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もしも親の再婚相手の連れ子が千奈美だったら

1 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 12:53:06 ID:N3UdI2NC0
はじめまして。
以前、狼で千奈美小説を書いていた者です。
(たぶん3〜4ヶ月前なので覚えている方もおられないと思いますが・・・)
あっちのスレが落ちるのと前後して色々ありまして続きを書く暇がなかったのですが
ようやく書ける環境になりましたので
心機一転、こちらでゆっくり続きを書いて行こうかな?と思います。

「狼で見てたよ」と言う方、「見てなかったけど小説好きだから読んでやる」と言う方、
暇つぶしにスレを開いた方、
是非ともお付き合いください。
あと「それは千奈美のキャラとは違うだろ」とか
「○○(メンバー)の△△(メンバー)に対する呼び方が違う」等の指摘がありましたらよろしくです。

能書きが長くなりました。すみません。
とりあえず最初から貼っていきます。
直したい所がたくさんありますがキリがないので、誤字と改行以外は基本的にそのままです。
それではよろしくお願いします。

2 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 12:54:04 ID:N3UdI2NC0
俺には母さんがいない
まだ小さい時に病気で死んでしまったからだ
ただ幸か不幸かほとんど思い出もないので、母親がいなくて寂しいという感情は湧かなかった
参観日に自分だけ母親がいなくても何とも思わなかった

家事は親父と分担していたが、それも別に苦にはならなかった
と言うよりそれが当たり前のようになっていた
幸い親父が割と大きな企業に勤めていてそこそこの地位にあったため、経済的にも不自由はなかった

親父はいつもまっすぐ家に帰って来てくれる
だから朝御飯と晩御飯は大抵親父と一緒だ
「たまには仲間と飲みに行って来なよ」と言っても「いいからいいから」としか言わず、滅多に寄り道もしない
その優しさが嬉しくもあり申し訳なくもあった

でもこのままずっと親父と男二人で暮らしていくんだろうな、と思っていた
・・・あの日までは

3 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 12:55:30 ID:N3UdI2NC0
そんなある日のこと

いつものように晩御飯を二人で食べていると親父が
「・・・なぁ、明日夕方出て来れるか?」と訊いてきた
(久しぶりに外食かな?)と考えつつ「いいよ」と答えると
真剣な顔で「お前に会ってもらいたい人がいるんだ」と言ってきた

「・・・誰?」答えはだいたい想像つくがあえて訊いてみる
「・・・結婚しようかな、って思ってる人がいるんだ・・・」
「そうなんだ・・・」
そう言えば最近たまに遅くなるからと晩御飯要らない日があったな

「黙っててスマン。別に隠そうとかそういうわけじゃ・・・」頭を下げる親父
「別にいいよ。再婚しろって普段から言ってるじゃん」
「でもな、今日会ってもらってお前がイヤだって言うならこの話はなかった事に」
「イヤイヤ、親父がいいと思う人なんだからいいじゃん。つーかそれで俺がヤだって言ったら俺悪者じゃんw」
「とにかく一度会ってみてくれ。待ち合わせは・・・」

4 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 12:56:26 ID:N3UdI2NC0
そして翌日
待ち合わせ場所近くのコンビニで時間が来るのを待つ
まだ見ぬ未来の母親の事を想像しながら
親父によると離婚歴があって2つ下だそうだ。子供もいるらしい
(どんな人なんだろ・・・兄弟?とも仲良くできるかな?それにしても親父遅いなー)
なんて考えながら雑誌をパラパラとめくる

「だからー、ちゃんと迷わずに来れたからw いくら方向音痴でも電車は乗り間違えないもんにー」
携帯で大声で騒ぐ馬鹿女の声にイラッとくる
(・・・ッタク、外で話せよ)そう思って声の主の方を見て固まった

・・・何でアイツがここにいるんだ・・・?


声の主はクラスメートの徳永千奈美
クラス一うるさい女、しかもデリカシーの欠片もない
ほとんど話をした事もないが、自分とは決定的に「合わない」事だけは分かる。アイツとは大違いだ

こんな女にこれから何があるか知れたら明日クラス中で大々的発表されちまう
別に知られて困るものでもないが、あえて発表する事でもない。そっとしておいて欲しいのが正直なところであり
面白おかしく伝えられるのは勘弁して欲しい

とにかくここから出て待ち合わせ場所に移動しよう。ここにいては危険だ
素早く雑誌を棚に戻すとコンビニを後にする

ふぅ・・・どうやらあのバカには気付かれなかったようだな
まったく、余計な事で神経使わせるなよ・・・これからこっちは大変な用事があるのに

5 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 12:59:13 ID:N3UdI2NC0
♪〜
親父か。ッタク何してんだよ
「もしもし?」
『スマンスマン。ちょっと仕事が長引いちゃってな
 今から父さん達は直接お店に向かうけど間に合いそうにないから先に行っててくれないか?場所は・・・』


待ち合わせ場所から5分ほど歩いた所にあるビルに入りエレベーターを上がる
(こんなトコ、中学生が一人で入って行けないだろ・・・)というような高級レストラン
さすがに気後れしてしまい店の前で待つ事にする

(チーン)
エレベーターの開く音がする
(親父かな?)そう思って視線をやると
(・・・またお前か・・・)
徳永の姿があった

6 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 13:03:05 ID:N3UdI2NC0
(・・・何だコイツ・・・早くどっか行けよ・・・)
そう思いながら気付かない事を祈りつつそっと背を向ける
しかしそんな願いむなしく俺の前に回り込み
「あ〜!○○君!!さっき駅前のコンビニにいたよね?」と大声をあげる徳永
周りにいた人が一斉にこちらを見る

(話し掛けんなよ。しかも声デカイんだよバカ)と思ったが無視すると今以上にキャンキャンと騒ぎそうなので
「そうだけど何?」とだけ返す

「何でこんな所にいるの?」
真正直に答える気もないがわざわざ嘘をつくのも何なので
「今からここで人と会う約束だから」と返す

「ふぅん・・・」
「・・・」
「もうっ!ここは『徳永さんは?』って聞き返すところでしょ?」
「・・・徳永さんは何でここにいるの?」興味もないが聞き返す
「ヘヘ・・・聞きたい?ねぇ、聞きたい?」
これだ。このペースが疲れる。って言うかウザイ
「ゴメン俺腹痛いからちょっとトイレ」
そう言って逃げ出すようにその場から離れる俺

7 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 13:41:02 ID:N3UdI2NC0
トイレから出ると徳永の姿はなかった
ホッとする俺

そこに親父からメールが入る
『道に迷ってるのか?分からなかったら誰かに聞きなさい。もうみんな揃ってるぞ』
ヤバイヤバイ。急いで店に入り名前を告げる
そして奥の部屋に通される

「すいません遅くなりました」
頭を下げながら部屋に入る
頭を上げると、目の前には驚いた表情の徳永がいた


「とにかくそこに座れ」
親父に言われた席に座る
隣には徳永が座っているが正直どうでもいい

そして早速自己紹介を行う
徳永のお母さんは徳永に顔は似てるが大人しそうでいい感じだ。この人とならうまくやっていけるかもしれないな
それに対して徳永は
从*´∇`)<とってもたれ目のちぃちゃんです
とかつまらない自己紹介して一人で満足してる
そしてそれを見てデレデレしてる親父。情けない・・・

程なく俺と徳永がクラス同じである事もバレてしまい
「えぇじゃないか」というムードになりつつ食事会は終了する

8 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 13:42:24 ID:N3UdI2NC0
その後はトントン拍子だった
次の月には早くも一緒に暮らす事になったのだ
(ちょっと早いと思ったが、実は一年近く付き合いがあったらしい)

徳永と同じ屋根の下とかマジ勘弁とも思ったが
部屋が余っていたので自分のスペースも奪われる事もないし
朝と晩の御飯時さえ我慢すれば徳永と顔をあまり合わせずに済む
それに前みたいに家事をしないで済むから、友達と遊びに行ったりアイツと時間を気にせずデートしたりもできる
そう考えて納得する事にした

・・・すぐにその考えが甘かったと知ることになるのだが

9 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 13:43:17 ID:N3UdI2NC0
「ふぅ・・・」
何とか引っ越し終了して一息つく

昨日は親父達が出かける中、徳永が入る空き部屋の片付けを丸一日してたし
今日も力仕事で体じゅうが痛い
しかも、せっかく久しぶりにデートに誘われてたのにキャンセルしなきゃならなくなった
何で徳永なんかのために俺が・・・とも思ったが
親父に「俺達は家を移らずに済んだんだからな」と言われ渋々納得する

しかし、そんな俺にお構いなしに部屋でアイス食いながら漫画読んでる徳永の姿を見た時にはさすがにイラッときた
ホントならデートしてたはずなのに、まさに天と地の差だな・・・

10 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 13:43:55 ID:N3UdI2NC0
そして一家四人での初めての夕食(と言っても引っ越しそばだが)
いつも以上に嬉しそうな親父、そして徳永のおばさん
こういうのも悪くないな、と思うがそれ以上に眠いし体がだるい
とにかく早く風呂に入って寝たい
そう考えてるせいか適当に相槌を打ってしまう。何話したかほとんど覚えてない

「ごちそうさま」早々に部屋に戻ろうとする俺
「おい、もうちょっと話しようや。せっかく家族になったんだし。ねー、ちぃちゃん」「ねー」
おいおい親父、早くもちぃちゃんとか呼んでるよ・・・徳永もノリノリだし
「スンマセン。ちょっと疲れたし眠いんで風呂入ってお先に休ませてもらいます」
この二人に話しても無駄っぽいのでおばさんの方を向いて話す
「今日はお疲れさま」あぁその言葉、その笑顔・・・癒されるなぁ・・・ありがとうおばさん


「そうか。じゃあ明日ちゃんと起きろよ。ちぃちゃん学校に連れてかなきゃいけないんだからな」
ん?親父今何て言った? 連れてくって??

「だから、さっきも言っただろ。ちぃちゃんは道分からないんだから」
「・・・色々届とかあるし初日は親が一緒に行った方がいいんじゃないの?」
コイツと二人きりで登校とかマジで勘弁してくれ
「あー、それは昨日やってきたから」
なら道わかるじゃんと思ったが昨日は車で出かけたんだっけ・・・
「○○君、よろぴく〜☆」そんな俺の思いに気付くはずもなく笑顔で手を振る徳永
つーか名前で呼ぶな。アイツにだって呼ばれてないのに
「チッ」心の中で舌打ちする。誰かに見られたらどうすんだ。彼女いるのに
彼女いなくてもゴメンだけど

11 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 13:45:01 ID:N3UdI2NC0
風呂から上がると、明日の用意をする
徳永がどうとかじゃなく、寝る前にちゃんと準備する習慣が身についてるからだ
「そういう所は母さんに似たんだな」って昔親父に言われたっけ

あ、アイツにメールしとかないとな・・・
準備し終わると布団に入ってメールを打つ

誤解があるといけないので、彼女にはすぐに徳永の事をちゃんと話した
さすがに驚いていたが、こっちにそういう気は一切ないと伝えたし
彼女自身徳永を知らないようなのでそれ以上の話にはならなかった

それでもやはり気分のいいものではないだろう
元々同じクラスだから完全な赤の他人とは言えないし、現に仕方のない事とは言えデートを断ってしまったわけだから
もし逆の立場だったらと想像しただけでも激しく嫉妬してしまう

(何とか今日の埋め合わせしたいな・・・
 でも学年違うからあんまり学校では会えないんだよな・・・ 放課後も部活だし家の方向も違うし・・・
 あぁ、何でせっかくアイツが部活休みの日に引っ越し重なっちゃったんだろ・・・)
そんな事を考えてたらいつの間にか眠ってしまった

12 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 14:18:48 ID:N3UdI2NC0
翌朝

いつも通りの時間に目を覚ます
彼女からメールの返信が来ていた
『お疲れ様でしたm(_ _)m
 今日の事はもう気にしないで(^-^) やっぱり家族ゎ大事だよ
 ○○さんの新しい家族ってことゎあたしにとっても大切な人だし、なんちゃって(//o//)
 じゃぁまた明日(^o^)/』
とりあえずあんまり怒ってなさそうだ
休み時間に会いに行こうかな?


