを掴む以外の選択肢が彼女にあるだろうか。
 必死に掴み立ち上がると、そのまま角を曲がる。様子を伺っていた北條に気付くと、イブキは頭を下げながら走り抜ける。
 結花に至っては北條を気にする暇も無い。北條としても二人の無事を確認したという事実で十分だ。

 乃木としては二人の生死などもはやどうでも良いこととなっていたが、それでも相手の思い通りに物事が進行するのに不快感を示す。
 二人を追わせないとばかりに繰り出された光の殴撃を受け止め、左足で蹴り込むと、三メートル程間合いを広げられ交わされる。
 その間は乃木にはとって広すぎた位だ。彼の体がワームに変貌し、加速を開始しようとする。
 光もアンデッドに変化するが、既に時遅し。クロックアップしたカッシスワームが駆け出し――

 ――刹那、空を裂きながら一筋の矢がカッシスの背部に飛び込み、停止させる。

 鈍い動きでカッシスが振り向き、視線の到達点がタイガーアンデッドのそれと重なる。その地点を同じ様に見た北條が驚愕する。

 ひたすら道なりに移動した結果研究所に辿り着き、戦うべき相手を見つけた戦士がそこには立っていた。

「第……四号……?」

914 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:26:16 ID:rW1hqsOB0


 背部を襲う衝撃に、クロックアップを止めざるを得なかった。
 どの道利用価値のほとんど無い二人だ。首輪を外すまでは勝手に泳がせておけば潰し合うだろう。
 今は女の変化した虎と新たな来訪者の相手が優先だな。
 振り向いて来客の姿を確認する。緑の複眼に、同様の配色の左右否対称装甲。姿はライダーに近い。
 向かって右側――左手にはボウガン。右手が弦を引き絞るのを確認。そのまま発射してきた。
 正確な射撃だが……故に迎撃も容易。左腕を横に振るい叩き落す。
 安心する間も無く向かってくる虎。右甲の細剣で迎撃。

 ――――早い!?
 
 振り切ることなく右腕の動きが停止し、カウンターで二段蹴りを浴びる。
 侮っていた。威力にこそ欠けているが、命中精度と攻撃速度ではこちらが劣る位かも知れない。
 ようやく振り終えた左の大刀を振り直す。やはり避けられる。しかし今度は一撃では無い。
 人間やライダーの時に比べると機動性で劣るが、右足を思い切り振り上げる。
 無防備な腹部を蹴り飛ばす事に成功。次は「緑」のライダー――否、「赤」のライダーに向き直る。
 色が変わったということは、スペックや戦闘パターンも変化しているのだろう。
 外見は逞しくなり、手元から銃が失せていることから考えて肉弾戦仕様。
 力量を計るのには最適な戦闘方だ。受けて立つ。
 
 「うぉぉぉぉ!」
 振るわれた拳を右手で受け止める。迷いの感じられない拳。既に自分と虎、どちらが連中の敵味方かは把握済みということになる。
 密着した所へ飛び掛ってくる虎。あくまでもこちらだけに狙いが絞られている。
 大剣による威嚇で虎を怯ませ、細剣で赤の胸板へ斬撃。
 血飛沫が飛び散っていること、赤の痛み様からを考えるに、装甲を纏っているのではなく、純粋な「変身」。
 ならば変身を解かせるまでもなく、痛めつければ勝利は掌中におさまる。
 虎が離れた瞬間、最大限の力で逆袈裟に切り付けると、赤が血と火花を纏いながら大きく吹き飛んだ。
 しばらくは戦線復帰できまい。これでまた、一対一だ。

915 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:26:37 ID:l9E3ljHY0
                 

916 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:27:47 ID:rW1hqsOB0
 虎の戦い方は非常に面倒だ。痛烈な一打こそないが、決定的な一撃を受けない立ち回り。
 時間切れになってもこちらの負けだということを忘れてはならない。

 何度目になるか分からない牽制のぶつけ合いの最中、再び色を変化させたライダーが接近を続けていた。
 銀の鎧に紫の縁取り、右手には重く構えた紫金の剣。
 
 その緩やかかつ重厚な歩みから、一撃に賭ける確かな重みを感じ取る。
 受けて立つ。それを崩すことで、完全な勝利を得る為に。
 
 鍔迫り合いの形になる。赤から腕力が上がっているのを実感するが、それでもこちらが優位。
 右手を重ねて、更に押し込む。虎に対する防備が甘くなるが、やむを得まい。
 確実に弱まっている抵抗。出血も止まっていない。
 力任せに押し込む。衝撃と共に、完全に打ち勝った事を確信。

 ――いや、違う。紫はブラフ……か。

 青に変わったライダーが、剣から変化した棒で肩を叩く。しかし、威力が低い。
 腕力が低下したということは、別の部分が強化されたことを意味する。
 一瞬で視界の外まで飛び上がったということは、強化されたのは跳躍力。

917 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:27:54 ID:l9E3ljHY0
                  

918 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:28:27 ID:rW1hqsOB0
「チィ……………ッ!」

 必要以上に目で追ったのが誤算だった。側面に強烈な圧迫感。虎の渾身の一撃だと把握。
 追撃に備えて防御。背後で青が両腕を広げて構えているが、まだ攻撃までには時間が――――

 ――――無かった。一気に駆け寄り、天への飛翔。その回転の中で赤へと変化し、蹴りこんで来る――――

「おりやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 一本取られた。正直にここまで足掻いたのは評価したい。威力も十分だろう。
 胸部で衝撃を吸収。発生した電撃はこちらの脚部へ移動。
 同様に飛び上がり、前方一回転。勢いをつけ――

「おりぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 そのまま衝撃を返す。横転し、愚かな人間の姿へと戻るライダー。
 虎の方も粘ったが…………悲しいかな、二度目のクロックアップには十分な時間が経過した。
 高速で移動し、立て続けに切りつける。袈裟から逆袈裟へ、更にもう一方で薙ぎ払う。
 案外簡単にこちらも変身が解ける。所詮他の参加者など、この程度だ。
 これで目的は達成となる。後は出てくるのを待つのみだ――――本命が。

「そこの君……仲間を殺されたくなければ、出てきたまえ」

919 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:29:11 ID:rW1hqsOB0


 角から北條が姿を出す。完全敗北とは正にこのことだ。絶望を通り越して笑みすら浮かべる。

「何か……御用でしょうか」
「見たところ非戦闘要員にも関わらず離脱していなかったということは、君の方こそ用があったのではないかな」
「話が早いですね。……そこの二人を見逃して頂きたい。……私の代わりに」

 地に伏せながら光が、気を失う寸前だった五代が耳を疑う。

「君を手元に置くメリットについて聞きたいところだが……」
「首輪を外すお手伝いをさせて頂きたいのです」

 ワームから人間の姿に戻り、乃木の口元が微笑を浮かべていた。

「良いだろう。ただし君が使えないと判断した時、その場で俺が首輪のサンプルにしてやる」

 北條はそれを「ミスさえ侵さなければ殺されない」と解釈する――また、乃木もそう解釈させた。
 「首輪について調査した」記憶をも完全にコピーするワームの擬態能力を、北條は構想の中に入れ様が無いのだから。