サッと着替えてキッチンに行く
「○○君オハヨー。早いわね」おばさんの声がする
「おはようございます。親父もおはよう」
そうだ、今までと違って朝食の用意とかしなくていいんだ・・・

「スゲー」
朝食を見て思わず声が出てしまった。今まではパンと牛乳、ヨーグルトと一切手をかけていなかったが
目の前にある朝食はほとんどが手作りである
正直なところ「張り切りすぎだろ」とすら思えるが、元々毎朝ちゃんと作ってたらしい
親父が自慢げな表情なのが意味不明だが。アンタ絶対手伝ってないだろ
「お口に合うか分からないけど」
「イエイエ、いただきます!」

こんな朝もいいなぁ
何か忘れてる気がするけど・・・

13 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 15:22:38 ID:N3UdI2NC0
「ところでちぃちゃんはまだ起きて来ないのか?」
平穏な朝食タイムをぶっ壊す親父の言葉が放たれる
「もう・・・明日からは朝ちゃんと起きるって言ってたのに・・・」
ブツブツ言いながら徳永の部屋へ向かおうと立ち上がるおばさん
しかしそれを制する親父

「××は行かなくていいよ。おい、ちぃちゃん起こして来い」
ハァ?俺が?年頃の女の部屋に入れって言うのか?いくら家族になったとは言ってもおかしいだろ
丸投げする気はないけどここはおばさんが行くべきなんじゃ・・・
と思って親父を見ると・・・なるほどな。二人水入らずで朝飯食べたいのか
しょうがない。ここは空気読みますか・・・別に変な事をしに行くわけじゃないしな

「ごめんなさいね。あの子多分簡単には起きないからちょっと強めにしてくれていいから」
おばさんの声を背に受け徳永の部屋に向かう

14 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 15:23:51 ID:N3UdI2NC0
「(コンコン)徳永ー、朝だぞー」ドアをノックしながら呼んでみる
しかし全く反応がない
やっぱり中に入らないといけないのか・・・

「入るぞー」
中に入ると案の定、ぐっすり寝てやがる
さすがに寝てる時は静かなんだな

おっと、そんな事考えてるヒマはないんだった
「おい徳永起きろ朝だって!」布団の上から体を揺する
「うーん・・・まだ途中だから延長・・・5分だけ・・・」
何寝ぼけてんだよ

「おい早く起きろよ、俺まで遅刻しちゃうだろ!」
そう言いながら布団を強引にはぎ取る
「うぅ・・・」抱きつく物がなくなったからか、さなぎのような姿勢になる徳永
「・・・うわっ・・・」
体を思いきり丸めているせいで、パジャマのズボンの後ろから白い物がはみ出している

本来ならこんなおいしいシチュエーションないんだろうけど勘弁して欲しいよ・・・
こいつのなんて見たくないし、もしバレたら後で何言われるか分かんないぞ・・・

ここで下手に起こすわけにいかないな、でも時間もないし・・・とあたふたしてるとおばさんが入って来る
「やっぱり起きないのね、ホントにもー! 千奈美!早く起きなさい!」
ほっぺをパンパンと叩いて無理に起こすおばさん

「ん・・・おはよう・・・ってキャー!(バシッ)」
次の瞬間、俺の顔面に枕がヒットしていた
至近距離から思いきり叩くなって!しかも何回も!!

15 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 15:25:19 ID:N3UdI2NC0
「行って来まーす」
ようやく学校に向かう俺と徳永
家から学校までは徒歩で20分以上になる
徳永は起きてからは意外に早かったのでまだ少し時間に余裕があるが
メシ食ってる間は待ちぼうけだったし、今だって歩調をアイツに合わせなきゃいけないわけで、いつもと比べて何かせわしない
これから毎朝こんな感じなんだろうか・・・

「ねぇってば!」耳元で大声を出す徳永
「何だよ」
「さっきから呼んでるのにシカト?感じ悪くない?(せっかくさっきの事謝ろうと思ったのにさ・・・)」
何やらブツブツ言ってる徳永

「ちょっと考え事してただけだろ。それより早く道覚えてくれよな
 あと学校ではあんまり馴れ馴れしくするなよ」
「何それ!ひどーい」
「元々あんまり喋ってなかったんだし、家族だからって必要以上にベタベタする必要ないだろ」

「・・・せっかくこんなに可愛い子が仲良くしてあげるって言ってるのにさ・・・」
おいおい、自分で言うか?
「・・・徳永も須藤とか夏焼と話した方が楽しいだろ?」
「・・・そうだけど・・・」
「じゃぁそれでいいだろ。今まで通りでさ」

16 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 15:26:07 ID:N3UdI2NC0
「・・・わかった・・・」
ようやく納得してくれたか
別に無視する気はないが、学校でもこの調子じゃウザくてたまらん

「・・・やっぱりあの噂本当なんだね」
「・・・噂って何?」
今度は何を言い出すんだ?

「○○君ってホモなんでしょ?」
ハァ??何だそれは???
「だっていつも男子としか喋らないし、今までのあたしに対する態度とかさ
 それに前に誰かに告白された時に、女に興味ないって言って断ってケンカになったんでしょ?」

うっ・・・やはりアレを見られてたのか・・・
しかもそんな事言ってて今そいつと付き合ってるんだよな・・・

「別にそんな事ないよ。たしかに前はそう言ったかもしれないけど・・・」
とりあえず否定する
「そんな事言っても騙されないよw どうみてもあ・や・し・い!」

うーん・・・どうしよう?
やはりちゃんと説明すべきなのか?
でもまだ親父にも話してないんだよな・・・何か照れ臭くて
それに話したら話したで彼女見せろとか付き合うようになったきっかけ教えろとかうるさいだろうし
そこまで話す義務があるとも思えない

「じゃぁ勝手にしろよ。もう学校近いし先行くぞ」
そう言ってダッシュで駆け出す
「ちょっと待ってよ〜」と言う徳永を残して

17 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 15:27:10 ID:N3UdI2NC0
そして授業が始まる

HRでも俺と徳永の話には一切ならなかった
そういうのって言わないものなのかな?と思ってたら、終わった後に俺だけ呼び出された

今は個人情報とか色々あって教師が生徒の家庭の事を話す事はないし
そもそも全ての教師が今回の事を知ってるわけじゃなくて・・・と、要は話すも話さないもお前らで決めろって事らしい
驚いたのは徳永が「自分は今まで通り『徳永』でいい」と話したらしい事だ
意外と気を遣ってくれてるのかな?
イヤイヤ、きっと冷やかされるのが嫌なだけだな


それにしてもホモだと言われたのには驚いたな
もちろんそういう趣味は全くないけど、女子の間ではそう思われてたのか・・・

おそらく噂の中心は徳永なんだろうな
別に気にならないけど、また面白おかしく広められたりするのか?
イカンイカン、そんな事より今は授業に集中しないと

18 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/20(日) 16:01:18 ID:N3UdI2NC0
とりあえず今日はここまでです
これでやっと1/5ぐらい。まだまだ長いです・・・
すぐに連続投稿に引っ掛かるのでなかなか進みませんね

実はこの元のスレには自分以外に3人ほど書き手がいまして
「義兄妹編」「父娘?編」「幼馴染編(未完)」とあったんです
どの作品もすごく読みごたえがあって
しかも出て来るキャラや、主人公と千奈美の関係も全然違って
一読者としても非常に楽しませていただきました

というわけでURL貼っておきます(まとめサイトはないんだよね・・・w)
http://www.23ch.info/test/read.cgi/morningcoffee/1199430840/
http://www.23ch.info/test/read.cgi/morningcoffee/1201326369/

19 :ねぇ、名乗って:2008/07/20(日) 16:17:52 ID:aPNmlJScO
職人だな。。。

20 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 03:41:03 ID:jNS0QyM50
そしてようやく昼休みになる
給食を食べると、いつもの校庭サッカーを断り彼女の教室へと向かう


彼女とは付き合い始めてようやく3ヶ月になる
始まりは本当に突然だった

◆◆◆◆◆

今年の2月14日
いつものように登校すると、靴箱に小さな箱が入っていた
まさかな・・・と思いつつ昼休みに屋上で開けてみると
中から手紙とチョコレートが出てきた
しかも明らかに市販のものではない手作りのチョコが

手紙には差出人の名はなくただ
『頑張って作りました。よかったら食べてください。
 あと、今日の放課後に裏庭の隅の木の所に来てください。待ってます』
とだけ書かれていた

でも、俺の気持ちは嬉しいと言うよりは戸惑いに近かった
自分には縁のないものだと思い込んでいたし、そもそも全く心当たりがなかったからだ

そして元々恋愛にあまり関心もない
そもそも家事で忙しく高校受験を翌年に控えた自分には
そんな事にまで気を回す余裕などないと思っていた

返事は初めから決まっていた

21 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 03:42:03 ID:jNS0QyM50
放課後、呼び出された場所に向かう
幸い誰もいないようだ
「あのっ・・・!」
呼ばれて振り向くと、彼女が緊張した面持ちで立っていた


「・・・・・」
「チョコレートありがとう。おいしかったよ」
「あ、ありがとうございます。それで、あの・・・」

彼女によると、どうやら何ヶ月か前に物を運べなくて困っている所を助けてやったらしい
それからずっと俺の事が気になっていたらしい
いわゆる一目惚れってやつか
そんな事言われるまで完全に忘れていたが、そんな事があったような気もする
そういえば特に意識はしていなかったが、朝に何度か挨拶されたような気もするな

その必死な表情に一瞬心が揺らいだが、だからこそちゃんと断ってあげないとと思った
彼女は意外にも泣かなかった。それどころか笑顔で俺に謝ってきた
それを見てどこか安心していた

22 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 03:42:34 ID:jNS0QyM50
ところが翌日、また呼び出された。しかも別の子に
彼女の様子から見て、これは告白じゃないなと思った
厄介な事になったのかもしれないな・・・

予想通り用件は昨日の事だった
あぁ、この子に泣きついたんだな

断った理由についてそんなの理由にならないだとか
友達からでもいいじゃないかとかぐだぐだ好き勝手言われて
いつまでも諦める様子がない

最初は冷静に返していたが、だんだん腹が立ってきて
「女なんて興味ないんだよ!
 正直迷惑してるんだよ二回も呼び出されて
 いい加減にしてくれ!」
とつい叫んでしまう

次の瞬間、頬に激しい痛みが走った

23 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 03:43:38 ID:jNS0QyM50
それから色々と考えた
自分は家の事を言い訳にしているだけじゃないだろうか、とか
失敗を恐れてるだけじゃないかとか・・・
気がつけば彼女の事ばかり考えていた

母さんの命日に、親父と母さんのなれそめなんかを親父に聞かされたのも
大きかったかもしれない


3月5日

学年末テストの最終日の放課後、俺は彼女を呼び出した
こんな俺で良ければ、友達からでもいいのなら、と伝えた
彼女は俺の前で初めて涙を流した

◆◆◆◆◆

ようやく教室に到着する
思えばここに来るのは初めてかもしれない

さすがに中に入って行くのはためらわれるので、教室を外からこっそり覗き込む
うーん、いないのかな?