「構いません。そうならない自信がありますので……」

 二人の顔から、笑みが無くなることはなかった。そう、二人の指し手が新たな駒をそれぞれ得ただけなのだから。

920 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:29:33 ID:l9E3ljHY0
                   

921 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:29:47 ID:rW1hqsOB0
【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【一日目 朝】
[時間軸] 43話・サソードに勝利後
[B-7 研究所]
[状態]健康。王蛇、カッシスワームに2時間変身不可。
[装備]カードデッキ(王蛇)
[道具] 携帯電話、その他基本支給品×2(乃木、イブキ)
[思考・状況]
1.北條透を見定める。使える人間と判断した時点で殺害し擬態、そうでなければ首輪のサンプルにだけする。
2.ゲームの早期決着。
3.参加者の中でもZECTの諸君は早めに始末を付けたい
※備考
※ライア・ガイのデッキが健在の為、王蛇のデッキには未契約のカードが2枚存在します。
※ユナイトベントは本編で再現された3体の場合しか発動しません。
※ワーム状態は第二形態の為フリーズが使用できません。通常のクロックアップのみ可能です。
※人間体での高速移動は行えません。
※変身にかけられた時間制限をほぼ正確に把握しました。
※天道について知っている訳では無いので、「カブトの資格者」が死んだことを知りません。

922 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:30:24 ID:l9E3ljHY0
                    

923 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:30:27 ID:rW1hqsOB0
【北條透@仮面ライダーアギト】
【1日目 朝】
【現在地:B-7 研究所】
[時間軸]:最終話
[状態]:精神的に大きな疲労。
[装備]:なし。
[道具]:携帯電話・地図・マグライト
[思考・状況]
1:乃木を利用しつつ首輪を調べる
2:城光及び未確認生命体四号を現状味方と認識。救出に若干の期待。
3:長田結花を保護すべき民間人と認識。
3:友好的な参加者と合流、敵対的な参加者を警戒。
4:無事に戻った暁にはスマートブレインを摘発する
※備考
※首輪の外見についてほぼ正確に把握しました。

※研究所のロビーに、トランシーバー一つと結花のデイパック(基本支給品、ゼクトマイザー)が隠されています。

924 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:31:07 ID:YDOCy1wm0


925 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:31:15 ID:rW1hqsOB0
◆◆◆

 研究所から少し離れた民家。「竜巻」により難を逃れた結花とイブキ。
 疲れからか、眠りに落ちた結花を見守るイブキの顔にも笑顔は無い。
 無力だった自分。その為に危険へと身を晒した仲間。そして乃木が結花へ発した言葉――。
 本当はトランシーバーで連絡を取りたかったイブキだが、相手に渡っている可能性から踏み切れずにいた。
 今の自分にできることが目の前の少女を守ることだと心に刻むことしかできない鬼の姿は、微量の無力感を醸し出していた。

【和泉伊織(威吹鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 朝】
【現在地:B-7 研究所南の民家】
[時間軸]:35話付近
[状態]:多数箇所に負傷、腹部に裂傷(小程度)。威吹鬼に1時間30分変身不可。
[装備]:変身鬼笛・音笛、音撃管・烈風、陰陽環
[道具]:携帯電話、北條のデイパック[地図・携帯電話・マグライトを除く基本支給品、ディスクアニマル(アサギワシ)]、「竜巻」(HONDA Shadow750)
[思考・状況]
基本行動方針:戦いを止める。
1:長田結花を庇護対象の未成年者と認識。安全を確保する。
2:北條、城光に対する心配
3:デネブって人、どこにいったんだ?
3:友好的な参加者と合流。
※備考
※陰陽環の式神(火の鳥)は使用者から数メートルの距離までしか飛べません。また殺傷性能が低く制限されています。
※なぜか変身しても服が消えません。
※研究所から脱出する際、北條のデイパックを回収しました。中身は未確認です。
※乃木の言葉から長田結花が人間なのか疑問に持ち始めました。

926 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:31:52 ID:rW1hqsOB0
【長田結花@仮面ライダー555】
【1日目 朝】
【現在地:B-7 研究所南の民家】
[時間軸]本編第41話終了直後(武装警官を一掃する直前)
[状態]小程度の負傷、睡眠中、人間への不信感・憎悪(軽度)、ファムに1時間30分変身不可
[装備]無し
[道具]ライダーブレス(ケタロス:資格者不明)、トランシーバー
[思考・状況]
基本行動方針:木場、海堂と合流する
1:城光が心配だ。
2:「人間ではない」城光に若干の好意。「人間」の「警官」北條には強い警戒心。
3:イブキさん……(どきどき)

※敵対的であろう人物と友好的であろう人物について,ある程度の共通見解が生まれました。
敵対的:風のエル、剣崎一真、「白い怪物」、橘朔也(優先的に排除)
友好的:風谷真魚、日高仁志、桐矢京介、木場勇治、海堂直也
要注意:金居、桜井侑斗、葦原涼(警戒)
ただし、友好的な相手に対する方針は統一されていません。

927 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:32:40 ID:rW1hqsOB0
◆◆◆

「……ここは……」
「気付いたか。大人しくしていろ。負傷具合が酷い」

 反論しようとしたところで、体中を襲う痛みの感覚が蘇る。
 北條と乃木の取引によって、平然と見逃された二人。

「そうだ、あの男の人は?」
「研究所に今もいるだろう」

 その発言から現在地が研究所で無いことを判断する五代。

「拾えるものは拾っておいた。…………舐められたものだがな」

 傍らのデイバッグを光が指差す。五代の装備がそこには転がっている。平然と乃木がそれらを回収させた、ということになる。

「ありがとうございます……あいつを、倒さないと……」
「無茶は止めることだな。認めがたいが、容易に討てる相手ではない」

 
 乃木の絶対的自信に腹を立てる光。現状唯だ一つだった首輪解除の道も閉ざされた。
 一方の五代も嘆く。他人の犠牲によって生かされ続けている自分に。
 二人に共通するのは、ここで立ち止まってはならないということだ。
 それを承知しているが故に、戦意は決して失わない。それぞれの目が見据えるものは――

928 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:33:24 ID:rW1hqsOB0
【城光@仮面ライダー剣】
【1日目 早朝】
【現在地:B-7 研究所西の民家】
[時間軸]:40話、トライアルについて知った後
[状態]:膝などに軽い擦り傷。空腹。腹部に裂傷(中程度)。タイガーアンデッドに1時間30分変身不能。
[装備]:カードデッキ(ファム)
[道具]:基本支給品・トランシーバー・ラウズカード(スペードQ/K)
[思考・状況]
基本行動方針:このゲームから脱出し、金居とは正統なバトルファイトで決着をつける。
1:首輪解除にもっとも近い道を選ぶ。
2:長田結花を心配。
3:他の参加者とは必要以上に関わる気はない。邪魔ならば排除するが基本的に放置。
4:剣崎の死、北條の言葉、乃木との戦闘から首輪制限下における単独行動の危険性を認識。
※備考
※結局食物は入手できませんでした。
※五代とは情報交換をしていません。