「こんな所で何してるんですか?」
その声に後ろを振り向く
相変わらずデカイなぁ・・・

24 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 03:44:50 ID:jNS0QyM50
「熊井・・・」
俺もそんなに背が低い方ではないが、彼女と話すには少し見上げないといけない。しかも向こうは年下だ
何か悔しいな・・・

「珍しいですよねわざわざ」
「まぁね・・・」
「どうせ昨日の言い訳でもしにきたんでしょ?」
うっ、鋭い。しかもやっぱり怒ってたか
それにしても相変わらず手厳しいな・・・

しかし悪いのはこっちなんだから謝るしかない
「ホント、ゴメン! 絶対この埋め合わせはするから!」
「そうだよ!何でせっかくの日曜に女二人で恋愛映画観に行かないといけないのさ・・・」
「・・・だよなぁ・・・」


「あーあ。どんだけあの子が楽しみにしてたと思ってるの?」


デートをOKした時の彼女の嬉しそうな顔が脳裏に蘇る
そうだよな、あんなに喜んでたのにな・・・

25 :ねぇ、名乗って:2008/07/21(月) 14:55:21 ID:M8sOKMOe0
新参です
楽しみにしてます

26 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:09:29 ID:jNS0QyM50
「・・・・・」
「昨日の事はしょうがないかもしれないですけど
 もっと普段から優しくしてあげてくださいよ
 付き合ってるんですよね?
 そんなんじゃいつか捨てられちゃいますよ?w
 男子も最近『かわいくなった』とか噂してるみたいだし」

そう言われると返す言葉もない
自分なりに色々やってきたつもりだったし
彼女も特に文句言わをないのでこれでいいのかな?と思っていたが
やっぱり全然ダメなんだな、と痛感する

「・・・あ、帰って来ましたよ。なかさきー、何してたの?」
凹んでいる俺をよそに、視線を横に移し手を振る熊井
彼女・・・中島早貴が、友達と二人でこちらへと向かって来るのが見える

「友理奈ちゃん! ・・・え!?」
俺の方を見て驚いた表情をしている
その事自体、普段自分が何もしてやれてない事の裏返しであって、また軽く凹む

27 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:10:05 ID:jNS0QyM50
パタパタとこちらへと走って来る中島

「ハハ・・・来ちゃった・・・」
何か気の利いた事を言わないと、って思ってるのに
口から出る言葉は悲しくなるほど中身のないもので
俺ってダメだなーと自己嫌悪する

「あ、あの・・・「うわー!!」
そんな俺に彼女が何か言おうとした瞬間、突然隣にいた子が割り込んでくる
何だこの子は?

「ねぇねぇねぇねぇ、もしかしてこの人がなっきぃの彼氏?クンカクンカしていい?」
何か変なテンションの子だな
だいたいクンカクンカって何だよ

「ダメに決まってるでしょ!それに○○先輩はそんなんじゃないってば!」
「え〜っ!つまんな〜い!」


ちょっと待て、今何て言った?

28 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:11:38 ID:jNS0QyM50
「・・・え?」思わず声が出てしまう
「・・・・・」しかしそれに対して俯いたまま返事をしない中島
どうして何も言わないんだ?もしかして・・・
さっきの熊井の言葉が蘇ってくる

「か、栞菜のせいじゃないかんなー!」
微妙な空気になってしまった事を感じ取ったのか
妙な言葉を残して教室に逃げ込んでいくカンナ?ちゃん
何だったんだ一体・・・
しかも微妙に空気読めてないし・・・

そんな事よりも今は中島の事だ
どうすれば・・・

(ドン!)
突然熊井に背中を強く押される
中島とぶつかりそうになるが何とか踏ん張る

「何するんだ!」と言おうとして熊井を見ると、目で何かアピールしている
そうだよな、いつも色々と考えすぎるのが俺の悪い所だ

次の瞬間、俺は彼女の手を引いて走り出していた

29 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:12:21 ID:jNS0QyM50
そのまま彼女を裏庭まで連れて行く
二人にとっての想い出の場所だ

「・・・あのさ・・・」
「・・・あの、手・・・」
「ゴメン!」
そう言われて、ギュッと握っていた手を離す
思えば手をこんなに握ったのも初めてかもしれない

そして意を決して切り出す
「あの、今まで俺、はっきり言って全然中島に何もしてやれてなかったけど
 これからはもっと、ちゃんと彼氏らしくするから
 ・・・って別に今までちゃんとしてなかったわけじゃないんだけどw
 だから中島も不満とかあったらもっと・・・え?」

中島の方を見ると・・・泣いていた
そんな・・・遅すぎたのか?
「嬉しい・・・」
「え?」
「グスッ・・・だって・・・『彼氏』だって言ってくれた・・・ やっとあたしの事・・・」
「え?俺たち付き合ってるんじゃなかったの?」
「だって・・・友達から始めましょうって言われて・・・ずっとそのままだし・・・
 メールとかもしてくれてたけどホントは迷惑なんじゃないかな、とかずっと思ってて・・・
 呼び方も『中島さん』から『中島』には変わったけど・・・」

そうか・・・何も言わなくても分かってくれてるって思ってた
でも・・・ちゃんと言わなきゃ伝わらないよな・・・

「俺・・・中島、うぅん、早貴の事が好きだから」
そう言ってギュッと抱き締める

30 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:14:14 ID:jNS0QyM50
その後、早貴と二人でいっぱい話をした

その中で、これからは毎日一緒に帰ろうという約束をした
早貴は最初は遠慮していたが、強引に押し切った
家の方向違うし早貴は部活やってるけど、そんなの関係ねぇ!
10分や20分、多く歩くぐらい別に苦にならないし
時間の問題だって、図書室で勉強するなり本を読むなりして待ってればいいんだから

そう言ったらまた早貴は泣いていた
本当に泣き虫だなぁ


そして昼休みが終わるので彼女を教室に送り届けると
小躍りしそうな気分のまま教室へと戻る

31 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:54:15 ID:jNS0QyM50
「あ、○○君!」
教室に入ろうとしたら徳永に呼び止められた

「おぅ、どした、徳永?」
「何?何かいい事あった?」
「えっ?」
「いつもだったら『何だよ徳永!』とか言うくせに」
たしかに、普段と徳永に対する態度が全く違うのが自分でも分かる
「別に何もないよ。で、どうしたの?」

「あのさ、今日一緒に帰ってくれるよね?」


「えっ?」
帰りも一緒に・・・ですか、徳永さん?
「だってー、まだ道よくわかんないんだもん。ね、いいでしょ?」
上目遣いで甘えてくる徳永
しかしそんなものは今の俺には通用しない

「ごめん無理」
間髪入れずに即答する
「えー!何で?」
不満そうな顔をする徳永

「ちょっと学校に残らないといけないんだ・・・」
「え?何?ちょっとぐらいなら待つよ?」
チッ、空気読めよ・・・
まぁこいつには無理な話か

32 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:54:45 ID:jNS0QyM50
「たぶん5時回るけどいいの?」
さすがに1時間以上も待つ気にはならないだろ
『いいよ』と言われたらそれはそれで困るんだけど
「何でそんなにかかるの? そうだ!あたしが手伝ってあげてもいいよ?」
そういう用事じゃないんだって!

うーん、ここは正直に「彼女と帰る約束してる」と話すか?
でもこいつに話せば間違いなく噂は拡散されてしまう
俺は別にそんなの気にしないけど
早貴がどう思ってるか分からないのに勝手にそんな真似はできない
今日の帰りに聞いてみようかな?

「とにかくさ、今日は一人で帰ってくれよ。一回通った道なんだからだいたい分かるだろ?」
「やだ。そんな用事明日でいいじゃん。って言うか家でできないの?」


何でそこまでしぶといんだ?
さて、どうしよう・・・

たしかに徳永の気持ちも分からなくはない
家はかなり学区の端の方にあって、たしかクラスの女子も近くには住んでないから
途中から完全に一人になってしまって心細いはずだ
それに道だってまだ数回しか通ってないわけで、完全に覚えられてるともいえないだろう

でもこっちとしても「ハイそうですか」と簡単に言うわけにはいかない
早貴にあんなに堂々と(しかもかなり強引に)宣言したばかりなのに一日目からゴメンナサイでは格好がつかない
もちろん理由が理由だけに怒ったりする事はないだろうが
俺の発言に対する信用は間違いなく下がるだろう

33 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/21(月) 15:55:44 ID:jNS0QyM50
「本当にゴメン!どうしても外せない用事なんだ! だから頼む!」
こうなったら誠心誠意お願いするしかない
それでもダメなら、徳永と一度家に帰ってからまた学校に戻るしかないな
「待ってる」って言ったのに一度帰るのは何か早貴を騙してるみたいで気が進まないけど・・・

「・・・そんなに大事な用事なんだ・・・」
「・・・・・」
普段の徳永らしからぬ冷静な声が怖い。まっすぐに見る事ができない

「わかった。今日は一人で帰ってあげる!」
「徳永・・・」
「その代わり!今日の宿題全科目写させてもらうからねw」
「オッケー。サンキュ徳永!」
よかった。何とかわかってくれたみたいだ
宿題ぐらい自分でやれよと思うが、そんなもので済むのなら安いもんだ
安堵しながら教室に入り席につく



「バカ・・・」
ん?背後から何か聞こえた気がしたけど、気のせいだよな?

34 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 21:49:19 ID:D2mkK+2T0
午後の授業も、特に大きな出来事もなく終わる
いつものように短いホームルームを終えると、教室からバラバラと生徒が出て行く

もう一回徳永に謝っとくか
帰り支度をしている徳永の所に向かう

「徳永」
「ん?どーしたの?」
「えっと・・・ もし道分からなかったら電話しろよな
 多分出られるから」
「ちょっと、心配しすぎだってw
 それより約束、ちゃんと守ってね」
「分かってる。じゃ、また後でな」
「うん。じゃーねー」
短い会話を済ませると出口へと向かう

「『じゃ、また後でな』だって。ヒュー。『約束』ってなぁに?」
「ちょっと、みや声大きいって!」
「いいじゃん。どうせ誰も聞いてないし」
イヤ、ここからでも十分聞こえてます・・・

35 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 21:50:34 ID:D2mkK+2T0
さて、5時まで図書室で時間潰すか
授業以外で行くの初めてなんだよな


(ガラガラ)
あんまり人いないんだな
図書委員もまだいないようだ
そして当たり前だけど静かだ
よし、とりあえず宿題を片付ける事にするか


ふぅ、終わった・・・
家と違って余計な物がないからはかどるなぁ
5時までまだ30分ぐらいあるのか
本読むにはちょっと短いな

そう思って外に目をやる
グランドからは部活の元気な声が響き渡っている
早貴は体育館で練習だからここからじゃ見えないな
ちょっと残念

36 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 21:51:29 ID:D2mkK+2T0
それにしても今日一日で、早貴との関係は劇的に変わったよな
恥ずかしくてなかなか口に出せなかった『早貴』って呼び名も自然に出てきてるし
本当、分からないものだよな
同性しか愛せないと思っていたはずなのに
どうしちゃったんだろう、俺
あぁ、この心から湧き出てくる熱い感情は何なんだろう?
もしかして俺・・・
ん?

「テニスコートで練習する女子の生脚を見ながら葛藤する○○。
 しかしそう簡単に答えが出るはずもなく」
「・・・・・」
「出口のない迷路を巡り続けるのであった」
「ちょっと君、こっち見ながら何ブツブツ言ってるの?
 しかも俺の名前まで出して」
「ケッケッケ」
何なんだこの子は・・・

37 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 21:52:05 ID:D2mkK+2T0
「コラ! 鈴木さん、またあなたね?
 図書室にいる人で変な妄想しちゃダメだって言ってるでしょ?」
「あ、須藤」
そう言えば図書委員だったっけ

「ホラ、○○君に謝りなさい」
「なんでなんでなんでー?」
うわ、その表情腹立つなー
「す・ず・き、さん?」
須藤、怖いよ・・・ 指をポキポキ鳴らすなって

「わ、わかりましたよ・・・ ごめんなさい・・・」
「イヤ、分かってくれればいいんだよ」
「・・・グスッ・・・誰も愛理の事分かってくれないんだね・・・ヒック・・・」
おいおい、何も泣く事ないだろうに
でもちょっと可哀想かな?
「なんちゃってー」
うわっ、見事に騙された
須藤の方を見ると『またか』という顔をしている

38 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 21:53:21 ID:D2mkK+2T0
「まぁいいや。そろそろ閉めるから、2人とも帰る用意して」
見ると、もう図書室には俺達以外残っていなかった
「お、おう・・・」「ハーイ」


まだ少し時間があるので、職員室にカギを返しに行く須藤に付き合う事にする
「ごめんね」
「え?」
「鈴木さんの事」
「まぁ空想は自由なんだけどさ、やっぱ俺の目の前でってのはやめて欲しいよなw
 それにしても何で俺の名前知ってたんだろ?」
「あぁ、それは多分ね・・・」

須藤によると、彼女は文芸部の1年生で
俺の事は部の先輩である夏焼から聞いていて知っていたらしい
あの野郎・・・

39 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 22:26:12 ID:D2mkK+2T0
「それにしても珍しいね、○○君が図書室来るのって。もしかして初?」
「まぁね」

「もしかして、ちぃの事イヤだから避けて来たとか?」
「え?違う違うw ・・・って、もしかして徳永がそう言ってた?」
「・・・・・」黙って頷く須藤
そっか、そんな風に思われてたのか
そういうつもりはなかったんだけどなぁ・・・

「あの子、あぁ見えて寂しがり屋さんだし気にする所あるからさ」
「・・・うん・・・」
「いきなりは難しいかもしれないけど、仲良くしてあげて」
「おう」

「まぁ、たしかにベタベタしてきてウザイ時もあるんだけどねw」
「(プッ)友達なのに酷い言い方だな」
「アハハ」


「あ、俺ここでちょっと人待ってるから」
「うん。じゃーねー」
須藤は笑顔で家へと帰って行った

40 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 22:26:49 ID:D2mkK+2T0
それから待つ事約10分
彼女が大急ぎでこちらへと駆けて来る
「別に急がなくてもよかったのに」
「だって、早く会いたかったんだもん」
そう言って腕を組んでくる早貴
ちょ、肘に当たってるって!!

「お?ちょっと見てください。かーなーり大胆ですねー、有原さん」
「そうですねー。まさに『二人の世界』って感じですね、熊井さん」
「ホント、ラブラブって感じですよねー」
「羨ましいですなー」
後ろから冷やかす声が聞こえる
早貴を見ると「もうっ!二人とも!」と言って顔を真っ赤にしている

「お前らなぁ・・・」
「あれ?それが恩人に向かって言う言葉ですか?」
「うっ・・・」
たしかにあの日、熊井にビンタされてなければ
俺たちは始まってもいなかっただろう
今日だって熊井(カンナちゃんもかな?)の後押しがなければ・・・

41 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 22:28:11 ID:D2mkK+2T0
「もー、冗談ですって! そんな真剣に取らないでくださいよw
 それじゃ栞菜、うちらは独り者同士寂しく帰りますか」
「そうしますか。我々はお邪魔虫みたいですからね」

「じゃ、また明日ね。バイバーイ」
「おつ栞菜ー!」
そう言って先に帰って行く二人


「いいの?一緒に帰らなくて」
「うん。今は○○さんと一緒にいたい
 友理奈ちゃんや栞菜とは朝とか部活も一緒だし」
あー、俺って幸せ者だなぁ
「じゃ、帰ろうか」
「うん」

42 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 22:28:44 ID:D2mkK+2T0
「え?クンカクンカって匂い嗅ぐ事だったの?」
「うん・・・特に汗の匂いがたまらないって言ってた」
「何だそりゃ。じゃぁ靴の裏の匂いとかも嗅ぐのかな?」
「わかんないけど・・・今度試してみようかな?」
「イヤ、いいって。病みつきになったら困るだろw」
「アハハ、そうかも」

今までほとんどしてこなかった他愛もない会話がこんなに楽しかったなんて
何でもっと早く気付かなかったんだろう?

早貴も本当に楽しそうだ
思い返せば、今まではいつも俺の顔色をうかがってたような気がする
ホント、これからはちゃんと彼氏らしくしてやらないとな

「・・・ねぇ、何でこっちじっと見てるの? 恥ずかしいよぉ」
「早貴が本当に楽しそうに話してるなって思ってさ」
「もうっ!バカッ!」
そう言って俺の背中を叩く
全然痛くないんだけど、何だか心地良い

43 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 22:29:15 ID:D2mkK+2T0
「ハイ、次は○○さんの番だよ
 早貴ばっかり喋ってちゃ不公平だもん」
「え? そうだなー、何話したらいいかな?」
どういう話がいいんだろう?
さっき図書室であったバカ話は思い出すのもイヤだし
徳永の話なんかしても面白くないだろうしな
「質問してよ。答えるから」
結局思い浮かばないので彼女に質問させる事にした

「じゃぁねー、徳永さんとはどうなの?」
いきなり徳永の質問か・・・

「え?どうって・・・ 別に何もないって前にも言ったじゃん」
「そうじゃなくて、急に姉妹ができたわけでしょ
 それってどういう感じなのかな?って」
「うーん、まだよく分からないな
 一緒に住み始めてまだ3日目だし
 元々クラスメートだったから余計にそう思うのかもしれない」

「そっか・・・」
「もしかして焼きもち?w」
「ち・・・違うもん!! ・・・でもちょっと羨ましい・・・かな」
「早貴・・・」

44 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 23:04:13 ID:D2mkK+2T0
「あ・・・着いちゃった・・・」
気がつけば早貴の家の前まで来ていた
楽しい時間はあっという間だ

「じゃぁ、後でメールするから」
「うん・・・」
家に入って行く早貴

さて帰るか
回れ右をして家へと歩き出した瞬間「待って!」という早貴の声がする
ん?どうしたんだろう?
そう思って振り返ると同時に、唇に感触が・・・

「あ・・・う・・・」
「・・・ばいばい・・・」
それだけ言うと猛ダッシュで家に入ってしまう早貴


・・・キス、しちまった・・・

45 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 23:04:45 ID:D2mkK+2T0
早貴の家から自分の家までは歩いて30分以上にもなるが
全然苦にならなかった
むしろこの興奮を抑えるのにはちょうど良い距離だった


途中でコンビニに寄った後、いつものようにカギを開けて家に入る
開けてから(徳永がいるんだから中から開けてもらえば良かったかな?)と思ったけど
わざわざ閉め直してチャイム鳴らすのも変なので
そのまま入る事にする

「おかえりー」リビングから徳永の声がする
「おう、ただいま」
今まで家に帰っても誰もいなかっただけに
このやり取りも何か新鮮だ

「せっかくあたしいるんだから、ピンポン鳴らしてくれれば良かったのに・・・」
あ、やっぱ怒ってるかな?
「ゴメンゴメン。ついいつもの癖で・・・ もう10年近くこれだからさ」
「ま、いいけどさ」


部屋で私服に着替えると、リビングへと戻る
徳永はテレビを見ていた
そう言えば徳永の私服見るの初めてだなぁ
前から思ってたけどやっぱり黒いな

「道、迷わなかったか?」
「うん大丈夫。途中までみやが一緒だったし」
「そっか・・・」
そうだ。夏焼め、よくも・・・
と思ったけど、これは明日本人に直接言おう

46 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 23:05:59 ID:D2mkK+2T0
「あ、そうだ。これそこで買って来たんだ。食べる?」
コンビニ袋からスナック菓子を取り出す
「もうすぐ晩御飯じゃん」
「そうだよな・・・」
どうも空回りしてるなぁ

「いいよ、食べてあげる。ちょっとお腹空いてたし」
こっちに合わせてくれてるのかな。我ながら情けない・・・
「ちょっと、何ボーッとしてるのさ。早く開けてよ」
「ハイハイ(パーン)」

「一緒に食べよ? ハイ、アーン」
一枚取って俺の方に差し出す徳永
「いや、それはいいや」
華麗にスルーして袋に手を入れる俺
「もうっ!ノリ悪過ぎ」
「ハハハ・・・」


結局、二人でスナック菓子一袋を完食してしまい
ちょうど帰って来たおばさんに揃って怒られるのであった

47 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 23:07:11 ID:D2mkK+2T0
「「「「いただきまーす」」」」
親父も帰ってきて、4人での夕食が始まる


「二人とも、学校はどうだった?」
親父が訊いてくる
「別に。いつもと変わんないけど?」
「だよね。転校とかしたわけじゃないし」
「そうか・・・」
「こいつは授業中ずっと寝てたけどね」
「千奈美、また寝てたの?」
「あー、もう何でそういう事言うかな?」
抗議の視線を浴びせてくる徳永

「朝起きられないのも授業中寝ちゃうのも
 夜更かししてるからでしょ!」
「だって・・・」
「言い訳しないの!」
「ハーイ・・・」
前から思ってたけど、おばさん結構厳しいなぁ

48 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/25(金) 23:08:35 ID:D2mkK+2T0
「明日からはちゃんと起きなさいよ!
 ○○君ずっと待ってたんだから」
「分かってるよー」

「あ、明日からはちゃんとメシ食う前に起きてるか確かめるから」
「そう?悪いわね・・・」
「・・・とか言って着替え覗くつもりでしょ?このエッチ!」
さっきの仕返しとばかりに口撃してくる徳永

「千奈美!もー、あんたって子は!
 さっきだって、家に帰る道が分からないって電話してきて・・・
 もうすぐ高校生なんだからもうちょっとしっかりしなさい!」

ん?さっき迷わずに帰れたって言ってなかったか?
「お母さん!もうその話はいいから」
「そうだよ。怒るとせっかくの美人が台無しだぞ」
ようやくフォローに入る親父

しかし、徳永の慌てぶりを見る感じだとやっぱり迷ったのか
電話しろって言ったのに・・・

49 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/26(土) 00:00:17 ID:32T57h2L0
「(コンコン)徳永、俺だけど。いいかな?」
「(ガチャ)どうぞー」
夕食が終わり、徳永の部屋にノートを持って行く俺


「ハイ、これ約束だから」
「うん、ありがと」

「・・・あのさ、さっきの話だけど」
「何?」
「なんで道わかんないのに俺に電話しなかったの?
 おばさん仕事中だったはずなのに」
「まぁまぁ。もう済んだ話だしいいじゃんw」
「・・・もしかして、俺に気遣ってる? だとしたら、ゴメン・・・」
「もー、いつもの○○君らしくないよw 別に気にしてないし
 って言うかそっちこそ気遣ってるじゃん」
「そうかもしれないな・・・」
「実はあたしもなんだけどね・・・」
やっぱりそうだったのか

「ねぇ、お互い気を遣うのとかなしにしない? 家族なのに疲れるじゃん」
「お・・・おう・・・そうだな」


でも自然に接するのって難しいよなぁ
ましてや元々そこまで親しかったわけじゃないんだし

50 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/26(土) 00:00:51 ID:32T57h2L0
「おい徳永起きろ!朝だぞ!!」
やはり起きて来ない徳永
結局俺が起こすはめになる

「うーん・・・あと3分、いや2分・・・」
そう言ってまた布団をかぶろうとしている
本当、寝起き悪いなぁ

昨日遠慮は要らないって言ってたよな?よし!
「(ペチペチ)起きろー、千奈美ちゃーん!朝ですよー!」
冗談ぽく名前呼びながらほっぺを軽く叩く

「ん・・・オハヨ・・・」
おぉ、何とか目を開けてくれたな
「ハイ、おはよう。じゃ、早く着替えてリビング来いよ」
そう言って部屋を出ようとするが反応がない。まさかまた寝るつもりか?

「おい!もう一回寝ても起こさないからな!」
「わかったよ! 起きるから」
そう言って手を布団から出して上に伸ばす
「・・・何?その手は?」
「引っ張って起こしてー?」

どんだけ甘えてるんだ?と思ったが、断ればまた二度寝されそうなので起こしてやる
「ありがと♥」
「・・・もう寝るなよ。俺はメシ食いに行くからな」
そう言って部屋を後にする

徳永の笑顔に、不覚にもちょっとドキッとしてしまった・・・

51 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/26(土) 00:01:24 ID:32T57h2L0
「「行って来まーす」」
今日は昨日よりは余裕もって出発できた
昨日と同じように二人で歩いて行く

どうやら夏焼と途中で待ち合わせしているらしい
本当は昨日もしていたけど、間に合わなかったので置いて行かれたみたい


「徳永さ、もうちっとちゃんと起きてくれよな」
「いいじゃん。それよりさ」
こっちの言葉をあっさりかわし、何故かニヤニヤする徳永

「何だよ?」
「さっき起こす時名前で呼んでくれたよね?」
何だよ聞いてたのか
「もう一回呼んで?」
「やだ」
「何でよー!」

「あ、あれはお前がびっくりして起きるかと思ってだなー」
何言い訳してんだろ、俺

52 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/26(土) 00:02:22 ID:32T57h2L0
「あー、今『お前』って言ったー」
「言っちゃ悪いかよ」
「悪いよー! ○○君誕生日12月でしょ?」
「よく知ってるな」
「あたし5月22日だから半年以上お姉さんなんですけど?」
「・・・こんな姉ちゃんヤだな・・・」