929 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:33:36 ID:l9E3ljHY0
                    

930 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:34:13 ID:rW1hqsOB0
【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【1日目 朝】
【現在地:B-7 研究所南の民家】
[時間軸]:33話「連携」終了後
[状態]:全身打撲、負傷度大、疲労大程度、クウガに1時間30分変身不可。
[装備]:警棒@現実、コルトパイソン、ホンダ・XR250(バイク@現実)
[道具]:警察手帳(一条薫)
[思考・状況]
基本行動方針:絶対殺し合いを止め、みんなの笑顔を守る
1:北條(名前は知らない)を救出。
2:参加者
3:白い未確認生命体を倒す。
4:金のクウガになれなかったことに疑問。
5:ダグバを倒す。
6:城光に協力
※第四回放送まで、ライジングフォームには変身不能
※ペガサスフォームの超感覚の効果エリアは1マス以内のみです
また、射撃範囲は数百メートル以内に限られます。
※ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームには変身可能。ただし物質変換できるものは鉄の棒、拳銃など「現実に即したもの」のみで、サソードヤイバーやドレイクグリップなどは変換不能。
※葦原涼の「未確認生命体事件」の終結を聞き、時間軸のずれに疑問を持ちました
※光とは情報交換を行っていません。

931 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:34:27 ID:1Bgl9Vn/O



932 :指し手二人 ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 22:34:56 ID:rW1hqsOB0
投下終了です。感想、指摘等お待ちしています。

933 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:35:40 ID:hylj9aYn0
>>932
投下乙です。
乃木のチートぶりに笑いました。

934 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:37:29 ID:l9E3ljHY0
投下乙。
乃木さん対対主催者チームの戦闘描写が上手い。
ラスボス級の力のある彼の格を見せ付け方がよかったです。
北條さんの取引も彼らしい。
上手い具合に散らばったチーム。
今後が見逃せません。GJ!

935 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:53:25 ID:/tr2vP/cO
投下乙です!

北條さんが色々とカッコイイですなw
接近中のバダー含め今後激化するであろう研究所戦の幕開けに相応しい内容でした。

GJ!!

936 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 22:55:25 ID:Vwdkr/V50
投下乙!
相変わらず戦闘描写が上手いですね!
乃木さんが強い……彼を倒すのは容易じゃなさそうだ。
一人残った北條さんはどうなるか……散り散りになった彼らが再び集合するか、気になります!
GJ!!

937 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 23:00:59 ID:uHUWAhOGP
投下乙です。
北條さんがきわどい立場に……。脱落者は出なかったと言え、分散してしまったのがどう出るか。
乃木さんも実に手強い。
この先がとても楽しみです。

あ、スチールベントはStealかなと。

938 : ◆N4mOHcAfck :2008/06/14(土) 23:08:30 ID:rW1hqsOB0
感想ありがとうございます。

>>937
完全にミスりましたw wiki収録時修正させていただきます。

939 :名無しより愛をこめて:2008/06/14(土) 23:48:22 ID:dcbYJiyZO
>>916

>  虎の戦い方は非常に面倒だ。痛烈な一打こそないが、決定的な一撃を受けない立ち回り。
>  時間切れになってもこちらの負けだということを忘れてはならない。

>  何度目になるか分からない牽制のぶつけ合いの最中、再び色を変化させたライダーが接近を続けていた。
>  銀の鎧に紫の縁取り、右手には重く構えた紫金の剣。
>  
>  その緩やかかつ重厚な歩みから、一撃に賭ける確かな重みを感じ取る。
>  受けて立つ。それを崩すことで、完全な勝利を得る為に。
>  
>  鍔迫り合いの形になる。赤から腕力が上がっているのを実感するが、それでもこちらが優位。
>  右手を重ねて、更に押し込む。虎に対する防備が甘くなるが、やむを得まい。
>  確実に弱まっている抵抗。出血も止まっていない。
>  力任せに押し込む。衝撃と共に、完全に打ち勝った事を確信。

>  ――いや、違う。紫はブラフ……か。

>  青に変わったライダーが、剣から変化した棒で肩を叩く。しかし、威力が低い。
>  腕力が低下したということは、別の部分が強化されたことを意味する。
>  一瞬で視界の外まで飛び上がったということは、強化されたのは跳躍力。

940 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 01:24:30 ID:4BBpqWAw0
◆iwvnMf7HkM氏の予約 香川英行、ゴ・ガドル・バ、桜井侑斗、金居 が一日連絡がなかったため、破棄となります。

941 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 01:36:53 ID:FRRVBPKKO
投下乙です!
やっぱり乃木さんは強いですね!連戦にも揺るがない余裕に痺れました。
北條さんがヤバイw上手く立ち回って欲しいです。
イブキさん&長田さん、五代&虎姉さんのチームもどう転がるか大変楽しみです!
GJ!!

942 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 03:03:16 ID:O4fUYyHf0
乙&GJでした
乃木が強すぎる!
力、技術、頭脳を兼ね備え、どこぞのCCOの如く余裕は持っても慢心しない乃木さんはやっぱり圧倒的ですね
威力に上限があるとは言え、必殺技無効とコピーも強力だなぁ
逆にコレがなければ今回で脱落してたかも・・・
北條にさんに関してですが、微妙にピンチですね
擬態してしまうと戦闘技術に多少影響が出てしまうかもしれないのでギリギリまで殺されないとは思いますけど
今後のそれぞれの立ち回りに期待が膨らみます
しかし下世話な話ですが、長田さんとイブキのフラグが密かに立っちゃってる?
いやいや、海堂とケタロス、もとい啓太郎がいるさ!

いくつか誤字の指摘を
>>878「それに答えることは無い」>「それに応えることは無い」
>>887「明かりは付けていないが」>「明かりは点けていないが」
>>902「大それた威力」>「大した威力」もしくは「それほどの威力」
>>911「協力なカード」>「強力なカード」
>>913「交わされる」>「躱される」
>>914「最適な戦闘方」>「最適な戦闘法」
>>878>>902に関しては個人的に違和感を感じただけで少し自信がありません

>>940
ぬぅ、残念・・・

943 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 18:07:37 ID:48spXv9k0
スチールベントと必殺技コピー無敵や・・・

944 : ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:49:14 ID:ImXNxR0Z0
ゾル大佐、橘朔也、北崎 投下します

このスレ内で投下しきれる、はず

945 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:50:16 ID:ImXNxR0Z0
木々の隙間から漏れる朝の日差しが舗装された道を優しく照らす。
その穏やかな道をバイクで駆け抜ける青年がいた。
バイクに乗る青年、北崎の心は言葉に出来ないほどの高揚感に包まれている。
ほんの5分前まではコブラ男との戦闘で得た勝利の余韻に浸りながら駆け抜けていたが、
放送にて呼ばれた一条薫の名前、そして呼ばれなかった五代雄介への期待感。
この二つが北崎の心をどこまでも高揚させた。
この場に来て初めての獲物、一条。北崎は彼に感謝していた、含み無く、心の底から。

(こうして僕に勝利の喜びをくれただけじゃなく、仮面ライダーを、五代雄介って人を教えてくれた。本当に、感謝してるよ…一条くん…)

にぃ、と笑いながらこれから先に待ち受ける出会いに心を躍らせる。
北崎が向かうは市街地。理由は単純に人が集まりそうだから、というものだ。

走り続けていくと木々の間隔は疎らになり視界も開けていく。
眼前に広がる市街地。さらにその先には雄大なる海が見える。
それら全てが朝日に照らされ、美しく輝いている。
北崎はバイクを止め、しばらくその風景を眺めていた。全てが美しいその風景が北崎にもたらす物とは――

(全部灰にしたら、楽しいかなぁ?)

どこまでも純粋に、北崎は自らの破壊衝動に身を委ねる。これまでも、これからも。
眺めるのにも飽き、再びバイクを走らせ市街地へと入り込んでいく。ただひたすらに、自分を楽しませてくれる者を探すために。


946 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 18:50:43 ID:4BBpqWAw0
 

947 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 18:51:24 ID:4BBpqWAw0
  

948 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:51:27 ID:ImXNxR0Z0

市街地を走り続けてしばらく経つが、あいにく人の姿は一つも確認できなかった。
だがあちこちにある破壊の跡は紛れなくここで戦闘が行なわれた事を物語っている。
できれば自分も混ざりたかった、戦闘の跡を見かける度に北崎はそう思う。
そうやって辺りの光景を、人影を一つも見逃さないように集中していた為だろうか。
オルフェノクの優れた五感が、北崎に伝えていた。

(誰か、僕を見てる…)

十字路の中央でバイクを止め、ヘルメットを脱ぎ辺りを見渡す。同じような家ばかりが建ち並び、視線の主を特定するには至らない。
だがそれでも北崎には十分だった。何故ならこの近くに誰かがいるのは間違いないのだから。

(隠れても無駄だよ?だって僕には…これがあるもの)

牛のレリーフが飾られた緑のカードデッキを右手に持ちバイクのミラーに向けて突き出す。
突き出された右腕を左から右へとゆっくりと動かし――

「変身」

腰へと装着されたVバックルにカードデッキを差し込む。
幾重もの虚像が重なり、北崎の身体を緑と銀の装甲で包み込む。
機械的な印象を持たせる銃の使い手、仮面ライダーゾルダ。
正義の為の力となるはずだったその力は、今や純粋すぎる破壊衝動の化身となり、この地を破壊しつくせんと現れる。

「さーてと…まずはどこにしようかなー」



949 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:52:01 ID:ImXNxR0Z0

ゆっくりと辺りを見渡すがさほど意味はない。結局は全て破壊するのだから。

「うん、あそこにしよーっと」

――SHOOT VENT――

ゾルダの両肩に巨大なキャノン砲が装着される。その矛先を目標とした民家に向けて――

「Fire」

破壊の光弾を撃ちこんだ。純粋に、破壊するために。

          *   *   *


950 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:53:01 ID:ImXNxR0Z0
極一般的な住宅内に、二人の男が同じ声に耳を傾けている。
そう言うと単なる日常に思えるが男達の身なりと今の状況がそれを異質な物としていた。
男は黒いスーツをしっかりと着こなし、中身を知らない人間には冷静な男という印象を持たせる。
もう一人の男は時代錯誤な軍服に身を包み左目には眼帯が施されている。
威風堂々としたその面持ちに畏怖の念を抱かぬ者はいないだろう。

この二人に接点は無い。本来ならば出会うこともなかったであろう二人が何故行動を共にしているか。
殺し合い、という異常な状況故だ。その異常な状況でこうして同じ声に耳を傾ける。
異常な中での日常の行動はどこか奇妙な物を感じさせるが、恐らくこの風景は他の場所でも見られたことであろう。
何故ならこの声はこの殺し合いにおいて重要な情報源となる『放送』という類の物であるのだから。
放送の内容を簡潔に言えば今現在までに出た死者の読み上げ、新たな禁止エリアの発表。そして鉄道の存在。
長いようで短い放送は声の主である派手な女のウインクを最後に終了を告げる。

スーツの男、橘朔也。
軍服の男、ゾル大佐。
彼ら二人がこの放送でまず抱いたものは奇しくも同じ物であった。即ち――

「奴が死ぬ等、有り得ない…」

その呟きはゾル大佐から漏れた物だったが橘はその呟きから、ゾル大佐が自分と同じ思いを抱いた事を察した。

「誰が、死んだんだ?」

確認の為に名前を聞くがゾル大佐はそれを無視して携帯を操作する。どうやら名簿を眺めているようだった。
しばらく名簿を眺めるとフン、と鼻を鳴らして携帯を閉じた。

「やはりな。同じ名前があったわ。つまりは奴と同じ名前を持つ別の誰かが死んだというわけだ」
「…なるほど、一文字隼人か」
「うむ、なかなか察しがいいな。貴様も少しではあるが見たであろう?一文字隼人こそ倒すべき仮面ライダーの一人よ。
 今まで数々の我々の作戦をことごとく潰してくれたあの邪魔者がこうもあっけなく死ぬはずがない。
 どういうわけか知らないが同姓同名の者が紛れ込んでおった。おそらくはそちらの一文字が死んだのだろう」


951 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:54:03 ID:ImXNxR0Z0

ゾル大佐はどこかホッとした顔をしている、そう橘は思った。どういう心理が働いているのかわからないが、憎いゆえに情があるのだろうか。
ギラファアンデッドと対峙する直前にもわざわざ見逃した事があった事を思い出す。
合理的に考えればあそこで助ける必要等、例え自分の発言があったにせよ無いはずだ。
軍人というには少しばかり甘いというべきか、或いは一つの事に拘りすぎていると言うべきか。

(合理的すぎるのも印象を悪くするだけ、か。なるほど、よく出来た『人格』だ…)

何か考え事を始めたゾル大佐を品定めするかのような目で橘は見つめる。
その目の人に向けるものとは思えないほどに、冷たい。それもそのはず、ゾル大佐は人間ではないのだから。
人間ではなく、仮想現実に与えられた仮初の命。間違いない。

橘の仮想現実という考えは最早揺ぎ無いものとなっている。
先ほどの放送で呼ばれた名前の中にあった剣崎一真という男。
名前を聞いた瞬間こそ唖然としたが、仮想現実という事を考えるとむしろ笑いさえこみ上げてきた。
恐らくは自分の動揺を誘うために『死んだ』という事にしたのだろうが、剣崎の事を知らなすぎると指摘してやりたくなったほどだ。

(あいつは人を守る為に、自らを犠牲にし、そして友を封印した…どこまでも優しく、どこまでも強い男だ。
 その剣崎が死ぬはずがない。託す、という事をせずに全部自分で背負い込む男だ。こんな早くから死ぬ事は有り得ない)

禍木と三輪に続き剣崎。例え仮想現実とはいえ『死んだ』とされるのは、やはりいい気はしない。

(スマートブレイン、お前達は少しばかり俺達を侮辱しすぎた。覚悟しておくんだな…)

到底許せるものではない。許せるはずも無い。必ず脱出して…

952 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 18:54:57 ID:4BBpqWAw0
    

953 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:55:12 ID:ImXNxR0Z0

(…そういえば他の名前を挙げたのは何故なんだ?)