「何でよー。こんなに可愛くてスタイル良くて明るくて
 おまけに性格最高なのに?」
そう言ってお嬢様風にスカートの裾を持ちポーズを取る徳永

「・・・自分で言ってて恥ずかしくない? そのポーズも」
まぁ可愛いのと性格はともかく、明るいのは間違いないし
よく見たらスタイルもかなりいいようには思うけど

「ヒドイ・・・ショック大!」
「・・・ あ、あそこにいるの夏焼じゃないか?」
「もう!話そらすのなしだよ!」

助けてくれ、夏焼・・・

53 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/26(土) 00:03:11 ID:32T57h2L0
待ち合わせ場所で夏焼と合流する

「みや、おはよー」
「おはよ。○○君もおはよう」
「おう。じゃ、俺先行くわ」
女子二人と登校するのは何か照れ臭いので先に行く事にする

「え?なんで?せっかくなんだし一緒に行こうよ」引き止める夏焼
「そうだよ。何恥ずかしがってんのさ?」
「べ、別に恥ずかしがってなんか・・・
 ほ、ほら・・・女同士で話とかあるだろ?」
「それは学校でするからいいの!」

「・・・もしかして○○君、うちの事嫌い?」
突然悲しげな表情を見せる夏焼。今度は何なんだ?
「え?な、何言ってんだよ??」
「だってさっきまでちぃと楽しそうに歩いてたじゃん」
別に楽しそうに歩いてたつもりはないんだけどな・・・

「だって、そういう趣味はないってちぃに聞いたよ?
 なのにうちの事避けてるって事は・・・」
「わー、わかったわかった!一緒に行こう! それでいいんだろ?」
そう言った途端、笑い出す夏焼

「何がおかしいんだよ!」
「だって、すぐに騙されるんだもん。ちぃに聞いた通りw」
「でしょ?ちょっと悲しそうな顔とかしたらすぐに焦り始めるんだよw」
コ、コイツら・・・


結局何だかんだで3人で登校する俺たち

54 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/26(土) 00:19:49 ID:32T57h2L0
「だから、鈴木さんだっけ?あの子どうにかしてくれよ
 夏焼、部長なんだろ?」
「あー、愛理に会ったんだー・・・」

「『会ったんだー』じゃないって、ホントに・・・
 せめて部室でやれよ」
「部室はもも先輩のせいでなくなっちゃったんだよ!」
「そうそう。嗣永先輩が文化祭でエッチな小説とか漫画作って売りまくってたのが
 見つかっちゃったんだよねー」
徳永が話に入って来る

「あー、あの噂って本当だったのか」
「うん。だってあたしその本持ってるもん」
「ふぅん・・・」
何で持ってるんだよ

「あ、さては見たいんでしょ?」
「べ、別に見ねーよ!」
「またまたー。いいよ、帰ったら貸してあげるw」
「いいってホントに」


ふぅ、ようやく学校に着いた・・・

55 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/26(土) 00:21:18 ID:32T57h2L0
「おい!お前今日夏焼さんと一緒に学校来てただろ!」
「え?マジか?それは許せんな」
休み時間、友達に批判される俺
あぁ、やっぱり見られてたのか

「イヤ、徳永も一緒だったんだけど・・・」
「言い訳無用!つーか徳永とかどうでもいいし」
「そうだそうだ!あんなザコは今、問題じゃない
 それよりもお前が夏焼さんと楽しそうに登校してた事こそが重要だ」
おいおい、徳永酷い言われ様だなぁw

「別に楽しそうにしてないけど?」
「何?夏焼さんと一緒にいて楽しくないだと?」
「ふざけやがって!お前、俺と替われ!イヤ替わってください!」
おいおい、どうすりゃいいんだよ・・・

「とにかく!お前明日から徳永と姉弟仲良く登校しろ」
「・・・でも徳永と夏焼、待ち合わせしてるぞ?」
「だからって3人で行く必要なし!
 夏焼さんは徳永に任せて、お前はダッシュで学校行け!」
無茶苦茶だなぁ。夏焼本人に言えよ・・・

56 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/27(日) 11:49:10 ID:J6ufjCR20
「・・・ってわけでさー、ホント大変だったんだよ・・・」
帰り道、早貴に昼間の騒ぎを笑い話として伝える
もちろん手はギュッと繋いだままだ

「・・・ふぅん。その夏焼さんって人、可愛いの?」
ヤバ、ちょっとムッとしてる
「あ、イヤ、たしかに可愛いって言えば可愛いけど
 早貴には全然かなわないって言うか・・・
 大体、そう言う気があったらわざわざこんな話しないだろ!」
「・・・うん。そうだよね・・・」

「もしかして、まだ俺の事信用できない?」
「そんな事ない、けど・・・」
もしかして早貴ってけっこう独占欲強いのかな?
ギュッと早貴を抱き締め、軽くキスをする

「・・・こ、これでもまだ信じられない?」
平静を装って言ってるが、心臓がバクバク言ってるのがわかる
何しろまだキスは2回目だし、自分からするのは初めてだ
首を横に振った後、伏し目がちにボソっと「・・・信じる」と応える早貴

57 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/27(日) 11:50:36 ID:J6ufjCR20
早貴の家の前に着く
別れ際、前から考えていた事を早貴にぶつけてみる
「あ、あのさ・・・ 今度うちの家族に早貴を紹介したいなーとか思ってるんだけど・・・
 あ、もちろん早貴がイヤじゃなければの話だけど」

「・・・いいの?」
「いいに決まってるだろ! 俺にとって家族と同じぐらい大事な人なんだから
 あ、別に急がないからさ。早貴も部活で忙しいだろうし」
「うん、わかった・・・ 考えとく・・・」

「じゃぁ、また明日な」
「待って!」
「ん?」
目を瞑って唇を差し出してくる早貴
え・・・さっきしたよな?

「・・・さっきのは不意打ちだからもう一回・・・」
まるでこっちの心を見透かされているかのようだ
そうだよな、ちゃんとしないとな
そして静かに唇を重ね合わせる

58 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/27(日) 11:51:12 ID:J6ufjCR20
早貴が家の中に入って行くのを見届けると、家へと歩き出す


「ちょっと!」
少し歩を進めたところで、後ろから女の子に呼び止められた
ん?俺のことかな?
そう思ってキョロキョロ周りを見渡す

「アンタに決まってんじゃん」
俺を馬鹿にしたような表情になる
それにしてもふてぶてしいガキ・・・じゃない女の子だな
小学生だと思うが、上着のポケットに手を突っ込みガムをクチャクチャ噛みながら
俺の方をじっと見ている
見ていると言うより見渡しているという感じか

「な・・・何かな?」
その目力に圧倒されつつもようやく言葉を発する
「別にアンタに用はないけど、人ん家の前であんな事しないでよ。恥ずかしい!」
ボソッと吐き捨てると、クルっと180度回って歩いて行ってしまった
見られてたのか・・・

たしかに客観的に見たら恥ずかしい行動かもしれないな
そう考えつつ女の子を目で追っていたら
さっきまで自分が見つめていた家へと入って行った
あ、早貴の家族だったのか・・・ そう言えば妹がいるって言ってたな
ちょっとマズかったかなぁ?

59 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 02:21:52 ID:hJXLBHgf0
夕食の時間、早貴の話をしようと思ったのだが、なかなか切り出せない
いざ言うとなると何と言うか照れ臭い。何て言えばいいんだ?
しかも、徳永がほとんどずっと喋っててタイミングが取れない

ようやく話が一段落したようだ。今しかない!
「あ、あのさ「ホント、こうして4人で囲む夕食ってのは幸せだよなー」
親父、その気持ちはよく分かるが、最悪のタイミングで被せてくるなよ・・・

「そ、そうだね・・・」
とりあえず話を合わせる
「そうだ!お前ちぃちゃんと結婚しろ!」
おいおい親父、飲み過ぎじゃないのか?
しかも結婚とか子供かよ

「ハァ?親父何言ってんの? だいたいこいつと俺は姉弟じゃん」
「お前知らないのか? 血がつながってなかったら姉弟でも結婚できるんだぞ」
「え、そうなの?」
「うむ。そうすればずっと4人仲良く暮らせてハッピーじゃないか」

「ちょっと待てよ。俺の気持ちはどうなるんだよ」
「どうせお前の事だ。付き合ってる彼女もいないんだろ?」
「そうそうw」
黙れ徳永。お前に何が分かる

「それにお前もちぃちゃんの事嫌いじゃないだろ?」
「そりゃ、まぁ・・・って、結婚とかなると話は別だよ」
何マジになって答えてんだよ、俺・・・

60 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 02:22:58 ID:hJXLBHgf0
助けを求めておばさんの方を見つめるが
「そうねー。まだ先の事だしあなた達の気持ち次第だけど
 もしそうなったらずっと一緒に暮らせるんだよね・・・」
うぅ、最後の頼みの綱まで・・・

「しょうがないなぁ。一緒になってあげてもいいよw」
何で満更でもない顔してるんだコイツは

このムードで早貴の事言うのはキツイなぁ
でも言わないわけにもいかないし・・・

「えっと、せっかく盛り上がってるところ悪いんだけどさ・・・
 俺、ちゃんと彼女いるから」
「だろ?だからさっきから父さんもそう言ってる・・・え?」
「ウソー!誰、誰? みや?まぁ?それとも・・・」

それから約10分間、早貴の事をなれそめ含めて洗いざらい喋らされた
「父さん悲しいぞ。お前が黙って彼女作ってたなんて・・・」
「そんなの普通言わないだろ」
「前に『彼女できたら父さんに一番に報告するね』って言ってたじゃないかぁ・・・」
それって小学生の頃の約束だろ
だいたい自分だっておばさんとの事、ギリギリまで黙ってたくせに

61 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 02:24:12 ID:hJXLBHgf0
「あー!!!!!」突然叫ぶ徳永
「急に大きな声出さないの!」
「・・・って事は家で付き合ってる人いないのあたしだけ?」
「まぁ、そうなるな」

「ショック大! ・・・ねぇ、パパー、千奈美可哀想だよね?」
突然親父に甘える徳永
「うん、まぁ・・・」
「じゃぁ、お小遣いちょうだい?」

「千奈美! それとこれとは関係ないでしょ!」
「えー・・・ だってデートとかにも行けないんだよ?
 まぁやみやとカラオケにでも行ってストレス発散したいよぉ
 ねぇ、ダメ? ぱぱぁ〜」
「そんな事言ってないで勉強しなさい!」
「まぁまぁまぁ。ちぃちゃんの言い分もよく分かるよ
 後で部屋に来なさい、お小遣いあげるから」
「やったぁ!」
「あなた!」

おいおい色仕掛け?で小遣いゲットしやがった
貰おうとする徳永も徳永だが、あげる親父もどうかしてるぞ・・・

62 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 02:25:52 ID:hJXLBHgf0
「ジャーン!」

部屋に戻って勉強しようとしてたらいきなり部屋に入って来て
一万円札をヒラヒラとかざす徳永
「ハヒホー ハヒホー フヘホー ハヒホー」とか
変な呪文?を唱えながら踊っている
しかし親父、一万はあげすぎだろ・・・

「せっかく貰ったんだから大事に使えよな」
「裏切り者の○○君の意見は聞きませーん!」
裏切り者って何だよ。そっちが勝手に盛り上がってただけだろ

63 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 02:26:23 ID:hJXLBHgf0
「それにしても何かムカツクよねー。○○君だけ幸せになってさー」
「・・・家族の幸せは自分の幸せって発想ないの?」
しかも勝手に人のベッドに座ってやがる

「ハイハイ。勝ち組はすぐそういう事言うよね?
 そうだ! 今度その早貴って子が家に来た時いじめちゃおっかな?
 お姑さんみたいにw」
「おいおい、やめてくれよ・・・」

「え?どうしよっかな? あたし好き嫌い激しいしなー
 嫌いなタイプだったら仲良くできる自信なーいw」
「そんな事ないって。きっと徳永も気に入ってくれるよ」
「それはどうかな? ねぇ、やめてほしい?」
ニヤニヤと寄って来る徳永
こいつたまに人の嫌がる事を平気で言ったりしたりするんだよな

「いじめたきゃ勝手にしろよ。でも、もし本当にいじめたらお前の事軽蔑するからな」
「な、何よ・・・ちょっと冗談で言っただけじゃん。ムキになってさ」
「言っていい冗談ってのがあるだろ。今からアイツに電話するから出てってくれよ」
「フン!バーカ!」
怒って部屋から出て行く徳永