ふと思い当たる。単純に自分を嵌めるだけならば剣崎の名前だけでいいはず。
志村の交友関係を全て把握しているわけではないが、それでもまったく無関係そうな名前も挙げられている。
単純に考えるならば『演出』という奴なのだろう。このゾル大佐のライバルという『設定』の一文字という男のように。
だがそれにしては、数が多すぎる。その数の多さが物語るのはつまり…

(俺以外にもやはり、居るということなのだろうな。現実の世界から呼ばれた者が)

正直な所自分の記憶の内どこからが仮想現実なのか橘には目星がつかない。
当初はあの広間で眠らされた時と考えていたが…あの広間にはアンデッドとすら呼べない異形な存在もあった。
あのような存在があの広間にいるという時点で既に異常だ。恐らくはあの広間から既に仮想現実だったのだろう。
ではどこから?という疑問にぶち当たるが残念ながらその答えは恐らく見つけられないだろう。

招待状を受け取った時かもしれないし広間への扉を開けた瞬間かも。或いはもっと前という可能性もある。
それに仮想現実なのだからある程度の記憶の操作もできるのだろう。あくまでデータ上の記憶、という話ではあるが。
ともかく今の問題はどこからが仮想現実、という話ではなく自分以外の誰が現実の参加者なのか、これだ。

しかしこの参加者の見極めは困難か、あるいは不可能と言い切ってもいいだろう。
仮に今目の前にいる仮想の参加者であるゾル大佐に「お前は現実の参加者か?」と聞けばイエスと答えるだろう。
同じ質問を自分と同じ現実の参加者かどうか問えば当然イエスだろう。答えは一つしかないのだ。
例えば…何かこの場を仮想現実という事を証明できるものを見せつけ、それに肯定的な態度ならば現実の参加者、否定的なら…

(こんがらがってきた…というより一人で考えていてもこれは永遠に解決しない問題か)


954 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 18:57:49 ID:4BBpqWAw0
      

955 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:58:21 ID:ImXNxR0Z0
考えを切り上げゾル大佐の方を見ると未だに何か考えているようだ。
いや、或いはこちらの反応待ちなのかもしれない。それならそれで好都合だ――

「なぁ、大佐。そろそろ行動すべきだとは思うが…俺はより多くの参加者達と合流すべきだと思うのだが」
「ふむ…」

蓄えられた髭に手をやり、ゾル大佐は考える。
確かに部下が多いに越した事はないのは事実だが、多すぎてもただ邪魔なだけなのだ。
来るべき仮面ライダーとの決闘の時に下手な邪魔が入るようでは困る。
それゆえにゾル大佐は橘の提案に素直に頷く事ができなかった。

「どうした?誰かと合流するとまずい事でもあるのか?」
「橘、単純に数を増やせばいいというものではない。下手に数を増やすと内部に敵が入り込んだ時のダメージは計り知れない物となるのだぞ?」

ゾル大佐が仲間を増やす事に対する一番の懸念は、なによりもこれだった。
ある程度のグループを形成された場合、もっともダメージを与えられるのは内部からの工作なのだ。
それは人数が多ければ多いほど効果的で、事前に防ぐ事も困難となる。
ショッカー日本支部就任前、数多くの敵対組織を変装を用いた内部工作で崩壊に導いたゾル大佐だからこその懸念であった。
だが橘にとってはゾル大佐の言葉は単純に自分を他の参加者と戦闘以外で接触させたくない、という主催者側の意図のように感じられた。

「しかし二人ではやはり心もとないだろう?最低でも、あと二人は欲しい所じゃないか?」
「橘、逆に問うが何故そこまで他の者との協力を図ろうとする?」

ゾル大佐の目が鋭く光る。もしかしたら橘は自分を葬るつもりではないのか、その為の協力者が欲しいのでは?と考えたのだ。
可能性は十分に有り得る。当初は隙を見て一人でやろうとしたが自分の変身したその強さに恐れをなして一人では無理だ…と判断したのでは。
この殺し合いの場では裏切り等、当たり前の行為だ。やられた方が悪い。つまるところ…誰も信用等できはしないのだ。


956 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 18:59:12 ID:4BBpqWAw0
     

957 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 18:59:22 ID:ImXNxR0Z0

一方の橘もゾル大佐の雰囲気が変わったことを感じ取る。
もしかしたらこのまま我を通せば邪魔者と判断し、消されてしまうかもしれない。
だがおめおめとやられるわけにはいかない。ギャレンバックルにそっと手を当てる。

「言ってるだろう?協力者は多いに越した事はない、と…」
「ふむ…橘、貴様はもう少し利口な男だと思っていたぞ?」

ゾル大佐と橘はお互いを睨みつけながらゆっくりと間合いを開け――

「…?待て、何か聞こえるぞ」

二人の耳に聞こえてくるのは、独特の排気音。お互い聞きなれたバイクの音だ。

「誰か近くに来てるのか!」

橘が窓に近寄り辺りを見渡す。2階の窓から見える風景には変わりは、あった。
東の方角からバイクが一台姿を現した。遠目で詳しい容姿はわからないが、どうも男が乗っているようだ。
そうして見ていると男はバイクを十字路の真ん中に止め、ヘルメットを脱ぎ辺りを見渡し始めた。
何かを探しているのだろうか?恐らくは参加者か、はたまた別の目的か。

「ふーむ…男のようだな。橘、接触するのか?」
「いいのか?仲間を増やす事には反対だったはずじゃ…」

意外な言葉に橘は驚き、ゾル大佐の目を見つめる。
何か企んでいるのだろうか?真意は一体どこにあるのか?だがその目からは何もわからない。


958 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:00:24 ID:4BBpqWAw0
      

959 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:01:16 ID:ImXNxR0Z0

「…やはり接触するのはよそう。それより橘。動くぞ」
「な!?何故そうコロコロと意見を変える!理由を言え!」

意見が一貫しないゾル大佐に苛立ち、思わず詰めかかる。
だが当の本人は驚く様子も無く、いやどこか諦めさえ感じさせながら答えた。

「ふぅ…もう遅い、か。接触しない理由はアレだ」

そうやってゾル大佐が窓を指差す。橘が振り返り、窓から外を眺めるとバイクの青年の姿はいつの間にか緑の戦士となっていた。
両肩にはどう見ても大砲としか思えない代物が装着され、その大砲は丁度こちらを向いており…
橘が青年の変貌に気づいたのと、大砲の口から火を吹いたのはほぼ同じタイミングで――

「ボサッとするな!飛び降りるぞ!」

その声にハッとした時には既にゾル大佐は窓をぶち割り、脱出していた。
橘もそれに続くように割れた窓から飛び降りる。直後の着弾。
砲撃による爆風や瓦礫が橘の無防備な背中に襲い掛かった――

          *   *   *


960 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:02:17 ID:ImXNxR0Z0

ゆっくりと、砂利や吹き飛ばされた瓦礫の破片を踏み潰しながらゾルダは歩く。
埃を払いのけ、ちらりと瓦礫の山を見た後にゾル大佐はキッと歩いてくるゾルダを睨む。
ゾルダは構わず歩き続け、立ち止まる。二人の距離は5メートルといった所か。

「二人組みたいだったけど…一人はもう死んじゃったの?つまんないなぁ…」

瓦礫の山を指差しゾルダは残念そうに呟く。演技ではなく心から残念なのだ。

「ふん、不意打ちを食らえば並の者なら死んで当然。ましてやこれだけの威力の不意打ちならば、な」

ゾル大佐はデイパックを足元に置き、ゾルダとの距離を保ちつつ、ゆっくりと歩き出す。
丁度瓦礫の山とゾル大佐の間にゾルダが来る様な位置までくると立ち止まり、右手の平で左手の平を叩き出す。
つまりゾル大佐は拍手をしはじめたのだ。この状況で。

「見事だ。いや、流石といったところか」
「…なにそれ?命乞いのつもりなの?おじさん」

言葉の意味がわからずゾルダは少し苛立ちながらマグナバイザーの銃口を向ける。

「そんなことより、僕と遊ぼうよ…。ね、いいでしょ?」
「ふむ…よかろう。ほれ、こい」

ゾル大佐は拍手をやめるとすっ、と右手を突き出しクイクイと指先を動かしゾルダを挑発する。

「へぇー、変身しないの?それともできないの?何か企んでるのかなぁ?」

不穏な動きに警戒してゾルダは後ろに一、二歩下がる。
それを見てゾル大佐がにぃ、と笑う。まるで罠に掛かった、とでも言わんばかりに。

「逃げようとしても無駄だよ?見てわかるでしょ?僕には銃があるんだから」
「ふむ、そうだな…確かに逃げられないだろうな…」

961 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:02:18 ID:4BBpqWAw0
      

962 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:03:12 ID:4BBpqWAw0
       

963 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:03:22 ID:ImXNxR0Z0

「ただし、お前がだ!変身!」

ゾルダの背後の瓦礫の山から突如として聞こえてくる声、そして飛び出す光の板。
背後の事ゆえに咄嗟に反応できずゾルダはその光の板に吹き飛ばされる。
その吹き飛ばされたゾルダにいつの間にか変身を終えていたゾル大佐、いや、黄金狼男が唸り声を上げつつ右の重いストレートを放つ。
不意をつかれ、追撃も食らってしまったゾルダは地面で転がり、咳き込む。

瓦礫から変身を終えたギャレンが抜け出し、黄金狼男と並び立ち、ゾルダを睨みつける。

「橘、咄嗟にしてはよくやったぞ。よく私の意図を読み取れたな」
「瓦礫があいつの背後に来るように回り込んでいたからな…すぐにわかる」

指示せずとも的確に動いたのがよほど気に入ったのか、狼男は上機嫌だ。
だがその隣に立つギャレンは浮かれず、あくまで地に伏せるゾルダを睨みつけていた。

「ふぅー…ちょっと痛かった、かな?でもこれくらいが丁度いいよね…」

ゾルダはゆっくりと立ち上がり、ベルトからカードを引き抜きマグナバイザーへと差し込む。

――ADVENT――

先ほどの砲撃の衝撃を免れた民家の窓からゾルダの契約モンスター、マグナギガが現れその巨体を駆使し、狼男とギャレンを吹き飛ばす。
左右を民家の塀で囲まれた一本道で再び二人はゾルダと対峙する。先ほどと違うのはゾルダの側にマグナギガがいる点か。

「これで2対2、だね。あ!そうだ言い忘れてた…」

マグナバイザーを指一本でクルリと回し、銃口を突きつける。その姿はウェスタン映画のガンマンのようだ。

「僕は、世界一強いんだ」

          *   *   *

964 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:04:35 ID:ImXNxR0Z0

その言葉を皮切りに、ゾルダは思うままに乱射する。
左右を塀に阻まれ、狼男とギャレンはその身で銃撃を受け止める。だが好きにさせるつもりは毛頭無い。
狼男は自らの指先から、ギャレンはギャレンラウザーから銃撃を繰り出し対抗する。
その抵抗をあざ笑うかのようにゾルダはマグナギガの陰に隠れ、二人の銃撃をやり過ごす。
片方は銃撃をやり過ごせる遮蔽物があり、もう片方は遮蔽物と呼べる物は無く銃撃全てを身に受ける。
誰が見ても有利不利は明らかな状況に狼男が焦りの声を上げる。

「ちぃ、橘!あの牛をなんとかできんのか!」

その声に促されるようにギャレンは3枚のカードを引き抜き順番にラウズさせる。

――BULETT――
――RAPID――
――FIRE――

――Burning Shot――

コンボが成立し、ギャレンラウザーにアンデッドの力が漲る。
ゾルダの銃撃に間ができた隙に銃口をマグナギガへと向け、引き金を引いた。
炎に包まれ強化された無数の弾丸は、それこそ隕石のようにマグナギガへと降り注ぎ、その身を崩壊させていく。
辺りにはバーニングショットの衝撃による煙がたち込め、その威力を物語っていた。

「これで邪魔者は…っ!」

煙が徐々に晴れていき、ギャレンがそこで見たものは巨大な大砲を両手で抱えるゾルダだった。


965 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:05:21 ID:4BBpqWAw0
         

966 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:05:43 ID:T1c/sNeq0



967 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:05:49 ID:ImXNxR0Z0

この時、ゾルダは強力な攻撃(恐らくは射撃)が来る事を予測し、二つのカードをベントインさせていた。
まずガードベントを使い、マグナギガと自分の間に盾を呼び寄せ、次にシュートベントでギガランチャーを呼び寄せる。
マグナギガとギガアーマーによる2段の防御、即座のカウンターの用意を整えていた。
だがタイミング悪くマグナギガは役目を務める寸前で制限によりミラーワールドに帰ってしまう。
これにはゾルダも驚くが、ギガアーマーで防ぎきれなかった分はギガランチャーで対抗し、なんとかダメージは最小限で済ませる事ができていた。
もしもこの時ゾルダの思惑通りマグナギガで受け止めていれば恐らくマグナギガは倒れ、ゾルダはブランク体となっていただろう。
もっとも、当の本人はそんな事実は知らず、咄嗟に冷静に動けた自分はやはり最強だ、等と考えていたのだが…

「ふふ、お疲れ様」

ほんの数時間前に一つの命を奪ったギガランチャーを、今のお返しと言わんばかりに撃ちこむ。
回避が遅れ、砲撃を免れられないギャレンを狼男が突き飛ばし、砲弾を厚い胸板で受け止める。

「大佐!」
「ぬぅ…なるほど、少しは、やる!だが、この程度で倒れはしない!
 この身体は世界最高の技術力であるショッカーによって造られているからな!」
「へぇ…仮面ライダーじゃないのに仮面ライダー守るんだぁ、面白いね」

異形の者と仮面ライダーが協力する、という構図がゾルダに木場勇治とファイズの関係を思い起こさせる。
どこまで我慢できるか試してやる、そんな思いで再びギガランチャーを撃とうとするが、迫りくる赤い影がその行為を中断させる。

「オォォォォッ!!」
「近づけば勝てると思ったの…?」

ゾルダはギガランチャーを捨て、ストライクベントのカードをベントインさせようとして――カードを弾き飛ばされる。
ギャレンが走りながらも正確にギャレンラウザーで銃撃したのだ。
そのままギャレンは飛び上がり、さながらライダーキックのような体勢でゾルダへと迫る。

968 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:06:51 ID:ImXNxR0Z0

「っ!調子に乗るなよ…!」

飛び上がったギャレンをゾルダは見上げ、マグナバイザーを連射する。この距離でこれだけの連射を食らえばダメージは計り知れないだろう。
だがギャレンを破壊せんと放たれた弾丸は全てギャレンをすり抜け、空の彼方へと消えていく。

「なっ!?」
「そっちは分身だ!」

――UPPER――

ゾルダが自分の足元に視線を向けようと、下げたその顎にギャレンのフロッグアッパーが突き刺さる。
その勢いを殺さずにギャレンはゾルダの肩に両手をかけ、ゾルダを支点とするように縦回転する。
その最中に最後のAPを使い、トドメのカードをラウズする。

――DROP――

「ハァァリャァッ!」

フロッグアッパーを喰らったゾルダの後頭部に今度はホエールドロップの踵落しが炸裂する。
ギャレンが着地するとゾルダは少しフラフラとした後に、前のめりに倒れ動かなくなった。
最後のトドメの為にAPを回復させようとスペードのJをラウズさせようとするが、狼男がそれを制する。