ちょっとマジになりすぎたかな?
そう思ってたら
『バカバカバーカ!』というメールが隣の部屋から送られて来た
相手する気にもならないので無視して早貴に電話する事にした

64 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 11:07:36 ID:hJXLBHgf0
結局早貴には
『家族にはちゃんと話せたけど、徳永が必要以上に騒いだので
 家に呼ぶとかの話にもって行けなかった』
と話した

早貴も夕食の時に家族に話したらしいが
あまり芳しい反応ではなかったらしい
どうも彼女の妹が、ある事ない事家族に吹き込んだためらしい

「ごめんなさい。あたしがもっとちゃんと言ってれば・・・」
「いいよ。早貴が悪いわけじゃないよ」
そうは言っても結構凹む

「舞っていっつも自分勝手で好き嫌い激しくて
 おまけに要領良くてさ。自分だって彼氏いるくせに
 お父さんにあっさり公認もらってるの
 お父さんも舞の言う事ばっかり信じるし
 お母さんはお父さんの言いなりだし・・・」
おいおい、結構裏で毒吐くタイプなのか?
ちょっと意外な一面を見てしまったような気がする

「あ、ご、ごめん・・・」
こっちの沈黙に気付いたのか、慌てた様子の早貴
「い、いいって。俺に言ってイライラが発散できるならいくらでも聞いてやるから」
「うん・・・」
でも口ゲンカになったら勝てないかもな

65 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 11:09:22 ID:hJXLBHgf0
「あ、でもお兄ちゃんは賛成してくれたんだよ」
「へぇ・・・」
話に聞くところによるとかなりのイケメンでスポーツ万能らしい
妹と違ってよく話に出てくるところからみても
自慢の家族という事が窺える

「でね、今度一緒にキャッチボールしようって言ってた」
「あれ?お兄さんってサッカー部じゃなかったっけ?」
「そうだけど『男ならやっぱキャッチボールでしょ。
 こうガーッとやるのがいいんだよ。ガーッと!』とか言ってた」
「そ、そう・・・」
前から思ってたが、お兄さん面白い人なんだな・・・

その後、しばらく他愛のない話をして楽しんだ


電話を切ると、また徳永からメールが来ていた。しかも5通も
コイツ、他にする事ないのか?
部屋にわざわざ文句言いに行くのも馬鹿馬鹿しいので
読まずにそのまま削除して眠る事にした

66 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 11:09:55 ID:hJXLBHgf0
翌朝、キッチンへ行くともう徳永は起きて朝食を食べ始めていた
何だよ、その気になれば起きられるじゃないか

「よう、おはよう。珍しくちゃんと起きてるんだなw」
昨日の事が一瞬頭をよぎったが、いつまでも根に持つのは男らしくないと思うので普通に挨拶する
「・・・・・」
しかし一瞬こっちを見ただけで無視する徳永
まさかまだ怒ってるのか?


結局徳永とほぼ同時に朝食を食べ終わる

「じゃぁそろそろ行くぞ」
「・・・・・」
いつもと違って元気なくついて来る徳永
そんな様子を見て苦笑いの親父とおばさん
何なんだよ?

夏焼と合流するまでの道も、俺の横は歩いてるが無言の徳永
ホント分かりやすいが、いい加減気まずい

なぜだかこいつとはすぐにケンカになってしまうんだよな
しょうがない。またこっちが先に謝る事にするか
仕方ないよな・・・

「あのさ、昨日はちょっと言い過ぎた
 徳永がそんな事するわけないのにムキになって」
「うん、あたしの方こそゴメン」
しかしどうも機嫌が直ってるようには見えない

67 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 11:10:36 ID:hJXLBHgf0
「なぁ、まだ怒ってるのか?」
「・・・だって、昨日謝ったのに無視した」
「ハァ?謝ったっていつ?」
「メール!」
「メールって?」
「昨夜送ったじゃん」
ん?あの嫌がらせのメールが謝罪だと?

「変なメールしか来なかったぞ。馬鹿とかアホとか」
「・・・最後のメールで謝ったもん」
「最後?」
「後からちょっとやり過ぎたって反省して送ったのに、見てくれなかったの?」
寝る前にまとめて消した中にあったのかな?
中身ぐらい一応見るべきだったか

「ゴメン、見ずに消しちゃった」
「・・・・・」
「俺も昨夜はちょっとカッカきてて、どうかしてた。ホント、ゴメン!」
「いいよ、別に大した事書いてないから
 それよりあたしの方こそちょっと大人気なかった
 ○○君の気持ち、全然考えてなくて・・・」
「それは俺も同じだよ。徳永の気持ち考えずにはしゃいで
 ・・・何だかおかしいな俺たちw」

68 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/29(火) 11:11:50 ID:hJXLBHgf0
「おかしいって?」
不思議そうな顔をする徳永

「俺ら『お前が悪い』って言い合ってると思ったら
 今度は『自分が悪い』『いや自分こそ』ってお互いに反省して
 何か似た者同士って言うか・・・」
「そうかな?」

「・・・仲直りしようぜ? お前が笑ってないと家族みんなシュンとしちゃうじゃん
 それに、お前は笑ってる方が絶対いいから」
「何よー。『笑ってればいい』って人をおバカみたいに言ってー
 それに『絶対いい』ってのも変!『絶対かわいい』とか言えないの?」
「その根拠のない自信はどこから出て来るのか、一度じっくり聞いてみたいもんだよ」
「もー、バカー!」

ふぅ、何とか仲直りできた・・・のかな?

69 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/30(水) 00:42:53 ID:iNueqPHN0
それから2週間ほど過ぎた

その間に早貴を家に招いた
両親も気に入ってくれたようだ
親父がちょっとウルっときていたのには引いたが

徳永の存在が少々気がかりではあったが
(本気でいじめる事はないとは分かっていたとは言え)
すぐに早貴と打ち解けてくれた

それどころか「妹みたい」「今度は泊まりにおいでよ」などと言い出し
早貴を困惑させるほどだった
メールアドレスも交換していたようで
「もし浮気したら速攻で報告するから」とか言ってた
大きなお世話だ


俺と徳永も相変わらず下らない事で言い争ったりはするが
それなりにいい感じで姉弟、そしてクラスメイトをやれている感じだ

そんなある日・・・

70 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/30(水) 00:44:12 ID:iNueqPHN0
「暑っちーなぁ」
「だよねー・・・」
いつものように早貴の家まで歩く俺たち
もう7月になろうとしているため、外はかなりの暑さである

「今日は終わるの早かったんだね」
「うん。会議か何かで先生が集まらないといけなかったみたい」
「そっか。もうすぐ期末だしな」
「あー・・・テストやだー」
頭を抱える早貴
マジメそうに見えて、主要5教科(国語、数学、理科、社会、英語)全部苦手らしい
勉強に関しては集中力がないんだとか

71 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/30(水) 00:45:52 ID:iNueqPHN0
「そうだ!テスト前に勉強教えてあげようか?」
「え、でも、○○クンも勉強が・・・」
「人に勉強教えるのって、自分にとってもプラスになるんだよ
 完全に分かってないとうまく教えられないし」
「そうなの?」

「そうだよ。それに成績悪いとさ、夏休みに補習受けさせられたり塾に行かされたりで
 一緒に遊ぶ時間がますます減っちゃうじゃん
 それを防ぐため?に俺が勉強教えるのって、俺のためになってるんじゃない?」
「え? ・・・うーん、そう、かな?」

「あと、早貴には俺と同じ高校に入って欲しいし
 ・・・ってまだ受かってもないんだけどねw」
「え?あたしそんなレベルの高いトコ無理だよ?」
顔を少し赤らめながら照れを隠すように答える早貴
「イヤイヤ、一高だから別に普通だろ?」
「・・・じゃぁ、がんばる!」
「よっしゃ!」

そんな会話を交わしているうちに早貴の家に着く
いつものようにギュッと早貴を抱き締め、軽くキスをして別れる

72 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 02:07:59 ID:iPU2JOY30
ピンポ〜ン
いつものようにインターホンを鳴らすが返事がない
おかしいなぁ。どっかで寄り道でもしてるのか?

ピンポ〜ン ピンポ〜ン
もう一回鳴らしてみるが、やはり返事がない
勝手に開けて入ったら怒られるが、いるのかいないのか分からないし
外があまりに暑くて一刻も早く家に入りたいのでやむを得ない
カギを使って中に入る事にする

「(ガチャッ)ただいまー」
徳永の靴が汚く脱ぎ散らかされている
やっぱり帰ってるじゃん
リビングのクーラーもついてるけど、ここにもいないっぽい
部屋で電話でもしてるか昼寝中かな?

とにかく顔が汗だくでかなわない
洗面所で顔洗うか

73 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 02:08:38 ID:iPU2JOY30
(バシャバシャバシャ)
ふーっ、気持ちいいー! まさに生き返ったって感じだ
あの暑い中1時間近く歩いてたんだもんな・・・

さて、汗も引いた事だし
リビングでクーラーに当たりながらゆっくりするか
そう思っていると・・・


ガラガラガラ
ん?何の音だ?
音のした方を見ようと振り返ると・・・

「キャーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
えっ・・・・・と・・・徳永???

見ると、そこには全裸の徳永が立っていた
慌ててバスタオルで隠す徳永
「もうっ! いつまで見てるの! 早く出てって!!」
「ご、ごめん・・・」
あっ、そうだ。何でここに居座ってんだ俺
慌てて洗面所から出てドアを閉める

「お、おい・・・何でこんな時間に風呂入ってんだよ。しかもドア開けて」
テンパって外からわけの分からない事を言ってしまう
「暑かったからシャワー浴びてたの! まさか誰も帰って来るなんて思ってなかったし
 そっちこそ帰って来るの早すぎ」
「今日は会議か何かで早貴の部活が早く終わったんだよ」

「もー!最悪ー!」
こっちだって見たくなかったと言いたかったが、余計に怒らせるだけだからやめておく事にした
数秒とは言えバッチリ見てしまったのは事実だし

74 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 02:09:42 ID:iPU2JOY30
ガラガラガラ
洗面所から出て来てリビングに来る徳永
こっちを睨んでいるが、ちょっと涙目になってるように見える
それを見てやっぱり申し訳ない事をしたなぁと思う

「ゴメン! わざとじゃないけどうっかりしてた」土下座して謝る
「・・・・・後で言いつけるから」
「そ、それだけは勘弁してくれ! 絶対にわざとじゃないって。信じてくれよ」
「別にわざとじゃないならいいじゃん」
「うぅ・・・」

おばさんはともかく、徳永びいきの親父の事だ
殴られはしないだろうけど、小遣い減額とか普通にあり得るよなぁ・・・


「ねぇ、許してほしい?」
「え?」
許してくれるのか?
「じゃぁねぇ・・・と思ったけど、やっぱやめた!」
完全に遊ばれてるな
でもこっちが立場が不利なんだから、文句を言ってもいい方には進まない
ここはとにかく耐えるしかない

75 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 02:10:14 ID:iPU2JOY30
そして夕食の時間
徳永から両親に包み隠さず報告されてしまう
二人の視線が怖い
まさに針のムシロと言う感じだな

「・・・○○。ホントにわざとじゃないんだな」
最初に口を開く親父
「当たり前じゃん。彼女いるのにそんな事しないって」
「嘘ばっかり。見た瞬間嬉しそうな顔してたじゃん」
「してねーし!」
「どうだかw」

「まぁまぁケンカしない。お前はどう思う?」
おばさんに意見を求める親父
「千奈美がドア開けてたのが悪いのよ。いっつも閉めなさいって言ってるのに」
これは心強い援軍だ。おばさんありがとう!