「何故止める!」
「制限時間がある事を忘れるな、そろそろのはずだ…。それに奴にはまだ何か切り札が残されている、ここは退くぞ」
「…あぁ」

デイパックを手にすると狼男は即座に走り去ってしまう。
確かに狼男の言葉は正しい、だがこの戦いの最中で浮かんだある仮説が、その言葉に別の意図を感じ取る。
ギャレンは自分のデイパックを回収し、倒れたままのゾルダを一瞥した後、狼男を見失わないように追っていった――

          *   *   *

969 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:07:13 ID:T1c/sNeq0



970 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:07:54 ID:4BBpqWAw0
          

971 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:07:58 ID:ImXNxR0Z0

「あ〜あ、逃げられちゃった…」

ギャレン達が去った事を感じ取ったゾルダは何事もなかったかのように立ち上がると、クビをコキコキと鳴らしながら自分のバイクの元へと歩く。

「せっかく、準備してたのになぁ…」

マグナバイザーには既にファイナルベントが差し込まれており、あとはバイザー本体に装填するだけだった。
ギャレン達が勝利したと勘違いし、油断した所を一気に仕留めようとしたのだが、狼男にそれを遮られてしまった。

「あ〜あ…あ〜…」

ゆっくりと、既に出番を失ったファイナルベントのカードを装填する。

――FINAL VENT――

マグナギガが眼前に現れ、その背中にマグナバイザーを差し込み、引き金を引く。
主の引き金を合図に、マグナギガはその身体に内蔵された武器全てを惜しみなく砲撃し、目の前に広がる住宅街を壊滅させていく。
だがその破壊の光景はゾルダの苛立ちを解消するにはあまりにもちっぽけすぎた。


972 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:09:01 ID:ImXNxR0Z0

エンド・オブ・ワールドの砲撃が終了し、変身が解かれた北崎はバイクに跨る。

「なんか、飽きちゃったなぁ…これ」

ゾルダのデッキをデイパックへと仕舞うと北崎はバイクで再び走り出す。

「そういえばさっきの人たち…橘に大佐…だったかな?」

風を受けながら北崎は先ほどまで対峙していた二人の男の顔を思い浮かべ、低く、重い声で呟く。

「次は逃さない」

自分はまるで本気を出していない、勝ちを譲ってやったようなものなのだ、いや、まだ決着はついていないとも言える。
だがその来るべき決着にはどうにもゾルダでは力不足らしい。やはり自分自身の力か、或いは――

(出番、そろそろ来るかもね…)

デイパックの中で王のベルトが、北崎に答えるかのように、鈍く光っていた。

973 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:09:22 ID:T1c/sNeq0



974 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:10:02 ID:ImXNxR0Z0
【北崎@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:G-4北 住宅街】
【時間軸】:不明。少なくとも死亡後では無い。
【状態】:全身に疲労。頭部にダメージ。うやむやに終わった勝負に苛立ち。ゾルダに2時間変身不能。
【装備】: カワサキのZZR−250、オーガギア、カードデッキ(ゾルダ)
【道具】:基本支給品一式、不明支給品(0〜1個)
【思考・状況】
基本行動方針:殺し合いを楽しんだ上での優勝。
1:強者と闘い、オーガギアを試したい。
2:五代雄介、「仮面ライダー」なる者に興味。
3:桜井侑斗、香川英行とはまた闘いたい。
4:ゾル大佐、橘朔也と会ったら今度はきっちり決着をつけ、揺ぎ無い勝利を手にする。
5:「仮面ライダー」への変身ツールを集めたい。
6:ゾルダのデッキに飽きてきちゃった。
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※桐矢京介を桜井侑斗と同一人物と見なしています。
※三田村晴彦の生死に興味を持っていません。

975 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:11:07 ID:ImXNxR0Z0

          *   *   *

既に変身の解けた橘、ゾル大佐は今もあのバイクの青年から距離を取る為に移動を続けている。
徐々に民家もまばらとなり、辺りには背の高い草ばかり生えた、寂しい風景が広がりつつある。
地図で確認はしていないが北上し続けているので恐らくはF-4エリアに入ったところ、と大体の見当はついていた。

無言で先を行くゾル大佐を見て、橘の不信感は募る。というよりも既に確信しているのだが…

(ゾル大佐はただの仮想の参加者じゃない…俺の監視役だ)

先ほどの戦闘の直前の出来事を思い出す。そう、仲間を増やす事に難色を示したゾル大佐のあの表情を。
やはり徒党を組まれてこの殺し合いに真っ向から反抗されるのは困るのだろう、その為の警告か、或いは危険と判断して…

(呼んだんだろう?あのバイクの青年を)

ゾル大佐が監視役ならあのバイクの青年は始末役、という役職だろう。
あの青年が砲撃する直前に一貫しない態度を取ったのは少しでもあの家に釘付けにするためだ。
万が一に生き延びた場合を考え、一応声だけは掛けておき自分は脱出した、というところか。

(現にあの青年と戦闘になった時、大佐は積極的に加わろうとしなかったからな…いくら距離があったからとはいえ、支援の一つも満足にしないとは。
 トドメを止められたというのもあるが…決定的だったのはやはりあの大砲が直撃しても無事という所だな)

一見すると相当な火力だが実際にはそれほどでもなかったのだろう、自分の信用を確実にするためにあのような猿芝居を打った。
現に今も何事も無かったかのように歩いている。直撃で、あれだぞ?芝居としか思えない、そう橘は考えていたが――
 
(ぬかったわ…思っていたよりもダメージが大きい…相手を嘗めていたのは認めるが、何よりも自分の身体を過信しすぎた)

ゾル大佐は橘には見えない位置で、胸に手を当て、じわじわと広がるダメージに耐えていた。
部下に対して惨めな姿は晒せない、常に上官は威風堂々としているべき。そう考えゾル大佐は平静を装っていた…


976 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:12:09 ID:ImXNxR0Z0

(しかし、大佐が監視役とすると…迂闊な事は喋れないな…なんとかして、この仮想現実から脱出できる鍵を…)

ピタ、と橘は足を止め考える。何か、とんでもない事に気づいてしまったような、そんな予感がした。
後ろを歩く気配がなくなったのを感じ取り、ゾル大佐が振り返る。

「どうした、橘」

だが橘はそれには答えず顎に手をやり、ひたすらに考えていた。

(考えてみると…仮想現実の中で現実の世界に脱出する鍵というのは…何が有り得る?
 まさかどこかの地面をひっぺがすと電子機器がお出迎えとでも言うのか?
 有り得るわけが無い。そう、ここは奴らの掌の上なんだ…
 仮に脱出の鍵を見つけたと喜んでみても、それは西遊記の孫悟空と同じ事では…
 どうする…どうすれば…いや、もう、よそう…本当はわかっているんだ。やはり、そういうことなんだ)

「橘、ぐずぐずしていると先ほどの奴に追いつかれるかもしれぬ。せめて再び変身できるようになるまでは動き続けるべきだ」

ゾル大佐の言葉も今の橘には届かない。橘は目を閉じ、考えるというよりは何か決意を固めている、そんなようにも見えた。

「橘…いい加減に―「ゾル大佐」―…なんだ?」

まっすぐに見つめてくる橘に何か奇妙な物を感じ取る。自分の無力さを思い知ってしまったというべきなのだろうか、この雰囲気は。

「ゾル大佐…仲間を集めると言ったが、すまん、予定変更だ。俺はこの戦いに、乗る」
「…ハッ、先ほどの奴に感化されたか?まぁ貴様がどう考えようと勝手だが…やる気か?」