「だって、一人で心細かったんだもん」
「今日みたいに急に誰かが帰って来るかもしれないでしょ?」
「そうだけど・・・」

76 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 02:11:44 ID:iPU2JOY30
「やっぱりそうかなぁ・・・」うなずく親父
「え?ちょっと待ってよ。それじゃあたし覗かれ損なんですけど」
ムッとした様子の徳永
「だから覗いたんじゃないって」
「じゃぁ見られ損!」怒って言い直す徳永

「でも、まぁ見てしまったのは確かだし
 このままじゃちぃちゃんも気が済まないだろう
 だから○○!お前ちぃちゃんの言う事何か1つ聞いてやれ。拒否権はなしだぞ」
「・・・わかった」

「ちぃちゃん、それでいいかな? この前お小遣いあげたし許してやってくれよ」
「・・・うん。それでいいよ・・・」
まだ納得してはいない様子だが、渋々承諾した徳永

「ハイ!じゃぁ仲直りの握手しろ」
親父に言われて握手する俺たち
しかし、徳永がニヤっとしていたのが何か恐ろしい・・・

77 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 14:19:10 ID:iPU2JOY30
ようやく解放されて部屋に戻る
(コンコン)早速来たか
「どうぞ」
やはり徳永だった

「さーて。お願い何にしようかな?」
ニヤニヤしている徳永
「言っとくけど出来る事と出来ない事があるからな」
「ハイハイw じゃぁゆっくり考えさせてもらうねー」
そう言い残して部屋を出て行く徳永

あぁ、何でちゃんと確かめなかったんだろう
今さら後悔しても遅いんだけど

78 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 14:19:40 ID:iPU2JOY30
(コンコン)
その後、風呂に入り、早貴とのメールのやり取りも済ませてそろそろ寝ようとしていたら
ドアをノックする音が聞こえる

「はい」
「あたしだけど、いい?」
徳永か。もう決まったのかな?
「どうぞ」部屋に招き入れる
もう暑いのでパジャマではなくTシャツに短パン姿だ
思春期の男の前でそんな格好するなよ
刺激が強すぎるって!

「ど・・・どうした?」
あまり徳永の方を見ないようにしつつ聞いてみる
「あのさ、色々考えたんだけどさ」
「うん・・・」
「あたしだけ見られ損なわけじゃん」
「・・・・・」
「だから○○君のも見たいなー・・・なんて」

79 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 14:20:34 ID:iPU2JOY30
「ハァ?お前何言ってんの!?」
「○○君はあたしの裸、バッチリ見たよね?」
「う・・・まぁ・・・」
「どこまで見たの?」
「えっ・・・それは・・・」
「正直に言って!」

「お、おっぱいと・・・あの・・・毛を・・・
 あとタオルで隠して後ろ向いた時に尻もちょっと・・・」
何言ってんだ俺
しかも言ったせいでまた残像が脳裏に蘇ってきやがった
やべぇ、ちょっと勃ってきちゃった
女の子のハダカなんて、幼稚園以来見て事なかったんだから刺激が強すぎるよ

「ヒドイ。ほとんど全部じゃん!」
徳永の言葉に我に返る
「ゴ、ゴメン・・・」
「そこまで見たんだから、そっちもあたしに見せるべきじゃない?」
「ど、どんな理屈だよ! 他に何かあるだろ。ちゃんと言う事聞くから!」
「ダメー!! 拒否権はないってさっきパパが言ってたじゃん」
「出来る事と出来ない事があるってさっき言っただろ?」
「これは出来る事じゃん!」

しばらく押し問答が続いたが、引く気配のない徳永
「・・・ちょっとだけだぞ・・・」
結局折れるしかないのか

80 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 14:21:09 ID:iPU2JOY30
「男の子のって見るの初めてなんだよねー」
嬉しそうな徳永
そうか。こいつの本当の親父さんは生まれてすぐに出て行ったんだっけ

渋々パンツごとズボンを下ろす
うぅ・・・恥ずかしい・・・
「ちょっと!シャツで隠すのダメだよ。ちゃんとシャツもまくって!」
仕方なくその言葉に従う

「ふぅん。こういう風になってるんだー」
まじまじと見つめる徳永
その光景とさっきまでの残像で、分身にどんどん血液が集まっていく

「うわ!ちょっと何?なんでどんどん大きくなるの!」
「う・・・うるせーよ!」
まさか徳永のせいでこんな事になったとは言えない

「ホラ!もういいだろ?」
「ダメ!ちょっと触らせて!」
おいおい正気かよ・・・

81 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 14:21:55 ID:iPU2JOY30
「ダ、ダメだそれだけは!! 俺には早貴がいる!
 つーか俺ら一応姉弟だろ? 親父もおばさんもこんなの見たら悲しむって」
「別にエッチしようって言ってるわけじゃないからいーじゃん
 って言うかここまで来たら同じだってw」
「馬鹿馬鹿しい・・・」
ズボンを履いて部屋を出て行こうと立ち上がる

「もし出て行ったら大声出して、○○君に襲われそうになったって言うよ?」
そう言って服を脱ごうとする徳永
「やめろって。それにそんなの親父達が信じるわけないだろ?」
慌てて止めに入る

「そんなになってるのに?w」
服を脱ぐのはやめたが、笑いながら俺の股間を指差す徳永
ズボンの上からでも分かるほど盛り上がってしまっている
それを言われて抵抗を諦める

「○○君はさ、何もしなくていいよ
 ちょっと触らせてもらって、精液?出るトコ見たら終わりにしてあげるから」
「・・・これ一回きりだぞ?」
もうわけが分からなくなってるのと早く終わりたい思いから同意してしまう

82 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 16:58:16 ID:iPU2JOY30
そっと俺の分身を触るとしごき始める徳永
しかし不慣れな手付きのためか、勃ってはいるのだがどうにも反応はない
そうこうしているうちにだんだん萎んできた

「ねー、なんで?」
「・・・知るかよ。もう終わりに「やっぱアレかな?エッチな気持ちにならないからかな?」
俺の言葉を遮ったと思うと、再び服を脱ぎだす徳永
今度は俺の静止する間もなく全部脱いでしまう
なんでノーブラなんだよ・・・

「おい!服着ろって!」
慌てて目を瞑る
「え?この方がさ、○○君も喜ぶかな?って思ってさ。ホラ、よく見てよ・・・」
そう言って無理やり目を開かせてくる
「痛てーよ」
仕方なく目を開く

「ホラ、やっぱりねw」
満足そうな徳永
頭では拒否ってても身体はホント馬鹿正直だ
極限まで自己主張してやがる
免疫ないから仕方ないとは言ってもなぁ・・・

83 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 16:59:25 ID:iPU2JOY30
「すごーい!こんな大きいのが女の子のココに入るんだね」
「・・・それだけは絶対にしないからな」
「分かってるよw じゃ、舐めてあげるね」
「何が『じゃ』だよ。いい加減にしろ!」
どこでそんな知識得たんだよ。また夏焼達のエロ漫画か?

「いーからいーから、ね?」
そう言って口の中に俺の分身を入れてしまう
「うっ!! や、やめろって・・・」
そう言うものの、快感で力が抜けてしまい抵抗できない
刺激が強すぎるって!
なんでそんなに舌使い上手いんだ?

「ろぉ?ひもひいい?」
咥えながら尋ねる徳永
「・・・・・」
さすがに気持ちいいとは言えずに黙っている

そうこうしてるうちに快感が頂点に近付いてきた
「ヤバイ!徳永出ちゃうって」
「らいじょーぶらいじょーぶ。あたしイカらいすきらもん」
「そういう問題じゃ・・・うっ!!!・・・」

84 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 17:01:04 ID:iPU2JOY30










・・・あれ??? なんで部屋が真っ暗なんだ?
それに徳永は? しかも俺なんで布団かぶって寝てるんだ?

あー、夢だったのか・・・って!!!!!

あちゃぁ・・・

85 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 17:01:59 ID:iPU2JOY30
「おはよー・・・」
結局あの後パンツ洗ったり布団を拭いたり
部屋の臭いもファ○リーズで消したりであまり寝られなかった

「おはよう○○君。あら、珍しく眠そうねー」
おばさんが笑顔で声を掛けてくる
「えぇ、まぁ・・・」
まさか何があったかなんて言えやしないしな

徳永達が引っ越してくる前にエロ本とか全部捨てちゃったし
隣の部屋に徳永がいるから、最近自分で「して」なかったかんだよなぁ
しかしよりによって徳永で、なんて・・・
恥ずかしくて顔見れねーよ
早貴にも何だか申し訳ないし

「おっはよー!」
そこに笑顔でリビングに入って来る徳永
本人とは無関係とは言え、やっぱり恥ずかしい

86 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 17:05:20 ID:iPU2JOY30
「行って来まーす」

いつものように徳永と登校する
しかし恥ずかしさから未だに顔を合わせられない

「ねぇねぇ、どーしたの?」
そんな俺の顔を覗き込む徳永
おい近いって!
ゆうべ、その口で・・・とか思い出しちゃうじゃないか

「な、何でもねーよ!」
慌てて誤魔化す
「ふぅん、変なの」
よかった。あまり気に留めていないようだ

87 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 18:48:22 ID:iPU2JOY30
「あ!そうだ。お願い決まったよ」
「えっ・・・」
昨夜見た夢の光景がフラッシュバックされて冷や汗が出てくる
イヤイヤ落ち着け。あれは夢だ
漫画やゲームじゃないんだから、現実にあんな事言うはずない!!

「あのさ、色々考えたんだけどさ」
「うん・・・」
「あたしだけ見られ損なわけじゃん」
ちょっと待て。この会話、昨日見た夢のまんまじゃないか

「待て待て!それだけはダメだ!他の事ならちゃんと聞くから!!」
気がついたら土下座していた
道行く人々も不審そうに俺たちを見ている

「ちょっとやめなって。まだ何も言ってないじゃん!
 って言うか今日の○○君おかしいよ?」
「イヤ、だけど」
「とにかく最後まで話を聞いてよ」
「わかった・・・」

88 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 18:49:49 ID:iPU2JOY30
「えっと、あたしだけ見られ損なわけじゃん」
「・・・・・」
「だからさ、○○君にもそれなりの事をしてもらおうって」
「うん。それは分かってる」
頼む!早く言ってくれ
もうエロ関係じゃないなら小遣い献上でも
学校で奴隷化するのでもいいような気がしてきた

「○○君のお料理・・・食べてみたい」
え?何だそれ?
それぐらいならお願いじゃなくても聞いてやるのに

「何?そんなのでいいの?」
「うん。だって、パパから話聞いて一回食べてみたいなーって思ってたの
 前に調理実習やった時にまぁが絶賛してたし」
「おう。そのぐらいならお安いご用だよ。期末終わってからでいいよな?」

「うん。でね、作ってるとことか見させてほしいの
 あと、材料の買出しとかも行くじゃん。それも連れてってほしい」
「なんで?」
「あたしも料理作れるようになりたいし」
たしかにコイツ、調理実習の時も騒いで先生に怒られてたっけ
どういう心境の変化かよく分かんないけど、おばさんも喜ぶだろうし協力してやるか

「じゃ、これで一件落着だな」
「待って!」
まだ何かあるのか?

89 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 18:50:27 ID:iPU2JOY30
「あのね・・・できればお願いもう一個聞いてほしいなー、なんて・・・
 ダメ・・・だよね?」
「お願いの種類にもよるよ。あんまり無茶なのは却下だけど」

「・・・えっとね、お母さんの事、『おばさん』じゃなくて『お母さん』って呼んであげてほしいの」
「・・・・・」
「ま、まだお母さんって認められないかもしれないけど
 お母さん『おばさん』って呼ばれる度にちょっと悲しそうな顔してるの
 すぐには無理かもしれないけど・・・ね?」
それは徳永に言われるまでもなく、俺も感じていた事だった
でも頭では分かっていても、いざ呼ぶとなると恥ずかしいとか色々あってなかなか・・・

「わかった。頑張ってみる」
「ありがと・・・」
そう言いつつまだ何か言いたそうな徳永

「何?もしかしてまだ何かある?」
「あ・・・イヤ・・・えっと、これはどっちでもいい話だし
 さすがに3つも言うのは厚かましいって言うか・・・」
妙に歯切れが悪いな
しかしここまで言われたら気になってしまう
「・・・言ってみ?」

90 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 18:51:34 ID:iPU2JOY30
「さっきのお母さんの呼び方とちょっと関係あるんだけど
 あたしの事も、できれば名前で呼んでほしいなー、なんて・・・」
「・・・・・」
「あ、やっぱイヤだよね。○○君、女の子は全員苗字でしか呼ばないし慣れてないよね?
 早貴ちゃんぐらいでしょ、名前で呼んでるの」

「・・・徳永って呼ばれるの、やっぱイヤ?」
「・・・学校とかみんなのいるとこでは別にいいけど
 家とか二人でいる時は名前で呼んでほしい・・・
 でも○○君がイヤならいいよ。たかが呼び方だしね
 やっぱ今の話なしでw」
そう言ってちょっと寂しそうに笑う徳永
こんな顔させちゃって申し訳ないよな

「し、自然に呼べるように頑張るよ・・・千奈美」
そう言うとぱぁっと表情が明るくなる徳・・・千奈美
「ありがと(よし!一歩前進!)」
「何か言った?」
「別に何でもないもんにー」
そう言って夏焼の所へと走って行く千奈美

91 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/07/31(木) 18:53:48 ID:iPU2JOY30
今日はここまでです
連投規制が思ったよりキツイですが、ようやくあと少しで全部貼り終わります
その後はいよいよ続きを書いていかないといけないのですが・・・

92 :小咄 ◆sjehs7tfE6 :2008/07/31(木) 20:30:30 ID:sz9tsUB+O
スレ立て乙です! 懐かしいですねっ。
あのまま終わってしまったのかと残念だったのですが、
またこうして復活してくれて何よりです。

そういえばうぷろだ閉鎖したみたいですね。
たまに読みたくなることもあるんですが…。

羊でも頑張ってくださいねっ。続き期待してます!