変身できないこの状況でも、ゾル大佐はニッと笑い、自分の態度を崩さない。だが橘はその問いに首を振った。


977 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:13:13 ID:ImXNxR0Z0

「いや、『まだ』だ。その時がくるまでは共に行動したいのだが…」
「フッ…フッフッフッ…」

肩を震わせ、低い笑い声を出しながらゾル大佐は橘に近づき――

「大s…っ!」
「調子に乗るなよ橘」

右手一本で橘の首を絞め、持ち上げる。

「決定権は私にある。貴様如きが意見する事は叶わぬ事と思え。わかったか?」

首を締め上げる右手に力がさらに込められていく。橘は顔を赤くしながら頷く。
その様子に満足したのか、右手をパッと開いて開放する。開放された橘は咳き込みながら必死に酸素を求めた。

「ぼやぼやするな。いくぞ」

ゾル大佐は踵を返すと市街地から離れるように歩き始める。首を押さえながら橘は立ち上がり、その背中を追う。

(これで、いいんだ…確実に現実の世界に返るには、勝ち残るしかない…
 それにゾル大佐は主催者との内通者…一緒にいて損はない…)

勝ち残る。だが現実の世界に返れる保障もない、先ほどのバイクの青年のような者が他にもいれば、勝ち残る事自体難しいだろう。
だがそれでもやり遂げるしかない。勝ち残れなければ、主催者を倒す事など夢のまた夢なのだから。

(俺の他にも現実から連れてこられた者がいるのは間違いない…それを、例え仮想現実とはいえ…一度死なせてしまう事になる…
 俺に…やれるか?やるしかないのは、わかっているが…)

心は多少、揺れ動いてはいたが…それでも橘朔也は決めた。このゲームに乗ることを。自らが信じる正義の為に――


978 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:13:52 ID:4BBpqWAw0
          

979 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:14:15 ID:ImXNxR0Z0
【橘朔也@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-4エリア中央西寄り】
【時間軸】:Missing Ace世界(スパイダーUD封印直後)
【状態】:全身に疲労。 ギャレンに2時間変身不能。
【装備】:ギャレンバックル
【道具】:基本支給品一式、ラウズカード(スペードJ、ダイヤ1〜6、9)、レトルトカレー、特殊支給品×?
【思考・状況】
基本行動方針:仮想現実から本当の現実に帰還し、主催者を打倒する為、勝ち残る。
1:とりあえず市街地からは離れる。
2:ゾル大佐と行動を共にし、利用する。
3:仮想現実とは言え本当に非情になり切れるか不安。
備考
※今の自分は仮想現実の中に居ると確信しています。
※自分以外にも現実世界から連れて来られた人物はいると考えてはいます。
※ゾル大佐は主催者との内通者であり、自分の監視役と確信しています。
※例え脱出の手がかり等があったとしてもそれらは全て仮想現実上の物であり、真に脱出する事は不可能と確信しています。


980 :戦いの決断 ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:15:17 ID:ImXNxR0Z0
【ゾル大佐@仮面ライダー(初代)】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-4エリア中央西寄り】
【時間軸】:三十九話開始直後
【状態】:全身に疲労。胸に砲撃によるダメージ。黄金狼男に2時間変身不能。
【装備】:なし
【道具】:基本支給品一式、特殊支給品×?
【思考・状況】
基本行動方針:生き残ってショッカーを再興させる
1:とりあえず市街地から離れる。
2:橘の態度に不信感。
2:後ほど一文字と本郷を倒しに行く。
備考
※基本支給品の携帯電話の使用方法を知りました。
※参加者が別々の時間軸からつれて来られている事に気付きました。
※変身制限に気付きました。
※剣世界について大まかな知識を得ました。
※死亡した一文字は同姓同名の別人と考えています。

981 : ◆deggScNisI :2008/06/15(日) 19:16:16 ID:ImXNxR0Z0
投下終了です。誤字脱字矛盾点、ご指摘よろしくお願いします。
支援してくださった方々、ありがとうございました。おかでスレオーバーすることなく投下できました

982 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:20:58 ID:4BBpqWAw0
投下乙です。
橘さん……あんたは本当に馬鹿だw
奮闘する大佐がちとかわいそすw ああ、大佐がんばれw
北崎の飽きっぽさも実に彼らしい。
GJ!

983 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:38:51 ID:M3vQlxrCO
投下乙です、GJ!
橘さんにはやはり吹くしかないw
相変わらず良い味を出している大佐に北崎もナイス!
オーガギアもいよいよ出番が近いようですし、今後に期待が掛かります。
次回作も楽しみにしております!

984 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 19:54:12 ID:48spXv9k0
ダディ暴走してきたなー!!
でもあなたが優勝できるとは誰も思っていないと思うぞw

985 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:28:57 ID:ye7jL8MpO
将軍

986 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:29:24 ID:ye7jL8MpO


987 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:30:28 ID:ye7jL8MpO


988 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:32:39 ID:ye7jL8MpO
次スレまだ?

989 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:33:53 ID:0G4cqwgz0
あなたが立ててみれば。

990 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:40:16 ID:ye7jL8MpO
わかった立ててみる

991 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:45:44 ID:2GMRF67cO
さすがは特撮界きっての頭が良い馬鹿の橘さん。

992 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:47:19 ID:ye7jL8MpO
携帯だと無理

993 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:47:53 ID:ye7jL8MpO


994 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:49:45 ID:ye7jL8MpO
荒らしでも住人の一人だからな
埋めぐらいしてやるよ

995 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:50:26 ID:ye7jL8MpO
のびた

996 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:51:03 ID:e8TZvFQpP
次スレです

仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT Version.6
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1213529559/

997 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:53:31 ID:ye7jL8MpO
埋め前に誘導忘れてた
愚図将軍ナイス

998 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:56:28 ID:ye7jL8MpO


999 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:58:01 ID:ye7jL8MpO
1000は誰かにやるよ

1000 :名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 21:04:13 ID:0G4cqwgz0
仮面ライダーロワイヤル THE NEXTに大なり小なり貢献して下さっている方々
本当にお疲れ様です
いつも楽しみに拝見させてもらっています
これからもさらなる展開へ向けて、一読み手として期待して待っております
それでは仮面ライダーロワイヤル THE NEXTのさらなる盛況を願って「1000」

1001 :1001:Over 1000 Thread

♪進め ♪進め 次スレへ   ♪新スレ 始まるぞ〜

           ∧    人    /‖  ∧∧
    ♪〜 < ・∀・>( 0w0) (  ゚Д゚) 〈 ゚ Å〉  〜♪
      ゝ、,、,、ノ O┬O、( O┬O、( O┬O、( O┬O
      ≡ ◎-ヽJ┴◎-ヽJ┴◎-ヽJ┴◎-ヽJ┴◎
⌒,,。;⌒ ,;⌒⌒ ;⌒:;.⌒⌒/   /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /::. ⌒:.:⌒:;⌒
:,;:  ;;..:  :;   ,::.;  /   /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /., ,;.:  ,,。,, .;
:;.. .;   ; ,,。゚  ::., /   /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /,,;  :: :; ;: ;;.

長き1000レスに及ぶ戦いの果て、
     このスレは無事最終回を迎えた!
だが スレッドは終わっても、ヒーローの戦いは終わらない!
     新番組「次スレ」  お楽しみに!!
                            特撮!
                      http://tv11.2ch.net/sfx/

490 KB
★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.02.02 2014/06/23 Mango Mangüé ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)