93 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 01:36:36 ID:Ned/CDQp0
7月のある日曜日
ようやく期末テストも終わった
ちょっと一息つけるな・・・
と言っても、受験生だからそうのんびりともしてられないんだけど

今日は徳永・・・じゃなかった千奈美との約束の日だ



「なぁ、まだか?」
「ちょっと待ってよー」
「早くしないと置いてくぞー。メシ作る時間とかもかかるんだし」
「いいから待ってってば!」
何をそんなに時間かけてるんだろう

「お待たせー」
ようやく部屋から出て来る千奈美
「遅せーよ。もう10分以上待ったんだけど」
「第一声がそれってひどくない? せっかくオシャレしてきたのにさ」
そう言って見せつけてくる千奈美

たしかに普段家では絶対に履かない(少なくともここに引っ越してからは一度も見てない)
スカートを履いてる
よく見ると少し化粧もしているようだ

「あのさ、たかがスーパーへの買い物なのに
 なんで化粧とかよそ行きの服着てるの?」
「もうっ、バカ! そんなんじゃ早貴ちゃんに嫌われるよ」
そう言って先に出て行ってしまった千奈美
「おい、早貴は関係ないだろ。じゃ、行ってきまーす」
慌てて千奈美を追い掛ける

94 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 01:37:28 ID:Ned/CDQp0
「じゃ、行くか」
自転車の方へ向かう俺
「えー?歩いて行こうよー」
突然ワガママを言い出す千奈美

「あのなー、こっからスーパーまで歩いたら20〜30分かかるの分かってるか?
 こんなに暑いのに歩いて行けるわけないだろ
 それに帰りは荷物あるんだし」
「この格好だから見えちゃう!」
そう言ってワンピースの裾をひらひらさせる千奈美

「なら着替えて来りゃいいじゃん待っててやるからさ
 こんな暑い中1時間も歩くのは無理。熱中症になっちゃうぞ」
「・・・やだ・・・せっかくのデートなのに・・・
 それに自転車で行ったらあっという間だもん・・・」

独り言に近くて何言ってるか分からなかったけど、何かブツブツ言ってる
突き放してもいいんだけど、今回の約束になった理由が理由だけに
あんまり強く言うのも可哀想だとも思う
しかし・・・

「しょうがないなー。じゃ、行きは上り坂多いし自転車押して行こう
 その代わり、帰りは自転車乗るぞ
 それでいいだろ?」
「うん、それならいいよ」
ふぅ、出発前から何か疲れるなぁ

こうしてようやく自転車でスーパーに向かう俺たち

95 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 01:38:36 ID:Ned/CDQp0
「ねぇ」
「ん?」
「今日のあたしの服、どうかな?」
「え?どうって・・・似合ってるんじゃないかな?」
どう答えていいか分からないので適当に答える

「あー、気持ち込もってない。それに全然こっち見てないし」
「しょうがないなぁ」
千奈美の方をじっと見てみる
白いワンピースが千奈美の黒い肌に映えて
とても似合ってるな、ってのを一番に思った
それに改めてスタイルいいなーとも


「ま、馬子にも衣装」
もちろん思った事を素直に言うのは照れ臭いので
つい心にもない事を言ってしまう

「ん?孫?また子供扱いしてるでしょ!」
「え? その『孫』じゃなくて、馬の子の『馬子』って言ったんだけど」
「へ?なんで馬の話になるの? わかったあたしが肌黒いからでしょー!」

おいおい、来年受験なのに大丈夫なのか・・・
話題を上手くそらせた安心感よりも、そっちがちょっと心配になった

96 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 01:39:06 ID:Ned/CDQp0
ふぅ、ようやくスーパーに着いた
話しながらだからそれほど長くは感じなかったけど
やっぱり暑かったから、冷房の効いた店内に入ると一気に蘇った感じがする

「うわー、すーずすぃ〜!!」
「おい子供じゃないんだからあんまりはしゃぐなって
 それより何食べたいの?」
「え?○○君が作る物なら何でもえぇよん。あそこに貼ってあるチラシの大きさもA4w」
まだふざけてる千奈美。しかも何だそのダジャレは

「・・・じゃぁカレーでいいな。今レトルト安売りしてるみたいだしちょうどいいな」
「え?ダメダメー! ちゃんと考えるから許して」
「分かった! 分かったからくっつくなって!」
周りのおばさんとかが笑ってるじゃないか


「うーん・・・」
なかなか決められない千奈美
仕方ないな、ちょっとヒント出してやるか

「なぁ、好きな食べ物とかあるだろ。ちょっと言ってみ」
「え? うーんと、レバ刺し・おすし・フルーツ・スパゲッティー・なっとう・いちぢく、かな?」
スパゲッティー以外手料理では作れない物じゃないか
しかもいちぢくはフルーツなのにわざわざ言ってるし

「あ、もんじゃも好きだよ。前はキャプテンと一緒に行ってたし」
キャプテンって誰だよ!
それにもんじゃじゃあまり自分で作った感じにならないしなぁ

97 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 01:39:44 ID:Ned/CDQp0
そう言えば一緒に作りたいって言ってたっけ
だとしたらあんまり難しいのはやめた方がいいのかな?

「じゃぁさ、肉じゃがなんてどう? これは俺、結構自信あるし
 初心者でも割とすぐ作れるようになるからさ」
「うん、じゃぁそうする。材料は?」
「えっと、まずは・・・」

こうして材料を買っていく

98 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 18:51:42 ID:Ned/CDQp0
「ねぇ」
帰り道、ふと話し掛けてくる千奈美
「ん?何か買いたかった物でもあった? 今ならまだ買いに戻れるけど?」
「うぅん、そうじゃなくてさ・・・」
「じゃぁ何?」

「あのさ、あたし達ってどんな風に見られてたのかな?
 やっぱ彼氏と彼女って感じ・・・かな?」
相変わらずよく分からない奴だな。何て答えてほしいのやら

「バーカ!そんなわけないだろ。どっからどう見ても普通の姉弟だって」
「・・・・・」
「千奈美?」
「だ、だよねー。もし付き合ってるように見えたら早貴ちゃんに悪いもんねw」
ちょっとションボリしているように見える
ホント、よく分からない

「まぁ、姉弟ではあるけど、一応今日のはデート・・・になるんじゃないかな?」
「えっ?」
「あ、イヤなら別にいいんだけど」
「うぅん、そんな事ないよありがと」
その表情に一瞬ドキッとしてしまった

「それよりこれからが本番なんだから気合い入れろよ」
「うん!」
自転車を飛ばして家路につく俺たち

99 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 18:52:12 ID:Ned/CDQp0
「鍋の中グツグツ煮えろ♪ 愛を込めた肉じゃが♪」
鼻歌を歌いながら肉じゃがの鍋を見ている千奈美
包丁さばきも最初は危なくて見てられなかったが何とかここまで来れた
しかしお米の洗い方も知らないとはな・・・



「ハイ、お待たせー」
食卓に並ぶ料理
ご飯、味噌汁、肉じゃが、そして千奈美が一人で全部やると譲らなかったポテトサラダ

「千奈美、本当にこれ食べられるの?」
ポテトサラダに疑いの目を向ける母さん
まぁそうなるのも当然か

「あ、大丈夫だよ母さん。俺が何度も味見したから」
「ハイ意見! それひどいと思います」
「パ、パパはちぃちゃんを信じるぞ!」
親父・・・それを言ってる時点であんまり信用してないだろ

「まぁまぁ、二人で心を込めて作ったんだからとにかく食べてよ」

100 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 18:52:56 ID:Ned/CDQp0
「ふぅ、おいしかったなー。たまには○○の作る料理もいいな」
「うん。あたしも食べるの初めてだけどおいすぃー!」
「ホント、○○君は器用ねー。千奈美、見習いなさい」
「はぁーい。それよりポテトサラダの感想は?」
「うーん、50点かな? ね、あなた」
「そ、そうだなぁ」
「ショック大!」
自信あったみたいでちょっと凹んでる千奈美

「でもまぁ最初だしな。まぁまだちょっと危なっかしい所はあるけど
 飲み込みは早い方だと思うよ」
しょうがない、フォローしてやるか
「そうそう。こいつなんて何回もハンバーグ焦がして泣いてたんだから」
「昔の話はやめろよ親父ぃー」
「アハハハハ・・・」



「そう言えばこの前話してた旅行の話だけどどうだ?行きたい所とか決まったか?」
「それなんだけどさ、千奈美とも話したんだけど
 今回は二人で好きなとこ行って来なって」
「え?家族旅行は嫌か?」
「そうよ。みんなで行きましょうよ」

「そうじゃないけどさ、二人とも新婚旅行行ってないでしょ?
 それに一応あたし達も受験生だしね」
「まだ俺たち中学生だから旅行をプレゼントとかはできないけど
 せっかくなんだし夫婦水入らずで行って来なよ」


「うーん、そうか? でもお前ら二人だけで大丈夫か?」

101 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 18:54:04 ID:Ned/CDQp0
え?二人だけ・・・
たしかに、親父と母さんが二人で旅行に行くという事は
俺ら二人きりで一夜を・・・って何考えてんだ俺!
そんなのあるわけないじゃないか

「だ、大丈夫に決まってるだろ。もう子供じゃないんだから。な?」
徳永に同意を求めるが、動揺して声が上ずってしまった
「そうそう。あたしがいるから大丈夫だって!
 二人とも心配せずに行って来てよ」
ホッ。どうやらスルーしてくれたみたいだ

「そうだな。じゃぁお言葉に甘えさせてもらうか
 でも絶対に今度の春休みか夏休みは家族旅行だからな」
「ハイハイわかってるって」

102 :クラスメイト篇 ◆urK/YK1n62 :2008/08/01(金) 18:54:47 ID:Ned/CDQp0
「じゃぁどこにしましょうか?」
「うーん、そうだなー・・・ 温泉にでも行こうか?」
「温泉?いいわねー。だったらあたしいい所知ってるの」
「え?本当か?」

どうやら向こうは二人の世界に入ってしまったようだな
食器を片付けて部屋に行くとするか

「千奈美!先に風呂入って来いよ。後は俺がやっとくから」
「え?でも食器がまだ・・・」
「食器洗い器に入れるだけだし、お前皿割りそうだからなw」
「なんでそういう事言うの!」
「冗談だって。でも初めての事で疲れただろうしさ、ゆっくりしなよ」
「うん。わかった。じゃ、後でね」
「? あ、あぁ・・・」

後で何なんだろう
相談したい事でもあるのかな?

103 :名無し募集中。。。:2008/08/01(金) 19:07:25 ID:YN6W5YXo0
すげー久しぶりに羊来てみたらこっそりとこっちで復活してるしw
更新楽しみにしてます

104 :ねぇ、名乗って:2008/08/08(金) 23:16:21 ID:eDX6b6mzO
アク禁かな?

105 :作者 ◆urK/YK1n62 :2008/08/13(水) 16:19:54 ID:ugwTiLtFO
すいませんアク禁じゃないですw
続きでちょっと詰まってるだけですが近日中にきっと復活できると思います

106 :ねぇ、名乗って:2008/08/18(月) 23:08:43 ID:CGkzip6K0
wktk

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